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意味がわかると怖い話。コミュの47回目の誕生日・謎の行商人、陳 Final? (自作、超長文・合作)

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森口ジローラモ、という者です。
毎度、駄作投下させて頂いております。
m(__)m

今回は、コミュニティーメンバーの、ある作品を取り入れたコラボです。
感動、笑い、恐怖、この3点が交差した時、新たな可能性が生まれる…のでしょうか……。


★★★★★★★★★★★★★★★



『優斗、いつも見守っているからね。』



母さんが夢の中に現れてから、3週間が過ぎた。


今まで心に霞(かすみ)がかっていた靄(もや)のような物が、その一言で完璧に消えたと言ってもいい。

だけど………。

もう一度、せめてもう一度だけ、母さんに会いたい。

まだ、母さんに伝えてないこといっぱいあるんだよ。



母さん、母さん………。



暦の上では既に秋になっていたが、まだまだ残暑が残る暑い日だった。



大学の授業を終えた俺は、友人達と別れ、父さんと弟の待つ家路へと向かった。


あ…、そういえば、今日は母さんの誕生日だったな。
生きてたら47歳、か。
プレゼント、何がいいかな…。

毎年、母さんの誕生日にプレゼントを買っては、仏壇に置くのが恒例になっている。

感想はいつも聞けてないけど。
当然か。

今年は、母さんの好きだった
【ビートルズ】のCDアルバムにしようかな。


そう考えた俺は、赤らむ空の下、普段通る道を変え、CDショップへと向かった。



俺『優斗、いつも見守っているからね…か。』


ふいに、あの時の母さんのセリフが思い出され、自然と俺の口から漏れていた。


『お兄さん、ゆーと言うカ?』


ん?
なんだ?


はっとした俺は、辺りを見渡した。

そこには、壁に寄り掛かりながら
黒のスーツ、黒のシルクハット、黒のサングラス、黒の鞄を持った男性が俺の方を見ていた。

その風貌からは、
まるで、今にも銀行を襲撃しようとしている凶悪犯のような殺気を俺に感じさせ


男『ワタシの息子も、李(リー)言う名前ネ。』


俺『あの、人の独り言、盗み聞きしないでくれませんか。それに、名前同じじゃないし……。』


男『お兄さん、どこか上の空で寂しそうな目をしてたネ。』


赤の他人にまで分かるような顔をして歩いていたのか、俺は…。


男『というのは冗談ネ。』


俺『……。』


男『ワタシ、陳ゆうネ。連続してワタシの名前呼んだら駄目ネ。こないだも』


俺『あの、用があるんで失礼します。』


陳『人の話は最後まで聞くのが礼儀ネ…。まぁ待つネ。少し時間ちょうだいネ。』


自らを陳と名乗る男はそう言うと、俺に近付いてきた。


陳『今日はお兄さんにイイ物あるネ。母親への誕生日プレゼントに丁度いいネ。』


!!


俺『な、何で、今日が母さんの誕生日だって、知っているんですか!?』


陳『くくく。ワタシ、何でも知っている設定ネ。』


俺『設定…?』


陳『そんなことはどうでもいいネ。とりあえず、見ていくヨロシ。』


怪しげな中国語(?)を言いながら、陳はしゃがみ込むと、持っていた鞄の中をゴソゴソと漁りだした。


陳『コレ、どうネ。コレ、猫の言葉が分かる、ワンリンガル言う物ネ。とても便利ネ。』


俺『犬の言葉が分かるんじゃないんですね。そもそも猫飼ってませんし。』


陳『アイヤーッ!!……ならコレ、ごみネ。』


俺『ごみになるような物を勧めないで下さい。』


陳『次はコレネ。コレは……』


陳が鞄から出す物は、そのほとんどがガラクタばかりで、うんざりした俺はその場所を離れようとした。


俺『すいません、本当に用があるので俺はこれで失礼します。』

陳から離れようと足を動かした時、


陳『ここでお別れしたら、二度と母親とは話したり、会うこと出来ないネ……。』


そのセリフに一瞬ドキリとし、恐る恐る陳の顔を見た。
その眼光の鋭さからは、それまでの冗談を言う中年男性ではなく、背筋を凍らせられる様な感覚を俺に与え


陳『というのは冗談ネ。』

俺『………。』


陳に背を向け、足を動かした。


陳『待つネ、待つネ!』


俺『なんなんですか一体。もう、放して下さいよ!』


腕を掴む陳の腕を振り払おうとした俺の目に映ったのは、陳の目から流れる一粒の涙だった……。


俺『あ、いや、…すみません……。』


陳『……うそ泣きネ…。』


おもいっきり陳の腕を振り払った。


陳『分かたネ!今日はタダでお兄さんに特別な物、プレゼントするね!!』


くそっ!

