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西岡の図書館(原子力関係)コミュの広瀬隆「危険な話/チェルノブイリと日本の運命」(八月書館・1987年)

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 エリート意識などやめてください。たかが大学を出たくらいで、何も知らずに鼻高々となっている。エリート意識というのは、劣等感があるからこそ生まれる物だ。自分が確固たる信念や哲学を持っていれば、劣等感など持つはずがない。ところがそれがないものだから、他人と競争して勝つことによって、ようやく自分の存在意義を発見できる。その瞬間、自分はエリートに変貌しているわけです。

(広瀬隆「危険な話/チェルノブイリと日本の運命」(八月書館・1987年)268ページ)

http://www.amazon.co.jp/%E5%8D%B1%E9%99%BA%E3%81%AA%E8%A9%B1-%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%83%96%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%81%A8%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E9%81%8B%E5%91%BD-%E5%BA%83%E7%80%AC-%E9%9A%86/dp/493814008X/ref=sr_1_2?s=books&ie=UTF8&qid=1343349830&sr=1-2

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 エリート意識などやめてください。たかが大学を出たくらいで、何も知らずに鼻高々となっている。エリート意識というのは、劣等感があるからこそ生まれる物だ。自分が確固たる信念や哲学を持っていれば、劣等感など持つはずがない。ところがそれがないものだから、他人と競争して勝つことによって、ようやく自分の存在意義を発見できる。その瞬間、自分はエリートに変貌しているわけです。
 しかし私たちにとってそこが問題なのは、彼らが新聞記者やジャーナリストになることを目ざしているのではなく、つまりさまざまな問題を自分個人の鋭い目で観察したり分析したりするのではなく、朝日新聞社やフジテレビの社員になることを目的地としている点です。エリート意識の一本道は、ただその目的地につながるのみです。だからこそ、チェルノブイリの深刻さがまったく記事として現われない。
「まったく情報が入りません」などという言葉を、平気で私たちに語りますからね。このような言葉は、本来はジャーナリズムとして自分は失格していると告白しているような恥ずかしいものではありませんか。
 私は彼らに言いたい。自分個人に戻りなさい、と。社会問題など、この世に存在しないのです。すべて自分自身の問題ではありませんか。読売や日経や毎日の社員になってしまうから、そのような目でしか取材できないのです。

(広瀬隆「危険な話/チェルノブイリと日本の運命」(八月書館・1987年)268ページ)

http://www.amazon.co.jp/%E5%8D%B1%E9%99%BA%E3%81%AA%E8%A9%B1-%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%83%96%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%81%A8%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E9%81%8B%E5%91%BD-%E5%BA%83%E7%80%AC-%E9%9A%86/dp/493814008X/ref=sr_1_2?s=books&ie=UTF8&qid=1343349830&sr=1-2

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 いまや新聞記者は、超エリート集団です。ここにすべての原因があります。彼らが自ら受験戦争を鼓舞し、自ら誇りをもって競争に勝ち抜いてきた。しかし何と哀れな存在でしょう。それが社会を論じる記者の態度ですか。
 エリート意識などやめてください。たかが大学を出たくらいで、何も知らずに鼻高々となっている。エリート意識というのは、劣等感があるからこそ生まれる物だ。自分が確固たる信念や哲学を持っていれば、劣等感など持つはずがない。ところがそれがないものだから、他人と競争して勝つことによって、ようやく自分の存在意義を発見できる。その瞬間、自分はエリートに変貌しているわけです。
 しかし私たちにとってそこが問題なのは、彼らが新聞記者やジャーナリストになることを目ざしているのではなく、つまりさまざまな問題を自分個人の鋭い目で観察したり分析したりするのではなく、朝日新聞社やフジテレビの社員になることを目的地としている点です。エリート意識の一本道は、ただその目的地につながるのみです。だからこそ、チェルノブイリの深刻さがまったく記事として現われない。
「まったく情報が入りません」などという言葉を、平気で私たちに語りますからね。このような言葉は、本来はジャーナリズムとして自分は失格していると告白しているような恥ずかしいものではありませんか。
 私は彼らに言いたい。自分個人に戻りなさい、と。社会問題など、この世に存在しないのです。すべて自分自身の問題ではありませんか。読売や日経や毎日の社員になってしまうから、そのような目でしか取材できないのです。

(広瀬隆「危険な話/チェルノブイリと日本の運命」(八月書館・1987年)267〜268ページ)

http://www.amazon.co.jp/%E5%8D%B1%E9%99%BA%E3%81%AA%E8%A9%B1-%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%83%96%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%81%A8%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E9%81%8B%E5%91%BD-%E5%BA%83%E7%80%AC-%E9%9A%86/dp/493814008X/ref=sr_1_2?s=books&ie=UTF8&qid=1343349830&sr=1-2

