半蔵門かきもの倶楽部コミュの第14回　かとう作「2月の桜」※再up

　2月の切るような冷たい、しかし湿った風を頬に感じながら、僕は梢の靴を両手に握り、走った。
「まっ・・・待って・・・」
　息切れの中で言葉はうまく発音されない。上がる心拍数、もつれる脚のもどかしさ、焦れる気持ち。そして僕は自分が途方もなく滑稽に感じた。上がらなくなった足が、育ちすぎてアスファルトを割り地表に伸びてきた、木の根につまづく。
　もう限界だ。走れない。全身が心臓になったみたいだ。立ち止まり体を折って地面を見た。肩で息をする。街灯に照らされる、黒々と光ったアスファルト。汚れた僕の白いコンバース。視界に梢の裸足の足が入ってきた。青白い小さな足に真っ赤な爪。
「りっちゃんて足が遅いのね」
　頭上で梢の声がした。やっとの事で体を起こし、梢の顔を見る。どきりとした。あの、蔑むような誘うような、そして憂いを含んだ、蠱惑的な目が僕を捉えていた。街灯の元に照らされる白い肌は、まるで内側から発光しているようだ。僕は梢以外にこんなに赤い口紅が似合う女を知らない。
　死ぬような息の僕と対照的に、梢は息切れひとつしない。そして2月の夜に、白いワンピースにダウンコートを羽織っただけで、裸足で立っている。寒くないのだろうか。まるで幽霊のようだが、まぎれもない現実だ。そうだ、梢はいつも、こんな風に現実味と突拍子がない。
　必死で追いかけたのに、本当は決して追いつきたくなかった。
「ねえ、靴履いてよ、俺の鞄返してよ。そして帰ろうよ」
　絞り出すようにした声は我ながら情けない。梢は無視して、道路の脇にある用水路の柵に手をかけた。そしてそのそばにあった桜の木に登りだした。
「やめてくれ、何やってんだよ、危ないよ」
「ねえ見て、この桜、2月なのに、もう満開なのよ」
　言われてみれば、確かに桜は満開だった。市街地と住宅地を割るように、長く街を横切っている用水路、それに沿って桜は何十本と植えられていた。その中で、梢が登ろうとしているこの一本が、春を待たずにフライングで咲いていた。
「ほんとだ・・・変だね」
「りっちゃん知らなかったの？りっちゃんの家この近くなんでしょう？」
　どきりとする。梢はこの近くに僕の家があるのを知っているのか？ああ、家では妻が待っている。連絡をしないで出てきてしまったから、心配して夕食も食べずに待っているかもしれない。散歩のつもりで出てきただけなのに、夕飯時はとうに過ぎてしまった。電話をしようにもスマートフォンは梢に取り上げられてしまっている。
「ねえ、頼む、勘弁してよ。ほんとに、僕帰らなきゃ」
　僕は枝に体を預けた梢の腰に手をかけた。薄いワンピース越しに、ひんやりと湿った肌の感触が伝わってくる。慌てて手を離す。木が揺れて、季節外れの桜吹雪が舞った。
　梢は「ふふ」と笑みを漏らして、僕の頬に手を触れた。それだけで、心臓が飛び出しそうになる。動揺して後ずさった僕は、背後の柵に腰を派手にぶつけた。
「やめてくれよ！」
「りっちゃんたら、うぶなお嬢さんみたいね」
　梢はさらに身を乗り出して、もう一度僕の頬に手を伸ばす、バランスを崩す、落ちそうになる、慌てて僕は駆け寄る。梢が僕の上に落ちてきた。受け止め切れず、僕は思い切り尻餅をついた。
「いってぇ・・・」
　骨に響く痛みだった。僕は一体何をやっているんだ。当の梢は僕に跨りながら、まだ「くふふ」と笑っている。膝を擦りむいていないだろうか？梢のむき出しの足を慌てて確認したが、梢は構わない。
「りっちゃん、どもらなくなったね。初めて会った時はしゃべるだけで顔を真っ赤にしてたのに。それに、なんだか雰囲気変わった」
　そう言われただけで僕は反射的に顔を赤らめた。夜空の下で、よく見えなくてよかった。
「お、俺たちもうハタチじゃないんだよ、もうおっさんだもん、僕子供もいるんだぜ。そりゃ変わるさ」
「そうかな？りっちゃんはいつまでもハタチの学生さんみたいよ」
　そうじゃない、梢が僕をハタチの頃に引き戻してしまうのだ。気怠くもたれかかってくる梢の下で、下半身が脈打つのを感じた。最悪だ。平常心を保って、なんとか梢を立ち上がらせる。梢を柵にもたれかからせて、靴を履かせてやった。
「相変わらず優しいのね」
「優しくないよ、僕は」
「ねえ、りっちゃんの奥さんてさ、可愛いよね」
　背中に冷水を引っ掛けられたかのように、心臓がしゅんと縮んだ。梢はなぜ僕の妻を知っているんだ？会ったことがあるのか？
「梢、なんで・・・」
「なんかさ、リスに似てるよね」
「リス・・・？」
「小さくて、エクボが可愛くて」
　美しい梢が僕の妻を褒めると、まるで馬鹿にしているようにしか聞こえない。しかし、考えてみれば僕の妻はリスに似ている。目が丸くて、頬がぷっくりしていて、前歯が妙に大きいからだ。梢が僕の妻をリスに似ていて可愛いと褒める・・・それだけで、僕は妻がどうしようもなくつまらない女に思えてきた。
　だから、僕は梢に追いつきたくなかったのだ。
　しかしなぜ梢は僕の妻を知っているのか？いつから？まさか妻は今日のことを知っているのか？僕の妻・・・妻はつまらない女・・・妻だけに。全然笑えない。
　赤くなった僕の顔は、さっと白くなったことだろう、梢があっさりと言う。
「りっちゃんの奥さんね、ヨガ教室で一緒なのよ。友達になったの。本当に偶然なんだけどね」
「ヨガ教室・・・？どこの？」
「奥さんから聞いてないの？」
　言われてみれば、妻がヨガ教室に通いだしたと去年嬉しそうに話していたのを思い出した。この近くにある川を越えると東京だ。妻が憧れていた街、電車に乗って、少し遠いけど通うという・・・
「Jにあるヨガ教室・・・？」
「そう、私ね、そのヨガ教室の近くに住んでるの。実は結婚してね。りっちゃんの奥さんがこの街から通ってるって言ってたから。私たちほんとに近くに住んでたのね。つい来ちゃったの」
　梢が結婚した・・・誰と？いつ？なぜ？疑問はたくさん湧いてきたのに、何一つ声にならなかった。僕の思考は混乱して何一つまともに考えられなかった。やっと口に出た言葉はこうだった。
「僕、うちに帰りたい」
　梢は「そう」と言って微笑んだ。優しい笑顔。
「この桜ね、なんか私みたいだなって思ったの。タイミングが悪く咲いちゃって、きっと春には散ってるわね。それを律に見せたかっただだけなのよ」
　そう言う梢の笑顔の意味がよくわからなかった。梢は僕に鞄を返して、翻して足早に道路に駆け出し、さっと手を上げてタクシーを止めて、こちらを振り返った。「じゃあね」それだけ言って、乗り込んでさっさと行ってしまった。
　まるで予め用意されていたかのように、一瞬で去って行ってしまった。ただ梢の揺れる白いワンピースの裾だけが、残像のように残った。季節外れの桜の花吹雪が僕の頭に散る。何もかもが馬鹿みたいだ。

