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テニプリファンタジー小説コミュの(第24章)(前篇)(テニプリファンタジー)「幻獣の暴走」

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テニプリファンタジー

「幻獣の暴走」

それは、ある日の事だった。

朝の訓練が終わり、皆が朝食を食べていると、突然、鳳のペンダントがキラキラと光る。
「ん? リースどうしたの?」
「これは、あいつが現れる信号です。みなさん、部屋に戻ってください」
「え? あ、これから戻るつもりだったんだけど、またなんで?」
「もうすぐ、この空間は、幻獣の空間と繋がります」
「幻獣の空間? それってどういう・・・」
「来ます!」
彼女の声と重なるかの様に、

「ゴゴゴゴゴ!!!」
と、すさまじい地震とと共に、合宿所内のあちこちに、魔法陣が現れ、中から、ユニコーンやペガサス、
グリフィンと言った、幻想世界の動物達が姿を現した。

しかし、その目は赤く、まるで興奮しているかのようだ。

そして、偶然にも、ペガサスが現れたところに居合わせた、天神耕介と平理とん平は、最初は驚いたものの、
その美しさに魅了された。

純白の体に金色の毛を持ち、真っ白な翼、見ただけでも美しいそれに、彼らは我を忘れ、触ろうとした。
「お、おいおいまじかよ。すげー」
「お、おい平理、人参持ってこい!」
「な、なんで?」
「バカ! お前馬ってくれば人参って相場は決まってんだろ!」
「あ、ああそうか。わかった。」
「良い子だだな。おとなしくしてろよ〜」
と、天神が触った途端、ペガサスは突然前足を振り上げ、踏みつけようとしたところを、彼は慌ててよけるが、
ペガサスのほうは、赤いオーラと共に目が真っ赤に光り輝く。まるで、何かに怒っているようだ。
「わ、悪い、ただ、ちょっと、ぺ。ペガサスってめ、珍しいと思って、つい・・・」
「ヒヒ〜ン!!!」
と、いななきと共に、走り出し、天神を追いかけ始めた。
「うわああああああ!!!」

また、モニタールームにも、このような陣が現れ、そこに現れたのは、純白の毛に、一本角を持つ、ユニコーンが
姿を現した。
「・・・ユニコーン・・・初めて見ますが、あなたは・・・・」
と、黒部が声をかけると、ユニコーンは背を低くし、前足を鳴らす。明らかな威嚇行為だ。
「ま、待ってくれ。私は君の敵じゃない! 怒りを鎮めてくれ」

