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意味がわかると怖い話。コミュの謎の紳士、陳 (自作・長文)

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(^^)
どうも、俺です。


そろそろ謎が紐解かれて来てもいい頃ですかね…


★★★★★★★★★★★★★★★



雲一つ無い空。


ひぐらしのはかなげな鳴き声だけが辺りに響いている。


そんな、夕日が傾きかけた頃、とある高校の屋上のフェンス越しに一人の男子生徒が立ち尽くしている。


彼の握り締めたケータイの画面には、流行りの電子ツールアプリ、LINEの画面が表示されていた。




きっかけは些細なことだった。

忙しい合間にLINEの画面を見て返事をしないことが数回あっただけ。
いわゆる『既読スルー』というもの。

それ以来、クラスメートからシカトされるという日々が続いている。


あれだけ仲の良かったクラスメート達。
LINEなどというアプリのせいで人間関係は崩壊した……。

しまいには、『死ね』や、『ゴミは喋るの禁止w』、といった悪口も書かれるようになった。

イジメのきっかけなんて、そんな些細なことだ。


しかし……
蓄積された負の圧力は、俺に生きる気力を失わせるには十分過ぎた。


俺『どうせ、俺一人死んだ所で、何が変わる訳でもない……。所詮、俺はどうでもいい存在だったんだ…。』


涙と同時に溜め息混じりの言葉が漏れる。


俺『せめて最期は鳥になって散ろう……。』


俺は、7階建ての校舎の屋上から飛び降りる決意を固めた。



俺『さよなら…父さん………母さ』

?『落ちるアルーーーッ!!!!』


!!?


涙を流しながら掴まっていた屋上のフェンスを離そうとしたまさにその時、頭上から声が聞こえて来た。


ドスンッ


『アウチ、ネッ!!』



鈍い音を立て、何かが空から降ってきた。

振り返り、衝撃音がした方を見る。

…………?