　自分が季節外れの桜みたい？どういうことだ？僕には全くわからない。なんだかひどく疲れた。重たい足取りで家までの道を歩く。妻と梢が同じヨガ教室？梢が結婚した？なぜまた梢は僕の人生に現れたのだろう。もう忘れたはずだと思ったのに。
　自宅のドアノブに手をかけたが、そのまま僕はしばらく佇んでいた。マンションの廊下に面した、台所の小さな窓から夕食の匂いが漂ってくる。頭上で「じじじ」と音がした。電灯に飛び込んで感電する虫を見て、「俺の人生って一体なんなんだろう？」と虚しくなる。いや、こんなこと今まで考えたこともなかった。大学も、仕事も、結婚も、特に不満を感じたことはなかったはずだ。僕の人生の中で、梢だけがただ異様な光なのだった。
　意を決してドアを開ける。廊下の奥から、パタパタと妻のスリッパの音が聞こえてくる。
「パパおかえりなさい」
　妻は僕の顔を見て一瞬真顔になったが、すぐににっこり微笑んでそう言った。「晩ごはん出来てるよ」と。確かに、妻はリスに似ている。うんざりする。これから妻の顔を見る度にリスを思い出して、その度に梢を思い出さないといけないのだろうか？
　妻はそれきり何も言わず、台所に戻って料理を盛り付け始めた。僕は何と言ったらいいのかわからなかった。コートをかけて手を洗いうがいをして、リビングに入ると、息子がプレイマットの上で絵を描いている。テレビがつけっぱなしだ。
「まーちゃん、ただいま。まだ起きてるの？何描いてるんだ」
「ママ描いてるの」
「そっくりだな。でもそろそろ寝ような。お風呂入ったか？」
　リモコンに手を伸ばしテレビを消すと、やっと息子が顔を上げて僕を見た。
「パパお服にクレヨンがついてるよ。まーちゃんのかな」
　そう言って、息子は握りしめた赤いクレヨンの先をじっと見つめた。僕は白いシャツの胸元に、赤い口紅がべったりとついているのに気づいた。
　背後から妻がお盆に乗せて料理を運んできた。そして言った。きっと、笑顔で。柔らかい声だ。
「パパのシャツについてるのは、クレヨンじゃないよ。まーちゃんのせいじゃないよ」
　妻は僕の顔も見ずに、食卓に夕食を並べ始めた。その瞬間、僕は全てを悟った気がした。
　僕はもうきっと、何からも逃げられない。食器がカチャカチャと並べられる音だけが、リビングに響いていた。

