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テニプリファンタジー小説コミュの(第65章)(前編)(テニプリファンタジー)「跡部を救え!」

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テニプリファンタジー

「跡部を救え!」

跡部の指が動いた事に気づいた皆が、彼のそばに集まる。
だが、これは間違いだった。
突然、指がビキビキと動き、まるで、中に何かいるような状態になったのだ。
「跡部さん!」
鳳が近づこうとするのを弦一郎が止めた。
「!真田さん、何を!」
「よせ! 今あいつに近づけば、お前も取り込まれるぞ!」
「え!?」
皆が跡部を見ると、彼の体の中で何かが暴れており、それを必死になって跡部が抑えようとしていた。
「や・・・め・・・ろ・・・・う・・・・く・・・くる、な・・・お、れは・・・う・・・うあ・・・あ・・・ああ」
 彼はベッドをのたうちまわり、必死に胸を押さえて耐えている。
だが、このままでは、殺されかねない。
「まずいぞ。このままじゃ、跡部が殺されちまう!」
「丸井さん。なんとかならないんですか?」
鳳が必死で尋ねると、アルカラークが入って来た。
「方法は無くはないぜ。ただ、こっからかなり離れた場所に、古代文明を研究している施設がある。
そこに連れて行けば、コイツを救えるはずだ」
それを聞いた菊丸は、
「どういう事ニャ?」
と聞くと、アルカラークはすぐさま地図を開いて位置を確認した。
「現在地がここ。そして、この山の向こうにある施設に古代文明の事を研究している場所がある。そこは魔法族と古代文明を調べている学者等が暮らしている小さな集落だ。だが、この船じゃ大きすぎるんだ。
なんとか検問所を突破する事が出来れば、何とかなるかもしれねえ」
「今からでも行けますか?」
それにはアルカラークは首をひねった。

実はその検問所は帝国の領地に入ってしまうため、ルートを大回り
しなければならないのだ。
「行けなくはないが、ちと大周りになるぜ」
「そんな・・・」
「なんとか跡部さんの容体を向こうに伝えて、準備をしてもらう事はできますか?」
「あ、ああそれなら可能だ」
「なら、俺が跡部さんを施設に運びます!」
「お、おい鳳!」
「だって、このままじゃ・・・このままじゃ跡部さんが・・・」
すると、アルカラークは3人の部下を連れて来た。
1人は金髪で海賊のどくろマークが入った赤いばんだなを巻き、
もう1人は、金色のひげをはやし、赤いバンダナを首にしている。
そして最後の1人は茶髪でいかにも生意気そうに見える奴だが、根は良い

やつだがちょっと言葉が悪そうな感じの男だった。
「紹介しよう。頭のバンダナがトルコ、首にバンダナをしているのが、ルラトス。
最後のチョイワルそうなやつはヤスカだ」
「おいおい頭。チョイワルはないだろチョイワルは」
「ハハハ。ま、根は良いやつなんだ。よろしく頼む」
「こちらこそよろしくお願いします」
鳳が頭を下げると、ヤスカは、
「やれやれ、いっちょまえになりやがって。ダチを助けてえんなら俺と来い。
俺は荷物を扱ってる専門業者を知ってる」
「ヤスカさん配達に人なんですか?」
「いや、そういうわけじゃねえ。ただ、発掘にはそれなりの覚悟がいるんだ。
だから、俺等はその為の物資を運んだりする奴らを知ってる

。その荷物にそいつを乗せて、専門医のとこまで乗せてってやるよ」
「ヤスカさん・・・ありがとうございます。よろしくお願いします」
「そうと決まれば、さっそく準備だな」
アルカラークの船は一旦町を抜けた後、湖に船を下した。
イカリが投げ込まれ、完全に着水すると、扉が開き、ベッドに乗せられた跡部が
運び出され、クアリーが2匹降ろされた。

