半蔵門かきもの倶楽部コミュの第93回　かとう作「海（仮）2」

　暁が産まれたのは、あさひが五歳を迎えた夏のことだった。
　赤ちゃんはあさひと同じ、夏生まれ。
　そう思うだけで、幼いあさひの心が踊った。
　暁が産まれた朝、コットの中にいる幼い暁があさひの指を握り返してきたことを、今でも鮮明に覚えている。その指の感触も。おでこに鼻先を近づけると、新生児はなんだか甘い匂いがした。
　大きな黒目が不思議そうにこちらをじっと見ていた。その瞬間、あさひは胸を射抜かれて、幼いながらにその眼差しが自分の人生を動かしたように思った。そしてその予感はある程度そのとおりになった。
　たしかに、産まれてまだ一日も経っていない暁の目に、あさひが映っている。
　そのことが、当時五歳のあさひの心を大きく揺さぶった。
　暁の母親である茜は、産気付いて当時あさひの母親が働いている病院に運び込まれた。あさひの母親もまた、総合病院の助産師として働いていた。そして茜の出産のときには、その場にあさひの祖母もいたはずだと、あさひは記憶している。
　ただ、あさひの父親だけが、出張かなにかで珍しくその日、家にいなかった。父親は出張から帰ったその足で、その日の夕方、暁と茜が入院する病院を訪れた。
「茜さん、おめでとうございます」
　あさひの父親は、ベッドで寝ている茜に向かって言った。
「抱っこしてもいいかな」
　あさひの父親の問いになにも答えず、茜はずっと、不貞腐れたようにそっぽを向いていた。父親は、そっと新生児を抱き上げた。
　世界一壊れやすいものを、そうっとそうっと持ち上げて、優しく胸に引き寄せる。そのときの父親の下がった目尻を、あさひはよく覚えている。あさひはその日幼稚園をサボってずっと病室にいたが、暁を抱っこすることを許されなかったからだ。また、幼いながらに、下手に扱ったら壊れてしまいそうな新生児に触れることは、恐ろしいことだった。
「名前はどうするの？」
　やはり茜は無言だった。
「早く決めてあげないとね。手続きとかあるし」
「じゃあ、中村さんがつけてくれませんか？」
　中村さんとは、あさひの父親のことだった。
　それで、あさひの父親が新生児を暁と名付けた。暁には、名前をつけてくれるような父親がいなかったからだ。
　それがあさひが覚えている、暁が産まれた一日に起きた出来事のすべてだった。
　

