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テニプリファンタジー小説コミュの(第18章)(前篇)(テニプリファンタジー)「悪魔女の復讐」

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テニプリファンタジー

(注 時折、標準語、沖縄弁になっていますので、ご了承ください)。

「悪魔女の復讐」    

それは、ある日の事だった。

いつも通りの厳しい練習と訓練が続く、そんないつもの事だった。

あるコートで、練習試合の様な試合が行われていた。

そして、その中に、彼はいた。

彼の名は平古場凛。沖縄の比嘉中出身の選手だった。
「それじゃいくぜ!。
彼が攻めようとした、まさにその時、異変が起きた!
「うぐ!」
彼の動きが突然止まり、胸を押さえて倒れこむ。
「お、おい? どうした?」
他の選手も何事かと集まってくるが、彼はビクビクと、まるで痙攣しているようだ。
「お、おい、大丈夫か? しっかりしろ! おい、平古場」
と、選手の一人が声をかけた途端、またしても異変が起きた!

今度は、頭を押さえて苦しみだしたのだ。
「う、うう・・・うあああああ!!」
そして、彼の周りになぜか竜巻のような突風が吹きあがり、周りにいた選手を吹きとばす。

だが、この様子は、モニタールームからは映らなかった。

実はこの現象にいたる5分前に、なぜか、全ての機能が停止してしまったのだ。
復旧作業に、コーチ陣が手間どってしまっている間に、事件は起きてしまったのだ。

突風は竜巻となり、あらゆるものを巻き込んで行く。その強さはまさに最強クラスに相当するものだった。
だが、中の彼は、既にこの時、意識がなく、手足も動かさずただ、なすがままにされ、目は開いているものの、光が失われていた。

この現象に、沖縄組が見に来て、必死に声をかける。
「凛!、どうした凛!思い出せ。俺だ!甲斐だ」
「やめなさいよ平古場君! ゴーヤー食わすよ!」
「リーン。なにしよっとか〜!」
「これじゃなにかわからんさ〜。出てきて、話をするべさ〜」
沖縄組は全員一丸となって、彼の名を呼び続けた。

すると、それが聞こえたのか、渦の勢いがどんどん小さくなっていったのだ。

だが、この時、誰も気づかなかった。

遠く、こことは違う空間で、凛を操っている者がいた事に。
「フフフ。これでお前は、私の虜。さあ、解放せよ。私のかわいい人形よ!」
その声と共に、凛の目が赤く染まり、小さくなりかけていた渦が更に増大していったのだ。
「何があったさ〜。さっきまで、収まってたのに」
「凛、なにがあったさ、俺がお前を助けてやる!」
「甲斐君!」
甲斐は、風の中へ飛び込もうとするが、風は、まるで堅い鋼の様になり、逆に甲斐の体を傷つけた。
「うわ!・・・う・・・り、りん・・・」
そして、驚くべき事に、その風は意思を持って動き出したのだ。

だが、中の凛は、殆ど何も聞こえず、何も見えていない。

ただ、真っ暗な暗闇にいるだけで、ずっと胸を押さえて苦しんでいた。
「う、うあ・・・・く、苦しい・・・・胸・・・・締め付けられて・・・・あ・・・・ああ・・・・うあ!・・・に、握られた・・・・だ、誰ば・・・こんなこ・・・う」
「うふふ。お前は私の人形。さあ、もっともっと遊びましょう」
「お、お前・・・だ、だれさ・・・・なんで・・・俺を・・・・」
「そんなの、あなたが知る権利、ないんじゃない?
「け、権利・・・うあ・・・」
「あなたは、私の呪いで、もう何も見えない・・・あなたは、私のお人形。さあ、まずは邪魔なあいつらを、殺しなさい」
「こ、殺す・・・皆・・・」