そこに居たのは、


黒のシルクハット、黒のスーツ、黒のネクタイ、黒のサングラスという、黒一色で統一されたコーディネートの中年男性だった。


その風貌からは、まるで


これから自殺する者に対して最後の審判を下す神の使いのようだと俺は思

?『危なく落ちるとこだたネ。』

俺『落ちて来たんだよっ!!……何処からっ!?』


上を見渡すが、雲一つ無い夕日に照らされた空があるだけ。
ましてや、飛行機が飛んでいた音など聞こえていなかった。

……そもそも、パラシュートも無しに飛行機から落ちたとして、助かるはずも無い。


?『どうりでヒップが痛いはずネ。……割れてしまた可能性、高いアル…。』

俺『ケツは元々割れてるけどな。』


……一体、この人物は何者なのだろうか……。


まさか、本当に神の使

?『ワタシの名前は陳ネ。それより、アナタ、そな所で何してるネ?早く飛び降りるヨロシ。』

俺『何しようとしてたか分かってんじゃねぇかっ!!促すのかよっ!!』


ケツをさすりながら、陳と名乗る男性はムクリと立ち上がりだした。


陳『ワタシに遠慮すること無いネェ。ペンギンの如く空を舞うヨロシ。』

俺『同じ鳥類だけどもっ!!ペンギン飛ばないしっ!!』


促されると、不思議と先程までの自殺する決意が興冷めしていく。


俺『…どうせ、俺なんて、どうでもいい存在なんだよ……。だったら、いっそのこと死』

陳『このバカチンがッ!!』



…馬鹿な陳と名乗るオッサンに急に怒鳴られたことで、俺の体はビクッとしてしまった。


陳『どうでもいい存在なんて、この世に無いネッ!!』

俺『陳さん……』


その言葉を聞いた瞬間、何故だか救われたような気がした。
…そう言ってくれる人を、俺は心のどこかで待ち望んでいたのかもしれない…。


陳『コレの名前、アナタ知てるカ?』


そう言うと、ポケットから何かを取り出し、俺に差し出した。

手に取る。


それは、食パン一袋を買うと口を止める為に付いている約2cm四方のプラスチック片だった。
言われてみれば、コレに名前があることさえ今まで知らなかった。


陳『バッククロージャー、いう名前ネ。』

俺『うん………で?』

陳『それだけネ。』

俺『どうでもいいわっ!!知った所でいちいち名称で呼ばないしっ!!』

陳『クルンテープ…マハーナコーン…アモーン…ラタナコーシン…マヒンタラーユタヤー…マハーディロックポップ…』


今度は空を見上げながらブツブツと何かを呟き始めた。


陳『…ノッパラッタナ…ラーチャターニー…ブリーロム……』

俺『…お、おい…さっきから何を……』


聞いたことの無い言葉を無心に呟いている。


…まさか、あまりに飛び降りまでの時間をかけ過ぎている俺に痺れを切らし、飛び降りを誘発させる為の呪文のようなモノを呟いている、とでも言うのだろうか………。


陳『…ウドム…ラーチャニウェート…マハーサターン…アモーンビーマン…アワターンサティト…サッカタットティヤ…ウィサヌカム…プラシット………ネ…。』


ようやく陳による長い呪文は終わった。

…、が、特に体に変調は無い…。


俺『……今のは…何ですか……?』


俺は、恐る恐る膝に手を付いて一呼吸置いている陳に対して問い掛けた。


陳『…今のカ……?』


ゆっくりと陳が顔を向ける。

首筋から冷や汗が流れ落ちる…。


陳『バンコクの正式名称ネ。』

俺『くっそどうでもいいわっ!!よく覚えたなっ!!』


こんなどうでもいい話に俺はビクついていたのか……。


陳『つまり、そういうことネ。』

俺『だから、どういうことっ!?』


今の話と、俺が自殺することに何の繋がりがあるというのか。


陳『どうでもいいもの、とは、アナタを取り囲む社会全体、置き換えるならこの学校のクラスメート達のことネ。アナタ、どうでもいいものと違うネ。』


!!


俺『陳さん……。』


胸が熱くなる。

見ず知らずの人が俺のことを思ってか、こんなことを言ってくれるなんて予想もしていなか

陳『むしろ、アナタ自身、どうにもならないものアル。諦めるヨロシ。』

俺『感動返せよっ!!より酷いわっ!』


結局、所詮は他人事…。
俺なんて、どうせ……


陳『ワタシ、先日ケータイ、スマホからスマートフォンに変えたネ。』

俺『一緒だけどね。』

陳『アナタとワタシ、トモダチになるヨロシ。』

俺『はぁっ?俺が、陳さんと?』


それは、本当に突拍子も無い展開だった。
初めて出会った見ず知らずのオッサンにトモダチ提案されるとは、誰が予想出来るだろうか。


陳『一緒にアインするアル。』

俺『ラインな。志村かよ……。いいぜ…。』


一度は嫌いになったLINE。


しかし、実の所、陳さんからの提案は素直に嬉しかった。


陳『シェイシェイ、ネェ!ワタシ、この地で初めて人間のトモダチ出来たアルッ!』

俺『大袈裟だよ……。』

陳『この喜びを例えるならば、某国の馬鹿な将軍様が自国で開発した弾頭ミサイルの誤爆で爆死するくらいの喜びネッ。』

俺『大袈裟だよっ!!嬉しいことだけどっ!』


早速、陳さんとLINEをやるにあたり、電話番号の交換をすることにした。


……変わったケータイだな、こんなモデル、出てたっけ?

陳さんが取り出したケータイは、俺が、というか、誰もが見たことの無いデザインの物だった。


陳『オーダーメイド、ネ。』

俺『オーダーメイド、か。……はい、登録完了と。で、コレをこうして、と。』


俺は陳さんのケータイを操作して、LINEに登録する所まで親切にやってあげた。


陳『シェイシェイ、ネッ!』

俺『どういたしまして。』


本当は、俺の方が感謝したいくらいだよ、陳さん…。


陳『これからバンバン、アインしまくるアルッ!』

俺『ラ・イ・ン、なっ!』

陳『ライーン、アルナ?承知したアル。』

俺『アイーンのニュアンスと一緒じゃねぇかっ!!』


陳さんは、笑顔でケータイをポケットへとしまった。


陳『さてと、ネ。ワタシはもう帰るネ。アナタも早く飛び降りるヨロシ。』

俺『まだ待ってたのかよっ!!』


そう言うと、陳さんは鼻歌を歌いながら屋上の扉から校舎内へと入って行った。


不思議な人だったな…。

一度は死を考えた俺も、もう一度、精一杯生きようと思った。

この寿命が途切れる時が訪れるその日ま


ブルル、ブルル


…ん?


