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意味がわかると怖い話。コミュのスポーツカーに乗って (自作)

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(^^)
どうも、俺です。

さて、次なる恐怖のお話を‥‥‥。


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


コツコツ汗水垂らして貯めてきた金をついに使う時が来た。


今の会社で働き始めて10年。

ようやく、まとまった金が貯まった。
社会人になったら絶対買ってやる、と胸に誓い、今日まで貯めてきた。
周りからの甘い誘惑にも負けず、コツコツコツコツ貯めてきた。

長く険しい道のりだった。

そんな、欲求を抑えまくっていた日々ともついにお別れの時が訪れた。



スポーツカー


小さい頃に親父に連れられて見に行ったサーキット場で、物凄い早さで目の前を通過していくスポーツカー。
車の性能を熟知したプロのレーサーによるハンドルコントロール。
目の前を通過する時の風圧。


幼い俺にはかなりの衝撃だった。

それからというもの、休みの日には親父に頼んでサーキット場へと連れて行ってもらうようになった。


プロのレーサーになろう


そう夢を抱いていた少年は、今では立派に電気工事士として毎日汗水垂らして働いている訳で‥‥‥。


そしてようやく貯まったこの金で、子どもの頃から欲しかったスポーツカーを買うまでに至った。


一ヶ月後、待ち望んでいたスポーツカーが納車された。

重厚な造りと、新車ならではの車内の香り。
ズッシリとしたハンドル。
太陽の日差しを受けて輝く車体に、既に気持ちは有頂天!!

サイコーだ。
俺のスポーツカー。

これでカノジョが居たらパーフェクトっ!!


‥‥‥途端に虚しさが押し寄せた。


そんなことより、今日はせっかくの休日。
しかも天気は快晴っ!!


澄み渡る雲一つ無い青空の下、ドライブせずに何をしろというのかっ!!
むしろ、雨の日にドライブなんてしたくもない。


俺は納車したばかりのスポーツカーのコックピットに乗車し、軽快に扉を閉めた。
運転席、と言わずにコックピットと呼ぶあたり、自分でも思わずカッコイイと感じる。

受け取ったばかりのキーを差し込み、エンジン始動っ!!


身体中に響いてくる重低音。
スポーツカーと一体となっているこの感じは、例えようが無い。

アパートの駐車場からゆっくりと車を出し、午後の暖かい日差しに照らされながら、俺はスポーツカーを颯爽と走らせた。


国道を走りながら全身に受ける風がまたキモチイイっ!!
並走する車からの視線をビシビシ感じる。


このまま昼下がりの峠道でも流しに行くかっ!!

