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repairman Jackコミュの秘密の仕返し segret vengeange 3 火曜日

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長く放置していたら間が消えてしまいました。とりあえず4から再開します

コメント(8)

4
四
ランチの後、ジャックはもう一度トリヴァーを探した。ウィージーがいつも座っているテーブルのところを通ると、一人の女子が言った。「昨日、イージー・ウィージーを探してなかった?どう?まだいないね」
ジャックは「イージー・ウィージー」なる言い回しがまだ尾を引いていることにがっかりした。そうそう早くに消え失せはしないようだ。
「多分寝起きがよくなあのよ」昨日同じことを言った女子がまた言った。
ジャックは立ち止まり女をじっと見つめた。最初は顔の真ん中を殴りつけて、何がおかしいと言おうとした、そうしてこいつの頭の中で散発的につながっている二つの神経細胞をつなげて、何か新しいことを思いつかせたら少しは賢くなるかもしれない。
行動に移さなかった。そう言うのは最後の選択だ。この女どもに必要なのは、もっと別の話題だ。
ジャックがそう言うやつを提供してやる。
ホールを見回してトリヴァーを見つけ、後をつけた。それまでトリヴァーは学校のゴッドファーザー然として歩き回っていた。自分のロッカーの前で立ち止まり、本を二冊取り出すと立ち去った。
ジャックはそのまま行かせておいた。ペースを緩めるとロッカーの前を通り過ぎる。791番。鍵をチェックした。普通のナンバーキーだ。このくらいのことを実行に移すのはなんともないけれど、初めでと言えば初めての行為だ。まわりに誰もいなくなる時間に忍んでこなくちゃならない。顔を上げると息を飲み込んだ、真ん前に白い顔とピンクの目、松林のアルビノの女子、サリーだ。
「見えないと思うわけ?」
「何?」
「見えるよ」
ジャックは目の前で手を振った、サリーはたじろいだ。
「おれが見えるんだろ」
「違うよ」トリヴァーのロッカーを見つめた。「あいつが見えるよ。徹頭徹尾暗い色、夜みたいに真っ黒だ」
ジャックは昨日レヴィがエルヴィンにトリヴァーに気をつけろと言ったのを覚えていた。フォントサリーがコイツの事をなんて言ったか知ってるよな。
「どう言う事?」
サリーは首を振った。「でもあんた・・・あんたはあたしから隠れてる」
この女はフォント何を言ってるんだ?
「行けよ」ジャックは言った。
ほんとのことだ。ランチタイムも、半ばを過ぎた男子トイレに行かないと。
SBRには男子用のトイレが二つある、東と西だ。東の方でジャックは窓際のシンクで手を洗った。しかし手の方は見ないで、窓の方を観察した。上に開くタイプで幅四フィート、高さはだいたい四十インチ、床から五フィートの所にある。それぞれにラッチが二つずつ。いつも開いてるのかはわからないが、蝶番の様子から外側に開くのだとわかる。一つは今いるシンクの上、他は一番端の個室にある。
個室は空っぽで、ジャックは手を乾かすと中に滑り込んだ。そこに立って待った。お昼休みはもう終わりだ。ぶらぶらしながらトイレから人がいなくなるのを待った、便座の上に立って近くから見た。取手が下にあるかんたんな押し開け窓。開けたり閉めたりするには、下げておけばいい。
ラッチを調べた・・・枠の下部に簡単なレバー、上下に動く、出し入れすればいい。ひとつ引っ張ってみたが動こうとしない。力を込め、唸り声を上げて頑張ったが、へばりついている。他を試したが同じだった。明らかにずーっと開けてないのだ。
こじ開けるにはなんらかの道具がいる。個室を見回した。何もない。ねじ回しでもあれば完璧なのだが、持ってきていない。
でもペンがあるぞ。
はボールペンを出し個室に戻る。ラッチのハンドルの下にねじ込み、それを使ってレバーを騙し騙ししてラッチを動かす。八分の一インチしか動かなかったけれど、残りは手で開けられた。二番目のラッチをこじ開けると、プラスティックのペンは壊れてしまった、でも作戦は成功した後だ。残りのラッチは手でこじ開けた。ハンドルを押した時、右手の方で何か動くものを感じた。ガラスに頭を押しつけて、それが人間なのか、物なのか見たが、何も見えなかった。外に誰かいたのか?窓をこじ開けている自分を見てたのか?
