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テニプリファンタジー小説コミュの(第19章)(後篇)テニプリファンタジー「小生物の落し物と知性の契約」

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「あそこか。みんな、頂上はもうすぐだ!」
クイーク達に声をかけると、クイーク達は我先にと登りだす。
そして、ついに登頂を果たしてのは、ブン太だった。
それから次々と、クイーク達が辿りつき、クリスタルの前にお供え物を置き、何か願う用に手を合わせる。
「これが、精霊のクリスタル・・・」
「丸井君。それに触って! そうすれば、丸井君にも、力が宿るはずだよ」
と、声をかける慈郎に、ブン太はクリスタルに触ろうと思うが、これは、クイーク達の神様だ。
そう気安く触っていいのか迷い、クイーク達を見た。

そこへ、跡部達に連れられて、長老が姿を現した。
「触れて良いのじゃぞ。むしろ、それはお主が触れねばいけない物なのじゃ」
「俺が?」
「それは、知性のクリスタル、見事契約を果たせたならば、お主に力が与えられるのじゃ」
「・・・わかった。俺、クリスタルと契約する」
そう言って、ブン太あクリスタルに触れた。
すると、クリスタルは光り輝き、丸井が入ると、ちょうど、そのてっぺんに月の光りが射した。

そして、時折、
キーンキーンと音を立てながら、クリスタルが回転する。

そして、回転が止まると、彼が姿を現した。

その姿は、茶色の短めのローブに、短パンとショートブーツを履き、茶色い手袋には、丸いオレンジ色の飾りが付いており、
頭にはティアラが着いていた。

だが、目から光が消えており、ふらふらと歩いて来るが、途中で倒れてしまった。
「丸井君!」
慈郎が心配して近づこうとするが、バリアに阻まれ、そこから進む事太ができないでいた。

事態を悟った長老は、杖でバリアを消した。
「あ〜ん? このバリアは爺さんが仕組んでやがったのかよ」
「うむ、別な邪魔が入らん様にする為にと思ったのじゃが、イーグル族に効かず、困っておったのじゃ」
「詳しい話は、あんたの家で聞かせてもらうで」
「わかった。」
「慈郎、もう丸井に近付ける。お前はそいつを連れて来い」
「じゃあ俺は、ここに来た、クイーク達を、下ろしますね」
と、鳳はここに来ていたクイークを風を塊状にした物に、彼らを乗せた。
「それじゃあ下ろすね」
「キ〜」
「なんか落ちそうで怖いとか言ってるで?」
「大丈夫だよ!落とさないから!」
「この兄ちゃん優しいさかい、そない心配しいなって」
ルシアの言葉に、クイーク達は沈黙した。
「それじゃ、行くよ」
鳳は風の塊を、ゆっくりと地上に下した。

そして、ブン太の体はベッドに移され、体力回復用の薬を呑ませた。
「これで、しばらくすれば、元気になるじゃろう」
「さて、本題に入らせてもらうぜ。あんたらの100年に一度の儀式つうのはこれの事なのか?」
「その通りじゃ、わしらは、精霊の誕生を待っておったのじゃ。が、それにふさわしい巫女も現れなかった」
「なんでそんなにまでして、この儀式を続けとったんや?」
「お主たちも見たじゃろう。あのイーグル族を」
「あの黒い鷲ですね」
「うむ。我らは彼らに苦しめられてきた。この国を乗っ取ろうとしておるのじゃ」
「まあ、たしかに、これだけリッチ条件がそろとる国は、そうそうないやろ」
「その為、ワシ等は警戒を強化し、よそ者を寄せ付けんようにしておったんじゃ」
「それで、それを守る為に、丸井君の様な人が必要だったんだね」
「お気持ちは分かりますが、でも、丸井さんは、俺達の仲間なんです。ここに残しておくわけにはいきません」
「鳳の言うとおりだ。悪いが、丸井は返してもらうぜ」
「・・・・ならば、一つだけ、条件を聞いてはくれぬか?」
「条件?」
「我らに、知恵と力を貸していただきたいのじゃ」
「まあ、たしかに、クイーク族は、コミュニケーションを持ってるけど、しゃべれるのはごくわずかやしな〜」
「で、具体的にはどうすればいいんだ?」
「イーグル族を、この村にこぬようにしてほしいのじゃ」
「イーグル族との争いは、長いんですか?」
「最近、イーグル族は、ワシ等を狙って攻撃する様になったのじゃ、クリスタルと精霊を渡せと」
「そんなの使って、何する気だったの?」
「意図は分からん。だが・・・」
「キーキーキキ―キ、キーキー」
「ルシア、なんて?」
「長老大変や!またイーグル族が来たてゆうとる」
「まだ懲りとらんのか。もう、精霊は彼の体と合致しておるというのに」
「・・・長老さんはここにいてください」
「鳳、お前まさか・・・」
「できるかどうか分かりませんが、やってみます」
長老の部屋を出ると、鳳がイーグル族の見える位置まで飛んだ。

