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テニプリファンタジー小説コミュの(第45章)(後編)(テニプリファンタジー)「仁王VS跡部」

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そして、彼は柳生を連れて、屋内練習所の近くまで来ると、彼の姿が見えた。
「どうだ?柳生」
「フム。一見普通に見えますが、どこか変ですね〜それが何なのか、私にはわかりませんが」

彼がそう言っている頃、跡部は、氷の世界や跡部キングダムを使うが、これも効果がなかった。

ここで、初めて跡部は気付いた。この仁王が偽物であるという事を。
「この仁王は偽物か・・・くそ、なたこの奴、俺を騙しやがったな!」
「出てこいなたこ! どういう事だ。こいつは仁王じゃねえだろ!!」
「ん?仁王君だよ。本人そっくりでしょ?でもそれもそのはずだよ。だって彼の生気で形をとってるんだもん」
「何だと!?」

これには、外にいた皆も耳を疑った。

つまり、この仁王は、彼の生気を固めて造られた人形だったのだ。
「というい事は、どこかに彼が・・・」
「ああ。どっかに捕まった挙句、生気吸われて、それを形作られとるだけや」
「でもでも、そんな事長時間続けたら・・・」
「仁王自身も危ねえって事だ。くそ。なにか、なにか情報があれば」

そして、そうこうしているうちに試合は進むが、だんだん跡部の顔色が悪くなっていく。

彼は仁王にポイントを取られ続け、生気をそのたびに奪われていたのだ。

が、一方の仁王も、同じ様に生気を奪われ、弱っていた。
「う・・・う・・・うう・・・う・・・な・・・なんとか…こ、この事・・・・う・・・・ち、から、が・・・はいらん・・・だ、誰か・・・き、づいて・・・」
ルシアヌは、何かを考える様にしながら、計器を見る。
「どうした?早くシンクロという物を見せたらどうだ?」
「う・・・む、無理・・・言う、な・・・あ、あれは・・・本当に・・・ぐ、偶然・・・できた、だけ・・・そう、簡単に・・・で、きる物・・・じゃない・・・ぜよ

・・・う!」
「フム。なたこ君。現在の状況は?」
「う〜ん。結構いい試合してるんだけどな〜まだシンクロって奴は見せてないよ? あれってやっぱダブルスじゃないとダメなのかな〜


「フム。彼の事だから、てっきり出来ると思ったんだが」
「どうする?ダブルスにしてみる?」
「いや、彼はまだ、本当の力を出していない。私は見てみたいのだ。彼の本当の力を」
「彼って、跡部の事?でもさ〜なんかあっちも怪我してるみたいだよ?それ治した方が、ホントの力見やすいんじゃないかな〜」
「フム。もっと楽しんでもらおうか」
と、ルシアヌは、レバーを上げた。
すると、仁王の下にある魔法陣が光り、彼の生気を奪い、逆に跡部と戦っている仁王が強くなる。

2人の試合は凄まじい持久戦になるが、お互い一歩もひかず、このままでは、2人とも死ぬ可能性が高くなる。
「ど〜しよ〜!このままやってたら、死んじゃうよ〜」
「なんとか、操っている場所が特定できればいいんですが、どこにも反応が無い以上、手の出しようが・・・」
「跡部・・・」
「侵略する事火のごとくー!」
と、弦一郎は、バリアにむかって、おもいっきり突っ込んだ。

だが、バリアは固く、すぐにはじかれてしまう。
彼はあきらめずに奥義をそのバリアにぶつけながら、壊そうと必死だ。

その姿に突き動かされるように、皆はそれぞれの技をバリアに一点集中していく。

すると、バリアにひびが入り始めた。
「ヒビが・・・」
「油断するんやない。一点に集中させるんや!」
「いっけー!!!」
皆の技が一つとなり、ついにバリアが壊れた。
「お〜!超すごいじゃん今の〜!」
と、なたこが喜んだ次の瞬間、なにかに捕まった。
「わ!な、何!?」

