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chopstick undergroundコミュの音楽⇔詩!!

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コメント(16)


『春雷』13/03/04


忍びながら
ささやかに歌え

大地は痩せ草の衣をまとい
かくまった小川に
かろうじて肌を癒される

わすれ雪の降りる頃
草叢に涙の雫を育ませ

日に今日を確かめ
月に明日を慕う

もうしばらく
空寝の桜を眺めては
幾重もの茜を見送って
春の風が吹き抜けたそののち

待ちわびる陽射しに
こころ踊らせて
沸き立つ命の兆しを

激しく
高らかに歌え

その目を覚まさせるよう

.


『気合いの朝』13/05/21


ガツンとくる、朝の目覚まし時計
前日の疲れをたたき起こして
安堵から転げ出る

フラフラと階段を降りて
水辺へ辿りついく

バシッ、と夜を弾いて
鏡に朝を写せば
振り返って夜までゴー




『通過』13/05/23


夜霧の奥の小さなふたつの光が、タンポポのわた毛のように拡がり、少しずつ大きくなって、そばを通りすぎる時、急に、空気を擦る音をたてて消え、赤い光に変わって去って行く



『津軽じょんがら』13/05/08


雪

左の手をさしのべる
にわかに消えて、はいつくばる

うす明かりの空から
なにも言わずに身をなげる

降りる先はしらない
気まぐれな風に流されて

山をおおった仲間たちは
いつかひとつになって里にとどく



野を駆けるイヌが小屋にかえるところ
風は白さを増して小路に降りかかり
家の扉は頑なに閉ざされる
音を立てながら降りしきる雪を掻き分け
辿り着いたイヌは小屋の前で身震いをする

三味線弾きは肩をすぼめ
積もりゆく地を踏みしめ
戸口で棹の雪をはらう

撥をとる右手の皺が深い
おもむろに振り上げたとき
辺りの風が止まり
降り下ろす緊張に風が堰をきる

両の手は三味線を包むようにはう
押し寄せる強風は体をよけ
確固とした後姿を横目に見ながら
白い山野を荒れ狂い
白い太陽を隠し
白い息を吐く



しばらくののち、
引戸がガタガタと開く
「ままろ、持ってがなが」
三味線弾きは見えない目をひらき
ボロから手を伸ばして包をさぐる
深々と頭を下げたあと
湯気にけむる戸口をあとにする

風雪が辺りを押し流し
霞んでなにも見えなくなった




−−−−−−
ままろ、持ってがなが(津軽弁)
=ご飯をほら、持って行きなさい


『シャコンヌ−2』13/07/15


風は遮られ、張りつめた静寂の中で
私は巨大な穴の底にただひとり立ち
無数の眼差しと眩い光の焦点になっている

       *

始まりは、雨上がりの午後
葉漏れ日にかざすあなたの右手の透き通る白さ
紅の命は一瞬にして沸き上がる
私は沿道に擬態する緑に変異し
産声は草むらにこぼれ落ち
湿った風が散々に吹き飛ばそうとする寸前、
すくい上げるシルクの風がそよぎ
青空から二羽のこまどりが舞い降りてくる

       *

幾重もの季節の陽射しを受けて
ピアノとヴァイオリンの調べは
互いに離れては寄り添い
茂る芝生の上を舞い
林の木陰でたわむれ
小川の畔にたたずむ

澄みきった夜空に星々がまたたきだすと
こまどり達は高い樹の上で
月のゆりかごに揺られながら眠りにつく

       *

赤く染まった雲間から
並木通りを抜けて西陽がとどいている
落ちる葉はまばたきをして
部屋の壁がゆっくりとまぶたを閉じる

かろやかなピアノの調べはとぎれた
ヴァイオリンのかすれた声が吹き荒れ
降りやまない雪に陽はかげり
大地が凍る

       *

春が再び訪れることはない
私はヴァイオリンを肩にのせて目を閉じる
右手に触れるものはこの弓だけ
強くはげしく弾き下ろす
遠ざかる草原






『水の記憶』13/05/28



山の裾野をかけあがる風は
思いもよらない寒さに体をすぼめ
震えながら涙をおとす


しばらくの間
風の揺りかごに身をゆだねたあと
水の嬰児たちは林に届く

木々が差し出す手に弾ぜて
苔生す肌を滑り落ち
瞳に空を写しとると
まぶたを閉じて
源の流れに身を投げ入れ
山をひそやかに降りてゆく


*


永く被さっていた低い屋根は解かれ
青く眩しい光に染められて
空の記憶は失せてしまったけれど
大地の記憶を育みながら
緑の隙間に流れ込む


降り注ぐ昼間の陽光は水底まで届く
うごめく虫、およぐ魚、なびく水草、
水面を滑るあめんぼ、
その姿を、反射する一瞬の光にして
陽に写し還す正午、
祝福の鐘が鳴り響くのを聞きながら
肥沃な大地を通り過ぎてゆく