イーグル族は、先程よりもはるかに大きなイーグルを連れている。おそらくは、これが大ボスのようだ
「あれが、イーグル族のボス。なら、この力で。風よ。我が元へ集まれ」
彼の声と共に、風が、彼の元へ集まってくる。そして、ある程度集まると、今度は風を上に掲げ、
更に風のパワーを増大させる。
「いっけー!」
鳳の力で出来上がった巨大な風は、すさまじい竜巻となり、イーグル族を吹き飛ばした。
「だが、これは、鳳のパワーを半分近くまで奪ってしまった。
「ハア、ハア、ハア」
彼が息を切らしていると、突然後ろから突かれ、彼はバランスを崩した。

それを見逃さなかったオオワシは、
「ピーピピピピー」
と、かん高い声で鳴いた。
すると、他の鷲達も鳴き交わし、鳳めがけて襲い始めた。
「アカン!」
すぐに意図を察した侑士はバリアと水で鷲達を追い払う。
「大丈夫か?」
「は、はい。すいません」
「そういや鳳、サンダーのカード持っとったな」」
「あ、はい」
鳳がサンダーのカードを出すと、それを確認した侑士は、慈郎に声をかけた。
「慈郎。お前たしか、範囲限定やったら雷起こせたな」
「あ、うん。できるよ」
「ならば、こっちにも、打つ手はあるで」
「どうする気ですか?」
「まあ、見ときって。慈郎いくで」
「うん!」
2人はさらなる精霊モードになると、鷲達は編隊を組んでこちらに襲い来る。
すると、まずは侑士がその編隊めがけて水の波動を起こし、編隊を崩した。
「鳳、慈郎、今や!」
「サンダー!!」
濡れている上から、電撃を加えられた鷲達はたまらない。
ついに編隊は崩れ、大鷲の方にも、水と電気を蓄えた波動が当たり、勝負は決まった。