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 わが国には、電気事業法という法律があり、「投資した額の8パーセント以上設けてはならない」と定めています。公益事業だから儲けすぎてはならない。一見すると立派な法のようですが、裏返して考えれば、8パーセントまで儲けてよいことになる。つまり利益保証つきの安全な産業です。
 もうひとひねりしてください。皆さんが電力会社の社長であれば、どうしますか。100円投資すれば、8パーセントだから8円の利益になるところまで電気料金を値上げしていいわけです。いや、1000円投資すれば80円儲けてよい。一万円投資すれば、800円儲けてよい。こうして火力の三倍ものコストをかけて、湯水のように金を使えば使うほど儲かる仕組みの悪法です。いや、問題はこれほど単純ではないのです。実は私もこれまでにさまざまなコスト計算を試みたのですが、その結果、あることを知りました。電力会社が、コスト計算の基(もとい)になる正しい資料を公開していない、つまり公表されているコスト計算そのものが疑わしい。今日は時間もないので、コストのくわしい話は省かせていただき、多くの人から、コスト計算についての疑いが出され、さまざまな数字が出ているということを申し上げておきます。ところが、電力会社の発表している数字をウ呑みにして、新聞記事が書かれている。相当に裏があるということです。

(広瀬隆「危険な話/チェルノブイリと日本の運命」(八月書館・1987年)277〜279ページ)

http://www.amazon.co.jp/%E5%8D%B1%E9%99%BA%E3%81%AA%E8%A9%B1-%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%83%96%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%81%A8%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E9%81%8B%E5%91%BD-%E5%BA%83%E7%80%AC-%E9%9A%86/dp/493814008X/ref=sr_1_2?s=books&ie=UTF8&qid=1343349830&sr=1-2

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 わが国には、電気事業法という法律があり、「投資した額の8パーセント以上設けてはならない」と定めています。公益事業だから儲けすぎてはならない。一見すると立派な法のようですが、裏返して考えれば、8パーセントまで儲けてよいことになる。つまり利益保証つきの安全な産業です。
 もうひとひねりしてください。皆さんが電力会社の社長であれば、どうしますか。100円投資すれば、8パーセントだから8円の利益になるところまで電気料金を値上げしていいわけです。いや、1000円投資すれば80円儲けてよい。一万円投資すれば、800円儲けてよい。こうして火力の三倍ものコストをかけて、湯水のように金を使えば使うほど儲かる仕組みの悪法です。いや、問題はこれほど単純ではないのです。実は私もこれまでにさまざまなコスト計算を試みたのですが、その結果、あることを知りました。電力会社が、コスト計算の基(もとい)になる正しい資料を公開していない、つまり公表されているコスト計算そのものが疑わしい。今日は時間もないので、コストのくわしい話は省かせていただき、多くの人から、コスト計算についての疑いが出され、さまざまな数字が出ているということを申し上げておきます。ところが、電力会社の発表している数字をウ呑みにして、新聞記事が書かれている。相当に裏があるということです。
 裏とは、たとえば鉄鋼や土木・建設といった日本の基幹産業にとっても、原子力発電所の建設が自分たちにとって大口の仕事になる、そのため応援するといった、実のところエネルギーや電力会社の問題ではない側面が、建設の最大の要因になっていることです。
 そして、このような建設工事では、建設費の3パーセントを政治家にリベートとして与えるのが業界の常識になっている。5000億円の3パーセントですから、実に原子炉一基で150億円が政治家の懐に転がりこむ。ロッキード事件の5億円で大騒ぎしていますが、こちらは150億の話ですよ。なぜこの重大なほうに誰も目を向けないのか。政治家を動かしてきたのは、日本の基幹産業である電力会社だったのです。

(広瀬隆「危険な話/チェルノブイリと日本の運命」(八月書館・1987年)277〜282ページ)

http://www.amazon.co.jp/%E5%8D%B1%E9%99%BA%E3%81%AA%E8%A9%B1-%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%83%96%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%81%A8%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E9%81%8B%E5%91%BD-%E5%BA%83%E7%80%AC-%E9%9A%86/dp/493814008X/ref=sr_1_2?s=books&ie=UTF8&qid=1343349830&sr=1-2

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 そして、このような建設工事(西岡注:原発の建設を指す)では、建設費の3パーセントを政治家にリベートとして与えるのが業界の常識になっている。5000億円の3パーセントですから、実に原子炉一基で150億円が政治家の懐に転がりこむ。ロッキード事件の5億円で大騒ぎしていますが、こちらは150億の話ですよ。なぜこの重大なほうに誰も目を向けないのか。政治家を動かしてきたのは、日本の基幹産業である電力会社だったのです。

(広瀬隆「危険な話/チェルノブイリと日本の運命」(八月書館・1987年)279〜282ページ)
http://www.amazon.co.jp/%E5%8D%B1%E9%99%BA%E3%81%AA%E8%A9%B1-%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%83%96%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%81%A8%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E9%81%8B%E5%91%BD-%E5%BA%83%E7%80%AC-%E9%9A%86/dp/493814008X/ref=sr_1_2?s=books&ie=UTF8&qid=1343349830&sr=1-2

