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テニプリファンタジー小説コミュの(第16章)(前篇)(テニプリファンタジー)「デビル赤也」

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テニプリファンタジー

「デビル赤也」

それは、紅葉の散る日の出来事だった。今日も3番コートで、厳しい練習が続く。

そんな中、ダブルスで3番コートに勝った経験のある、四天宝寺の白石蔵ノ介と立海大付属の切原赤也ペアと、元九州2翼と言われた千歳千里と橘桔平との練習試合が行われていた。

攻防は続き、どちらも一歩も譲らない。千歳は神隠しで攻めれば、白石がそれを見抜く。

また、橘が暴れ玉を出せば、赤也が集中して、それを見抜いて打ち返した。

結果、試合は5−4で、橘達が勝った。
「ふう。よか試合しよるね〜2人とも」
「ああ。あの暴れ玉を、瞬時に見抜くとはな〜」
「くっそ〜もうちょいだったのに〜」
「あの暴れ玉を出されたらな〜」
「一回は見抜けたんスけど、2回目は全然違うとこ飛んで来るから」
「いくら暴れ玉とはいえ、ホンマに何所飛ぶかわからんわ。あの頃と同じやな」
「え?白石さん対戦した事あったんスか?」
「ああ。西日本の決勝でな。獅子学中時代の2人と」
「へえ〜」
と、赤也が感心していたその時、頭に電撃のような痛みが走り、倒れた。
「う!」
「切原君!?」
「お、おいどうした?」
「わからんけど、急に頭押えて倒れたんや。切原君。大丈夫か?」
「ばってん。さっきの暴れ玉は、頭を直撃しとらん」
「う・・・うう・・・・ああああ〜〜〜〜〜」
突然彼は叫び声を上げ、それと同時に、全身の毛穴から血が滲みでる。

そして、ついにその現象は起こってしまった。
「ヒャア〜ヒャハハハハハハハハ」
「な、デビル化!?」
「誰も何もしてへんのに・・・」
ところが、今回のデビル化は、あの時のデビル化とはわけが違った。

普段のデビル化は、よほど追いつめられるか、ワカメ野郎という言葉を聞くとなるのに、今度は突然デビル化した。

更に彼は、不気味なオーラを出し、ジャージを破って、黒く大きな蝙蝠の翼が現れた。

そして、空が黒くなり、落雷があたりを包む。
「ヒャーヒャヒャヒャヒャみんなみんな、赤く染まれ〜!!!」
彼の叫びとともに、彼の血が吹き出し、それが、彼の元に集まると、槍のように変化し、こちらを狙う。
「切原君! アカン!!デビル化したら、君の命が!!」
白石が赤也に向って叫ぶが、彼の声は届かなかった。
しかも彼の眼は赤ではなく、金色になっていたのだ。

そして、攻撃を仕掛けてきた。
「桔平。あいつどげんしたと?」
「分からんが、いつものデビル化ではない」
「まったくわかりませんね! なぜあのような状態に!」
木手が聞くが、全く誰にも分からなかった。
「どけ! 俺が相手になってやる」
3番コート、唯一の高校生である鬼十次郎が立ち、彼にボールを打ち込むが、それは途中で止められてしまった。
「何!」
「鬼さんよ! あんたの技! 今の俺にはきかねえぜ〜!!」
と、赤也は血を前に集中させ、巨大な槍を作りだした。
「お前はこいつで潰してやるよ〜!!!」
と、どでかい槍を作り出し、鬼に向って拘束回転しながら撃ってきた。
「鬼!」
「ならばこれで〜!」
「アカン今の切原君には、誰の声も届かん!せめて、切原君の側まで行かんと」
「ならばこいつが使える! フォレスト!」
高速で飛び出した草のツタは、瞬く間に赤也の体をがんじがらめにする。
「こいつ!! 放しやがれー!!」
と、彼は暴れる。
だが所詮、草が固まったような物では、いつまで持つか分からない。
「慈郎。お前確か、雷を起こせたな」
「う、うん。あんまり大規模にじゃないけど」
「規模が小さくてもいい。あいつの頭上に加えてやれ!」
「う、うん! って、白石。なにやってるの!」
皆がそちらを見ると、白石が必死にフォレストに登り、切原にしがみ付く。
「切原君。どないしたんや! 俺や。白石や! デビル化したらあかん。落ち着くんや!」
「う、うるせん! 放しやがれ!」
「ば、バカ白石。それじゃ技が出せねえだろうが」
「かまわん。俺が切原君を抑える。その隙にはよう!!」
「ち! しょうがねえ。慈郎。落雷を起こせ!!」
「分かった!」
滋郎は天空の衣装になると、手を天に伸ばし、落雷を呼び寄せた。
広範囲には無理だが、小規模なら、かなり強力な落雷を起こせる。
彼の願いを受け、天は赤也と白石の上空に、巨大な落雷を発生させ、それを思いっきり、2人の頭上に落とした。
「グアアアアアアアア!!!」
赤也が苦しむ中、白石は懸命に彼の名を呼び続けた。
「き、り、は、ら、く、ん。だい、じょうぶや。俺が、君、を守って・・・」
白石はそこで気を失った。