コメント(20)

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[1] mixiユーザー 02月19日 19:12

以前upした作品で、題名と本文に修正があったので、再upいたしました！
あと、同じテーマで2作目を作成しました。こちらは15,000文字弱で長いので、時間があれば見ていただく程度でお願いいたします！

「緑のリス」
http://nietzsche2012.blogspot.jp/2016/02/14.html

[2] mixiユーザー 02月20日 19:38

こちらばかり感想をもらっては申し訳ないので、少し早めに感想を書かせていただきます。（明確なあれではないですが、私の場合はいつもは割と直前に感想を書き込ませていただくことが多いのです。三題噺の場合はインスピレーションを受けてしまい、自作に影響を受けてしまうこともありうるため）

非常にうまくまとまっていると思います。特にクレヨンの使い方がうまい。今回の三題噺においてクレヨンは主張が強すぎるために使い方が限られると思いますが、今作のような使い方をされると非常にこちらとしてもハードルが上がってしまって、困ってしまいます。

かとうさんの感想が厳しいけどいい意見が多かったので、こちらもここからは少し厳しい意見をあげさせていただきます。
的外れ、あまり役に立たないと思ったら無視してください。（人の意見に流されないのも大事なことです）

●文章の疑問符（？）の後の空白がない。
こちらは明確な決まりがあるものではありませんが、暗黙の了解として文章の締めを暗示するために疑問符の後には空白を設けるというルールがあります。ただ、最近はネットメディアもプロの小説家も守っていないことがあるため、この方がスタイルとして合っているのであれば、無視してください。

●男が幼すぎる
主人公である男の口調が幼すぎて、少しばかり疑問になってしまいました。私は読み始めた時には小学生くらいのお話かと思ったら、妻もいて子供いる年齢となると、もう少し大人の男らしさが欲しいかも。
また二人の出会いがいつなのかは明確にはありませんが、「お、俺たちもうハタチじゃないんだよ、もうおっさんだもん」のセリフから二十歳前後に出会ったと推察されるので、その頃の関係のままという描写だとしても少し幼いかなぁ……と。
あと一人称の僕と俺が統一されていないのは演出ですか？

最後にこの作品は紙で読むことを前提とした作品でしょうか？
WEBで読まれることを前提とするならば、少し文と文の間を空けたほうが読みやすい場合もありますよ。

[3] mixiユーザー 02月20日 20:25

>>[2]
いやー、なんか遠回しにおねだりしたみたいで、すみません笑。初めて作品を投稿して、感想が喉から手が出るほどほしかったので、嬉しいです！
でも今後は自分が欲しいとか関係なく、人の作品にはなるべく感想つけたいな～と思ってますので、お気遣いなく…。でもほんとに、ありがとうございます。

お褒めの言葉、ありがとうございます！クレヨンは本当に、偶然思いついた感じですね。二作目も頑張ってみたけど、本作ほどにはうまい使い方ができなかったので、ビギナーズラックですね笑。