思い立ったら直ぐ様行動に移す俺は、そのまま走り屋マンガでお馴染みの某有名峠へと向かった。


さすがに、この時間帯にドリフトをキメる車もなく、終始安全で快適なドライブを堪能し、そのまま湖のある休憩所で遅めの昼食を取ることにした。

ドライブで訪れている数組のカップル達から、カッコイイ車ですね、と言われては無意識に顔が綻び、だらしない笑顔を晒していた。

天気が良かったこともありブラブラとのんびり散策していたら、既に空が夕焼け色に変わっていた。


夜の峠道も悪くない。
むしろ、峠道は夜こそその本質を現す。

休憩所の駐車場から車を出し、自宅へ帰る為、来た道を戻ることにした。
さすがに夜になると昼間暖かかった風も、肌寒さを感じさせる。


車を走らせていると、前方にドライブ帰りと思われる一台の車が走行していた。

距離を取って走行していると、前を走っている車の挙動が乱れてきた。
最初の内は左右に若干揺れるように走行していたのだが、次第に車は蛇行運転をし始めた。


おいおい、危ない運転だな。
何やってんだよ‥‥。


走り屋特有の改造車ではなく、一般的などこにでもいそうな車だ。

蛇行は荒さを増していった。


一体、どうしたってん‥‥‥


‥‥‥なんだよ、アレ‥‥‥‥


それまで蛇行する車のことしか見ていなかったのだが、視線を上にずらした瞬間、異様な光景に唖然とした。


蛇行運転している車、の屋根に‥‥



人 が し が み つ い て い る



いやいや、何かの間違いだろ‥‥


運転に疲れたであろう目をこすり、再び前の車を確認する。


間違いじゃない‥‥‥‥。

確かに車の屋根に人がしがみついている。
位置的に、フロントガラスを覗き込む形で屋根にしがみついていた。


いつからそうしていたのか‥‥。
いや、有り得ない。

普通、人間が車の屋根にしがみついている状態であれば、嫌でも目に止まる。
気が付かなかった訳では無い。


急に『そこ』に現れた、が、正しい。


なおも激しく蛇行を続ける車。

それもそのはず‥‥‥。


さっきまで居なかったモノが急に現れ、しかも車内を覗き込んできたんだ。
理解し難い状況が、前の車の運転手には起こっているのだろう。
車を止めればいいのでは、と思うが、パニックに陥った人間は通常通りの動作を忘れてしまう、という話を聞いたことがある。


激しく蛇行を続ける車。
まるで、振り落とそうとでもしているかのように‥‥


あっ!!


そう思った時には、前を走る車はカーブを曲がり切れずにガードレールを突き破り、下へと落ちてしまった。

急いで車を停車させ、ケータイを取り出したが、何故か表示は圏外。

何でだよっ、さっきまで電波あったのにっ!!


慌てて車から出てそのままガードレール下を覗き込むと、鬱蒼と生い茂る草木の暗闇の中に横転した状態の車が視界に入った。


『今、町に降りて救急車呼んでくるからっ!!もう少し我慢してろよっ!!すぐ戻るからなっ!』


聞こえているのかどうか、運転手の状態はどうなのか、今はそれどころではない。
横転している車に呼び掛けると、俺はスポーツカーの扉を開けて乗り込み、急いで車を発進させた。



ヤバイことになった‥‥‥。


もちろん、事故のこともそうだが、それ以上にヤバイことが‥‥‥。


ポツポツと降り始めてきた雨が、俺の顔を濡らしていた。





コメント(7)

それ以上にやばい事…
雨が降り出してきたのにオープンカー!?
じゃなきゃ顔が濡れているのは天井に乗り移った。
コツコツと貯めたお金で、やっと買えたスポーツカー。

納車の日が晴天で、記念すべき初ドライブ!

何故、雨ならドライブしないか?

それは、たぶんスポーツカーが、オープンカーだったから…。

高級な車は、大抵、水に強いビニール製ではなく、水に弱い革製のシートであることが、多い。

不可解な事故を目撃して、助けを呼ぶために峠を走る語り部とスポーツカーに降り注ぐであろう雨。

オープンカーに付いている雨避けのホロが、もし、オプションなら、カツカツでスポーツカーを買った語り部が、ホロも買えたかどうか?(・_・;)

そして、車体に、しがみつく「存在」が、語り部のスポーツカーにも、しがみつくとしたら…

ホロのないオープンカーのコクピットに直接襲いかかられる可能性が!Σ( ̄□ ̄;)
>>[2]

(^^)v
この話には二つの意味怖要素を用意しました。
一つは幽霊的現象によるバッドエンド、もう一つはリアルな怖さによるバッドエンドです。

どちらも正解なので、どちらが怖いか、は読み手の方の感性にお任せ致しますw
>>[3]

( ´∀`)
正解です。
お車についてお詳しいですねw

まさにその通りです。

以前、雨の降る日にオープンカーを運転されている方をお見掛けしたことがありまして‥‥‥。
ホロ付ければいいのに、とも思いましたが、ホロがそもそも付いていない車だとしたら‥‥。

そんなオープンカーに、屋根にしがみつく幽霊が現れたとしたら、幽霊in車内、という恐怖に‥‥‥。

俺なら、購入したばかりの車内が雨で濡れることの方が恐怖ですが‥‥。
泣きます。(´TωT`)

>>[4]

(^^)
二度と事故を起こさないよう、気をつけて下さいね。

くれぐれも、夜の峠道のカーブを80kmで慣性ドリフトしないで下さいね、絶対ですよっ!!

‥‥‥絶対ですよっ!!(´・д・`))

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