そして、落雷がやむと、フォレストから、ボロボロになった2人が落ちて来るが、まだ赤也はデビル化のままだ。
「な、なにが起こったと?」
「跡部が出したあの草、一体なんなんだ」
「It is a fantasy completely. (まるでファンタジーですね)」
「白石は?」
「気を失っちゃてるC〜でも、赤也、まだデビル化のまんまだよ。」
「気を失ってるだけ幸いか。とりあえず、医務室に運ぶぞ。それと慈郎も元にもどれ」
「あ、うん」
慈郎が元の姿に戻ると、2人はすぐさま医務室に運ばれたが、白石は落雷によるやけどだけだが、赤也の方は、気絶しているだけだが、いつまた暴れだすか、分からないのが現状だった。

そこで、内部に何かあるのではとみた、跡部と滋郎は、赤也を助けるからと医務室を出ようとしたが、鬼にある質問をされた。
「おい、さっきのあれはなんだ」
「ギク! い、言わなきゃダメ?」
「だめだ!」
「我々にだけ隠し事はいけませんね」
「What on earth was that? (一体あれは、なんだったんですか?)」
「あの服装と言い、さっきの草と言い、あまりにも現実離れしすぎとる」
「・・・・・」
これには2人共困った。

緊急事態だったとはいえ。その力をさらす事になってしまい、皆に知られてしまったのだ。
「まあ、3番コート内だけの秘密にするってんなら、かまわないぜ」
「跡部! いいの?」
「あれだけ派手に見られたんだ。下手に隠してもいつかは知れる事だ」
休憩室に移り、跡部は氷の精霊の、滋郎は天空の覇者の姿に変わった。
「これが、俺達の能力だ。無論俺達だけじゃねえがな」
「俺は、今修行中だから、半分くらいしか使えないけど」
「信じられん。まさか、そんな事が起こっていようとは」
「信じたくはありませんが、これを見せつけられると、信じるしか、ありませんね」
「It does not understand well [ me ].
The contents of the talk cannot be followed. (私よく分かりません。話の内容についていけません)」
「とにかく、今言った事が真実だ。俺達は、これから赤也の夢に入る。あの突然のデビル化は、内部からの攻撃と言う事だ。恐らくはな」
「夢といいましても、まだ赤也君は目覚めています。その状態でどうやってはいると?」
「それに、人の夢は、それぞれ違う。どうやって探し出す?」
「一人、それを可能にする奴がいる。そいつと共に、鏡の中に入る。そこは無意識の世界と繋がっている。だからその中で、赤也をデビル化させた本人を探す」
「だね」
「こればかりは、俺と慈郎と、可能な奴が行くしかねえ。ついて来ようとは思うなよ」
と、跡部は念を押して、鏡の前に立つ。
無論、連絡を受けた鳳、侑士、ブン太も一緒だ。