疑問符に関して、存じませんでした！ありがとうございます。他サイトに掲載したら、数字の使い方なども突っ込みがありました。基本的なルールや暗黙の了解がわかってないので、勉強します。
作品は紙で読んでほしい…！という、前提というか儚い夢ですかね…。文芸部の時は縦書きでプリントアウトして、見比べてみようかな。使いわけようと思います！

あと主人公の口調ですね、唸ってしまいました！あんまり、客観的に見れてなかったですね。むずかしー！
台詞の中で、僕と俺を両方使ってるのは、「普段強がって？俺を使いたいのに、動揺して僕も言ってしまう主人公」を表現したかったんですが、わざとらしいかもですね。地の文とセリフの一人称が違うのはどうなんだろう…。もう少し本読んで研究します。

幼く見えるのは…意図しなかった部分です！アラサーの男性の喋り方って難しいですね。個人的に、リアリティのある、でも比較的綺麗な日本語を使わせたいので、いかにも小説っぽすぎる口調は嫌だなというのもあります。
でも確かに、客観的に見ると、主人公の口調はなーって思えてきました。
あわよくば続きを書きたいので、も少し練ってみます。ちょっと大人の男の口調を研究してみようと思います！

忌憚のないご意見ありがとうございました！私の感想が厳しいととられてたのが意外だったんですが笑、今後ともどうぞよろしくお願い致します！！

[4] mixiユーザー 02月20日 20:47

>>[3]
演出であれば地の文と会話で一人称が変わってもいいと思います。そこに説明を一つ入れたらより明確に演出だとわかりますが、ただそれだと作品が説明臭くなる可能性もあるので、状況によりけりですかね。
口調は本当に難しいですね。特に異性の口調となると、年齢によって変わるものにもかかわらず、結構微妙なものだったりしますから。

ちなみに厳しい、というのは私の場合は批判的な意見、質問も交えるという意味で使っています。
人によってはやる気をなくしたり、自信を失いかねないので……
このコミュはゆるい文芸部なので、基本は「書いて楽しい」が一番だと思います。

[5] mixiユーザー 02月20日 21:33

>>[4]
ほー、なるほどー。。そうか、ゆるい文芸部ですもんね…ちょっと、まだ参加すらしていないのに、KYだったかもしれない…！とびくびくしつつ、この間お会いした感じで、ゆうさんなら大丈夫かなーと思いました笑。でももしイラっと来たらおっしゃってくださいね！
いろんなスタンスの方がいると思うので、これから気をつけようと思います…！
最近作品を作ることが楽しすぎて、突っ走ってしまいました笑。みんな一生懸命書いてるんじゃないかと思うと、嘘付きたくないなぁとか思ってしまうんですよね。
ちょっと空気読みつつ、言えそうなところは言っていこうと思います…！

なんかいろいろありがとうございます（＾ω＾）

[7] mixiユーザー 02月20日 22:14

読ませていただいていたのですが、感想が遅くなってしまい、すみません。。

全体的にまとまっていて面白いです！
ただ単に男女の関係が描かれているのではなく、逃れられない日常というもの、ふと気づいてしまう日常のつまらなさ、憂鬱のようなものも入っていて、それが文学的な感じもして、大衆小説的な感じを抑えていていいと思いました。
梢と妻の対比が、理想と現実を表しているのも、作品にまとまりを与えているのでしょうか。

僕が思う、この作品の特別な点は、主人公が妻をリスだと思ってしまう部分だと思いました。他人に与えられた視点が、その人の人生を狂わす。その何気ないきっかけとして、この「リスに似ている」というのは、その何気なさと破壊力に於いて素晴らしい選択だと思いました（お題だからというのは別で）。
この「満足していたところに、他の視点、価値観を与えられて不幸になる」という構図も、人生に起こりうる事件の１つであり、文学的なテーマですよね。そういったテーマを自然な感じで入れられるのが羨ましいです！

ところで質問なのですが、家に帰る前の、梢との一連のやりとりの部分は意図的して幻想的に書かれているのですか？　それは理想との対峙のパートだから？

あと、息子の落書きに対して「そっくりだな。」と言うのは、妻をリスだと意識してしまっている主人公がクレヨンの（おそらくヘタな）絵を見て、思わず言ってしまった一言という解釈で良いのでしょうか？　息子を褒めてるわけではないんですよね？　その両方です？

[8] mixiユーザー 02月21日 09:48

>>[6]
ご感想ありがとうございます！とっても嬉しいです。。
三題噺のワードの使い方は、本当にたまたま思い浮かんで、もう今後こんなうまい具合にハマることはない気がします笑。完全にビギナーズラックですね・・・