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 チェルノブイリで事故が起こったとき、日本の原子力関係者はこう言いました。
「日本にはECCSといって、緊急時に炉心を冷却する装置があるから−−つまり予備の水をタンクに入れておき、原子炉が暴走をはじめたとき急いでその水をポンプで送りこめば−−大丈夫だ。ソ連にはそれがなかった」
 ところが、これは真っ赤な嘘で、実際にはソ連にも立派なECCSのあることが分りました。わが国と同じ完璧なシステムだった。それが作動しなかった。いや、作動したが間に合わなかったのでしょう。わずか4秒で爆発したのですから、どのようなシステムがあっても間に合うはずがありません。日本のECCSも同じ運命におかれています。そしてそれが分った後で、今度の報告ではそれを取り外していたというシナリオを創作しなければならなかったわけです。

(広瀬隆『危険な話/チェルノブイリと日本の運命』(八月書館・1987年)185〜186ページ)
http://www.amazon.co.jp/%E5%8D%B1%E9%99%BA%E3%81%AA%E8%A9%B1-%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%83%96%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%81%A8%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E9%81%8B%E5%91%BD-%E5%BA%83%E7%80%AC-%E9%9A%86/dp/493814008X/ref=sr_1_2?s=books&ie=UTF8&qid=1343349830&sr=1-2

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この話には続きが有ります。驚かずにお読み下さい。

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 もうひとつ大事なことは、このチェルノブイリの事故が起こるわずか18日前の、重大な記事です。
 さきほどの大事故極秘報告集を作成した日本原子力会議の会長、有沢広巳が緊急炉心冷却装置などは過重な装置であるからいらないと発言していたのです。この当時の記事を読みますと「ある面だけ丈夫にしても安全上意味がなく、無駄な投資だ」と、暴言を吐いています。まことに危険な発言をしていたわけです。つまり安全の最後の砦とされているECCSなんかいらない、緊急の冷却装置なんかいらないと、とんでもないことを原子力産業会議の総会で喋りまくり、誰ひとり異論を唱えていない。新聞記事も決して怒っていない。私はこの記事を見たとき、もう終りだと確信しました。気の狂った人間たちが日本を動かし、その手にひどく危険なおもちゃを握りながら遊んでいる。
 なぜ有沢広巳がこのような発言をしたかと言えば、原子炉の建設コストが急上昇し、火力発電と比較されて苦しいからです。ひどく苦しい、しかしもはやコストを低くさげる要因が見当たらなくなった。そして遂に、あろうことか命綱を外ずほかない、という状況に至ったのです。これは原子力産業全体の要請であったとも言えます。
 ところが、その直後にチェルノブイリで事故が起こると、原子力関係者は掌を返したように[日本にはECCSがあるから大丈夫だ」という放言をテレビや新聞で繰り返したわけです。
 参考までに申し上げておきますが、この有沢広巳という人物は明治29年(1899年)2月6日生まれ、この暴言を吐いた時点で90歳の人間です。こういう人が皆さんの命を預かっているということに多少の感情を持ってください。
 自分だけ90年生きようという魂胆なのか。彼は戦時中リベラルな人間として有名だったから、いまでもほとんどの人が欺かれていますが、こういうポーズが一番危険なものであることを知っておいてください。

(広瀬隆『危険な話/チェルノブイリと日本の運命』(八月書館・1987年)187〜188ページ)
http://www.amazon.co.jp/%E5%8D%B1%E9%99%BA%E3%81%AA%E8%A9%B1-%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%83%96%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%81%A8%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E9%81%8B%E5%91%BD-%E5%BA%83%E7%80%AC-%E9%9A%86/dp/493814008X/ref=sr_1_2?s=books&ie=UTF8&qid=1343349830&sr=1-2

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コメント(1)

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 エリート意識などやめてください。たかが大学を出たくらいで、何も知らずに鼻高々となっている。エリート意識というのは、劣等感があるからこそ生まれる物だ。自分が確固たる信念や哲学を持っていれば、劣等感など持つはずがない。ところがそれがないものだから、他人と競争して勝つことによって、ようやく自分の存在意義を発見できる。その瞬間、自分はエリートに変貌しているわけです。

(広瀬隆「危険な話/チェルノブイリと日本の運命」(八月書館・1987年)268ページ)

http://www.amazon.co.jp/%E5%8D%B1%E9%99%BA%E3%81%AA%E8%A9%B1-%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%83%96%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%81%A8%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E9%81%8B%E5%91%BD-%E5%BA%83%E7%80%AC-%E9%9A%86/dp/493814008X/ref=sr_1_2?s=books&ie=UTF8&qid=1343349830&sr=1-2

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