ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

テニプリファンタジー小説コミュの(第3章)(前篇)テニプリファンタジー「観月の野望」

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
テニプリファンタジー

「観月の野望」


それは、ある日の事だった。

いつものようにシャッフルマッチが行われ、中学生達は、どんどん上のコートに進出している。

ところが、その中で1人、これに納得していない者がいた。

彼の名は観月はじめ。

聖ルドルフから来た生徒で、都大会で青学、氷帝に敗れ、後はもう、
引退式を控えるだけとなってしまった彼は、今回この合宿には、
いわば情報収集が目的で来ていた。

必ず、自分のデータを完成させ、それを、後輩に渡し、今度こそ、
全国制覇を目指す。

そんな野望があった。

現在彼は、9番コートにおり、自分から見れば、まだまだ下の方の位だと
見ていた。

そんな奴らを見返してやりたい。

と、そんな事ばかり考えていた。

その日の夜、彼は宿舎で、ある声を聞いた。
「そんなに強くなりたいの?」
「だ、誰だ? 隠れてないで、姿を見せなさい!」
彼は、姿を見せぬ声にイライラしながら探す。

こういうじらし方を、彼は一番嫌う。

しかも、その後彼をあざ笑うかの如く、笑い声が聞こえた。
「だ、誰なんですか?」
「フフフ。私はこっちよ」
と、まるで観月を誘うように、何かの鍵が現れた。
「これは、鍵?」
観月が触ろうとすると、その鍵は少しずつ前と進み、右へ左へ曲がり、
やがてホールに出た。

鍵はホールの中央で止まり、観月はその鍵に触れた。

すると、鍵の中心部から、光が溢れてくる。

それでも、不思議と鍵から手を放す気にはなれなかった。

そして、光は観月どころか、ホール全体に広がった。

それからしばらくして、観月が目を開けると、そこには手のひらサイズのノートPCがあった。
「これは?」
観月は不思議に思い、そのPCを開くと、それはいきなり光を発し、
それがやむと、
「コンバンハ」
という言葉が出て来た。
「あなたは誰ですか?」
と、観月がうつと、返事はすぐに帰って来た。
「私はARISUよ。よろしくね。観月はじめくん」
「な、ど、どうして僕の名前を?」
「あなたがこのPCに触った時に、分かったの。ねえ、あなたは、
データが欲しいんでしょ?」
「確かに、私はデータを欲しがってはいますが、
それはあなたのいうデータと同じものなのですか?」
「そうよ。私も、データが欲しいの。たくさんのデータが。
それには、あなたの協力が必要なの」
「しかし、こうしてチャットの中だけでしか、会話できないんですか?」
「ンフ。そうね。あなたがデータをくれたら、本当の私を見せてあげる」
「それで、具体的に僕は、何をすればいいんですか?」
「それは・・・」

次の日。いつも通りシャッフルマッチが行われていた。

すでに観月以外の大半が、かなりの上位にまで昇格している。
「彼はウロウロしながら、データを取ろうとしていた。
「ん? あれは、立海の部長さんではないですか? 
まずは彼から、行ってみますか?」
「そうね。じゃあ、あの人にしましょう」
「では、いきますよ!」
彼は、ノートPCを幸村に向けた。すると、横の一部がせり出してきた。
「データキャプチャー!」
と、彼が言った途端、なにやら白い物が飛び出し、幸村に当たった。

そして、彼の動きが止まると、その場に倒れた。

すると、幸村に当たった光は、観月の元に戻って来た。

彼のPCに幸村の詳細なデータが表示された。
「なるほど。こうしてデータを取るわけですか。で、倒れた彼は?」
「ンフフ。大丈夫。ちょっと魂を抜いただけだから」
「そうですね。僕はただ、データが欲しいだけなんですから。
当然、それなりの犠牲も必要でしょう」
「そうよ観月。これからも、もっとたくさん、データを集めましょう」

その後、幸村は発見され、すぐに医務室に運ばれたが、まったく動かなくなったとあって、ブン太や切原が、心配で見舞いに来た。
「部長。幸村部長!一体どうしちゃったんすか?」
「幸村、幸村!」
ブン太も心配して呼びかけるが、彼の目に光はなく、まるで、
あの時の菊丸と同じだ。