*


虫の音にひたり、悠然と進むとき
なおも記憶を合わせ
星屑の夢を水面に写し
命の舞踏会が開かれる

揺らぐ草木の影、
静かに音を響かせる風、
拡がり合わさる風紋に
小刻みに波打つ木の葉、
虫柱の立つ向こうに輝く月、
帯になった宇宙を舞台に
それぞれがゆるやかに踊っている


*


朝靄に射し込む赤光を受け
大量の記憶を帯びる大河として目覚める
ほとりに写し出されるビル群の影で
騒がしく動きはじめた人々をよそに
過ごして来た旅路を思い起こしている


忘れかけていた時の果てに、
過ぎ去っていた新しい匂いが、
過ぎ去っていた新しい命が、
すべての記憶を呼び覚まし、
揺るぎない強さでしみ込んで来る


幾億もの時を過ごした水の雄姿がここにある
再び出逢ったすべての記憶の歓びに、
水は明日をゆだねて果てしなく拡がってゆく








『わすれっぽい小唄』13/09/14


忘れっぽぅい、わすれっぽい、

聞いた話をすぅぐに忘れっちまうから、
いっつも、いっつも、怒られるぅ

忘れっぽぅい、わすれっぽい、

鍵をどこに置いたか忘れっちまうから、
家出たそばから、日が暮れるぅ

っあ、

忘れっぽぅい、わすれっぽい、

何をしようとしたか忘れっちまうから、
宿題やったこと無ぇ、

そりゃ〜立たされるぅ

ほい、

忘れっぽぅい、わすれっぽい、

えぇっと、

ん?

忘れっぽぅい、わすれっぽい、

でも、彼女の事、忘れたくねぇなぁ、

わす れっ ぽお ぅい 、
  わす れっ ぽお ぅぃ





『Adagio』13/10/22



かがやく雲をひき連れ
 
赤い陽はしだいに沈みゆく


夜が這い入るにつれ


部屋のすみに忍ぶ影は

いつしか重くふくらんで


窓枠の青黒い光から逃げてくる

無表情な闇と出合う



白く波打つ海に横たわる

十字架をのばした手の先には


果ての無い宇宙の向こうまで

何もふれられるものが無く

ただ、しおれるほかは無い



体は燃え突きて灰になり

風に吹かれ

雨に降られ


散り散りの記憶は揺れて

影もなく

色もなく





猫/




それは非常に遠いところから
手をふるように
夢の瀬
からしらせな
にじんで
ぼんやりと
電話が鳴りはじめたのは



それは薄明かりの下
月世界の言語
受話器から鼓膜に
さざなみ立つ
夏至
入梅




きみは遠い星から
細い糸をたどって
恒星とガスの海をかきわけ
濡れたあしあとを
またわたしのなかに残していく




遠い国 遠い星 遠い言葉
きみの世界には言葉がない
きみは色のある夢を見ない
きみは魚のように寝そべる
きみはカラスのように泣く

きみは背中にさざなみを立てる
きみは風を聴き
音の香を嗅ぐ
きみの青い目玉をのぞくと
そこは 遠い 宇宙




今朝
探査機ユリシーズが
彗星と恋に落ちた
もうあまり時間もないことですし
想像力で飛ぶことにしようか

月面宙返りから
衛生軌道上
マーズ ジュピター
ガス渦巻く
暗黒の海

きみの小さな足音が
冥王星のような冷たい音を立てて
6月の受話器から聞こえてきた
「今夜の冒険はこれにておしまい」
濡れたあしあとがひとつ
またわたしのなかに帰ってくる