　あさひが久しぶりに実家に帰ってきたその日、父親はすき焼きを用意して待っていた。
　それであさひは、父親は急な帰省に戸惑いつつも歓迎してくれていることを感じ取った。いつもは年末くらいしか帰省できていないが、そのたびに父親はすき焼きを作ってくれるからだ。あさひがすき焼きが好きだと公言したことがないにも関わらず。
　しかし、今回その準備は暁と一緒に行われたようだった。
「二人は座ってて。先飲んでていいよ」
　そう言いながら、暁はリビングダイニングに続く台所で、夕食の準備をしてくれたからだ。
　暁が台所に立っている。
　そのことを、あさひはダイニングチェアに座りながら、驚きを持って受け止めていた。
　先に簡単な乾杯だけ済ませていた。ダイニングに向かい合って座ったあさひと父親は、目の前に暁が並べていくすき焼き鍋や具材を見ながら、缶ビールに口をつけていた。暁も、台所とダイニングを行き来しながらビールを飲んだ。
「あさひちゃんのお箸これでいいんだっけ？」
　そういう質問をキッチンカウンターの向こうから投げかけてくる。
　台所で働く暁の様子を見ながら、あさひは暁がこの家を割と頻繁に出入りしていることを知った。あさひの箸がどれなのかわからなかった以外は、台所のどこに何があるかなど、完璧にわかっているようだったからだ。
　暁の母親である茜は、暁を妊娠中この海辺の町のアパートに一人で暮らしていた。そのアパートは現在は取り壊されてしまったが、あさひの実家の、国道を挟んで向いにあった。暁が産まれてからは、茜はアパートとあさひの実家を行ったり来たりするようになった。時期によってはあさひの家にほぼ入り浸りだった。
　茜がアパートの支払いができなくなってからは、結局母子は中村家の居候になってしまった。
　しかし居候もそう長くは続かず、茜はあさひの母親のサポートもありなんとか自立した。あさひの母親が働く総合病院で、介護士として就職したのだ。茜は今度は暁と一緒に暮らすために、また同じ町内にあるアパートを借りた。
　暁が高校生のときに茜が亡くなったあとは、暁は高校を卒業して隣の市で一人暮らしを始めたときいたが、これは暁から直接聞いたわけではない。帰省のたびに、あさひの家族が暁の近況をぽつりぽつりと教えてくれた。
　暁のことに関して一番饒舌だったのは、あさひの祖母であったが、彼女は数年前から介護施設に入居していた。
「じゃあ食べようか」
　暁があさひの隣に座って言った。
「あ、改めて乾杯する？」
　暁は言い直す。体をねじって、あさひの顔を真っ直ぐに見つめながら。
　距離が近い。
　まずあさひは思った。そしてそのことに動揺した。
　あさひの家のダイニングテーブルは比較的小さい。あさひには兄弟がいないため、もともと祖母を合わせて四人家族のための家具しかない。娘一人の四人家族には大きなダイニングテーブルは必要ないが、今ここで暁と隣あって座ると、時折肘と肘や、膝と膝がぶつかる。しかも暁はそのことを厭わず、むしろ放っておくとぐいぐいあさひに寄ってくる感じがする。
　距離が近いというか、距離感がない。
　六年ぶりに会う暁を前にして、あさひは彼にどう接したらいいか、まだ掴めないところがあった。
　最後に会った日、暁は十七歳だったはずだ。あのころはまだ少年っぽさが残っていた。しかし、隣にいる暁はもう立派な青年だ。
　ゆるやかな癖毛も、染めてないのになぜか少し茶色い髪の毛も、平行に伸びた眉毛もその下のいつもどこか眠たそうなまなざしも、何も変わっていない。鼻にかかった声がなんだかあさひに対してはいつまでも甘く響くことも。
　しかし、子どもの頃からふっくらしていた頬は心なしか削げて骨格がはっきりしているし、それをうっすら無精髭が包んでいる。
　まるで姉弟のように育ったあさひと暁であったが、この変化は劇的だった。誰よりも密度が濃く一緒に過ごした子ども時代を過ぎて、思春期になったら暁は急激に離れていった。それなのに今日突然再会したら、まるでなにごともなかったかのように、ものすごい距離感を詰めて接してくる。
　そんな暁を、あさひはどう扱ったらいいか、まだつかめずにいた。
　思えば茜さんも、どこかラテンっぽいノリの人だったな。
　どちらかというと内向的な気質のあさひはそう思い出す。
「乾杯って、なにに？」
　いろいろなことに思いを巡らせつつも、なんとか暁の問いに答える。
「だって、あさひちゃん、帰ってくるんでしょ？　そのお祝い」
「え？　帰ってくるって？　この家に？」
「仕事、辞めたんだよね？　こっちで働くんじゃないの？」