なんとそれは、乾貞治と行動を共にしていた、マティーヌだった。

乾はこの騒ぎを知ってここに来たが、自分にはなんの力もない。

だが、皆がバリアを破ろうとする可能性を信じ、待っていた。

そして、バリアが解けたところで、なたこを捕まえる事に成功したのだ。
「ちょ、ちょっと!何アンタ!?」
「私はマティーヌ。魔導師です。貴方は、自己満足で、ルシアヌについていた。でも、それは間違いです。貴方の本当の満足は、凄い

物を見る事にあった。でも、それは、人の命を犠牲にしてまでする事ではないはずです」
「じゃ、じゃあさ。あんたはなんかあんの?目的というか、そういうの」
「あります。私は外の世界を知りたい。その為に、私は、貴方を封じ外へ出ます!」
「ってやってる事が人身御供じゃんか〜!!」
「あなたの様な自己満足で、人の命を弄ぶ様な人と一緒にしないで!」
マティーヌはそう言うと、なたこを捕まえたまま、腕輪の中に戻ると、宝石が光り輝き、マティーヌが姿を現した。

宝石の中では、なたこがきょろきょろしながら、何かを探した。

だが、彼女の欲を満たす物は、その世界に存在していなかった。
「ちょちょっと!こんななんもない空間に、か弱いレディを置いとかないでよ!!」
「残念ながら、そこは牢獄と同じ。だが、俺と話をする事位なら、可能だよ?」
「ムウ〜。でも、私、アニメとかゲームの話くらいしかしないよ?」
「だが、テニスのデータを集める事は可能だね。君はルシアヌの助手を務めていたんだろう?」
「まあ、そうだけど・・・って、これじゃ元に戻れないじゃん!!」
「それもそのはず。そこは一種の牢獄みたいな場所だからね。脱出は不可能だよ」
「って!だったらなんであの女の人と交代したのさ〜!」
「マティーヌは、ここから出たがっていたからね。君と入れ替わるしか、方法がなかったのさ」
「こ〜ら〜!」
と、なたこは叫ぶが、もう、そこから出る事は不可能だった。

そして、バリアが解除されたのを知り、皆が入り口で、2人の戦いを見守る。

だが、もう既に2人とも限界だった。
「なんとかしないと、リース。ここを開けられますか?」
「やってみます」
と、リースが鍵を開けようとしたその時、
「俺は、ここじゃき・・・」
と、皆の頭にテレパスが届き、皆がそちらを見ると、シンクロ状態になっていた。

そして仁王の体が光り、向こう側のルシアヌの姿が見えた。
「あそこです!」
「よし、丸井は跡部を頼む。我々は、仁王を救う」
「分かった。かならず、帰ってこい!」
「無論だ!行くぞ!」
シンクロ状態に達していた為、そこに入るのは容易だった。

シンクロを間近で見たルシアヌは、その素晴らしさに、それを記録していくが、同時に、招かれざる客を呼んでしまった。
「貴様の仕業か」
「何?」
弦一郎の声に、ルシアヌは耳を疑った。
まさかシンクロを通して、ここに来るとは想定していなかったのだ。
「ば、バカな。シンクロ状態で、ここに来るとは!」
「やっぱり貴方だったんですね。ルシアヌさん!」
皆が来た事を知ったのか、仁王は笑みを浮かべてシンクロを解き、そのまま意識を失った。
「仁王!」
「仁王君!」
弦一郎が仁王に触ると、かなり酷い状態になっていた。
「このままでは・・・だが、丸井は跡部につきっきりだ。なんとかして、こいつを外さなければ」
「外してもらえますね。ルシアヌとやら。彼は、私にとっても、大事な方なので」
「彼は特別だ。シンクロとやらを体得し、君達をここに導いた。彼には多いなる可能性があ・・・る!?」
ルシアヌに、柳生のレーザービームが直撃した。
「な、何をする!?」
「私は言ったはずですよ?仁王君を放して欲しいと」
「貴様はなんの力も持ってはいないだろう?」
「そういうあなたこそ、仁王君の力を実験材料にしたでしょう。やっている事は同じですよ!」