鷲達は、ついに逃げ出した。

それを見たクイーク達は歓声の声を上げる。
「流石、精霊の力を持たれたお方たちじゃ、まさか鷲どもを殺さずに追い返すとは」
「困っている人を、見すごせないだけですよ」
「ただし、あれでこりる連中とは、ちーとおもえんねんけど、それは自分で出来るかが問題や。俺等は長い事
こっちにおるわけにはいかんのやから」
「そうか。ならば、技術者と魔導師を集めて決めよう。幸いこっちには、結界魔法の使い手もおるでの」
「それやったら、はなからそれ使いいな〜」
と侑士が言うと、ブン太の体が動いた。
「あ! 丸井君?」
慈郎が心配げに見ると、ブン太の目がゆっくりと開いた。
「丸井君!」
「あ、慈郎。俺」
「やった〜丸井君精霊になれたC〜」
「いてて抱きつくなっての」
「良かった〜! 心配したC〜!」
「悪かったな。突然消えたりして。もう大丈夫だから」
「これで、全員揃いましたね」
「んじゃ、帰りましょうか。きっと皆も心配してるでしょうから」
リョーマの言葉に、皆も頷いた。
「今回はなかったッスね。出番」
「まあ、俺達の力を出すまでもなかったと言う事だ」
「クオー」
と、クオーは鳴くと、姿を消した。
「姿消せるんだ」
「俺の意思がない限り、奴は現れん。だが、俺の中で生きているのは確かだ」
「つまり、精神の中でって奴ですか?」
「そういう事になるな」
「そんじゃ、俺等は帰るから、後はてめえらでやりな」
「ちょ、ちょい待ち跡部はん。うちらはこの世界の陣を踏んで飛んできたんやで?
こっちから道作ってもらわな」
「そうじゃったか。おお、そうじゃ、記念に、こいつをプレゼントしよう」
長老が渡したのは、クイークのかわいいぬいぐるみだった。
「うわ〜ふかふかだC〜。おじいさんありがとう」
「まあ、かわええっちゃかわええけど、謙也の奴に見つからん事だけ祈るわ」
「かわいいですね。ありがとうございます」
「へえ〜自分達を模したぬいぐるみか。結構リアルにできてるじゃねえか」
「これがクイークって言うだ。俺、空から来たから全然わかんなかった」
「甥の佐助に譲るとするか。またおじさん呼ばわりされそううだがな」
「え?甥っ子いるの?真田さん家」
「ああ、佐助というのだが、これがなかなかに生意気で手を焼いている」
「へえ〜一回会って見たいッスねえ〜真田さんが手を焼くほどのその子に」
「会わんでよいわ!」
「アハハハハ。なかなか愉快な方達じゃ、残念じゃのう。もう会えんようになるとは」
「それは仕方がないですよ。次元が違うんですから」
「それでは、あなた方を元の世界へお連れしよう」
長老はそういうと、杖の先端部分で、陣を形成させた。
「これに乗れば、お主達の世界に帰れる」
「いろいろとありがとうございました」
「世話になったぜい。そっちも元気だな」
「ああ。お主達も、元気でやるんじゃぞ」
「はい!」
全員が陣を踏むと、皆は7番コートに戻って来た。
「ここは?」
慈郎がキョロキョロしていると、侑士が答える。
「7番コートに戻ったようやな」
「大丈夫です。幸い鍵は掛ってないようです」
「フッあのコーチが恐らく俺達が帰って来るのを見越して開けといたんだろうぜ」
「だったら、速く部屋に戻ろうぜ、みんな、心配してるだろうから」
「ですね。急ぎましょう」
幸い宿舎の扉も開いていたが、そこにはメンタルコーチが、いた。
「メ、メンタルコーチ・・・あ、やっぱ説明しなきゃだめ?」
「そりゃ〜決まってるでしょ?」
「ハア〜。なあ、今回は俺だけでいいか? 殆ど俺一人の問題だったんだし」
「その口調から察すると、どうやら、契約というのを果たしたようだな」
「なんでわかんの?」
「君達が一人で何かをなすと言えば、それしかないでしょ?」
「勘の鋭い奴だ。それで、ここに居たって事は、俺達をお待ちかねか?」
「まあ、今回は丸井君が契約をしたのなら、その姿を拝見したくてね」
「そんな事拝見してどうするんですか?」
「いや〜これからのデータ分析に役立つかなと思ってね」
「そんなかわんねえんじゃねえの? 大体魔法がテニスに及ぼす影響なんて、たかが知れてるだろい」
「まあ、個人的にどう変わったのか、見たくてね」
「たく、しゃ〜ねえな。その代り」
「分かってる。言わないよ」
と、ブン太は先程の姿に変わる
「へえ〜シンプルイズベストって感じだね」
「どうでもいいけど、もう部屋に帰っていいか?俺等疲れてんだからさ〜」
「そうだね。明日もまた忙しくなるみたいだし。全員解散していいよ」
と、メンタルコーチは去り、残された皆はそれぞれの部屋に帰って行った
「丸井君。疲れてない?」
「ああ。あの爺さんが作ってくれた薬のおかげで、疲れは取れたからさ。お前の方こそ心配だよ。まだ技、あんまり使いこなせてないんだろい」
「うん。でも、レイラのおかげで、少しずつだけど、レベルは上がってるって言われたよ。この調子で練習しろってさ」
「そっか」
部屋に帰ると、やはり向日は起きていた。
しかもかなりのブスクレ顔で。
「あれ?寝てたんじゃねえのか?」
「お前らが帰って来ねえから、こっちは心配してたんだぞ。一体何が有ったんだよ」
「あ〜それ〜言わなきゃだめか?」
「だめだ!」
向日の怒りは、自分達の知らない所で、何が有ったか分からず、一度酷い目に有っているので、何があったのか、
心配していたのだった。

そして、ブン太から事情を聴いた彼は安心したのか、突然の眠けでぐっすり眠ってしまった。
「そんじゃ、俺達も・・・って早!もう寝てやがる」
慈郎の眠りの早さに流石のブン太もあっけにとられたが、ある意味安心した。
体には、なんの外傷もなく、ぐっすり眠っている。
「やれやれ。俺も寝るか」
「今回は、忍足とあいつに感謝だな」
と言いつつ、ブン太は目を閉じた。

こうして、全ての精霊が揃った。

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