　そこで、あさひは暁が勘違いをしていることに気がついた。向かいの席で父親がなにか言いたげに口を開くが、言葉を挟むタイミングをはかれないらしい。あさひと暁が話すたびに、「あ」と声をあげるが、
　あさひははっきりと否定した。
「違うよ、休職しただけだよ。辞めてないよ」
　あさひが言うと、それまで頬をゆるめてあさひだけを見つめていた暁が、急に真顔になってしまった。それでも暁はあさひから目を離さないので、彼女はたじろいだが、続けた。
「休んだらまた向こうの病院に戻るよ。帰ってくる気ないし。いつまでここにいるかはわかんないけど」
　あさひはその自分の言葉によって、そうか私は戻るのか、ここに帰ってくるつもりはないのか、と自分の気持ちを知ることが、なんだか少し奇妙に感じた。帰ってくる特急電車の中では、自分は助産師に向いていないから辞めるべきではないのかとくよくよ悩んでいたというのに。
　そうすると、なんだか不思議なほどに力が湧いてきて、またこの足で病院に戻りたい気分にさえなっていた。
　一方で暁は、急に手で顔を覆って項垂れ、大きく息を吐いた。
「帰ってくるんじゃなかったんた」
　事実を確かめるように、あさひの言葉を反復する。あさひは頷く。
「また戻っていっちゃうんだ」
　落胆を隠しもせず、しかし妙に慣れた手つきで、暁はステンレスのボウルに入った具材を、すき焼き鍋に入れていった。そこで率直に気がついたことを、あさひは口にした。
「暁、料理するの？」
　ねぎの切り方が、家族のそれと違うと感じたのだ。
　あさひの両親はどちらも料理をするが、母親がねぎを切るときは、もっと大きい。そして父が切るとばらばらな大きさになる。今日のねぎは小ぶりで、かたちが揃っていて、切った主の几帳面さを体現しているようだった。それはあさひの中の暁のイメージとは違うものを表していた。
「ねぎの切り方綺麗」
「でも、あさひちゃんが帰ってこないなんて」
　あさひの褒め言葉を接続詞で受け止めながら、鍋に具材を入れる手は止めずに、暁は失望に浸り続けた。
　え、なぜ？
　あさひは心の中でつぶやいた。
　暁は幼少期、あさひによく懐いていた。一緒にいるときは、ほぼずっと体の一部をあさひにくっつけてきた。あーちゃん、あーちゃんと追いかけ回してくる幼児を、あさひもあさひで愛おしく感じていた。
　しかし、それは子ども時代のことだった。思春期のある時期から、暁は急にそっけなくなり、あさひの家にも来なくなった。
　暁の母親・茜は生涯未婚の母を貫いた。暁を妊娠してから仕事を辞めてしまい、頼れる親族はおらず、社会的な支援にも繋がれず、まったくの孤立状態だった。暁の父親について、茜は最後まで誰にも明かさなかった。
　あさひの両親の助けがあって、暁を無事出産、また社会復帰することができたが、昼の間あさひと暁の面倒を見ていたのは保育園や祖母だった。あさひの両親はずっと共働きだったからだ。暁が小学校に上がってから、暁は放課後毎日あさひの家にきて、あさひの祖母と三人で過ごしていた。そして夜になると茜が迎えに来て帰るが、月に何度かある茜の夜勤の日には、暁はあさひの家に泊まった。
　
　暁が中学生になる少し前くらいから、暁はあさひの家に寄り付かなくなったし、なにより中学生なら一人で留守番ができる。あさひはそのころ、大学の看護学部に入学し、一人暮らしを始めていた。
　暁との距離は、精神的にも物理的にも急速に遠くなったが、それは自然の成り行きだと当時のあさひは捉えていた。思春期の男の子はそういうものなんだと思い込んでいた。
　暁が高校二年生を迎えるころ、あさひが大学四年生で助産師になるための実習に忙殺されていたとき、茜は海で行方不明になった。警察による捜索が二週間続いたが成果を得られず、捜索が打ち切られた六年前のあの日、暁は突然一人暮らしのあさひのアパートを訪れた。
　あの日から今まで全く会っていなかったのだ。
　あさひがその後就職し、年に一度ほど帰省しても、暁は姿を見せなかった。暁は近くに住んでいると聞いていたし、自立してからも時折両親や祖母には会いにきているようなのに。避けられているのだ、とあさひは思っていた。
　それなのに、なぜ？
「飲むか」
　それまでずっと黙っていたあさひの父親が独り言のように呟いて腰を浮かせかけたが、それよりも早く暁が立ち上がり、キッチンに向かい冷蔵庫のドアを開けた。缶ビールと酎ハイの缶を両手に戻ってくる。そして黙ってビールを父親の手元に置いた。
　暁はまたあさひの隣に座り、缶酎ハイのプルトップを開けてごくごくと飲む。
「お酒飲めるんだね」
　これもまた、あさひの発見だった。缶に印字された「ストロング」「九％」「五〇〇ml」という文字と、ぐびぐび動く暁の喉を眺めながら、呟く。しかし、そのぐびぐびがあまりに長く続いたので、あさひはつい缶に手を伸ばして暁を止めた。