とりあえず心配してもしょうがない。ハンドルを押してキイキイ言う窓を一インチ開けた。
だが何か開けるための・・・男子トイレに行くドアを。
ジャックは便器のシートの上にしゃがみ込んだ。ドアに鍵をかける手間を惜しんだので半開きになっている。もし誰か来たら・・・
二人分の声がした、片方が誰かわかった。
おお、最悪・・・トリヴァーだ!
もしジャックがここにいるのを見たら、窓が開いてるのに気がついたら、恥ずかしいとか言う騒ぎじゃない。計画がおじゃんだ。
心臓がバクバクして来た、トリヴァーが誰だかわからない連れと話す声が聞こえた、低い声のタメ口・・・フットボールとノース・バーリントン・レジョナルの話をしてる。
わかった。金曜日のゲームは大変な戦いだった・・・ザ・サウス・バッジャーズ対ザ・ノース・グレイハウンズ。二人の声は水を流す音にかき消され、その後部屋は静かになった。自分が一人になったと確信があるまでジャックはそのままでいた、それから立ち上がって、窓を閉めた。でも掛け金は開けておいた。
それからすぐにホールに出た、それからすぐに次のクラスに急いだ、あそこで時間を無駄にしたかどうかわからない。なぜなら、窓が大きく開いて自分が中に滑り込めるかわかってない。もしだめなら、プランBに進まないと。
問題は、プランBと言うものがない事だ。
五
USEDは火曜日だと言うのに開くのが遅い。
ジャックは夏中この店で働いて、秋になった。ここで扱っているのは、アンティークと言うかジャンクと言うか境界線の曖昧なもの扱っている。ある者が貴重なアンティークとする物が別の者にはジャンクとされ、JUNQUEと綴る者もいる。綴りがどうであろうとUSEDにはそれが山積みで、あっちにこっちにうじゃうじゃと隠されている、ジャックはまだ見たこともないし、もしかしたら見ることはない、いいものがたくさんあることを知っている、ミスター・ローゼン、ここのオーナーは全てを把握している。と言うかそんな風にみせている。ジャックは週末はこのお年寄りから、秋までここにいてくれと頼まれ、驚いた。最初、なぜだろうと思った。夏の間、お客たちの往来が激しい、しかし勤労感謝の日の後は急に落ち込む。週末はそれでも人の往来があるが、ウィークデイにはほとんど誰も来ない。しばらくして、わかった、ミスター・ローゼンはひどくヨレヨレした男だ、午後にはもう疲れ切って、後ろの部屋の簡易ベッドで昼寝をしている。そう、八十才を越してるかも。
ジャックにとっても都合がよかった。掃除して、商品を磨き、位置を直す、ミスター・ローゼンの勧めで宿題も済ます。これで一時間三ドル五十・・・最低賃金を上回る。
だが、今日は違った。忙しくて仕事を片付けると、店の後ろのキャビネットのところに行き、一番上の引き出しからピッキングのセットを取り出す。ミスター・ローゼンは言っていた、キャビネットなんかの鍵がかかった扉や引き出しで鍵のない場合に使えと。テンション・バーとレーキと並んで、南京錠用シムも含まれている。薄い金属製の小さな半円筒系で、片方の端が尖り、もう片方の端に2つのフランジが付いていた。ジャックはそれをポケットに押し込む。トリヴァーの件が片付いたら戻しておかなければ。
カウンターに腰を落ち着け、ミスターローゼンの売り物の古いコンビーネーション・ロックをしらべようとしているとドアのチャイム
が鳴った。顔を上げると、ウォルト・アースキンが入ってくるところだった。ジャックはシムを押して南京錠をカウンターの下に隠した。
ヘンテコ・ウォルター、そう呼ばれている、白髪混じりの髭を生やし、黒髪をポニーテールにして結んでいる。一日中アップルジャックをすすっているせいで、眼差しがいつも半分霞んでいる。彼のお決まりの服装は、Tシャツにオリーヴ色のくたびれたジャケット、そして黒の革手袋だ。ディナーを食べる時でもお約束の黒手袋。ジャックは手袋を外しているところを一度も・・・先月の生涯唯一の奇妙なあの夜の一度だけ見た。
ウォルトは辺りを見回した。「目新しいもんがあるかい?」
ジャックは無表情な顔のまま言った。「ないです」
「おお」ウォルトは真面目くさった顔でウインクすると店の後ろの方に歩いて行った。「あるんだよ。よしよし」
ウォルトが通路を通っていなくなふと、またドアチャイムが鳴って、ミスター・ドレクスラーが入ってきた。ウォルトと同じく、この人にもお決まりの服がある、白い三揃いのスーツに、白いタイ、白いシャツだ。黒い革張りの杖を携えている。
「ヘイ、ミスター・ドレクスラー」ジャックは言った。
富士額で、黒い髪を後ろにきっちり撫で付けている。冷たい目つきでややイライラしたようにジャックを見た。
「ヘイ?大変なご挨拶ですな?」
ジャックは目を剥きそうになるのを堪えた。先月不慮の事故に巻き込まれた時、ジャックと彼で物事をスムーズに収めたのだ、しかしその事で彼のよそよそしさが和らぐわけではなかった。
「ハローみたいなもんです」
「なるほど、では、ハローのフォントようなものではなく、本物の方を次回からはお願い出来ますかな?」
「もちろん。何かお手伝いすることでも?」そう言ってから、こう付け加えたかった、フォント外までお送りのお手伝いをしましょうか?