そうこうしているうちに、鳳が解除スイッチに気付いて、それを押した。
ぐらりと傾いた彼を、弦一郎が受け止め、寝かせてやる。
「仁王、仁王!しっかりしろ!仁王!」
「う・・・うう・・・さ・・・な・・・だ・・・」
「もう大丈夫だ。今は寝ていろ」
「き・・・気付くの・・・遅い・・・ぜ・・・よ・・・」
彼はそれだけ言って目を閉じ、柳生が脈を確認すると、かなり弱っていた。
「かなり酷い状態です。早くここから出してあげないと、本当に・・・」
「チィ!ルシアヌめ。なんて卑怯な事を!いでよクオー!」
「クオー!」
「なんと、こんなドラゴンが彼の中に!」
柳生にとっては、驚きの連続だった。
まさか、このようなシーンに出くわすとは思ってもみなかったのだ。

そして、ここでまた新たな事が起きた。

なんと今度は、クオーと弦一郎がシンクロしたのだ。

彼が、ルシアヌの行動を正確にとらえ、クオーがそこに思いっきり炎の塊をぶつける。

これには流石の彼もたまらず、全ての電源を切り、逃げ出すしかなかった。

逃げる最中、彼はこれまで得てきた資料を読み返し、次なる手が無いかを探していた。
「クウ・・・私もまだ若い。かならず復讐してやる!」

彼は復讐を誓い、離れて行った。

一方鳳達は、マティーヌとリースの力で、現実世界に帰って来た。
「丸井さん。跡部さんは?」
「かなり弱ってたから、医務室に運んだ。けど、かなり悪いみたいでな、医者がバタバタしてる。それに、足の事も知らせておいた。どう

もあいつ、自分の怪我の事を、医者に言ってなかったらしいんだ」
「跡部さん。勝ちにこだわると、周りが見えなくなりますからね〜」
「まったく。自分をかえりみんやっちゃ」
「もっと気を使ってほしいC〜」
「自分の怪我を治さんとは、全くたるんどる」
「跡部、大丈夫かな?菊丸」
「大丈夫だよ。ラティエル。あいつは殺しても死なないから」
「・・・ま、否定はせんけどな」
と、侑士が苦笑した。
「まあ、俺としては、マティーヌを解放出来て、良かったと思う。そうでしょ?」
「はい。あなたのおかげで、私は自由になれた。でも、今度は、私があなたに恩返しをする番です。もう少し、せめて、この合宿が終わ

るまでは、そばにいさせてください」
「マティーヌ・・・」
「この人がマティーヌさんですか」
「奇麗な人だC〜」
「へえ、乾と話してた女性って、この人だったんだ」
「まさか彼女が」
「改めて、自己紹介いたします。魔導師、マティーヌです」
「「ま、魔導師〜!?」」
「はい。あの、何か?」
「あ、い、いえ」
「うちら、ちーとばかし魔導師達に酷い目にあわされてるさかい、どうも魔導師っちゅうたら、ろくでもないもんやとおもてしまうんや」
「あら、そうでしたの?」
「ま、あまり、良い印象は持っていませんが、これから慣れれば良いだけの事です。これからもよろしく。マティーヌ」
「はい!」
彼女と握手した乾は、改めて挨拶を交わし、たがいの絆を誓いあった。

その後、コーチに事情を話し、仁王はリハビリ施設へ送られ、事件は解決したものの、仁王の体力が持つかどうか不安だったが、
次の日、柳生宛に手紙が届き、仁王は無事に目を覚ました事を知らされ、ほっとした。

そして、跡部もようやく目覚めたが、昨夜の試合で、体力と生気を半分以上吸われ、足の方も酷かった為、今日は睡眠薬で、眠らされ

ていた。

部屋で寝ていると、侑士がやってきて、経過を観察する。

何しろ、生気を半分以上奪われ、死ぬ寸前だった為、心配になったのだ。

幸い顔色もよく、足の方も包帯を巻かれていて、本人はスースーと寝息を立てて眠っていた。
「これなら、大丈夫やな」
侑士は安心し、部屋を出て行った。

だが、彼らの知らないところで、なにかが育ち始めていた・・・

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