だが、そんなコーチの言葉は通じず、ついにユニコーンは攻撃を開始し、モニタールームの設備をめちゃくちゃに
壊し、モニタールームを飛び出すと、突然暴走し始めた。


そして、外ではなにやら奇妙な光景が目撃された。

それは、浪速のスピードスターを自慢する忍足謙也と、スレイプニルの追いかけっこのようだった。

だが、かつてオーディンの軍馬と言われたその脚は伊達ではなく、謙也をあっという間に抜き去り、
こちらに迫って来た。
「よっしゃ〜! 浪速のスピードスターで、お前に・・・」
「アホ! そいつはスレイプニル、お前の脚でどうにかなる相手やない!」
「せやからこそや。俺はこいつを乗りこなしたる!」
と、謙也は迫り来るスレイプニルに真向から迫り、ヒラリとその身をかわすと背にまたがってしがみつく。
「こいつ。おとなしゅうせい! お前は俺が・・・ん?なんや・・・赤い糸、どこにつながっとるんや・・・
もしかして、こいつを切れば・・・」
謙也はその赤い糸に触れると、バチバチと電流が走り、スレイプニルも嫌がる。
「心配せんでいい。お前は、俺が自由にしたる・・・の〜〜〜〜〜〜!!!!」
そして、謙也はついに赤い糸を切った。
「ヒヒ〜ン」
謙也はショックで振り落とされ、スレイプニルも倒れた。
「謙也!」
侑士が謙也に近づくと、彼は気絶しており、手に火傷のような後があった。
「気絶しとる。丸井、頼むわ」
「OK」
「そっちはどないや? 跡部」
「こっちは確かに、何かに操られてたようだな。完全に気を失ってる。だが、死んじゃいない」
「よかった。後は体力が戻れば、元気になりますね」
「でも、なんでこの馬がここに?これって幻想図鑑に載ってるやつだよね〜」
「それも調べてみる必要がありそうだな」
「残るは、中におる奴やな。まずはこいつを、どっかに隠さんと」
「か、隠すってどこに?」
「忍足。お前のカードにこいつを一応封印しておけ。その中からなら、攻撃を防げるはずだ」
「よっしゃ。幻想よりいでし物よ。我の力となれ」
侑士の呪文によリスレイプニルは、一度ファンタジーのカードに封印された。
「よっしゃ、ここに居れば安全や、もうお前を縛ったりはせえへん」
「まずは中の奴をどうにかする事だ。ただし、一人で挑もうとするな。相手はこっちを、完全に敵と認識しちまってる。それらを止めるに

は、全員の力が必要だ」
「今回は、なんかやばい感じだC〜」
「しかも、今だけ幻獣が現れたとなりゃ、こりゃやばい事かもしれないぜい」
ブン太がそう言った次の瞬間。
ぺガサスに追われた、平理と天神が走ってきた。
「あれ?平理さんに天神さん。どうしたんですか?って。傷だらけじゃないですか。
「ぺ、ペガサスに餌をやろうとしたんだ。そしたら・・・うわ、きた〜!!」
と、鳳の後ろに隠れる。
「跡部」
「ああ。あいつも同じだ。何かに操られてやがる。忍足、水をぶっかけてやれ」
「よっしゃ〜!」
「二人とも、目を閉じててください」
平理と天神が目をつむると、侑士は、ペガサスめがけて、思いっきり水流を巻き起こした。

すると、ペガサスは水流にのまれ、動きができなくなり、首に付いている赤い糸が見えた。
「あいつや!」
「あの糸を切れば!」
鳳はラケットを素早く剣に変えて、赤い糸を切った。
すると、ペガサスはいななき、そのまま倒れた。
「大丈夫かい?今回復させてあげるからね。丸井さんお願いします」
「任せときなって」
ブン太の癒しの力がペガサスにしみていき、羽についていた傷をも回復させた。

しばらくすると、ペガサスは目を開いた。

その目は赤くなく、黒く、優しい目をしていた。
「これが、ペガサスの本当の姿」
「俺様に、ふさわしい馬じゃねえか」
「跡部さん。この子はまだ・・・」
と、鳳が言いかけた時、ペガサスは鳳の前にしゃがみこみ背中を指した。
「もしかして、乗れって事?」
と言うと、ペガサスはコクリと頷いた。
鳳が乗ると、ペガサスに聞く。
「重くない?」
と言うと、ペガサスはしっかりと立ち上がった。そして、翼をいっぱいに広げると、助走を付けて飛びあがる。
徐々に高度を上げると、ヒヒーンといななく。
合宿所全体が見わたせる位置まで飛ぶと、鳳は、信じられない物を目にした。

