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半蔵門かきもの倶楽部コミュの第102回 かとう作 「ブルーベリーマフィン」(三題噺「コストコ」「三角」「リッキョウ」)

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 コストコというのは? 馴染みのない方のために、一応ご説明しておきましょう。一従業員である私が、ここにコストコホームページからコピペさせていただきます。

コストコとは?
コストコホールセールは、高品質な優良ブランド商品をできる限りの低価格にて提供する会員制倉庫型店です。
コストコは、小規模ビジネスを対象に展開してきました。再販業者は仕入れ価格を抑えられるだけではなく、ビジネス用品を低価格で購入することができます。
個人会員の方にも、様々な商品のお買い物をお楽しみいただいています。

 そう、ざっくり言って、なんでもある、巨大倉庫みたいな、でかい会員制スーパー。カートも大人が一人か二人くらい乗れちゃうくらいでかいよ。
 とにかくなんでもでかい。店舗も、惣菜のピザも、ジュースも、ケーキも、マフィンも、買いにくる客のサイズもお会計も。
 アメリカの企業だからか、外国のお客様もいらっしゃる。TOEICのスコア八百で、もとバックパッカーの、特に取り柄がない主婦である私が選んだこの職場。ちなみに店員が着てるのは制服じゃないよ、会社から「襟付きシャツをズボンインで」って指示があるから、大体私服のネルシャツをジーパンにウエストインで働いてるけど、「あの店員の格好と接客態度が、ザ・コストコって感じだよね」ってママ友に言われたことがある。
 日本みたいに丁寧な接客を期待されないのが、この職場の気に入っている点だ。
 ここには、コス子さんが毎日やってくる。


 コス子さんの存在に気付いたのは、働き始めて二週間が過ぎたころだ。(ちなみに本場アメリカでは、Costcoをコスコと発音する)。毎日、ブルーベリーマフィンを買いに来る女性客がいる。彼女は一人で来ることもあるが、夫と思しき男性客と連れ立ってくることもあった。(誰でも結婚歴五年を過ぎれば、街行く対の男女が恋人か夫婦か嗅ぎ分ける能力が備わるものだ)
 コス子さんの、おそらく夫は、車椅子に乗っていた。それをコス子さんが押して歩いていた。ブルーベリーマフィンは、夫の膝の上にあった。
 コストコは数種類のマフィンを扱っているが、どれも、日本の一般的なマフィンより三倍は大きい。それが六つ、まとめてラップに巻かれて売られている。この大きさのマフィンを、六つも、コス子さん夫妻が毎日消費できるとは思わない。そう思わせるくらいに彼女たちは痩せていて、色が白かった。顔色がいいとは言えなくて、なんだか毎日沈痛な様子でコストコに通っていた。
 いや、私だって、毎日パートに来ていたわけではないから、それを確かめたわけではない。だけど、おそらく毎日と思わしき頻度で彼らを見かけるのだ。同僚にそれとなく聞いてみた。
「あの人たち、毎日来てますよね?」
「ああ、あのマフィンの人」
 同僚たちの間では、彼女は“マフィンの人”で通っていた。心の中で勝手に“コス子さん”と呼び始めたのは私だ。
 きっと、毎日通うくらいコストコが大好きなコス子さん。本当はいろいろ買いたいのだろうけれど、ブルーベリーマフィンだけで我慢しているコス子さん。だって、身なりからあまり裕福そうには見えない。毎日同じような、黒とかグレーとか暗い色の服を着ている。そうかと思えば、赤とか緑とか原色の、安っぽいポリのニットを着てくることもあった。レジを挟んで彼女と向き合うと、いつも肩の同じところに大きな毛玉を見つける。
 貧乏そうというか、貧相というか、それよりも、彼女たちはある種の閉じられた生活をしているようにみえた。夫が車椅子だから、生活保護か何かで生活していて、彼らはずっと家にいるのかもしれない。コストコに出かけることだけが、きっと彼らの日課なのだ。
 私は勝手に想像した。客に対して失礼なのは重々承知だけれど、それでも、他の呑気な買い物客とは違う雰囲気を、彼らはまとっていた。

