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半蔵門かきもの倶楽部コミュの第43回テーマ選択:色 タイトル:「幸い、根が明るいので、」

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空の色はスカイブルーでは無い。
曇天だ。
旅行なんかではどうしても、スカイブルーが歓迎されるのは仕方ないのかもしれない。
だって写真写りが違うもの。
でも雲間から射す光は美しいのだ。
そして曇天という響き。
何とも力強さを感じるのは私だけだろうか。
職場の部署移動があってから、よく空をみるようになったと思う。
多分すぐ側に窓があるからだ。今まですっかり、外の空気を忘れていた事に気が付いた。
空気が淀み、息がし辛くなっていたとしても、慣れてしまえは中々、気が付かないものなのかもしれない。
だから、窓際に来る事が出来たのは良かったのだなと思っている。
それでも、移動の最後の挨拶の後、呼び止められすっと差し出されたその手を、受け取めたくはないが避ける事も出来ず、捕らえられた袖口の、あの感触。
延びてくる手の動きは、やけにゆっくりと鮮明で、とても気持ちが悪かった。ああまるで空気は生き物のようだと、ぞわりと袖口から感じた。その感覚は、まだ妙に残っているのだ。
これは楽しい事が必要だなと思った。
美しい物をみて感じて、良い空気を吸う必要がある。
日にちを決めてしまえばあっという間で、あとは準備に追われるだけである。
一瞬、彼に声を掛けてみようかとも思った。
でも止めた。
彼は私を好きなわけではない。私に好かれている自分が好きなのだ。
そんな結論に至ってしまった。
もしかして、いやでも、あの時彼は本当はこう思って…。
そんな推測程、不毛な物は無いと思う。
人それぞれの感覚なんて、確立出来る、わけがない。
自分ですら実感する事は難しいのに。
自分が思う自分と、人が思う自分は、どちらが自分だと言えるのだろうか。
じゃあ私の好きな彼は何?
こんな事たまに考えてしまうのだけど、ああそうか、人の数だけ自分が居るのかと唐突に理解した気になって、少しすっきりした。
自分が幸せになれる、物の見方が出来ればいいのに。物事なんて、どんな色にもなるのだ。色眼鏡は、良い言葉で使われる事は無いけれど。ああ、昔はもっと自由に、自分の言葉を使えていたっけ。愛は無償か有償か、そんな話をした事があったな。なぜ見返りを求めない事が美しいとされるのか。物事の持つイメージは強力で、勝つことは難しと思う。そんな事、みんな知っているはずだと思っていた。知っていても、忘れてしまうのだろうか。
ふと、昔は仲の良かったあの子が言っていた言葉を思い出す。
彼女が、結婚する時に言っていた言葉。
「結局、丁度良い相手と居るものだと思う。バカはバカとくっつくし、賢い人は賢い人とくっつく。多分、その方が上手くいくものだと思う。良い環境に行きたかったら、自分がそこまで行けるようになるしかない」
そう言っていた彼女は今、幸せだろうか。
彼と私が、共有出来ていた物は何だろう。
今度彼と会う時は、どんな顔が出来るだろうか。
私も彼も職場もあの人も、様々な色を持つのだ。汚いも綺麗も、無意味も意味も全部含んで、気分にだって、よって変わって、だから案外単純だとも言えるのではないか。
私には考える頭も、動く術もある。
図太さも強かさも、生き抜いてゆく為には、悪い物では無いはずだ。
明るさは、気力も体力も、くれると思う。
それがあれば、出来る事は多いはずだ。
人に迷惑を掛ける事も掛けられる事も、好かれる事も嫌われる事も、意識される事もされない事も、とても自然な事のはずじゃないのか。
物事は、優劣では無いのかもしれない。
なんだか急に、色んな事が受け入れられるような気がして、可笑しくなって、笑った。

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