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西岡の雑誌図書館コミュの西岡昌紀「『ゴジラー1.0』と黒澤明の『羅生門』」(「月刊HANADA/2024年4月号」)その1

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 『ゴジラー1.0』は、人間のドラマである。戦争を戦い、戦後の廃墟のなかで必死に生きた日本人のドラマである。
 この作品で描かれている日本人は、これまでアメリカ人が描いていた「日本人」とは全く違うものなのだ。
 戦争中、アメリカと戦った元特攻隊員が、戦後、廃墟の東京で、不幸な女性と子供を守り、そしてゴジラに戦いを挑むという設定は、アメリカ人が信じて来た「悪魔のような日本人」と、それを文明人に変えた「正義のアメリカ」というイメージを公然と打ち破るものなのである。
 おそらく、若いアメリカ人たちはそのことに衝撃を受けたのだろう。そして戦後のアメリカ社会を支配してきた「ハリウッドとディズニーが描くアメリカ」の虚偽に気が付き始めたのである。裏を返せば、ゴジラを単なるモンスター映画にしてしまったハリウッド製「ゴジラ」映画に何が欠けているか、の指摘だろう。
 第二の『羅生門』、『ゴジラー1.0』は、アメリカを変える力を持っているのではないか、と私は思う。

(西岡昌紀「『ゴジラー1.0』と黒澤明の『羅生門』」(「月刊HANADA/2024年4月号」)249〜253ページ)253ページ)
https://www.amazon.co.jp/%E6%9C%88%E5%88%8AHanada2024%E5%B9%B44%E6%9C%88%E5%8F%B7-%E8%8A%B1%E7%94%B0%E7%B4%80%E5%87%B1%E8%B2%AC%E4%BB%BB%E7%B7%A8%E9%9B%86/dp/B0CG8L54H7/ref=tmm_other_meta_binding_swatch_0?_encoding=UTF8&dib_tag=se&dib=eyJ2IjoiMSJ9.LTxaLBIVMpRSxjaB4I4cnn9DkwGB7Px86AKPBKansRn7OPdQMusrU4xZ8v1u42rp0TrGoDvmMAWH8tG8tEy7eUAfzw4O-9yoFXcmlQdoLX5Zn2Dgu7w65o1yRfJoar89TsrAWoPe11qJTjn-nywvGmkk6yIDXPTuCLz_xO_EHo1etwFsJRjVDNglwr8SMgN8ihP0cMfo0NCYy4YUlxFxiI6KkcFtpyL_GakUpNxpJ5s.blw9suaYAokVDjD9lUE7uSpnSmIzkb8T3goIlENngxQ&qid=1710443932&sr=1-1
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 親しいイギリス人の夫婦が居る。その夫婦が、アメリカで「ゴジラー1.0」を見た。そして、夫人が私にメールを送って来た。そのメールを読んで、私は、彼女の興奮ぶりに驚かされた。
 このイギリス人女性は、非常に知的な人で、日本文化を深く愛し、日本を複数回訪れている。空手と居合道をたしなみ、日本料理を愛し、そして、夏目漱石や三島由紀夫を愛読。黒澤明や宮崎駿の作品をはじめとして、多くの日本映画を観て来た「超」が付く知日派の知識人である。
 その人が、「ゴジラー1.0」を見て、長年の友人である私が驚くような興奮のメールを送ってきたのである。
 音楽にも詳しいこの人は、「特に音楽が素晴らしい!」とも書いていた。とにかく、大変な興奮ぶりである。
 YouTubeで検索すると、このイギリス人女性が「特別」ではない事がわかる。皆さんも検索してみて欲しい。主に、若いアメリカ人が、「ゴジラー1.0」を見て興奮し、熱く語っている。
「How "Godzilla Minus One" estroyed Hollywood」(いかにして『ゴジラー1.0』はハリウッドを破壊したか)
「Godzilla Minus One Proves Hollywood is Stupid and Awful」(『ゴジラー1.0』は、ハリウッドが愚かで恐ろしいことを証明する)
「Godzillaーwhy Minus One Succeeded Where Hollywood FAILED」(ゴジラーーなぜー1.0はハリウッドが失敗したところで成功するのか)
 日本映画が海外で反響を呼ぶ事は、何も新しい事ではない。黒澤明監督の映画『羅生門』(1950年)に始まって、日本映画は世界中で、特に欧米で多くの人々に賞賛され、世界に影響を与え続けてきた。『ゴジラー0.1』もそのひとつだ。だが、今回は特別だというのが、私の印象である。YouTubeで、そうした海外の人々の声、特に強調して言うが、若いアメリカ人たちが「ゴジラー1.0」を絶賛しているのを聞いているうちに、私は今回の『ゴジラー1.0』がアメリカ国民に、特に若い世代に与えている衝撃は、「異次元」のものだと思うようになった。
 2016年に『シン・ゴジラ』が世界各国で公開された時とは全く違う、まさしく、「異次元」の反響なのである。これは、「羅生門」(1950年)以来の文化的事件なのではないか?私は、いま、そう思って居る。

(西岡昌紀「『ゴジラー1.0』と黒澤明の『羅生門』」(「月刊HANADA/2024年4月号」)249〜253ページ)249〜250ページ)
https://www.amazon.co.jp/%E6%9C%88%E5%88%8AHanada2024%E5%B9%B44%E6%9C%88%E5%8F%B7-%E8%8A%B1%E7%94%B0%E7%B4%80%E5%87%B1%E8%B2%AC%E4%BB%BB%E7%B7%A8%E9%9B%86/dp/B0CG8L54H7/ref=tmm_other_meta_binding_swatch_0?_encoding=UTF8&dib_tag=se&dib=eyJ2IjoiMSJ9.LTxaLBIVMpRSxjaB4I4cnn9DkwGB7Px86AKPBKansRn7OPdQMusrU4xZ8v1u42rp0TrGoDvmMAWH8tG8tEy7eUAfzw4O-9yoFXcmlQdoLX5Zn2Dgu7w65o1yRfJoar89TsrAWoPe11qJTjn-nywvGmkk6yIDXPTuCLz_xO_EHo1etwFsJRjVDNglwr8SMgN8ihP0cMfo0NCYy4YUlxFxiI6KkcFtpyL_GakUpNxpJ5s.blw9suaYAokVDjD9lUE7uSpnSmIzkb8T3goIlENngxQ&qid=1710443932&sr=1-1

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