『Pathetique−悲愴−』13/10/28



荒れ果てた
大地を覆いつくす

雪


否応なく
吹き荒れる冷厳な

風


白なのか

黒なのか


氷に閉ざされた
壁の奥のわずかな体温

かすかな鼓動が切りとられる
小さな歴史のはじまり


与えられる痛みと浴びせられる光

「有る」ことの確かさを覚え
緩んだ風にゆだねた時の舟は
しだいに鮮やかになっていく景色の中を
冷たさに震えながら下っていく


四角い石板に刻みこまれた
記憶の列をなぞる手の


儚さ
膨らみ

軟らかさ

色つや

節ぶし

しわ
痣


時とともに

変わりつづける
肉体を映した影は

深く、長く、頭上を覆い
いつしか重くのしかかる

石板とわが身が重なったとき

荒野を逝く道の傍らに

蔦をからめて

埃にまみれ

人知れず
立つ

石碑で

あった




−



『涙のゆくえ』13/11/11


涙が鼻さきの空に透けて
かくれた風に吹きあげられると
鳥の哀しみとまざり
羽ばたいて青い空へ
みるみる、みるみる

また、雲のそばで涙にもどり
みんなの涙と手を繋ぎ
あれれと、おしりから落ちていく
近づく地面にこころうきうき
どこかな、どこかな、

山の苔の上で手がはなれた時
みんなは光をとじこめ
きらきら、きらきら、
ぼくの涙も
きらきら、きらきら

ほかのみんなと手がふれて
しっかり握って
ちゅるちゅる、ちゅるちゅる
ぽちゃん、
高い木に降りていた涙も
ぽちゃん

たくさんの仲間たちとあわさって
ざわざわ、ざわざわ、
突然、足元がとぎれて
どどどど、どどどど、
光を包んだ泡が空におよぎ
さわさわ、さわさわ

どこまでも、どこまでも、
つづく涙の行進は
虫や、鳥や、ねこや、牛や、
ぼくのそばを通って手を振りながら
たくさん、たくさん集まって
太陽の光をあびて
ゆるり、ゆるり

涙の味が濃くなって
みんなの哀しみと混ざりあい
ひろい、ひろい、
ふるさとの海にかえろう
ざぱあん、ざぱあん

光がいっぱい、仲間がいっぱい
たくさんの思いがつのり
いつしか哀しみはゆるやかに
ほぐされて





『ちかく て とおく』14/01/05



あなたへ愛を
いちばん ちかく にいるあなたへ愛を


 貴女に恋して
  貴方に恋して
 これから始まる愛を
 貴女に注ぐ
  初めての愛を
  私は受ける


ちかく にいても気づかないあなたの愛は
あなたの貴女に届けられ
わたしは ちかく て とおすぎて


 貴女と共に
  貴方と共に
 いつまでも
  いつまでも 


いつまでもあなたとあなたの貴女をみまもって
あなたの ちかく でみまもって


 いつまでも
  いつまでも


いつまでも とおく で





『雫の一夜』14/03/12



雲間にもれだした月明かりに触れると
雫はふるえる手をはなしてしまう

誰も知らない夜空の星を
身にいくつも集めて夢うつつ

包みこんでくる風とたわむれ
奏でられる音が共鳴する



近づいてくる地上の星にふちどられ
月を大きくうつす湖が見える

次第にあたたかくなる風に目をとじて
やがて合わさる幸せを思う

いつかの記憶はよみがえり
委ねた空に涙があふれる



行く手から発するけたたましさに
大きくひらいた瞳は黒い灰色にそまる

叩いた、と同時に激しく押し流され
ひしめき合う大量の泥と雫

明滅する脳裏に個はなく
強烈な叫び声が噴出する

こじ開けられた門に引きよせられて
なすすべなく闇の隧道へと突き落とされる



轟音の中の静寂、闇の中の光
なりゆきに縛られた身が離れていく

思い描いた美しい未来に
時はそしらぬ顔で朝を呼ぶ

雫は暗い湖の底で夢になり
再び空へ舞い上がる日まで

湖面に光を映し
いつまでも月を探している






#1

たたらてまるか、夜明けの国道を車が横切る
セブンイレブン、ミニストップ、エーエムピーエム、またミニストップ
日常はやわらかく、乳飲み児の五本指で握られた、ビスケット
車は片手でおさまる、ラップを切り詰め、圧迫したタイムで、周回する、左手に乗るスピードで
直線からコーナーに向かって、スピンアウトが匂いはじめる、たたらてまるかの鼻歌まじりで、ミニストップ、エーエムピーエム、またセブンイレブンの看板が目をついた時、周回遅れの青い国産車は、たたらてまるかの四拍子にそって、左折するのは午前五時だった