 コストコっていうのはテーマパークみたいなもん。
 そういうふうに、主婦がSNSで評しているのを見たことがある。コストコで買い物するのは節約になるのか? という疑問を提起して、それに対して考察して結論を出すと、そういうことになるらしい。
 確かに、コストコでは業務用のものをまとめ買いできるので(たとえば国産さくらどり むね肉とか)、そういうものをセールのときに購入し冷凍して上手に使えば、節約になるのかもしれない。意志力と計画性で以て買い物ができるのなら、税込三八五〇円の年会費の元がとれるのだろう。
 しかし、コストコで本当に必要なものだけを買っていると思しき客は少ない。おそらく飲食店の仕入れであろうという客は、かごの中と客の雰囲気を見ればなんとなくわかる。だけど、それ以外の客は休日を利用して買い物に来た呑気な買い物客で、
「まとめ買いして節約しちゃおう」
 とか言いながらそのへんで試食に捕まり、
「あっ、美味しい」
「ほんとだ、いける」
「買っちゃう?」
 とかノリでカートに入れて、そうだ食洗機の洗剤も切れてるんだった、うわ、フロアワイパーのシートも売ってるんだ、アルミホイルが超でかい、それね、うち三年前に買ってまだ残ってるんだよアルミホイル、まじで?
 とか言って、ママ友と会話しながら進んでたら、あれ買っちゃえこれ買っちゃえ、でどんどんカートに放り込む。
 おもちゃコーナーとかおやつコーナーとか、目的もないのにぼーっと歩いていたら、でっかいアポロがある! ってテンションあがる子どもを宥めつつ、ママは自分のためにちょっとお高めの輸入物のチョコ買っちゃうから、
「三〇二六七円でございます」
 ってレジで言っても、ふうん、そんなもんかみたいな顔してる。
 私が思うに、コストコは金銭感覚を麻痺させる。商品の大きさのせいで、高いのか安いのかよくわからなくなってくるのかもしれない。普通のスーパーには売ってないようなものも売っていて、「ちょっと買ってみたい」という気にさせるからなおさらだ。
 そういう浮かれた一般客、それ以外の仕入れと思われるプロとは、一線を画した重たい空気感を、コス子さんは漂わせていた。それが、車椅子の夫にもどんよりと伝染しているように見えた。
 

 彼女がくるたびにさりげなく観察してしまうようになったのは、あの一件からだ。ブルーベリーマフィン品切れ事件。
 もう説明する必要もないくらいだけれど、とにかく、コス子さんがいつものように、朝十時くらいにやってきたとき、ブルーベリーマフィンはなんと品切れだった。確かにコストコのベーカリー部門は売れ行きがいいが、ブルーベリーマフィンはそこまで人気商品というわけでもない。だから、朝に売り切れてしまうというのは滅多にないことだった。
 ベーカリー売り場で、コス子さんは品出しをしているスタッフに尋ねた。
「ブルーベリーマフィン、どこですか」
「すみません、今日は品切れなんですよ」
 そのときのコス子さんの顔を、様子を、私は想像するしかない。だってこれは、あとから他のスタッフに聞いたことだから。私が事態に気がついたのは、店内の一番の奥にあるベーカリー売り場から、私のいた店舗入り口近くのレジまで、金切り声が聞こえてきたからだ。
「え? なに?」
 私は隣のレジのマリアと顔を見合わせた。
 マリアは、ブラジル出身で日本在住歴三十年の、三人の子持ちママだ。十八歳でなんとなーく日本に来て、なんとなーく働いて、日本で出会った日本人の夫と結婚して、日本に住むことになったらしい。
 マリアは口をへの字にして、肩をすくめた。
 女が叫んでいる声と、何かがばたばたと落ちるような音が聞こえてくるが、何を言っているのか、何が起きているのかはよくわからない。
 レジ付近にいた客も、ざわつきながらそちらを見ていたが、私はレジを打ち続けるしかなかった。
 そのうちパトカーの音が近づいてきて、二人組の警察がばたばたと入ってきたかと思ったら、警察にわきを挟まれて俯いて歩くコス子さんが、レジから見えた。
 後から聞いた話、ブルーベリーマフィンが品切れなことにブチギレて、他のマフィンを床に投げつけ出したそうだ。
「このマフィンじゃない! これじゃない!」
 と言いながら。警察が来た頃にはコス子さんは少し落ち着いていたらしいが。
 警察に連れられて事務所に入っていくコス子さんを見て、なぜかマリアがそちらに走っていった。私はその後ろ姿を見た。警察を押し退けるようにして、コス子さんの肩を抱くようにして歩くマリアを。


