意味がわかると怖い話。コミュのとある副管理人による反逆 (自作・長文)

(^▽^)
どうも、俺です。


今回は、このコミュニティーのトップ2を起用したお話を作成してみました。

存分に恐怖を……



★★★★★★★★★★★★★★★



友人申請の承諾を頂いた自分の管理しているコミュニティーの副管理人である彼と親しくなってから、既に一ヶ月が経過していた。


メッセージでのやり取りは、至って普通の内容ばかり。

たまに、作品内容についての指摘やコミュニティーの改善案等を言い合ったりしている。


彼の意見はいつも的を射ており、感心してしまうばかりだ。


次第に、彼への興味が大きくなっていった。


ある日、俺は思い切ってメッセージにて


『もし良ければ、スカイプで面と向かってお話しませんか？』


と、問い掛けてみた。


[スカイプ]、とは、ネットを利用し個々のパソコンにおいて通話が出来る、音声通話ソフトのことだ。

彼も、たまにスカイプを使用してネットの友人達と会話していると、以前彼の日記において拝見していた。


その話を思い出した俺は、スカイプによる彼との対話を提案した。



しばらくすると、


『いいですね、自分もあなたと会話してみたいと思っていた所です。こちらが自分のアドレスです。』


と、メッセージが届いた。

早速俺は、スカイプを起動させ、彼のパソコンへと回線を繋いだ。


『こちらの準備は整いました。』


俺はメッセージを送信した。


パソコンの画面に、今まで文面のみの意見交換をしていた彼らしき男性が姿を現した。

想像していたままの落ち着いた雰囲気を醸し出す彼に、俺は緊張を隠し切れなかった。


俺『は、はじめまして。』


俺が画面越しに挨拶をすると、彼も


彼『はじめまして。そんなに固くならないで下さい。』


と、落ち着いた物腰で話し掛けてきた。
声も、その雰囲気に合った、とても落ち着きのある音程だった。


彼と、しばらく今後のコミュニティーの運営の仕方や、方向性や、普通の雑談をしていると、


彼『そういえば、以前プロフを拝見させて頂いた際、特技に[早口言葉]と記載されていましたが、本当ですか？』


と、彼から問い掛けられた。


俺『はい。一応、一通りの早口言葉は言えます。』


と、俺は答えた。


彼『凄いですね。自分は早口言葉が大の苦手です。ぜひ、生でお聞かせ願いたいのですが。』


画面越しの彼は、ニコリと微笑みながらそう言った。


俺『ははは。いいですよ。でも、あいにく手元にはお題がありませんので…』


と伝えると、


彼『では、自分がお題を出しますので、それを3回連続で早口でお願いします。』


と言い出した。


俺『わ、分かりました。』


彼の突然の申し出に、再び緊張が走る…。


彼『では、いきますね。』


彼は、一旦呼吸を落ち着かせると、お題を言い始めた。


彼『暴走車掌車窓清掃修業中。はい。』


これまでに聞いたことの無いお題を聞いた俺は、一瞬呆気に取られたが、彼の期待に応えるべく、一息呼吸を整えて


俺『暴走車掌車窓清掃修業中。暴走車掌車窓清掃修業中。暴走車掌車窓清掃修業中っ！』


と言い切った。


彼『おお、お見事です。次は、これです。』


お題を言い終えた俺を、画面越しに見つめながら、彼は次のお題を言い出した。


彼『東京特許許可局局長今日急遽休暇許可却下。はい。』


…またしても、初めて聞く言葉だ…。

一瞬、戸惑いを抱きながらも、ここで失態を醸け出してしまうと、彼の俺に対する評価が下がってしまう…。


俺は心を落ち着かせ、


俺『東京特許許可局局長今日急遽休暇許可却下。
東京特許許可局局長今日急遽休暇許可却下。
東京特許許可局局長今日急遽休暇許可却下っ！！』


い、言えた……。
良かった…。

これで彼からの俺へ対する評価は変わら

彼『やりますね。やはりあなたは自分の理想通りの管理人に相応しい。では、これで最後です。』


………え……？

まだ……あるの……？


彼『最後は、この言葉にしましょう。準備は大丈夫ですか？』


画面越しの彼が微笑む。


俺『…は、はひ…、はい。』


もう、口が回りそうも無い……。


彼『では、いきますね。』


彼は依然として変わらぬ雰囲気のまま、最後のお題を言い出した。


彼『海軍機関学校機械課今学期学科科目各教官協議の結果下記の如く確定、機械学国語学外国語絵画国家学。はい。』


俺『……。』


彼『どうしました？やはり、…言えませんか？』


彼の落胆した表情が視界に入ってきた。


俺『あ、いえ…大丈夫れふ。』


呂律が回らない…。


彼『では、お願いします。はい。』


これが最後だ…。


よしっ！！


俺『海軍機関がっ………』




俺の意識が急激にその場から遠退いていく……



目に入った画面越しの彼は


彼『後の管……は自…任せ……さ……けさん』



微笑みを浮かべると、彼はパソコンの画面を切………………








翌日、とあるアパートの一室にて、血を流して死亡している一人の男性の遺体が発見された。


死因は、自殺として処理された。