竜巻はついに別の意思が加えられ、選手達を吸いこもうとする。
「皆、急いで避難してください!」
皆がそちらを見ると、風の精霊の衣装を纏った鳳がいた。
だが、この姿が何を示すか知っているのは、ほとんどいない。
「お、おい鳳、お前その服どこから・・・」
「彼は俺がくい止めます。みなさんは、その隙に逃げてください」
「お前にそんな事・・・」
「できるかどうかわかりませんが、あの渦から、聞えるんです。平古場さんの助けを求める声が」
「やあに聞こえるなら、わったーたちにも聞えるさ〜」
「絶対あいつは、わった〜で、止めてみせるさ〜!! バイキングホーン!!」
甲斐が得意技を出して、止めようとするが、当然そんな者が効くわけもなく、風で粉々にされてしまった。
「クソ!バイキングホーンがきかねえ。なら直接・・・」
「危ない!甲斐さん! 風よ。心乱れし者を止めてくれ!」
鳳はすぐさま風に願い、甲斐の動きを封じた
「うわ〜。な、なんだ?」
「鳳、お前の仕業か」
「今突っ込んだら、あの竜巻に切り刻まれますよ! 俺が上から行って、なんとかします。だから、あなた方は、外から平古場さんを呼んであげてください。
彼を助けるためにも」
鳳のその言葉に、沖縄組は、任せるしかなかった。
「いいでしょう。あなたがそこまで言うのであれば、我々は協力しましょう。ましてや、これは意思を持って動き始めています。このままで
危険すぎるでしょう。できますか?」
「やってみないとわかりません。ですが、平古場さんの意識を取り戻すには、あなた方の声が必要なんです」
「・・・・」
「永四郎。どうするつもりさ〜」
甲斐が永四郎に聞くと、長い沈黙の中、鳳の覚悟を見た彼は、任せる事にした。
「分かりました。この場は、あなたに任せるしかないでしょう」
「その前に、わった〜を解放してくれさ〜」
「ああ、すいません」
彼は、甲斐にかけていた風から解放した。

そして、皆が離れたのを確認すると、鳳は上空へ飛び、渦の中心に突入した。
「平古場さん!平古場さん!お願いです。目を覚ましてください。平古場さん!!」
彼が幾度呼びかけても、平古場は反応しなかった。

その時、リースが気づいた。
「鳳さん。彼の目を見て下さい」
「え? あ、光がなくなって、赤くなってる」
「おそらく彼は、何者かに操られています。今は一時しのぎでも、彼を救わなくては」
「もちろんです。でも、俺一人じゃ、丸井さんを呼んでくるわけにもいかないし」
「願うのです。彼の呪いが解ける事を」
「やってみます」
彼は額に自分の額を当て、呪いが消えるように強く願った。

すると、いままでふいていた風がうその様に静まるが、鳳も平古場も、その場に倒れた。
「おい、誰か、この人達を医務室に」
「俺が運ぶ。お前はそっちを」
「分かった」
強力な連携プレイで、一時的に平古場の呪いは解かれたかのように思われた。

だが、呪いを同時に受けてしまった、鳳も危ない目にあってしまった。

その事を聞いた、跡部、侑士、ブン太、リョーマ、慈郎が、医者に容体を聞いた。
「なんとか、こっちの彼は、今のところ、疲れが出た程度だが、問題はこっちの彼だ」
と、医者は、あるレントゲン写真を見せた。
なんとそこには、心臓を明らかに、強い力で、握られ、かなり弱っているのが鮮明になっていた。
「先生、どうすれば、いいば?」
「この原因が分かれば、治療もしやすいのだが、今は薬で眠らせている。なにかが、起こっているとしか思えんよ。信じたくないが、呪いとか」
「呪いって?だれば〜そんなことを?」
甲斐の言葉に、木手が続く。
「そうですね。私なら大体見当はつきますが、よりによって平古場君が襲われる理由が見つかりません」
「凛・・・」
甲斐は、何も出来ない自分に歯がみしながら、彼に謝った。
「凛・・・すまねえ。今の俺達じゃ、お前を救ってやれん。どうしたらいいか教えてくれ!」
その甲斐の必死さを見たブン太はこう告げる。
「心配すんな。奴は俺達が助ける。お前は、こいつの手を握ってやっててくれい」
「え?」
「俺たちは、これからこいつの内部から、その攻めている奴を叩きに行ってくる。だが、そこは、こいつにとっても重要な場所だ。仲間の声が、
こいつには、今一番必要なんだ」
「でも・・・」
「わかりました。平古場君の事は、あなた方にお任せします。ただし・・・」
「わかっている。俺たちは、かならず、こいつを救ってみせる」
と跡部が言うと、侑士、慈郎、ブン太、鳳、リョーマが頷いた。
「なあ、わったーに、手伝える事ないさ? 俺、このままじゃ、凛に申し訳立たん」
「要するに、一緒に来たいって事か?」
跡部の問いに、甲斐が頷く。
「頼む!邪魔ーせん! だから、俺も一緒に連れってってくれ!!」
「甲斐君。なぜ、そこまで拘るのですか?」
「凛が心配さ〜。今は眠ってるけど、内部で苦しんでる。そんなあいつに、何もしてやれない自分が許せないんさ〜」
そんな様子を見た鳳が、言った。
「甲斐さん、凛さんと仲いいんですね」
「仲いいというほどでもないが、同じ部屋で、よくしゃべるようになったさ〜。だから、なんとかして、楽にしてやりたいんさ〜」
「邪魔しねえってならいいぜ、忍足、こいつに適当な力を渡してやれ」
「適当っちゅうても、相性があるでな、ま、お前なら、これが似合うやろう」
と、侑士はフェニックスの力を甲斐に与えた。