「私はロッジの芝刈りを週末まで待たない、と伝えるために来ました。金曜日の晩までに全て整えて頂きたい」
ミスター・ドレクスラーはオールドタウンのロッジにある、アンシェント・セプティムス・フラターナル・オーダーで働いている、名刺によると「アクチュエーター」・・・先月芝刈り、きちんとして置くためにジャックを雇った。支払いはいいが時間のかかる仕事だ。
「休んでいいかどうかミスター・ローゼンに、聞かなくちゃ」
「そうしなさい」
「何かあるんですか?特別な会合とか?」
「君には何の関わりも・・・」
またドアのチャイムが鳴って毛布に包んだ赤ん坊を抱いた若い女が入って来た。二十代前半くらいかな
・・・二十になったばかりかもしれない・・・榛色の長い髪、青白い肌、灰色の目をしている。
「ハロー」そう言うと微笑んでジャックを見た。「ここに来ればウォルター・アースキンが見つかるって聞いたの」
背後に突然ウォルトが現れた。「わお!誰に聞いた?」
女はウォルトに微笑みかけた。「黒尽くめの老女によ。へんてこりんよね、この暑いのにスカーフをしてるんだもの」
ミセス・クレヴェンジャーしかない。いつも黒尽くめでいつも首にスカーフを巻いている。ある人たちは、ペギー・クレヴェンジャーの生まれ変わりだからと言う、パインズの魔女だ、その昔首を切られたのだ。みんなは、ペギーはパインズを歩き回り、自分の首を探していると言う、また別の人たちは首を見つけたので、古い傷口をスカーフで隠していると言っている。ジャックはどちらも信じていないが、パインバレンスについて、非常に多くのことを知っているように見えた、常に三本足の犬を伴って、しばしばパインズに入り込んで、不思議な時を過ごしている。
若い女はウォルトをじっと見た。「あんただわ、そうよ」
ウォルトはたじろいで、周りに自分知る人が誰もいなければ、否定したさそうだった。観念して頷いた。「ああ、俺は俺だと思うけど。あんたの事知ってたかな?」
灰色の目が涙で光った。「私の名前はミリアム。一度会ったことがあるけど、あんたが覚えてるか自信ないわ」
「いつの事だよ?」
「十年前の六月、あたしは七才だった。あなたはテント・ショーと一緒に私の故郷を通ったのよ」
ウォルトは真っ青になって辺りを見回した。「そんなもんがあったって俺は知らねえ。人違いに決まってるだよ」
彼女は鋭くウォルトを見た。「おお、あなたよ。髪はもっと短くて、髭はそのまま、まだ白髪はなかった、でもどこにいたってわかるわ。私を治してくれた男の事は絶対忘れない」
「治しただと?」ウォルトは具合が悪そうで、まるでどこかへ行きかのような様子だったが、ここで女のそばにいた。「俺・・・俺は知らねえ、そんな事・・・」
彼女は空いている方の手、左手を上げた。「これわかる?私にはなかった・・・小さなヒレみたいなものしか、ここになかったの。あの時私に触って、そしたら変わって育ち始めた。まるまる一年かかったわ、でも見て。完全な腕よ」
ジャックは振り上げた手を見つめた、確かにそう、完璧な腕に見える・・・USEDを支配する沈黙と同じくらい完璧だった。ミスター・ドレクスラーですら息を殺しているようだった。
先月ジャックはウォルトが素手である人に触るのを見た。それで何が起こったかよくわからなかった。
とうとうウォルターが唾を飲み込んでから言った。「思うんだけど、あんたは勘違いしてるよ」
「フォント勘違い?」ミスター・ドレクスラーが言った。「この女は気がふれている。腕が生えた?医学上の奇跡だ。あなたは世界的に有名人になったのではないかな、、お若い方!」
じょせいはゆっくりと首を振った。「 あたしの故郷はウェスト・ヴァージニア・ヒルのてっぺんの小さな町よ。家族は悪魔の仕業かもしれないと思った、だからご近所からあたしを隠したの。私に新しい腕が生えた時、州の反対側の親戚と暮らすように送り出したのよ」
「どうして俺を探しに来たんだね?」ウォルトが言った。