ズボンのポケットにしまっていたケータイが鳴動し始める。

LINEの着信を知らせる鳴動だ。


ケータイを取り出し、画面を見つめる。

早速陳さんからだ。


えーと、……
………

え………
………
………
………
……




ブルルブルル

ブルルブルル

ブルルブルル

ブルルブルル

ブルルブルル



……ドサッ……




陳『ワタシのケータイ番号、登録した者が亡くなると同時に自動削除される仕組みアル。あのお兄サン、死ぬまでワタシのトモダチ、ネッ!』


ルンルンと鼻歌を奏でながら階段を降りる中年男性。


陳『あのお兄サン、笑顔、太陽のように輝いてたネ。この言葉、あのお兄サンにピタリネッ!!送信するアルッ!』



ブルルブルル





屋上から投身自殺した少年の携帯画面には、200以上もの同じ内容の単語が送信されていた。





陳『またトモダチ減てしまタッ!!なんたることネッ!!!どうでもいいネッ!』



コメント(9)

>>[001]

(^^)
それは正解なのです、が、
それはこの話に用意した本当の正解ではありません。

陳さん…何処から落ちてきたのだろう?

…まさか宇宙?あせあせ(飛び散る汗)あせあせ(飛び散る汗)
>>[002]
なんだろう。
実は陳の新しいスマホについてる機能は、『アドレス登録した人間が死んだら自動的にアドレス帳から削除される』というより『アドレスを登録することにより、この世から本人を強制的に削除する』機能とか…?
>>[003]

(;^^)
解説、すっかり忘れてました。
すみません。
>>[004]

(;^^)
何処から落ちて来たのか……。

空から魚が落ちて来た例もありますからね。
何処かで空間が歪んでるのかもしれませんね。

または、困っている人間の元に奴は訪れるのかもしれません……。
>>[005]

(^^;)
その展開は考えてませんでしたが、その方がより怖くなりそうですね。

参考にさせて頂きます。

返事が遅くなり、申し訳ありませんでした。
m(__)m

解説。

(T_T)
毎度のことながら、解説を書き忘れていました。
今後、解説を書き忘れていた作品があった場合、速やかに解説を書かせて頂きますので、催促して頂けると助かります(汗)。

では、解説です。


今回の意味が分かると怖いであろう箇所は、

陳の番号を登録した者が死んだ場合、自動的に登録した相手の携帯電話より陳の番号が削除される、という部分です。

陳との繋がりを持った者から陳に関する情報を抹消する為の機能ですが、そんな物が実在することこそ、現代科学ではまず不可能。

そして、最終的に屋上から飛び降りた『俺』に着信されるLINEの鳴動音。

一度地面に落下した時点では、まだ存命でしたが、最後に再び陳がLINEを送信した直後に

ブルルル

と鳴っている点で、風前の灯状態にある、ということを表しています。

それと、オーダーメイド。

これは、そのまま

オーダー冥土、と考えて頂けると、成り立つ……と思います。

そして、陳が『俺』に送信した内容ですが、

陳の台詞にある
『太陽の様に光輝く』
という言葉から、
『SHINE』
(某、メガネ小僧の漫画ネタ)
という単語を連想出来れば、意味が分かると思います。
その単語を良かれと連発送信する陳。
悪気の無い自殺幇助です。


情緒不安定な方や、自殺をしようとしている者に対し、『SHINE』という単語は決して使用しないようにして下さい。

『俺』のようになります。

以上。


ちなみに、俺はスマホにもLINEにも興味がありません。←

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