 コス子さんはブルーベリーマフィンも好きだが、陸橋も好きだ。
 陸橋というのは、コストコの駐車場を繋ぐ陸橋だ。
 私が勤める店舗は、駐車場がやたら広い。店舗の上にある立体駐車場と、道路を挟んで店舗の向かい側に、平面駐車場がある。平面駐車場と店舗の立体駐車場を、陸橋が結んでいるのだが、コス子さんはこれが好きなのだ。
 だって、よく歩道に佇んで、駐車場と駐車場を繋ぐ陸橋を見上げているのだ。自分は徒歩か自転車で来ているくせに。
 私はそのわきを、通勤の行き帰り自転車で走り抜けることがある。家が近くなので、休みの日に四歳の子どもを自転車の後ろに乗せて通ることもある。そんなときに、陸橋を見上げているコス子さんを見かける。
 コス子さんの、青白い顔、白い子どもみたいなソックスを履いた細い足首、太くてうねうねした、真っ黒な髪。それを眺めながら、私は自転車を漕ぐ。
「お母さん、僕ごはんおやつハンバーガーがいい!」
 後ろで子どもがそう叫んだようだが、車の音でよく聞こえない。
「え? なんて?」
 私は息子に叫び返しながら、コス子さんの脇を走りぬける。


 警察まで呼ばれたのに、コス子さんは出禁にはならなかった。
 そしていつものようにブルーベリーマフィンを買っていく。最近は車椅子の夫はあまりこなくなった。ブルーベリーマフィン品切れ事件以来、彼を見ていない気がする。
「私も、さん……かくだったのよ」
 いきなり話しかけられて、なぜかしら肩が震えた。
「えっ、さんかく!?」
 話しかけられると思わなかったので、私は動揺しながら聞き返した。コス子さんは一瞬きょとんとした顔をしたが、すぐに柔らかく微笑んで言い直す。
「さんかくじゃなくて、三人家族」
 その顔が意外と優しくて、私は彼女も親なのかもしれない、とふと思った。
「あなた、いつも自転車でお子さん乗せて、陸橋の下を走ってるでしょ」
 見られてたんだ、と思うと、変な汗が出てくるのを感じる。
「七九八円ちょうだいします」
 そう言ったのに、コス子さんが財布を出す気配はなかった。
「そうね、でも、三角だったのかもしれない」
「あの」
「私とあの子と夫で、三角。でも、夫と二人じゃただの線にしかならない。もう点に途切れかけてるけどね」
 コス子さんは千円札をトレイに置く。私は聞こえなかったふりをしながら、千円札をとりおつりを置いた。
 コストコと、ブルーベリーマフィンと、陸橋が好きで、意外と詩的なコス子さん。
 ブルーベリーマフィンは、今シーズンで販売終了になる。そのことを、誰か彼女に告げたのだろうか。私はぼんやり考えながら、彼女の背中を見送った。