タダ、という言葉に俺は釣られてしまった。


陳『ここで会ったのもナニカの設定ネ。』


俺『…縁、じゃないんですか…。』


陳『そうとも言うネ……、あった、あった、コレネ!!』


陳が鞄から出したのは、今は珍しい折り畳み式ではない、古い形の白黒の液晶をした携帯電話だった。


俺『ケータイ…?』


陳『コレ、普通の携帯電話とチガウネ……。』


陳の口調とトーンが変わった…。
その雰囲気からは、今度こそ冗談ではなく、明らかな寒気を俺に感じさせ


陳『今度は本当ネ…。』


俺『…そ、そうですか。』

陳は、その携帯電話の機能を説明しだした。


陳『この携帯電話、一回だけ限定で、死んだ人と話が可能、ネ。心に想い続ける死者と話が出来る交信機器、ネ……。』


な…!!


俺『そ、それは本当ですかっ!?』


陳が、口の端を上げてニヤリと笑う。


陳『……説明書にそう書いてあるネ。』


俺『読み上げただけですかっ!!』


陳『でも、機能については嘘つかないネ。』


陳が携帯電話を俺に渡して来た。

はは…、このケータイがあれば、また母さんと話すことが出来る…?
本当に、母さんとまた…。
…母さん…。


陳『とても嬉しそうネ。その喜びを、東京ドーム3個分で例えてみるネ。』


俺『あなたが例えてますけどっ!!』


陳『レモンだと何個分アルカ?』


俺『ビタミンですかっ!!』


どうやら、本物のようだ。


陳『喜んでくれてよかたアル。一回限りネ。よく決めてから電話するネ。』


俺『はい!陳さん、ありがとうございます。』


陳『もっと感謝するネ。ワタシ、これから息子とポ○モンするから帰るネ。ゆーともさっさと帰るヨロシ。目障りネ。』


俺『…す、すいません。あ、ありがとうございます。』


俺は陳と別れ、自宅へと帰宅した。



自分の部屋に入り、アイスココアを一口飲んでから、ベッドに横になった。

そして、先程受け取ったケータイを取り出した。


改めて説明書を読む。


俺『えーと、通話を開始するには、想い続けている死者を強く意識すること、通話開始する番号は…09046494219、か。』


番号の語呂が陽気なのか不吉なのかは、さほど気にも止めず、沸き立つ興奮を抑えるとケータイの数字キーを押していた。



トゥルルル、トゥルルル



繋がったっ!?


トゥルルル、トゥルルル



ガチャッ……ザーザーザーザー………


一昔前の、テレビの砂嵐に似た音が耳に流れる…。


ザーザー……プッ……



『……ゆ…優斗…なの…?』



俺の胸の鼓動が高鳴るのが、はっきりと分かる。

その声は、あの日の母さんの声だった。


俺『か、母さん?…本当に、母さん…?』


『優斗、優斗なのね。……ええ、母さんよ。私はあなたの母さんよっ。』


優しい母さんの声。
本物だ、本物の母さんだ。


俺『…母さん…母さんっ!!』


母さん『優斗っ。』


20歳になったというのに、俺は子供のように泣きじゃくった。
俺の耳を伝い、母さんの優しい声が俺を包んでいた。



―――4時間経過―――




母さん『それでね、吉田さんたら、優斗くんは今、小学何年生〜?だって。笑っちゃうわよね。もう高校生になったわよ、って言ったらとても驚いてたの。』


俺『ああ、そう、なんだ……。』


母さんのマシンガントークは続いていた…。
気が付くと、あれから4時間が経過していた…。


…耳がジンジンと痛い……。


母さん『ああ、あと、お隣りに住んでた田中さんのお婆ちゃん。こっちの世界でも相変わらず』


俺『か、母さんっ。俺、明日試験なんだ。そろそろ勉強しないと、マズイかなぁ、って……。』


母さん『あらそう。残念ね。母さん、もっと優斗と話がしたかったけど、仕方ないわね。分かった。母さん、優斗のこと待ってるわね。』


俺『母さん、本当ゴメンよ。母さんと話が出来て、俺、嬉しかったよ!』


母さん『何を言っているのよ、優斗ったら。またココア、用意しておくからね。』


俺『ははは。アイスでいいよ。俺がそっちに行く頃には冷めてるだろうから。』


母さん『そんなことないわよ。温かいココア、用意しておくからね。』


俺『ありがとう、母さん。じゃあ、…またね。』


俺はケータイを切った。




ガタン、ゴン……


一つの携帯電話が床の上に落ちた。





陳『アイヤーッ、なんたることネーッ!!もう一枚、説明書あったネ!!これ読まないとあのお兄さん……、まぁ、いいネ。ワタシには関係ないネ。』

コメント(40)

