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紅い竜と四天王女コミュの目覚める赤き竜20

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「一人で戦うとは愚か者めが!」
 フェリスはまた、鬼馬を駆けさせた。
 その速さは捉えられないほど速い。
 ―キィィィィィン
 アルスの剣とフェリスの剣が吠えた。
 間一髪で防げたアルス。
「なかなか、やるな。これは面白くなってきたぞ」
(今のはたまたま見切れただけだった。次は見切れるか……)
「はっ!」
 鬼馬が猛進してきたが、アルスは眼を閉じた。
(まだだ、まだ)
「アルス!」
「あんた、何やってるのよ!」
 眼を閉じたアルスにゼノヴィア、エレンは驚愕した。
 何で目を閉じたのか? 二人には意味が分からない行動だった。
「そこだ!」
 アルスは眼を見開き、剣を振り抜いた。
「なに?」
 アルスの剣は鬼馬の身体を掠めた。
「掠めただけか」
「ルイス、飛べ!」
 鬼馬は飛んだ。
「空まで飛べるのか、なんていう馬だ!」
「行くぞぉぉぉー!」
 鬼馬は急降下しアルスを襲った。
 アルスは剣を構え、攻撃を弾こうとしたが失敗した。
「くっ!」
 腕が刃に斬られた。
 傷口から鮮血が流れ始めた。
「「アルス!」」
 ゼノヴィアとエレンはアルスの名を叫んだ。
 駆け寄りたいが、今は邪魔になるそう二人は思い、傍には駆け寄らなかった。
 もし、行ってしまえば、標的が自身に向けられ、アルスに大きな傷を与えてしまうと思っていた。
(ゼノヴィアたちを逃がしたいのだが……せめて、相討ちに……)
 
―その時、アルスの手の甲に刻まれている紋章が光った。
 今までこんな事は無かった。
「も、紋章が光っている!」
 アルスもこの現象に驚き手袋を取った。
「何があったの?」
「アルスの手が光ってる?」
 二人もアルスの身に何が起こったのか分からない。
「我が体内に眠る赤き竜よ。今こそ目覚めよ」
 アルスは無意識にそう呟いた。
 言葉に反応したのか、アルスの手の甲の光は大きくなり、アルス自身を包んだ。
「うおぉぉぉぉぉーーーーー」
光の中でアルスは吠えた。
「な、何が起こってるのかしら?」
「どうなってるの?」
 何も見えないアルスの身に何が起こっているのか? 二人には見えない。
 アルスは吠え続け、彼の身体は赤い鎧に包まれ始めた。
「何が起こっているか分からないが、今、殺した方が良さそうだな」
 フェリスは鬼馬の腹を蹴り、急降下した。
「これで、終いにして殺る!」
 光の中に突進したフェリスだが、振り抜いた剣は止められていた。
 アルスがその剣を掴んでいたのだ。
彼の身体は赤く竜を模った鎧に包まれている。
「な、何なんだ? その力は?」
「ウェルシュドラゴンの力だ」
 アルスは竜の力を宿した者だった。
「ウェルシュドラゴンって、ユーサーが召喚したと言う赤き竜よ」
「それって、伝説じゃ?」
「でも、現に今、眼の前にいる。伝説じゃなかったのよ。でも、どうして、アルスが?」
「そ、そんな事ってあるの……?」
ゼノヴィアとエレンは今、伝説と言われた竜を眼にしている。
 二人は言葉を失い、何がどうなっているのか分からなくなっている。
「ルイス、俺たちの力を全て出し、アルスを殺すぞ!」
「はい。私の持てる全ての力を出します」
 鬼馬は飛び黒光りする光を纏い突撃した。
 全速力の突撃は、先ほどまでの突撃より比べ物にならないほど速い。
 アルスはその突撃を避けようとしない。
「死ねーーーーー!」
 鬼馬の突撃にフェリスの鋭く白銀に光る剣、真面に直撃したら死を覚悟するしかない。
 アルスは背中にある翼で飛び突撃した。
 二人は交差した。

 勝敗は?

「わ、私があぁぁぁーーー」
 鬼馬は腹部が斬り裂かれ激痛が走り、叫び倒れた。
フェリスは体勢を崩し落馬した。
「ふん。弱いな。これで最後にするぞ」
 アルスは空からフェリスたちを見下すように見ている。
「ちっ、このままでは、殺られてしまう」
「ふぇ、フェリス様ぁぁ、に、逃げましょうぉぉぉ」
 鬼馬は最後の気力を振り絞り、立ち上がった。
「すまないが、逃げるぞ」
「し、しっかりとぉぉ、つ、掴まって下さいぃ」
フェリスは鬼馬に跨り逃げた。
 鬼馬は嘶き飛んで行った。
「ま、待て!」
 アルスは追おうとするが、フェリスが投げた剣が自身を襲ってきた。
 弾けばどううってこともない攻撃だったが。
 その隙に逃げられてしまった。

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