 どうやら、販売終了のことは誰も告げなかったようだ。
 だって、やはりコス子さんは、ベーカリーのフロアでキレまくっていたから。いや、キレたといより、壊れてしまった。今日はマフィンを投げたりせず、フロアにうずくまり、拳で床をどんどんと叩いていた。
 スタッフが販売終了のことを告げたら、文字通り泣き崩れたらしい。
「なんで、なんでなくなっちゃうの。これから、どうしたらいいの」
 たまたま近くで作業をしていた私とマリアが、その場に駆けつけた。というか、マリアがその声を聞いて走っていったので、私もそのあとをついていくしかなかった。
 そこには、床に崩れ落ちたコス子さんと、ベーカリーのスタッフと、店長がいた。
「どうされました、救急車呼びます?」
 腕組みをしたまま、店長は不機嫌そうな顔で言った。内容の割に、言葉がぞんざいに響く。
「それとも警察かな」
「呼ばなくていいよ」
 答えたのは、マリアだった。しゃがみ込んでコス子さんの肩に手を置き、きっぱりとした口調で答える。
「なに? マリア」
「事務所いきましょう」 
「え? なんで?」
「いいから」
 まだ三〇代半ばの店長から見れば、マリアはぎりぎり母親になれなくもない年齢だった。店長と一アルバイトという関係であるが、マリアは気にせず普段から言いたいことを言う。
「あなたも来て」
 マリアはなんとかコス子さんを立たせてから、私を見て言う。私はよろよろしているコス子さんを、マリアの反対側から支えて歩いた。

「あなたたち、日本人のくせに、どうしてこういうことに気を配らない?」
 事務所に入って怒りの混じった声を上げたのは、マリアだった。
「なぜそんなに無関心?」
 両手を広げて私と店長を責めるマリアと、休憩用の椅子に座って俯いているコス子さんを、私は交互に見た。わけがわからない。
「なに? どうしたの?」
 店長の口調はまだ、そのとき呑気だった。マリアが続けて詰問する。
「知らないの?」
「だから、なにが?」
 店長が言うと、マリアは大きなため息をついた。意味がわからないが、私はなぜだかこの場が滑稽なような気がして、少し笑ってしまった。意味がわからずぼんやり立っている私と店長と、なにかに憤るマリアと、魂が抜けたように俯いて座っているコス子さん。
「もういいんです」
 蚊の鳴くような声で言ったのは、コス子さんだった。その場にいる全員がそちらを見る。
「ブルーベリーマフィンは、あの子の好物でした」
「あの子って?」
 まだ気の抜けた声で聞き返す店長が、私は初めて怖くなった。いくら鈍い私でも、コス子さんの大切な“あの子”が、この世にもういないことがわかったからだ。でもそれで私たちがどうしてマリアに怒られるのか。そのことには考えが至らなかった。
 コス子さんは震えた声で続ける。
「わかってるんです、こんなこと、続けたって無駄だって。ご迷惑でしたよね。すみません、自分の気持ちをどう持っていっていいかわからなくて」
 コス子さんは立ち上がった。
「もうここには来ません」
「そんなこと言わないで」
 止めたのはマリアだった。マリアは泣いていた。
「私も子どもを亡くしたよ。十八のころ。お腹の中でだったけどね。少しだけだけど、わかるよ、あなたの気持ち」
 マリアはコス子さんを抱きしめる。くっつきあったまま、二人の肩が震えた。
「もう随分前のことなのに」
 コス子さんは、マリアの肩に顔を預けたまま、喋り出した。声がくぐもって聞こえる。
「地震で、この店の駐車場の陸橋が落ちました。私はそのとき家にいて、夫とあの子の帰りを待っていました。あの子が、コストコのブルーベリーマフィンが食べたいって言ったけど、お母さんはまだ家事が終わってないからって、そしたら、僕お父さんと二人で行ってくるって」
 最後の方はもう言葉になっていなかった。コス子さんは、次の言葉を言うために、言おうとするために、ずいぶんしゃくりあげないといけなかった。言いたいことがあるのに、嗚咽が止まらない。その葛藤が伝わってくる。
 コス子さんの嗚咽の間に、私は思い出したことがあった。
 もう十年以上前の地震だ。私はまだ学生で、もちろんコストコでは働いていなかった。ニュースでただ、地震によってどこかの店舗の立体駐車場の陸橋が崩落して、人が亡くなった、というのを見た記憶があった。地震の震源地は東北で、陸橋が崩落したのは関東だ。
 震源地から遠いのに、死んじゃうなんて、不運な人たちだなぁ。
 その当時はそのくらいにしか思っていなかったのだ。その後裁判が長引いているというニュースを見て、まだやってるんだ、と私は思った。その店舗が自分の働き始めた店だと、頭のどこかにはあったはあずなのだ。ただ、意識上に取り出して考えたりしなかっただけで。
「息子は亡くなったけど、夫はなんとか生きて帰ってきました」
 コス子さんはなんとか声を絞り出す。
「私も行けばよかった。私が“お母さんも行くから、もうちょっと待ってて”って、言えば、あの子は死ななかったのに」
「あなたのせいじゃないよ」
 マリアが言った。
「わかってます。わかってるけど」
 コス子さんが答える。マリアの肩を押して、体を離す。彼女は、涙で真っ赤になった目で、私たちを交互に見ながら言った。
「わかってるけど、でも絶対、私の立場なら、思うでしょう? あのとき、“待って”ってあの子を止めてれば。あの子を、そもそもコストコに連れて行かなければ。ブルーベリーマフィンなんて買って与えなければ。そうしたら、まだあの子は私の隣にいたはずなのに」
 彼女はそう言って、また泣き崩れた。テーブルに手をかけ、苦しそうに喉の奥の叫びを押し殺す。
 私は、彼女の夫の顔を思い浮かべた。そして、地震の日、この店で亡くなった、彼らの子どもの顔を。私はそのこの子の顔を、ニュースの顔写真かなにかで見たかもしれない。
 その次に、買い物客の顔を思い浮かべた。実際に見たかもしれないし、頭の中で適当に合成しただけかもしれない、とにかく買い物客たちを思い浮かべる。
 コストコにさえこなければ。ブルーベリーマフィンなんて買わなければ。
 その後しばらくして、私はコストコを辞めた。