今跡部はブン太が作った薬で眠らされているが、かなり心配になってくる。
いくらブン太の薬といえど、一刻も早く心臓にいる何かを外してやらなければ、意味がないのだ。
跡部の顔色は悪く、今は眠っているが、皆は余計に不安になる。
このまま本当に死んでしまうのではないかと。
「跡部さん。もう少し、もう少しですからね」
鳳がそう呼びかけながら、跡部を励ます。
「お、来たぜ」
ヤスカがそう言うと、クアリー2頭が引っ張る車が、何かの荷物を運んで来た。
「よう、ヤスカ。コイツかい、荷物ってのは」
「ああ。今は寝かしてあるが、ちょいと訳ありでな。なんとかしてや

りてえんだ。もちろん報酬ははずむぜ」
「あの、ヤスカさん。この人達は?」
「言ったろ? 荷物を扱っている専門業者がいるって。彼がその業者だ」
その彼は、茶髪を結んでアメリカンハットを被ったいかにも荷を扱う

業者っぽい風貌した人物だった。
「ルガーだ。よろしくな坊主」
「あ、鳳ですよろしく」
「丸井だ」
「忍足や」
「真田だ」
彼等を見ると、ルガーは、
「よろしく。で、手はずなんだが、2人が荷台に乗り、もう2人
はクアリーに乗ってくれ、今回通るルートは、帝国の検問を通らない

為にも大回りになる。だが・・・」
と、ルガーが取り出した地図には、ルートが書かれていた。
「この道を行く事になる。外見上は何の問題でもないが、モンスターが
半端じゃなく多いんだ。まあ、狩りをする奴らが良く使うルートでもあるからガードが必要なんだ。
「つまり、俺と忍足は護衛という事になるな」
「そうだ。それでどうだ?」
「わかりました。それじゃあ、俺と丸井さんで跡部さんを支えます」
「よっしゃ行くか!」
と、早速一行は出発した。

荷馬車が揺れる度、跡部の顔色が悪くなってくる。
そして、侑士と弦一郎は周りを警戒する。
今彼らは、モンスターが使っている獣道を使っている。
獣道は、モンスターの足などで踏み固められている為、かなり通りやすくなっていた。
「なんか、不気味やな」
「ああ。だが、こういう所は、かなり襲われやすそうだな」
すると、ルガーが突然クアリーを止めた。
「ん?どうした?」
「見られてる。しかもかなりの大物だ」
「なに?」
しかし、2人はあたりを見回すが、何かがいる気配は感じない。

だが、それは確実に見ていた。赤い目をした黒いドラゴンがこちらを見張る。

そして、ついにそれが現れた。
「出やがった!」
「グアアアアアア!!!!」
凄まじい吠えに皆が耳を塞ぐと、それはいきなり馬車の方を襲って来た。
「させんぞ! クオー!侵略する事火の如く!」
「クアアアアア!!」
クオーの凄まじい炎を、その怪物は身軽にかわす。
「チィ!なんなんだこいつは」
「ディニノクスだ。ここらじゃスピードで迫る奴として、かなり名が

たけえ。もちろんその報酬も伊達じゃなくたけえがよ」
そこで侑士がカードを用意する。
「となればこいつやな。フォレスト!」
草のツタがモンスターに絡みつき動きを封じる。
だが、向こうも負けてはいなかった。
「確かにすごい。これだけのパワーがあるとはな」
「だからいったろ。ゴタゴタしてる間はねえ!今の内に行くぞ」
「おう。戻れ!クオー!」
「クオ!」
クオーが弦一郎の体にもどると、すぐさまクアリーの車が走り始める


そして、侑士と弦一郎を乗せてクアリーもその後を追う。
だが、ディニノクスも負けてはおらず、炎をはいて襲って来る。
「こうなったらこれや! 氷結!」
そのカードを使う事で、ディノニクスは完全に動きを止めた。
「よっしゃ今や!」
4頭のクアリーは目的地を目指しひた走った。

そして、小さな清流を見つけた。
「わ〜。綺麗な水辺ですね」
「ああ。ここはクアリーの良い休憩場所になってるんだ。湧水が豊富

なとこだからな」
「ほな、ここでちいと休むか?」
「そうだな。クアリーも走りっぱなしだったからな」

という事で、皆はそこでしばし休憩する事にした。
それぞれが弁当を食べ、ブン太は跡部に薬を呑ませると、皆に合流した。

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