「飲みすぎ」
　すき焼きの鍋がぐつぐつ煮えていた。
「そろそろいいんじゃない？　これ和牛？　超美味しそう。肉久しぶり」
　誰もしゃべらなくなってしまったので、普段どちらかと言うと無口なあさひの口数が不自然に多くなった。暁の浮き沈み次第でその場の雰囲気がさっと変わり、あさひがなぜか必死にとりつくろってしまうのは、昔から変わらない。
「ねえ、お父さん、牛ってちょっと赤くても大丈夫よね？」
「ああ。牛なら大丈夫」
　そういうときの自分たちの姿が、ちょっと滑稽に思えるのも前からだ。暁はまた缶酎ハイに口をつけた。あさひは暁の「ぐびぐび」に動揺し、声をかける。
「暁、お肉食べよ」
「肉いらね。お腹いっぱい」
　暁が缶をテーブルに置いた音が、妙に軽く響く。あさひは思わず缶を持ち上げた。
「こんなに飲んだの！？　いきなり飲みすぎだよ。何も食べてなかったでしょ？　酔うよ」
「だってぇ」
　急に暁が泣きべそ顔になる。暁が泣きそうになると、あさひは妙に心がかき乱される。
「あさひちゃんが帰ってこないなんて」
「だから、なんで？」
　あさひが思わず問うと、今度は暁が「え？」という顔をした。
「全然会ってなかったじゃん。別に、今更私がいなくても、関係ないでしょ？」
「だって、今度はほんとに帰ってくると思ってたのに」
　あさひは勢いで自分が思った以上に直接的なことを言い、それに対する暁の答えは答えになっていなかった。
「嘘つき」
「え！？」
　暁の矛先が急にあさひの父親に向かったので、肉に齧り付きながら父親が肩を震わせた。もぐもぐと咀嚼しながら暁を見返す。
「だっておじさん、あさひちゃん帰ってくるって言ったじゃん」
「言ったけど、仕事辞めるとは言ってないよ」
「言ったよ。辞めて帰ってくるって」
「違うよ。あさひは休職して、その間里帰りするって言ったんだよ」
「言ってないよ。辞めて帰ってくるって言ったよ、ローソンで」
「ええ？」
　急に具体的なことを言われて父親は困惑の顔をしていた。
　水掛け論だ。
　あさひは思った。それに、休職だろうが退職だろうが、一時的な里帰りだろうが完全なUターンだろうが、この人たちには関係ないんじゃないか。
「帰ってくると思ってたのに」
　恨みがましく暁は繰り返したが、それきりまた黙ってしまった。また重たい沈黙が食卓を包んだ。
「おれだって寂しいよ」
　その沈黙を打ち破ったのはあさひの父だった。しかも、その声が涙で震えている。
「お父さん？」
「一人娘だぞ。心配なんだよ。ただでさえいつも寂しいのに、休職だ退職だって」
　そう言って眼鏡を持ち上げ、目尻をこする。
「ちょっと、泣かないでよ」
　父親の涙はあさひの心をかき乱した。なにか見てはいけないものを見ているような気持ちになる。父親は上を向いて目頭を押さえて黙ってしまった。隣では、暁が鼻をぐずぐず言わせている。あさひはテーブルの上のティッシュを一枚引き抜いて、暁に押し付けるように渡した。
「暁まで。男が泣くな」
「だって」
　暁の顔がさらに歪む。
「それに男とか女とか関係ないぃ」
　そうだ、泣くなと言われれば言われるほど、泣いてはいけないと思えば思うほど、涙はあふれてくるのだ。
　そのことを、あさひもつい最近体験したばかりだった。
　そして今自分がさらりと性差別的な言葉を発してしまったことに、たじろいだ。普段は意識してそういうことを言わないようにしているのに、なぜ今久しぶりに会った暁に言ってしまったのか。大の大人二人の涙に動揺したせいか。
　そもそもあさひは、自分のことをあまり女と意識していない。いや、自分を女だとカテゴライズしていいのか、不安になるときがある。自分を女と実感できるできごと、つまり恋愛が、あさひの身にふってきたことがなかったからだ。
　それなのに、女であるということが邪魔になるときがある。
　いつしかあさひは女を封印したが、そのあさひが、助産師という女にしかできない唯一の仕事をしていることは、少し不思議なことだと、あさひは振り返った。
「おれはあさひちゃんが戻ってくると思って」
　そう言ったきり暁は静かに泣き始めたので、あさひはもう放っておくことにした。とりあえず肉に箸を伸ばす。
　暁のあさひへのこの気持ちの強さは、兄に対するものと似ているのかもしれない。
　あさひはそう納得することにした。
　それ以降は皆黙々と肉を食べることにした。
「ちょっと、あんたたち。なんでこんなお通夜みたいな空気ですき焼きしてるの？」
　仕事を終えて帰ってきたあさひの母親は、そう言って三人を雰囲気を不気味がった。