向田邦子さんの小説でも似た描写があるのですね！なんか、「小動物系だよね～」という褒め言葉って、女子からすると「それって褒めてる？馬鹿にしてる？」みたいな、広くとれる言葉というか・・・女ならではの意地悪な目線かもしれません！もちろん、「小動物みたいでかわいい」は本当に可愛くて使う場合もあると思うんですが、それを意識してかしてないのか、よく分からないで使う梢のいやらしさ？女の敵っぽさというか・・・そういうものが表現したかったのでした。

梢の表現、結構何回か頭をひねりながら書き直したので、好きと言っていただけるととても嬉しいです！妻の最後の一言に関しても、意図が伝わって安心いたしました。
年齢の描写に関してはいろんな方から意見いただいたので、それが自分の思ったものと違ったりして、研究課題ですねー！

いろいろ長々と述べてしまいましたが、この会のゆるい雰囲気を楽しもうと思います・・・！
当日が楽しみです！どうぞよろしくお願いいたします( ´ ▽ ` )ﾉ

[9] mixiユーザー 02月21日 10:06

>>[7]さん
感想ありがとうございます！おたけさん？おたけさんさん？（すみません・・・m(_ _)m）のページでは、なんだか後から読み返すと随分言いたい放題で、どうも失礼しました。。

なんだか、いろいろを汲み取って頂けて、とても嬉しいです！話のテーマ？についてモヤモヤした考えでしたが、「そういうのが書きたかったんだ！」と気持ちを代弁していただいた気分です。ありがとうございます。

質問の二つですが、すみません、「そこまで考えてなかった！」というのが答えです・・・他のサイトでも感想いただいたのですが、どうやら、自分の意図以外で不思議な感じに伝わってしまう部分があるみたいで。「幻想的」に書いたかどうかすらも、というかなんとなく書いてしまいました・・・
梢は理想というか、男の願望を体現した女みたいなところもあるんだけど、現実はただのやたら美人な痴女だと思うんですよね。ハタチの頃に、そんな梢にちょっかいを出された主人公は、多分割とモサい冴えない男です。だから、「あれはただの気まぐれだ。あんな美人が俺に構うはずはない」と忘れようとして、自分にぴったりなリス似の妻と結婚するんだけど、久しぶりに梢が現れて、家庭を壊していく・・・みたいな話を書きたかったんです。続きがあるとすれば。
そう考えると、まさしく現実と幻想の対峙だったのかなぁ？「そんな女いるわけねーよ！」みたいな。自分でもよくわかりません！

「そっくりだな」は後者で、息子を褒めてます！ごめんなさい、前者の意図はなかったです・・・おたけさんさんの発想力がすごいな、と感じました。自分で書いてて、全く思い至りませんでした。
大人になりきれてないのに、家の中ではまぁまぁいいお父さんたろうとする、でも「褒めときゃいいだろ」みたいな、そんな雑さでしょうか・・・
ちょっと、自分の表現を客観的に見られるように頑張ろうと思います！

長々失礼いたしました。ありがとうございました。

[10] mixiユーザー 03月02日 22:11

かとうさん、はじめまして！

この度、作品を読ませていただきましたので、僭越ながら感想を記しますね。

まず、三題噺として３つの単語をうまく活用されていて、「うまいっ！」と思いました。

次に全体的な流れですが、
最初は「小学生の男女」の会話かと思わせて、次に「２０歳の男女」と思わせて、実際はお互いに「既婚・子持ち」だったというオチが大変素晴らしい描き方だと思いました。

会話のアクセントや「僕」と「俺」の使い分けが大変絶妙だと感じました。

最後の口紅のあたりは、現実から逃れられない恐怖というか絶望のようなものも感じ取りました。

自分は「理想と現実の間」がこの作品から感じ取り、色々と考えさせられました。

質問は、この続きを書くとしたら、どのような展開にされるのでしょうか？

もしお答えいただいても大丈夫なら、教えていただけると嬉しいです。

[11] mixiユーザー 03月04日 11:13

>>[10]
はじめまして！感想嬉しいです（＾ω＾）ありがとうございます！！
三題噺ということで、言葉の全てに必然性を持たせたいと考えていました。うまいと言ってくださって、嬉しく思います。
しかし、登場人物たちの年齢については全くの想定外でした笑。これは描写能力の問題ですね…見直してみようと思います。。