すぐにタダごとじゃないと、感じたブン太は、跡部、慈郎、鳳、侑士に、
この事を話した。

が、この騒動はこの後も続き、次々と人が倒れていく。

しかも、なんの兆候も見せずに。

さすがのコーチ達も、これは異常事態とみなし、対策室を設けた。

一方観月の方には、魂を吸い取った相手のデータが、どんどん溜まって行く。

その光景を観月は怪しげな目で見ていた。
「いかがですか?データのお味は」
「最高だわ。こんなにたくさんのデータ。それもこんな短期間で。
ここには強い人がこんなに居るのね」
「ええ。これで僕もあなたの力になれた。それで、
どうすれば、これを僕の力として使うかですか?」
「それはね。こうするの」
と、いきなりPCが輝き、その光が観月の額に当たると、そこには紋章の様な物が現れた。
「これで、私とあなたは一心同体。あなたと私は、
データを共有しあう事ができるわ」
「そうですか。これはいい。じつにいい!! これで僕をバカにしていた奴を見返す事が出来る。
最高ですよアリス! あ、アリスって呼んでも?」
「ンフ。かまわないわ。じゃあ私もあなたの事、はじめって呼ばせてもらうわね」
「いいですよ。もう、あなたとはお友達なんですから」

観月がアリスとそんな会話をしている頃、ブン太達は、鳳の部屋に集まり、
対策を考えていた。
「すでに5番コートだけじゃなく、3番コートの奴も、かなりやられたらしい」
跡部の言葉に、皆口を閉ざす。
「6番コートでも、次々人が倒れて行って・・・俺、なにも出来なかった」
「鳳、自分を責めるのはよせよ。まずは、何が起こったかを調べるべきだろい。で、芥川、お前の所は?」
「こっちもバタバタ倒れてッたC〜。で、ちょっと身体触ってみたんだけど、
なんか、魂が抜かれてる感じがしたよ」
「あの時の菊丸と、同じ症状か」
「え?じゃあ、忍足の所も?」
「ああ、突然バタバタ倒れだしたんや。しかも、全員上位コートのもんばっかりやったで」
「まさか!?」
「いや、確証にいたるには、まだ情報が少なすぎる。ルシア」
跡部がルシアの名を呼ぶと、彼が姿を現した。
「見て来たで。どうも今回の件は、菊丸はんの件とは異なっとる」
「え? 化けるとかじゃないの?」
慈郎が聞くと、ルシアが続ける」
「魂その物が、抜かれてるんや。しかも根元からな」
「根元から?」
「つまり、今回の犯人は、魂を持ってってもたっちゅうわけか」
「でも、魂を取って、どうするんでしょうか?」
「魂を食べちゃうとか?」
慈郎の言葉を跡部が否定した。
「いや、それなら、なんらかの変化があるはずだ。だが、今回はそれがない」
「跡部。お前の意見はどないなんや?」
「俺としては、今回のは魂を取り、それを何かに利用しようとしてる
としか思えねえ」
「何かにって?」
「そこまではわからねえ。何か、確証出来る物があればいいんだが」
「確証出来るもんゆうても、今回のは根っこから引っこ抜かれとる。
こら急がんと、ほんまにやばい状況になってまうで」
「分かってる。なにか、何かどこかにあれば・・・」
と、跡部が考えていると、メンタルコーチがやってきた。
「お困りの様だね〜」
「コーチ!」
「どうしてこちらに?」
「実を言うと、こっちにもある影響が出だしたんだよ」
「ある影響?」
「そ。どういうわけか、この施設のデータを何者かに
ハッキングされたみたいでね。しかも、上位コートの選手ばかり」
「上位コートの?」
鳳が聞くと、コーチは詳しい事情を説明してくれた。
「あれは、選手がバタバタ倒れ初めて、それから30分ぐらいだったかな〜。
突然、データが全部消えていったんだよ。一応ウィルス対策は、しっかりしているんだけどね〜」
「外部からって事か?」
「話はまだ途中だよ。跡部君。その後、画面にARISUって文字が浮かびあがって、
データを持ち去ってしまったんだ」
「と、言う事は、今回のデータを盗んだ奴は、
選手のデータを欲しがっているって事ですね」
「あれ? そういえば、いなかったっけ? 
ほら、たしかどっかからきたデータマンの観月・・・」
「あ〜」
ブン太の言葉で、一番の容疑者が浮かんだ。

彼なら、確かにやりかねない事だ。

だが、魂が抜かれるという現象と、全ての選手のデータを盗み出すのは不可能。

しかし、データマンの彼であれば、どんな些細な情報でも欲しがるはずだ。

まずはそこから当たる事にし、観月の部屋へ行ってみた。

コメント(2)

面白いですね。脳をコンピューターに例えるなんて。ガード強すぎる人はウィリスセキュリティソフトの強いもの使ってるんですね。洗脳された人もウィルスにやられたようなもんですね。
>>[1] うわ〜めっちゃうれしいです。ありがとうございました。喜んでいただけて光栄です。

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

テニプリファンタジー小説 更新情報

テニプリファンタジー小説のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング