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紅い竜と四天王女コミュの目覚める赤き竜3

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アルスはギーゼラの館から出発する前だった。
「ギーゼラさん。ありがとうございます。必ず勝利の報をお届けします」
 深々と頭を下げアルスは感謝の意と約束をした。
「思う存分、暴れて来るのだ。儂の兵たちもそなたのために奮闘するだろう」
 ギーゼラはアルス厚い握手をし勇気を与えた。
 友の息子の勇姿が彼には眩しく見えている。
 同時に、友の若い頃に似ているとも思ってもいた。
「はい」
 アルスは力強く返事し、兵士たちの方へと眼を向けた。
 そこには、クレアもいた。
「皆はヴィエンヌの兵士たちだ。心ではシャラントのために何で戦うのだと思っている者もいるだろう。その気持ちは俺にも分る。だが、今、シャラントは存亡の危機に瀕している。ザルム軍が大軍で攻めて来るのだ。シャラントが滅べば、次はヴィエンヌが危ない。それを食い止めるため、ヴィエンヌとシャラントが協力しザルム軍を倒すべきだ」
「うおおおおおー」
 ヴィエンヌの兵士たちが鬨の声を上げた。
「お前たちは強き兵だ。どんな敵にも恐れずに戦う者たちだ。今こそ、その胸に秘めている獅子を呼び覚ませ。この勝利の先に何が見えると思う? お前たちの栄光だ! 掴み取れその手で、行くぞぉぉぉー!」
この言葉に兵たちは意気軒昂した。
アルスは兵たちの士気を最高潮にさせたのだ。
 誰でも出来る訳でもない。ましてや、自身の兵でもない。
 アルスの大器の片鱗が現れた瞬間でもあった。
(アルス、お主はここまで兵をまとめあげるとは……きっと、大きな事を成し遂げることができるかもしれない)
 ギーゼラはまたもアルスの片鱗に驚かされていた。
「出陣!」
 アルスは愛馬に跨り馬を歩かせた。
 ヴィエン兵もその後に続き進軍する。
 街の門を出ると馬を走らせシャラントへと急いだ。
 ここからがアルスの戦の始まりを告げる時だった。

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