コメント(3)

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[1] mixiユーザー 02月15日 16:38

登場人物の読み仮名を振り忘れました。暁は「さとる」と読みます。

[2] mixiユーザー 02月16日 17:13

　まだ、仮題のようですが題名は『海』になったのですね。
　海辺の町という設定は素敵です。
　海は母なるもの、生命の源泉を連想させます。
　漢字の文字にも母が入っていますし、フランス語では女性名詞ですしね。
　生まれくる子と母のモチーフのルフランが印象的な本作では、マッチングした題名と舞台であるという感想を持ちました。

　なるほど、曉は弟ではなかったのですね。
「父はいつもワンテンポ遅い。そういえば、暁が産まれたときもそうだった。
　そのことを思い出すと、あさひの顔がゆるんだ。
　そうだ、これは暁だ。産まれたときから可愛くて、激しくて、成長してもその二つの性質をずっと貫いていた、あの暁なのだ。」
　という文章からてっきり弟だろうと思ったのですが、再会のシーンでは「男」という表現を連発して、あさひは曉に対し「男」を意識しており、しかもそれが禁忌の愛という雰囲気でもないので「？」と思っていたのですが、この回で納得しました。
　父親の無い曉と名付け親のあさひの父という関係もいいですね。曉と「父」の関係性から何が出てくるのかも楽しみです。

　この回を読んで「美容師」が背景だというのがよくわかりました。
　美容師推しでしたので、非常に残念ですが、もう出る幕がないと感じました。
　片思いの隣のアパートの部屋に住むきれいなお姉さんが、結婚して引っ越してしまったような虚脱感です。

　これからは、あきらめて曉推しになるかどうかですが、年齢的にあさひより５歳も若いとなると、自己投影はこれまた無理がありそうなので、いっそ、お父さん推しになってしまおうかと思います。
　週末は吉牛で一人で牛すき鍋膳をつつきながら、緑の硝子瓶の日本酒を手酌酒して、本作をスマホで再読しながら、お父さんに感情移入してもらい泣きするかもしれません。
　そして、隣でネギダク＆ギョクをかきこんでいる男性に殺伐とした視線で睨まれるかもしれません。
　よく書けた小説は感情の麻薬で、心を揺さぶられますのでほんとうに危ないです。
　これを読まれている方で、もし、近所の吉牛で牛すき鍋膳を食べながらスマホ片手に泣いているオッサンを見かけたら決して声をかけないで下さい。
　それは私かもしれません。

[3] mixiユーザー 02月16日 20:08

>>[2]
丁寧なご感想ありがとうございます！励みになります。海はフランス語では女性名詞なのですね。やはり、ありがちかもなんですが、母なる海とか羊水とか、そういうイメージがあります。
静岡とかをイメージして書いていますが、あんまり土地に詳しくないし、海辺に住んだこともないのでどう表現してよいやら考えあぐねています。

ロイヤーさんのたとえ話に笑ってしまいます！牛すき鍋御膳は美味しいですよね。
暁をもっと魅力的なキャラにしたいですが難しいです。あさひ父は、個人的に気に入っているキャラです。
主要人物があと何名か出てきますので、ロイヤーさんの推しになれるようなキャラに育てたいと思います！

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