コメント(24)

遠方のため、会には参加できないですが、思いついたので投稿してみました。よろしくお願いします。
駐車場を繋ぐ陸橋というのが、イメージしづらいかなと思って、一応画像添付してみます。
今住んでる地域にはこういうものがあって、関東に住んでるころはあんまり見かけたことがなくて。
たぶんこういう構造のコストコの駐車場はなくて、事実と異なりますが。
「リッキョウ」というキーワードを物語の中に必然性を持って登場させるのが難しく、こういうかたちに無理矢理捻り出しました。三角というのも、ちょっと厳しい登場の仕方ですが……お題が難しかったですあせあせ
コス子さんの気持ちがせつなかったです。あと、マリアさんのキャラクターが好きです。

陸橋の写真はイメージがつかめてよかったです。都内だと駐車場は地下が屋上で、隣地に渡るだけのスペースがないので、都内在の自分にとってはわかりやすかったです!
余談ですが、何だかコストコに行きたくなりました。昔、会員だったんですが、車がないとなかなか行けないので、車をやめてからは行くことがなくなりました。
でも、コストコの雰囲気や店内の様子が活き活きと描写されているのをみて、またゆきたくなりました。

ストーリのせつなさとコストコの楽しい雰囲気のコントラストが、甘いものに塩を一振りするような味わいをみせ、ラストのやるせない悲しさをひきたたせていると思います。

久しぶりの作品参加、ありがとうございます!!
次の作品も楽しみにしています。
>>[15]
コメントありがとうございます!やっぱり、関東には陸橋のある駐車場、ないですよね。中国地方に引っ越してきて初めてみたかもしれません。
コストコ、楽しいですよね。ついつい書いすぎてしまうあるある的なことを書いてみました。