そして、フォーム修正用の鏡の前にたった。
「よし、とりあえず、いつもどおりの戦法でいくぞ。おそらく、奴もそれを望んでるみたいだしな」
「どういう事さ〜?」
「この鏡は、夢の世界へ繋がっています。」
と、リースが姿を現した。
「うわ、な、なんすかこの女」
「彼女はリース。俺に力をくれた人です」
「え?じゃあ、他の奴らも」
「ああ、元をただすと、俺達は彼女から、力をもらい、発動させた。そして、精霊と正式な契約を結び、今に至っている」
「後は、丸井君だけだよね」
「俺は、今の力で満足しているよ。ただ、精霊と契約できれば、それにこした事はねえんだろうけどな」
わけのわからない甲斐はキョトンとしていた。。
「おしゃべりはそこまでだ。行くぞ!」
「おう!」
跡部を先頭に、皆が入って行き、甲斐もその後に続く。

そこは、扉だらけの世界だった。
「な、なんすかこの世界」
「ここは、人のん夢が点在する場所です」
鳳の言葉に、甲斐は、信じられないという感じの顔をした。
「鳳、奴の夢を探せ」
「はい」
クロスを前に出して願うと、光がクロスに集まり、やがて、一本の線となった。
「こっちです」
「よし、いくぞ!」
線の先にある扉をくぐろうとすると、それを待ち伏せしてたかのように、悪魔達が襲ってきた。
「な、なんすかあれ?」
「フン。そうやら、向こうもその気らしいな。面白れえじゃねえの」
と、跡部は素早くラケットを持った。
「ラケットで、どうやって戦う気さ〜?」
「まあ、見てなって。ハアー!」
跡部の打ちだした球は、一瞬にして、通り抜けた悪魔達を全員凍らせていった。
「すげえ」
甲斐が感心していると、うしろから、甲斐に襲いかかろうとしている悪魔に鳳が気付き、風で悪魔を拘束した。

だが、悪魔が扉から出てくる数は半端なかった。
「くそ、半端ないぜ、どうするよこれ」
ブン太が半ば困っていると、慈郎が手を上に上げ、何かを念じた。

そして、すさまじい轟音と共に、巨大な雷を落とした。

すると、あれほどごった返していた悪魔達が、一瞬にして、黒焦げになった。
「ナイス慈郎。おめえやる時はやるじゃん」
「えへへ。でも、この力、ちょっとはげしく・・・て・・・・」
と、慈郎は寝息を立て始めた。
「やれやれ。毎度これじゃあ、話にならんがな。なんとか慣れてもらわんとな」
「まあ、おかげで悪魔はこれ以上は出てこねえ。いよいよ本丸に行くぞ! 丸井は慈郎を回復させてやれ」
「おう」
全員が扉の中にはいると、そこは骸骨だらけで、人がいる気配がまるでしなかった。
「これが、凛の夢さ〜? なんか気持ち悪いさ〜」
「いや、これはあいつの夢じゃねえ。こういう風に変えちまった、何者かがいるって証拠だ」
「じゃあ、凛は」
「ああ。恐らく、この中のどっかに捕まっているはずだが」
「探してみます。クロスよ。囚われし者の位置を教えておくれ」
またもクロスは位置を示した。
「こっちです」
「よっしゃ〜!待ってろよ凛。今助けてやるさ〜!!」
「あ、ちょっと甲斐さん、突っ込んで行ったら危ないですよ〜」
と、皆は慌てて追いかけた。

そして、先に行った甲斐は、弱り果てた凛を見つけた。
「いた! り〜ん! り〜ん!」
「あ・・・う・・・こ、え・・・」
凛が弱り果てた目を開くが、もうぼんやりとしか見えない。だが、誰かが近づいて来る事と、誰かが自分を呼んでいるのは聞こえた。

だが、光りを失った目では、もう誰なのか判別する事ができなくなっていた。

しかし、その耳に響くのは、どこか懐かしい声。

それが自分に近づいている。

だが、知らせねばならない。ここへ来たら、捕まってしまう事を。
「だ・・・め・・・きち・・・」
この様子をみた甲斐は、凛がかなり弱っていると知り、余計に距離を縮めてくる。

すると、やはり、凛の周りから、白い絹状の糸が発射され、甲斐は慌ててかわした。
「ここにいるとや。誰ば、こんなヒデエ事する奴は!? 姿を見せろ!!」
と、彼が声を荒げると、それは、まるで、蜘蛛の糸を歩くように姿を見せた。

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