#2

フォーティーファイブアールPM

螺旋形式の針金が折れてしまった
メイドインチャイナ、ウテナにカードキイを差し込むと、忘れていた渇きが無性に、おとずれてきてしまっていた
不在を告げる空気、というものは確かにあって、それは玄関口からそっと漂って、森の中で迷っているみたい
だからたたらてまるか、決して花にならない果実のように
実を結ばない初恋のように
青いまま枯れてゆく冬のように
玄関に鍵をおとして、うたはつづく、たたらてまるか、のように、のように




#3

ストロベリーフィールズフォーエヴァー

二月に祖母が死んだ時、病室を埋めていたのはアメジスト色の空虚だった
白い壁の窓枠の向こうに、いちご畑が風にさらされて、葉のない森たちが鳴っていた
チューブとチューブとチューブとチューブに、張りついた祖母は確かに透明で、永遠と呼吸が運動を停止するのを、試験管を持った看護婦と医師が見つめていた
われわれは目撃する装置だ
われわれは死を目撃する、死せる装置だ
われわれは、しだ、し、そのものだ、し、は、えいえんのむすめ、し、は、かみのこども、たたら、てまるか




#5

やがてこの部屋にも朝がくるだろう
東の窓辺で、猫がまどろんでいるのを眺めるのは、安いウイスキーよりも気前がいい
小さな背中に手をのばして、ゆったりと、撫でる、
壊れやすい腸に、そっと、メスを添えるように、そばにいたいとわたしは、

小さな声で、たたらてまるか、を







#4

この連を祖母に捧げる









『体−胸−Jungle』14/06/03

(piano)
 Jun−gle
 人を寄せつけず
 暗闇の中で

 Jun−gle
 澄みきった水が
 ひっそりと流れ
 
(forte,prestissimo)
 Oh!
 重力に逆らえず堕ちてゆく僕は君の前で
 初めて跪いてすがりついて胸に顔を埋め
(p)
 君は乱暴に僕を、
(ff,chorus)
 Head−Lock!
(f)
 Oh!
 罪深き人類の全ての兄弟たちよ
 僕らの魂の何処が間違っているんだ
(p)
 君は激しく僕を、
(crescendo)
 Please give me a hug !

 Oh,Yes!
 罪深き人類の全ての兄弟たちよ
 僕らの魂の何処が間違っているんだ

 僕は激しく君を、

 Head−lock!



『終曲〜耳/series"body"』14/06/18改稿



頭蓋骨の真ん中でひとり
男は最後の演奏のため
すべての扉を閉ざした

観客席に人影はなく
非常口の表示灯も消えて
ただ一本のスポットだけが下りている

激しい雨が聞こえる

真後ろに伸びる影に
ギターの影がクロスする
男の耳に降っていた雨は
深い記憶の椅子におさまった


鐘が遠く
秩序の地へ導いている


男の掌は過去をつつみ
忘れかけた記憶へとのばされる



       *


−−懺悔


  カタコンベに隠した筈の柔らかさが
  鉄格子の中でまばたきもせず
  閉ざされた出口のひかりを探す


  壁に映る木立に白い蝶がふわり 
  赤い鳥は毛づくろいに夢中

  葉に伏せる蛙は緑にまぎれている 

  雫が雨上がりの光をつつみ
  鳥の鼻先に落ちる
  目の前を蝶がひらり
  
  蛙は一歩前へすすみ枝が揺れている

  蝶は青にゆらり
  鳥は白に魅せられて枝を蹴る
  蛙は艶かしくまっすぐ蝶へ
   
  赤と緑がすれ違う

  鳥は白を奪い空を切る
  蛙は蝶と水たまりへ墜ちる

  再び黒くなっていく空が
  鳥の目の前で白く霞んでいる
  蝶の舞いは永遠に失われてしまった
  
  雨が冷たく地を叩く
  集まった水は濁流になって
  全てを洗い流していく


       *   


  雨は降り尽くした
  厚い雲のきれ間から
  誰のものでもない光がもれる
  鳥は囀ずりをはじめた

  葉にしがみついていた空は
  手を離して風に抱かれ
  地に弾かれて土と交わる

  光が空を満たすころ
  赤い鳥は飛びたつ
  木々は再び葉をのばし
  深呼吸をしている


       *


  黒い鳥が紅い空へもどる
  月は冷ややかに微笑み
  虫の音は小刻みに笑う
  空の幕はさらに黒く被さり
  壁の景色は見えなくなった  
  

  鉄格子に囲まれた死体にまぎれ
  再び柔らかさを閉じ込めた



       *



辺りは静まりかえっている
男はギターを抱えたまま止まっている
耳には一滴の雨も降らない

影は後ろに長く
長く伸びて

スポットは淡く

そして

消える



−

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