お褒めの言葉いただき恐縮です。創作の励みにさせていただきます!
はじめまして
かとうさん えっと僕は文芸部最近参加したものです
楽しく&苦しく毎月なんとか上げてますが
三題噺はただでさえ大変なのに
今月は特に「コストコ」っていうワードが入ってる・・
行ったこともないのに・・・・と頭抱えてたとこです^^
どっぷりど真ん中にコストコ入れてちゃんと物語になっててすごいです
(お題出す人。。。三題噺の時手加減考えてほしいわ・・・=愚痴です^^)

主人公がコストコ紹介しながら、さりげなく従業員であることや
英語できることとかどうして従業員なのかさらっと納得させる書き方が
勉強になりました。

ついつい書きすぎとロイヤーさんのとこに書かれてましたが
ディテールが現実感になると思うので
ついつい3年分アルミホイル買っちゃったとかすごく
イメージできました。

あるあるなんだろうな・・・とおもうことを
一人称の主人公に語らせることで
主人公に命吹き込んでるんだなと思います。
(=僕にとってはコストコって未知だから
あるあるになるために主人公を理解するのに重要なプロセスです)
書き方とても啓発されました。ありがとうございます。

(かとうさんに言わんでもいいんですが・・・
 はあ、コストコ・・・厳しいな。今月どうしよう・・・と思ってます^^)
>>[17]
はじめまして!私は文芸部の遠方部員?です。
ほんとですね、今回のお題難しかったです。私は「リッキョウ」が悩ましかったです。コストコは、会員だったので、まだ様子がわかったのですが。
でも変なお題が入ってると、「びっくりするような入れ方してやる」みたいに気持ちが掻き立てられますあせあせ
が、今回はお題を出されたロイヤーさんの予想通りのもの(コストコについて、あのことを書いてくる人がいるだろうな、という)を書いてしまったようなので、ちょっとそのへんのトライは失敗してます……

今回は、「コストコに行ったことない人も読むかもしれない」と思い、説明的なことも入れてみました。これで伝わるか不安でしたが、あるあるとして伝わってよかったです。
ほんとに!アルミホイルがでかすぎて、「これ何年前に買ったの?」ってなるんですよね。そしてそれがお得なのかよくわからないという……ママ友とまさにそんな話をしたことがあります。
私が主婦で、主人公も主婦にしたので書きやすかったのかもしれません。

私がこんな視点なので、「コストコに行ったことがない人から見るコストコ」みたいなものが見たいような気もします。
あやふやなイメージから生まれてくるものも結構面白いですよね。

三題噺のテーマをきちんと捉えて作った作品で頭が下がります。店員の視点というのが、素晴らしい設定ですね。「彼女たちはある種の閉じられた生活をしているようにみえた。」などの記述が上手で、登場人物が生き生きし、コストコの中のリアリティがあります。ストーリーもきちんと起承転結でまとまり、読みやすかったです。今度は加藤さんの日常生活を描いた作品を読みたいと思いました。
>>[21]
ご感想ありがとうございます!主人公のキャラが伝わってよかったです。
私の日常生活ですか!なにも面白いことないですが汗。機会があったら書いてみたいです〜
こちらも、制作意図的なことを書いてみます。長くなりましたので、読み流していただいても大丈夫です。
これは、私が普段ぼんやり考えていることを、あるある的に?物語に昇華させてみました。
普段いろいろ考えるどうでもいいことがあって、誰かと「こんなことあるよね〜」みたいな世間話がしたいんだけど、それをするのが難しいから作品にしたような感じです。


子どもが亡くなるような事故が起きたとき(事件ではなく、たとえば交通事故とかバス置き去りとか)、必ずネットニュースでは、「誰が悪い」みたいな議論になりますよね。他人や施設が悪かったり親が悪かったり、その時々で変わるわけだけど、まあ大体物事は「悪意はないけど過失であった」みたいな感じで、どこかしらに責任があるわけですよね。(本当に誰も悪くないパターンもあるかも。保育園の保育時間中に乳幼児のSIDSが起きた、みたいな事故はすごく微妙ですよね)
で、ネットの、ヤフコメとかで、「こいつが悪い」と猛烈に責める人もいれば、逆に「いやいや、誰にだって過失はあるから仕方ないよ」みたいな擁護や共感のコメントもあったり。
私はなんとなく、事件に関係のない第三者=傍観者も、責任の所在を明らかにすることで、「私の子どもは大丈夫」と安心したい気持ちもあるのかなぁと思います。
誰かが悪いとしても悪くないとしても、生きている以上リスクは絶対にあるというのが一番大きいのではないかとも思いつつ。

で、なんというか、事故の責任の所在が明らかになったとしても、結局子どもが亡くなったという事実は変わらないし、関係者(特に親)の後悔はなくならないんじゃないかな。
そういうことが、私の考え事の核でした。
うまく説明できないですが、たとえば数年前に起きた、池袋の高齢者ドライバーの暴走による死亡事故、これは明らかにドライバー側に責任がありますね。
が、被害者遺族の松永さんが、どこかでお話しされてたんですが、たしか当日奥様から電話がかかってきていて、「僕があのとき電話をとれていたら、タイミングがずれて事故に遭わずに済んだのかな」ということでした。(うろ覚えなので違ったらすみません)

絶対に、被害者も遺族も悪くない、責任は相手側にある。
でも、そうだとしても、どうしても遺された人は、「あのとき私がああしていれば、彼らは死ななかったかもしれないのに」という後悔に苛まれるんだと思います。その一方で、もちろん相手を責めたり、なんというかそこは割り切れない思いがあるのではないかと。
だって、相手が悪かろうがなんだろうが、「そこはどうでもいいから、大切な人を失いたくなかった」という気持ちがあるでしょうし。一方で、悲しみのやり場として相手を責める方にいく人もいるでしょうし。
そういうときに、第三者が「あなたは悪くないよ」と言ってきても、なんにも救いにならないでしょうね、とか思いまして。


そういう割り切れない思いが、なんというか、もっとレジャー的な要素と組み合わさったら、もっとやるせないんだろうな、みたいなことを、私は日々ぼんやり考えるときがあります。
例えばテーマパークとかに家族で遊びにいっているとき、「今地震とか起きて家族が亡くなったら、運悪く自分だけ遺されたら、“ああ、今日遊びに来なければよかった〜”とか、あとから思うのかな」みたいな。
よかれと思ってやったことが最悪の結果を招く、でも、自分に過失があるわけではない。
そういうのは、言葉は悪いけど滑稽だなぁと思いまして(ものすごいやるせなさも産むと思いますし)、それを作品にしてみたくなったのでした。

で、コストコというキーワードと、上記のぼんやりした思いが、数年前に起きたコストコの事故と繋がりまして、こんな作品になりました。
実際の事故を扱うなら、もっと配慮とかして丁寧に作らなきゃいけないし、こういうのネタにして作品を作るのは無神経なんだろうとも思いますが。
と、制作意図は書いてみましたが、それが作品で伝わらないとあんまり意味ないんですよね……とも思いつつ。
「どうしてコス子さんはブルーベリーマフィンを書い続けるのか」みたいな謎解き?ではないんですけど、そういう「隠された真実を明らかになる」みたいな起承転結のほうにインパクトがいってしまったら、さらに意図は伝わりづらいのかな、と思いました。
でも、読ませる要素も小説には必要なんだろうし、読者に伝えたいことだって、あんまりはっきり書きすぎたり、なんか作意が見えすぎても興醒めなんだろうし。
読者の心を自然に動かせたらいいんだけど、難しいですね。
大した作品じゃないのにいろいろ語っていて恥ずかしいですが、なんか上手にこういうことが書けるようになったらいいなぁ、と思います。そのトライアンドエラーの過程の作品ということで、生温かく読み流してくださると嬉しいです……

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