神奈川【市民と野党と労組】連帯コミュの都知事選　孫崎享氏の評論と私見

孫崎享氏の評論と私見

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①孫崎享氏の評論
地方選挙：国民は決して安倍政権、自民党を支持していない。細川勝つ可能性が十分出てきた
2014-01-22 08:303
孫崎享のつぶやき

２１日朝日新聞は「自民地方敗北ドミノ」の標題の下に地方選挙の動向を示した。

　　　　自民党系候補が敗北した主な首長選

投票日　　　　　　　　　　　　　　　　　選挙名
２０１３年４月１４日　　　　　　　　青森市長選
　　　　　　　２１日　　　　　　　　名古屋市長選
　　　　　５月１９日　　　　　　　　さいたま市長選
　　　　　６月１６日　　　　　　　　静岡言知事選
　　　　　　　３０日　　　　　　　　横須賀市長選
　　　　１０月２７日　　　　　　　　川崎市長選
　　　　１１月１７日　　　　　　　　福島市長選
２０１４年１月１９日　　　　　　　　名護市長選

名古屋市、さいたま市、川崎市の政令指定都市で負けている。
１９日は脱原発を掲げた南相馬市長、および辺野古反対を掲げた名護市長がいずれも勝利している。しかも票差を伸ばして当選している。
こうして東京都知事選挙を迎える。
この選挙も細川氏が勝利する可能性は十分にある。

① 選挙は新聞、TVがどれだけ取り上げるかで決まるところがある。桝添氏が自民党候補になったのも、TV露出度が高かったからといっていい。その中、細川立候補、小泉支援と言う形では。マスコミ露出度は、細川、小泉の方が高くなる可能性が高い。
② 細川立候補、小泉支援は焦点を原発再稼働にあてる可能性が高く、一般国民の再稼働反対に気持ちは高い。
③ 原発再稼働反対は、細川候補と宇都宮候補に分離しているが、原発反対派は細川候補に収斂する可能性は高い。
「脱原発都知事を実現する会」が　「細川一本化」を表明。この中には瀬戸内寂聴、柳田眞（たんぽぽ舎）、村上達也（東海村・前村長）、木村結（東電株主代表訴訟）、吉岡達也（ピースボート）、村田光平（元在駐スイス大使）等。代表世話人は鎌田慧、河合弘之等がいる。
④ 自民党票も田母神候補で熱狂的右派は桝添氏に行かない。
⑤ ２０日ゲンダイは「学会の婦人部は、細川元首相が掲げる『脱原発』を支持する声が少なくない上、幾度となく女性問題が浮上した舛添元厚労相に批判的な意見もある。表向き『支援』とはいえ、名護市長選のような投票行動（自主投票。婦人部の移設反対に配慮）を取れば大変な結果になる」と報じたが、この動向がどうなるか注目される。この中「自民党の片山さつき参院議員（５４）は１９日、安倍晋三首相から東京都知事選（２３日告示、２月９日投開票）で党が支援する舛添要一元厚労相（６５）を、応援するよう直接要請されたことを明らかにした。これに対し、片山氏は自身の政治姿勢と舛添氏の主張が一致しなければ、難しいとの認識を示し、「条件がクリアされれば」と慎重な言葉を繰り返した。障害がある婚外子への慰謝料や扶養に関する対応や、生活保護の問題などを挙げた。」と報じられ、女性票がどう展開するか不透明である。

一部世論調査では①２，３週間前は桝添氏が他候補を３対１位で引き離していた、
②　現時点でほぼ並んだとしている。細川陣営は勝つ可能性が高いという見通しが出ているようである。　
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②孫崎論文への私見
　　　　　　　　　櫻井　智志
　細川候補が当選するのなら、桝添・田母神候補が当選するより、はるかにましである。なぜなら、細川氏が掲げている「反原発」方針は、細川・小泉両氏の高度な保守勢力の維持のための演出であったとしても、安倍政権を牽制する意義はある。

　私は宇都宮健児氏を支持している。宇都宮陣営は、細川ブームに惑わされず、堂々と大義は宇都宮候補にあることに確信をもって闘うべきである。なによりも宇都宮氏は、生涯を貧しい者苦労している者弱い立場の者に寄り添って弁護士活動、社会運動に一貫して闘ってきた。

　細川氏は、反原発闘争のなかで小泉氏の最近の反原発言動によって押し出されるようにして政治の舞台に出てきた。細川氏の総理当時のこと、小泉氏の代議士・総理時代の政治については、あえてここでとりあげない。たくさんの問題点があることは自明である。必要なのは、反原発を掲げて安倍自公政権と対立する形で都知事選に出馬している事実である。細川氏の総理当時の問題点をあげればかなりのスペースを必要とする。しかし、いまの細川氏の姿勢は、安倍政権を批判する立場である。反原発運動をになう反原発運動団体は、いままで、宇都宮氏や宇都宮陣営と異なる候補者を支持してはいなかった。けれど、宇都宮氏が公開で政策協議を提案しても、細川氏は無視してきた。そこに統一候補や政策協定が全くできなくなった最大の原因がある。

　道理は宇都宮健児氏にある。しかし、広範な中間層や浮動層は、細川氏の立候補に驚き、次に賛辞を寄せた。このブームは、もう二十日間もない投票日までの都知事選に細川有利となろう。１月２２日夕方の記者会見では、総理時の汚職疑惑を率直にわびた。そのことは、批判的な国民にも、一定程度細川氏を浸透させるだろう。

　ただ、細川氏の最大の問題は、告示前日まで立候補と政策を全く発表せず、国民都民に冷静に政策を検討し比較し政策本位の都知事選をまたもや実現をさせなかったことである。細川氏に引きずられるように、他の候補も公開討論会にさえ、参加を見送った。この点でも都民に誠意ある態度で臨んだのは宇都宮健児氏ひとりである。

　当選か落選かが最大の価値観とすることは、どの陣営や有権者、候補者、候補陣営でも同じだろう。けれど、「どのように都知事選を闘うか」が大切と私はかんがえる。政策を議論し、相互の政策を比較し論議するなかで、都政はみのりある方向へと進む。今回も知名度競争となった。いい加減に都知事選を、東京都をどうしていくのか、選挙後の行政がどうなるかを見据えた選挙にしてほしいものだ。

　宇都宮氏とその陣営は、最も民主的で最もすぐれた選挙運動をおこなっている。選挙闘争そのものが、大切な民主主義闘争の一環である。前回の都知事選で、宇都宮氏は、次点であったが、百万票近い得票を得るばかりか、野党と在野の市民団体をもまきこんで、大きなうねりを起こし、それは都議会選挙と続いての参院選東京選挙区での日本共産党と無党派市民運動候補の躍進のバネになった。

　沖縄県で困難な中で名護市長選を応援して、勝利を収めた沖縄の心あるひとびとの期待をぜひ都知事選で引き継ぎたい。萎縮せず、闘い続けてきた宇都宮健児さん当選のために協力し闘争していこう。選挙戦で自公陣営は、細川氏と激しいやりとりを繰り広げるかもしれない。当選は予想通りになる時ばかりとは限らない。
誠実な宇都宮氏の人柄を生かし、東京都に民主主義の政治を再建するために、宇都宮けんじさんを支持する。