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テニプリファンタジー小説コミュの(第56章)(前篇)(テニプリファンタジー「完全体覚醒と、少女の願い」

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テニプリファンタジー

「完全体覚醒と、少女の願い」

皆が震源地に行くと、そこには、リー・シャンユーがおり、何かを願っていた。
「お〜我が意思を持ち、この地に眠りし物よ。復活の時が来た。今こそ、長年にわたる我らの願いを叶えたまえ〜!」
宮司が一緒になってその言葉を唱えると、何か黒く大きな塊の様な物があり、それが動くと、一瞬にして、リーの体に突き刺さった。
「グハ!1」
「ああ!」
皆は助けようとするが、それはリーの魂だけを抜き取り、吸収した。

「う、ううううわ〜!!」
と、1人の宮司が逃げ出すと、他の者も逃げ出す。すると、黒い塊は、宮司に絡みつき、魂を根こそぎ吸収し、さらに大きくなっていく。

そして、有る程度吸いとると、今度は姿が変わっていく。

丸い部分から翼が生え、足が生え、まるで巨大なドラゴンの様になった。
「な、なんなんや、こいつ、姿を変えよったで」
金太郎は驚くが、赤也はまったく驚かなかった。
「へん。それがなんだ。俺達だって負けてねえぜ。いっくぜ〜シューティングスター!」
赤也が技を放つが、ドラゴンはそれを吸収し、更に巨大になった。
「ゲゲ!技が効かねえ!」
「逆にデカしてどないすんねん!」
「そんな事言ったって〜」
「とにかく、こいつを倒さねえ事には、こっから出られねえって事だ。行くぞ!」

皆に続こうとした金太郎と赤也だか、飛ぼうとすると、何故かコケた。
「あれ?なんでや?飛ばれへん」
「確か、魔法の持続時間は3時間。俺達がここにきてから、もうそんなにたっちまったのか?」

パニクる赤也達に、弦一郎が指令を出す。
「お前たちは、白石を守れ。恐らくあのドラゴンは魂の集合体。下手に触れば、こちらの魂を持っていかれる。今魂だけの白石は、奴にとっては、最高のごちそうだ。ならば、白石を狙ってくる。なんとしてでも、そいつを守るのだ!」
「は、はい!」
「わかった! 行こう白石。って白石!」
なんと白石は、さっきブン太の回復で魂を元気にしてもらったはずなのに、ぐったりとしていたのだ。
「白石。どないしたん!?」
「白石さん!」
赤也と金太郎が、彼に駆け寄ると、息は荒く、手足がさっきより薄くなっていたのだ。
「白石、薄なってもとる。なんでや?丸井の兄ちゃんに元気にしてもろたはずやのに」
「とにかく、あいつから白石さんを放すんだ」
「う、うん!」
金太郎と赤也は白石を支えるようにして歩き、なんとか、あいつの手の届かないどこか安全な所がないか捜した。
「なんとか、白石を隠さんと」
「大丈夫!ウチの副部長強いから!」
「でも、この建物、何がどないなっとるんや?外に出られへんで」
「とにかく、どこかで白石さんを休ませないと」
「なんとか、元の世界へ帰れる何かがあればええねんけどな〜」
「実体に戻ろうにも、あんな奴に目を付けられたんじゃ、落ち着けないぜ」
「う・・・うう」
「白石!」
彼のうめき声に、二人はどこかの部屋に一旦運び入れ、白石を寝かせた。
「白石さん・・・」
不安な顔をする赤也だが、白石の体は見る間に薄くなっていく。これでは、いつ消えてもおかしくない。
「神様お願いです。どうか白石さんを消さないでください!」
偶然その部屋にあった仏壇に祈り、おりんを鳴らした。
すると、
「リーン」
という音が響き、白石が目を開けた。
「う・・・あ・・・」
「白石(さん)」
「金・・・ちゃん・・・きり・・・はら・・・くん・・・」
「良かった。大丈夫か?」
「お、俺・・・どないしたんや・・・丸井君に・・・元気にしてもろたはずやのに・・・なんや、黒いのを見たとたん、急に、体が・・・」
「魂の一部を持ってかれたんですよ」
「兄ちゃんらやこしまえが、あのドラゴン倒してくれればええねんけど・・・せっかくこの世界に来たのに、なんにもできひん・・・そんなの、嫌や!・・・」
いつの間にか、金太郎の目から涙がこぼれ落ちて行った。

そんな声が聞こえたのか、白石は、消えそうな体を必死に動かして、金太郎の頭をなでた。
「金ちゃん。俺を助けたい思て来てくれたんか」
「うん・・・マティーヌの姉ちゃんに3時間だけ、魔法を使えるようにしてもろたんや」
「切原君も」
「俺も、白石さんを助けたくて、同じ気持ちで、魔法を使えるようにしてもらったんです。でも、このままじゃ・・・」

その言葉に、白石は温かい何かを感じた。

自分の為にわが身を顧みず危険に飛び込んで。

一見すれば、命知らずというが、この場合、そうは言わない。
「ありがとうな。2人共・・・」
白石はそれだけ言うと、力なく倒れてしまった。
「白石さん! 俺、やっぱり戻るっス。丸井先輩呼んできます。おいチビ。白石さんを頼むぞ」
「誰がチビや。ワイは遠山金太郎や!」
「ならチビ金!」
「誰がチビ金や!」
「あ〜どうでもいいから、白石さんを、変な奴等の渡すんじゃねえぞ!」
「わかっとる!そっちこそ、変な奴等に捕まるなや」
「あたぼうよ!」
と、それだけいって、赤也は走り去った。
「頼むで白石。丸井の兄ちゃんが来るまで、消えんとってな」
彼が不安そうに見ると、すでに半分が透け、いつ消えてもおかしくない状態だった。

そんな彼の耳に声が聞こえた。
「・・・すけて」
と、小さな女の子の声が。
「・・・な、なんや・・・」
「白石、どないしたんや?」
「金ちゃん・・・・悪いけど、連れてってくれへんか?・・・声・・・聞こえるんや」
「声? まさかあのドラゴンに?」
「わからん・・・けど・・・聞こえるんや・・・必死で助けてって」
「白石・・・分かった!」
金太郎は、魂がすけて、軽くなってしまった白石を担ぎ、その声の元へ向かう。
金太郎には聞こえなくても、白石には、確実に届いていた。

魂の叫びの中にある、純粋な、声が。
金太郎は、白石が示すとおりに進んでいくと、外に出た。
「ここでええ・・・金ちゃんは・・・安全なとこにおり・・・あの中から、聞こえるんや・・・」
「白石・・・体が・・・」
ドラゴンのせいなのか分からないが、白石の魂が更に薄くなる。

このままでは、白石の魂が死んでしまう。
「だ、大丈夫…や・・・お、れは・・・」
「丸井の兄ちゃんが来るまでまっとって。必ず元気にしてもらうから」
金太郎の眼は涙でいっぱいになっていた。
「金・・・ちゃん・・・ごめん・・・な・・・」
「白石・・・」
「白石さ〜ん!ってうわ、ヤッベ〜!!先輩。早く!」
「分かった!」

今にも消えそうな白石にブン太の回復魔法が魂を元気にしていく。

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