電話を切ったら消えてしまうって書いてあったのかな?
まさかの陳さん登場ですね´∇`)
感動話なのに殺しちゃった…
待ってました陳さんっ(笑)
あと一枚の説明書気になります(*_*)
アイヤー…毎回腹よじれるネ((((;゚Д゚)))))))
また職場で読んじゃった…orz

面白かったです(´∀`)
すごく面白かったです!
まさか、自分の名前
使っていただけるとは
……漢字は違いますが
……
((((゜д゜;))))(笑)



もう一つは
一体なんだったのでしょうか?(笑)
めちゃ気になります
(>_<。)
2〇回目の誕〇日のイメージをいい意味で
思いっきりぶち壊してくれましたw

さすがです(^o^)
>>[001]
(^^)
正解です。

最後の説明文は、意外と、陳のセリフにヒントがあったりします。
>>[002]

(^^)
別の番号は書いてはいないようです
(笑)
ありがとうございました。
>>[004]

(^^)
近いです。
陳のセリフを思い返して頂ければ、優斗がどうなってしまったかが分かると思います。
(笑)
>>[005]

(^^)
優斗には残念ですが、意味怖としての作品にしました。
>>[006]

(^^)
期待していて頂き、ありがとうございます。
ヒントは、前コメにて記載させて頂きました。
>>[008]

(^^)
腹はよじれませんよ
(笑)
ありがとうございます。
>>[009]

(^^)
職場では読まない方が宜しいかと…
(笑)
ありがとうございます。
>>[010]

(^^)
まさに、そうですね。
続編を期待する声があれば、更に続くこともあるかもしれません。(笑)
>>[011]

(^^)
陳には悪気は一切ありません。
おっちょこちょいなだけなんです。
(笑)
>>[012]

(^^)
『20回目の誕生日』
の主人公の名前は、変えさせて頂きました。
素晴らしい感動作を駄作として取り入れてしまい、すみませんでした。
m(__)m
ありがとうございました。
>>[013]
(^^)
『20回目〜』
の作品があってこそ作成出来た物なので、感謝しています。
不朽の名作として今後も君臨し続けるといいですね。(笑)
>>[014]

(^^)
さいごの説明文のないようは………。
後ほど、かいせつ書きます。
(笑)
>>[018]

面白く読ませて頂きました´∇`)
>>[022]

ファンなんで我慢出来なくて読んじゃいました(笑)

陳さんのセリフをキチンと聞いていれば…(;´∩`)

待ちに待ったコラボ楽しかったです(´∀`)
>>[028]

(^^)
面白い、と言って頂けるだけで光栄です。
ありがとうございました。
>>[029]

(^^)
解説は、日付変更したくらいに書きます。
>>[030]

(^^)
ありがとうございました。陳も喜んでいると思います。

陳『当然ネ。もっとツボるネ!』

…すいません…。
m(__)m
>>[031]

(^^)
ありがとうございます。

長文だったので、皆様には苦痛を感じさせてしまっているのではないかと思っていました。
精進します。
>>[035]


長文大歓迎です(≧ω≦)

あと…やっぱり陳さんは、ちょこちょこでもいいので続けて欲しいです(´∀`)

よろしくお願いします(^^)
>>[036]

(^^)
かしこまりました。
ちょくちょく連載させて頂きます。
ありがとうございます。
解説です。

まず始めに、
このお話の元は、ゆーとさん作の
『20回目の誕生日』
http://m.mixi.jp/view_bbs.pl?guid=ON&id=70977476&comm_id=6037562

を題材に、作成させて頂きました。

謎の行商人・陳は、様々なアイテムを持ち歩き、困っている人を助ける(?)というキャラです。
当然、アイテムの用途、使い方も熟知しています。

母親との電話を切った『優斗』はどうなったのか。
もう一枚の説明書には何が書いてあったのか。

陳の台詞に、
『母親と話したり、会ったりすることが出来ない……、というのは冗談ネ』
という部分があります。

つまり、母親と会えるということです。
そして、通話番号の『09046494219』の語呂読みで、『よろしく死にいく』
となります。
電話を切ると、母親の元に『逝ける』携帯電話だったのです。
母親の台詞にも、
『ココアを温めて待っている』と、あります。
母親も息子に来て欲しいことを望んでいます。

おっちょこちょいな陳さんは、上記の大事な内容が書いてある説明書を『うっかり』渡し忘れてしまいました。

こんな、ドジな陳さんですが、今後も宜しくお願い致します。
面白いけど感動が台無しwww でもそれが陳クオリティですねwww

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