そこかしこで、幻獣達が暴れていたのだ。

中には、神として崇められてきた物までいる。
「ひょっとして、これ全部」
「ヒヒーン」
「とにかく下に降りよう。このままだと、君まで危なくなる。
ペガサスは、スーッと降下し、忍足の前で止まった。
「忍足先輩。この子をカードの中へ入れてください」
「わかった。ファンタジーのカードよ。今こそわが名において、この物を封じよ」
彼の呼び声と共に、ペガサスはカードの中へ入って行った。
「フウ」
「後は、中で暴れとる奴を止めんと」
「外にはケルベロスがいました」
「さすがにきついな〜・・・聞いとるか?跡部」
「ああ。こっちはこっちで大変だけどな」
「なんかあったんか?」
「よりにも寄って、コーチのところにユニコーンが出やがった。しかもかなり暴れていやがる」
「それもそのはずや。そいつは一見おとなしゅうに誤解されがちやけど、実はごっつい暴れん坊で、女の言うことしか聞かんのや」
「あ〜ん? この合宿所に、女なんかいねえぞ」
「そうや!鳳、リースを貸してくれ。あの姉ちゃんやったら、ユニコーンを止められるかもしれへん」
「わかりました。リース。お願いします」
「わかりました。ユニコーンは元が凶暴で、しかも今は操られ状態。早く正気に戻してあげないと」
「せやな。行くで鳳」
「はい!」
「あ、あの〜俺たちは?」
「あ、ああ忘れてた。あなたたちは部屋に戻っていてください。部屋に現れる事は、多分ないと思いますから」
「わ、わかった。む、むりするんじゃねえぞ〜」
と、平理と天神は、すたこらさっさと逃げ出した。

一方跡部達は、ユニコーンに苦戦していた。テニスボールで脅かそうとしたのだが、まったく通じず、ただ逃げるしかなかった。
「逃げるのも飽きてぜ!ホーラ、凍れ!」
彼は得意技の氷の世界を使うが、もともとテニスをしておらず、ただただ走っているだけの相手に、通じるわけもなく、逆に止まった跡

部を、その角で貫こうとするが、
間一髪で鳳のカード、氷結が間に合い、ユニコーンの脚を止めた。

ユニコーンは暴れるが、氷結は一度固まると、そう簡単には取れない。
「跡部」
「跡部さん。よかった間に合って」
「お前ら、どうやって」
「コーチが教えてくれました」
「それで、お前らの方は、なんとか、ペガサスとスレイプニルは抑えたんやけど、なんや大量にまだ、うじゃうじゃおるで」
「まったく、こっちはこっちで忙しいってのに!」
「とにかく動きが止まってる今のうちや」
「はい。リース、彼を落ち貸せてください」
「はい。さあ、もう大丈夫よ。今、あなたを操っている者から解放してあげる。だから、少し、おとなしくしてて」
リースの姿をみたユニコーンはようやく動きを止めた。
そして、鳳はラケットを剣へと変え、操っている糸を切った。

それで興奮が冷めたのか、ユニコーンはおとなしくなった。
彼が氷結を解除すると、侑士が近づき、ファンタジーのカードをあて、そこへ封印してやった。
「ほな、次行こか」
「ですね。まだ、苦しんでいる幻獣達がいます。後、確認できたのは、ケルベロスだけでした。
「やれやれ、こりゃ相当体力使いそうやな〜」
「ああ。しかも相手にはテニスが全く通じねえ」
「通じるわけあるかいな」
と、侑士が突っ込むと、
「うわ〜〜〜ハチだ〜〜〜!!!」
と悲鳴を上げる慈郎の声が聞こえた。
「ハチ?」
みんながそちらを覗くと、それは赤い目を光らせたフェアリーだった。
「あれは、ハチじゃないね〜」
「とにかく、行ってみましょう」
鳳と共に、侑士と跡部が続く。
「それじゃ、僕は、あの子猫ちゃんのお世話だね」
「そういえば、時折モニタールームから離れていましたが」
「あはは。ちょっとした物を育ててね。そろそろミルク上げに行かないと。姫さんがおなかすかしたままにしとくと、不安になっちゃうでし

ょ?」
柘植コーチは不思議な顔をした。

確かに斉藤コーチには、謎が多いが、よりよって、何かを育てるという単語に驚いたのだ。
「一体、奴は何を育てているんだ?」
「言葉からさっするに、何か生物のような物かと思います。まあ、職務はキチンとこなしていますから、問題はないでしょ。それより、我々

はモニタールームの復旧作業が残っています。そちらを優先しましょう」
「そうだな」

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