その他、伝えたいことが伝わったようで安心いたしました！皆様の感想を踏まえてもう少しパワーアップした作品にしていけたらと思っています～！

続きはそうですね…とりあえずここから過去に遡って書きつつ、話を進めていこうと思っています。梢との過去に何があったのか。そして妻と梢の間に交わされたやりとり、出来事。それを通して梢がどんな女なのか？を描いていきたいと思っています。
それをお目にかける機会が作れれば嬉しいですー！

[12] mixiユーザー 03月04日 13:45

すらすらと読みやすい文章で、男性の梢に対するどうしようもない切実な気持ちがよくわかりました。
ただ主人公二人が、読んでいてそれほど引き込まれるキャラではないかなと思いました。過去に何かあったけれど、その出来事はどんなことなのかそれほど気にはなりませんでした。
むしろ最後に含みを持たせている奥さんのほうが気になりました。

[13] mixiユーザー 03月04日 14:28

とても読みやすかったです。疑問符の後に空白がないのは、ゆうさんの言う通りですが、そもそも疑問符が多すぎると思いました。
疑問符は使わない方がいいと言う作家もいるので、念のため書いておきます。

[14] mixiユーザー 03月04日 14:49

>>[12]
ご感想ありがとうございます！読みやすくを第一に心がけたので、そう言っていただけて嬉しいです。
梢と僕はかなりフラフラしている人たちなので、あまり魅力はないかもしれませんね笑。私はこんなやつ周りにいたらちょっと嫌です…。
過去はサクッと書き上げて、妻の方に重点を置いて書いてみようかなぁ？と思いました！
ご感想参考になりました( ^ω^ )ありがとうございます！

[15] mixiユーザー 03月04日 14:52

>>[13]
ありがとうございます！読みやすくてよかったです( ^ω^ )でも読み直したら、読みやすけりゃいいってもんじゃない気もしてきました笑。もうちょっとブラッシュアップしていこうと思います。
そして疑問符ですね！確かに、読み返してみたら超多い！いや、全然気づきませんでした…何回か読み直してみたのですが、自分では客観的に見られないものなんですね。
ご指摘いただけてよかったです！ありがとうございました。。

[16] mixiユーザー 03月08日 23:32

みなさま御感想ありがとうございます。ご意見踏まえて全体的に修正しました。
またとりあえずブログに書いておきます。
文芸部まで間がないので、こちらのリンク先はお時間があれば、で構いません。
ちょっと続きを書きましたがめちゃくちゃ途中です。

http://nietzsche2012.blogspot.jp/2016/03/blog-post.html

[17] mixiユーザー 03月08日 23:40

梢の悪女ぷりが怖いですね。妻はすでに梢に相当、入れ知恵されてそうで、今後の主人公が思いやられます。でも、主人公が一番悪いやつなんじゃないかとも思いました。

[18] mixiユーザー 03月09日 21:20

>>[17]
はじめまして。ご感想ありがとうございます！悪女っぷりが伝わって嬉しいです。主人公も自覚ないところでかなり罪作りなんでしょうね。

[19] mixiユーザー 03月13日 19:30

こんばんは。先日の哲学カフェではありがとうございました。

面白かったです。
この文章だけだと、主人公たちの年齢として30歳くらいと言う設定を選んだ意図と、梢のことを文学的な表現で書かれている意図が分からなかったのですが、
一人称の文なので、文学的な表現なのは主人公の性格を表していると言う解釈をすると、そういう性格が面白いとも思えました。
30歳の主人公達が、大学生当時のことを回想して物語が進んでいくのかな？と思いました。

[20] mixiユーザー 03月13日 19:40

>>[19]
こんばんは！こちらこそ、ありがとうございました。来月の哲学カフェもどうぞよろしくお願いします！

面白かったとの感想嬉しいです。そうですね、梢を文学的に書いている意識があまりなかったのですが…でも、年齢も表現もちゃんと必然性のある？ラストにする予定です。

続きのほんの少し付け足したのと、全体的に直したものは以下になります！お察しのとおり、次の場面は大学時代の回想になりますね。たぶん回想シーンはすぐ終わると思うんですが。もしご興味あったら見ていただけますと幸いです（＾ω＾）
どうもありがとうございました。

http://nietzsche2012.blogspot.jp/2016/03/blog-post.html

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