だが、今回、リョーマは1番コートで試合をしているのを見て、声をかけなかった。
「揃ったな」
「ま、今回は、越前は付いてけえへんけどな」
「またあの1番コートの奴とやり合ってんのか?」
「ま、そんなとこやろな」
「とりあえず、中に入って、赤也のデビル化を止める。いいな」
「おう!」
「と、みんなが鏡に入ろうとした時、ふらふらの白石が入って来た。
「切原君、助けに行くんやろ・・・なら、俺も行かせてくれ・・・」
「あ〜ん? お前、あの直撃で、寝てたんじゃねえのかよ」
「柳君に、頼まれたんや・・・デビル化を、止めてほしいて・・・だから、俺が彼を、救わなあかんのや・・・頼む・・・邪魔はせえへん」
「跡部さん・・・」
「仕方ねえ。忍足」
「ホンマ好かれとるやないか、あいつ」
と、侑士はフェニックスを呼び出した。
「そんな力まであったんか」
「まあ、力ちゅうよりも、能力やな」
「能力?」
「このフェニックスは、元々カードにおった奴や。そいつを呼び出しただけや」
侑士は、白石をフェニックスに乗せると、自分もまたがる。
「白石、しっかりつかまっときや」
「・・・す、すまん・・・」
「行くぞ!」
「待てい!」
「って今度は誰だ」
跡部が振り返ると、そこには真田がいた。
「なんだお前か。こんな時間に何の用だ?」
「なんの用かは、そちらが一番知っているのではないか?」
「え? じゃあ、真田さんも、あの話を」
「聞いてはいない。ただ、赤也が突然デビル化したと聞いてな。無論、お前たちの秘密を暴こうなどと考えてはいない。ただ、俺も同行させてもらおう」
「何?」
「赤也は俺を、なぜか恐れる。ならば、デビル化を止めるのに、一番ふさわしい人材であると思われるが、どうだ?」
「ラケットまで持って。しっかり行く気まんまんやないか」
「真田くん・・・」
「考えは一致しているようだな。跡部」
「仕方ねえから、今回は連れてってやるが、サラマンダーはわたせねえ」
「サラマンダー?」
「色々あってな」
「まあ、そこんとこは、突っ込まんようにするわ」
「それじゃあ、今回は、フェニックスに乗ってもらうで」
「決まりだな。行くぞ!」

跡部の合図で、全員は鏡の中へ突入した。

鳳がいつものように、夢を探すが、反応がない。
「反応がない」
「おそらく奴の事やから、バリアで来れんようにしとんのやろ」
「すいません。役に立てなくて・・・」
「それはいい。こうなったら、手あたり次第に探すしかねえ。あれだけの不気味なオーラを出してたんだ。
おそらく、その影響を受けているなら、探しやすいはずだ」
跡部達がそんな話をしていると、白石が何かに気づいた。
「! あっち・・・あっちの方に・・・う・・・」
「白石! 丸井。頼むわ」
「OK」
ブン太はすぐさま、白石を回復させた。
急に全ての傷みが消えたので、びっくりした白石は、丸井を見た。
「君、それって」
「これが俺の力だよ。怪我を直したり、毒で侵された者を元に戻したりできる」
「じゃあ、切原君も」
「あいつの場合は、バックに何か居やがる」
「バックに?」
「ああ。でなけりゃ、突然デビル化するはずがねえだろい」
「たしかにな。デビル化すんなら、わかめ野郎か、よほど追い詰められた時、ぐらいだ。俺が知ってるのは、この2つ以外は確認していない」
「しかも今回は、目が金色に光ってやがった。あれは、何かに操られていたとしか、考えられねえ」
「それで白石、さっき何か言いかけてたみてえだが」
「切原君の夢、あっちの方から感じたんや」
「まあ、うそかほんまか、行ってみん事には分からんな。フェニックス。頼むわ」
「ファー」
フェニックスは一鳴きすると、そちらの方向に飛ぶ。後から跡部達も続くと、確かに、何か異様な気配が感じられた。
この感じは複数ある扉の内、1つから、異様な程の邪悪な気が感じられた。
フェニックスが途中で止まると、先に跡部達が行って確認する。
「間違いねえ。こいつだ。異様な気配がビンビンに伝わって来るぜ」
すると、フェニックスから白石が降りようとしていた。
「お、おい白石。どないしてん」
「切原君は、この中や」
「何故そう言い切れる?」
「切原君に触った時と、同じ何かを感じたんや。それがなんなんか、自分でも、ようわからんねんけど」
「オーラというやつか?」
「わからん。けど、この中におるんは、確かや」
「まあ、嘘か本当か、開けてみねえとわかんねえな」
と、跡部が扉を開けようとするが押しても引いてもびくともしない。
「くそ、中から結界か何か貼られてやがる」
「どいてろ跡部。動く事、雷帝の如し!」
真田がそれを使っても、扉はびくともしない。
「くそ、どうすれば中に・・・」
「切原君。俺や白石や。今助けたるさかい。ここを開けてくれ!」

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