神奈川【市民と野党と労組】連帯コミュの決戦１０．２７川崎市長選【東京新聞９．２７川崎版をもとに解説】

決戦１０．２７川崎市長選【東京新聞９．２７川崎版をもとに解説】

　川崎市長選（１０月１３日告示、同２７日投開票）の投開票日まで一か月となった。今のところ無所属新人３人が出馬表明し、現職の阿部孝夫市長は引退を決めた。新人対決の構図に市議会各会派の態度も固まり、各陣営とも駅立ちを重ねるなど動きが急になってきた。

　３人は表明順に、新日本婦人の会中原支部長の君嶋千佳子氏（６３）＝共産推薦、元県議の福田紀彦氏（４１）、元総務官僚の秀嶋善雄氏（４４）＝自民、民主、公明、連合推薦。革新統一自治体を経験している君嶋氏に対して、他の二氏は、「川崎燃ゆ」の伊藤市政誕生の歴史的経験を経ないで後から生まれた。

　秀嶋氏陣営は推薦各党などが協議し、分担して駅立ちや企業回りなどを行う。
　自民の推薦候補選考には、市議の嶋崎富夫、吉沢章子の両氏も名乗りを上げた。結果的に秀嶋氏に一本化されたが、石田康博市議団長は「遺恨はゼロ」と強調。嶋崎氏は取材に対して「党の決定に従う」と話し、吉沢氏も「自分で用意したマニフェスト（公約集）も提供した。政策の方向性は同じなので実をとる」と語る。立候補しようとした人々の間で多少の軋轢は残っているのかも知れない。

　前回は福田氏を推薦した民主。秀嶋氏の推薦を決めると、民主党県連の元幹事長の吉田大成県議（麻生区）が離党届を出した。幹事長が離党するほど、民主党の根本原則に関わることなのに、けじめをとった吉田氏以外の民主党員にはどのような主体性があるのだろうか。
　民主党市議団は阿部市政を評価しており、その継承、発展をうたう秀嶋氏に対し「一致団結」と東正則団長は断言する。吉田氏は、みんなの党の松沢成文参院議員の衆院議員時代、福田氏とともに秘書を務めていたことから「本人の気持ちは分かる」と東団長。ただ、昨年１２月の衆院選をめぐって、市議団に残りながら離党した２人は、態度を明らかにしていない。
　公明党の後藤昌一団長は、組織政党で混乱はないとし、「自民と足並みをそろえ、協力していく」と語る。
　日本共産党も政党としてまとまっている。市古映美団長は「君嶋氏の顔、政策を知ってもらうことが重要」と話し、駅立ちに地域の市議が付き添って、名前の浸透に力を入れている。
　「政党推薦を受けない」と強調し、駅立ちなどを重ねる福田氏には、松沢氏が応援に入っている。
　みんなの党市議団の主流は阿部市政支持だが、松沢氏の働きかけもあり、自主投票になった。４人の内３人は秀嶋氏を応援する意向。松沢氏と同じ大学出身のひとりは秀嶋氏を支援しないと決めたが、為谷義隆団長は「誰がどう対応しようと会派を割ることはないと事前に話し合っている」と言う。一方、七月の参院選をめぐり党や市議団を離党、離団した２人は、秀嶋氏を応援と態度未定とに分かれている。

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＊（管理人）前回も市長選に出馬して次点となった福田氏は、松沢参院議員が強力にプッシュして、水面下で、自民党と公明党の間に入り二位で当選した地力をもつ。自主投票となったみんなの党はほとんど福田支援で、一時は支援政党がなくなったのを裏返して「完全無党派」のアピールを掲げたけれど、松沢勢力下。
　秀嶋氏は官僚なので、自分で考え自分で動くというタイプではない。まわりがみこしをかつぎ、それに乗っかる中空の候補。推薦党派の民主党はまともな応援精力が残っていない。自公の支援だが、場合によっては圧倒的多数ということもあるし、かつての東京都知事選でのほとんどの政党が支持した候補がずっこけて落選し、青島幸男や鈴木俊一に自公推薦候補がやぶれた前例がある。これからの動きでは無党派層を松沢氏が掌握して福田氏が当選ということもある。

　なによりもきめこまかく回り、草の根の地道な運動を続けている君嶋ちか子さんが、無党派層の心をひきつけて、都知事選－都議選－参院選で活躍した革新勢力と日本共産党の支持勢力を固めきると、当選もありうる。

　告示から投票までたったの２週間。政策論争から消極的に逃げ回る印象を与えている秀嶋氏の戦術。
（論戦を避け、争点はないとして低投票率で自民と創価学会の固定票をくまなく固めてゴール・インで当選。）
これを許さず、相手が消極的でも政策を大胆に強気で広く浸透させ、無党派層をよびおこすイベントやは奇想天外な発想をさらにくふうすると、阿部市政に懲りた川崎市民から参院選でもはたの君枝共産党候補を市全体で当選圏内順位におしこんだ支持が再起動するだろう。