女性はまた微笑んだ。「お礼を言うためよ。それから頼みに・・・」
微笑みが消えた、毛布を剥がして眠っている赤ん坊の左肩を現した。「・・・あたしの女の子に同じようにしてもらえないかって」
ジャックは思わず喘いだ。赤ん坊には手がなかった、ただ小さな肉の切れ端が、二インチの長さで二インチの幅で生えていた。小さなヒレのようだった。
ウォルトはパニックに襲われたように扉に向かって移動し始めた、ミリアムからできるだけ離れようとしているかのようだった。
「いや・・・いけない・・・頼まないでくれ・・・頼んだりしちゃいかん」
それから一足飛びにドアまで行くと押し開けて飛び出して行った。
ミリアムは大急ぎで後を追った、叫びながら「ミスター・アースキン!お願い、あたしの赤ちゃんを。助けてちょうだい!お金を払うから!ミスター・アースキン、フォントお願い!」
ジャックはそれを見て固まってしまった。何と言う気違い沙汰・・・
それから気がついた、ウォルトは出来ない、と拒否したのではない。こう言った、フォント俺に頼んだりしちゃいけない。
ちょうどその時、ミスター・ローゼンがあしを引きずりながら後ろのドアから現れ、目を擦った。
「なんたるフォント騒ぎだ。誰が騒いでる?」
ジャックは窓のところに行った、ミリアムとウォルトが古ぼけたフォードのステーションワゴンのボロボロのフェンダーの前で顔を突き合わせているのが見えた。ミリアムはウォルトに封筒を突きつけている。お金?ジャックに彼女の唇は読めなかったが、お金を払うと言う申し出の事は覚えている。
ウォルトは押し返し、首を振って、何か言っている。
ジャックドアの端から、ミリアムが封筒から白い紙を取り出し、ウォルトのくたびれたジャケットのポケットに突っ込むのを見た。ウォルトは取り出すと一瞥して投げ捨てた。
ウォルトが手を振り、立ち去った、ジャックがドアを開けた時、ミリアムの叫ぶ声が聞こえた。
「ここに土曜日までいます、ミスター・アースキン!お願いだからもう一度考えてみて!気持ちが変わったらいつでも来てね。待ってるから」
それから泣き出した、その啜り泣きがジャックの心を傷つけた。すすり泣きながら、赤ん坊を古いステーションワゴンの席に座らせると、車に乗り走り去った。
ミスター・ドレクスラーが肩越しに話しかけて来たので、ジャックは飛び上がった。
「大変な見せ物でしたな」背伸びして、笑った。「もっと頻繁にここに来るよう、ノートしておかなければなりませんな」振り返ると、ミスター・ローゼンに頷きかけた。「ごきげんよう。非常に面白い顧客をお待ちだ」それからジャックに言った。「覚えておきなさい。金曜の夜になる前に芝生と花壇の手入れをする事」
ジャックはミスター・ローゼンを見た。「金曜日休んでもいいですか?」
肩をすくめた。「わかった。なんとかするよ」
「金曜日に、では」ミスター・ドレクスラーは言うとドアから出て行った。
大男がベントリーから飛び出ると、彼のために後ろのドアを開けた。運転手兼ボディガード、ミスター・ドレクスラーが必要な事ならなんでもするんだろう、ジャックの想像もつかないことも。ミスター・ドレクスラーはこの男をエッガースと呼んでいる。
車が唸りをあげ走り去った後を紙切れがヒラヒラ追いかけていくのが見えた・・・ミリアムがウォルトに渡そうとした紙だ。ジャックは身を屈めるとそれを捉えた。チェックするとこうあった。

ロンリー・パイン・モーテル三号室

ポケットに突っ込むと急いで室内の戻った。
なんと言う午後。ジャックはミリアムと可哀想な赤ん坊の事を頭から振り払う事が出来なかった。親父が言った事を覚えていた、ウォルトは南の方のショーで心霊治療みたいな事をしていた、だけど、飲みすぎるので叩き出された。盲をなおしたり、聾を治したり、足萎えを歩かせたりする心霊治療の事は聞いた事がある、みんなインチキだ。
だが、心霊療法で腕を生やした話は聞いたことがない・・・不具の腕や足を健康なものに生まれ変わらせた話も。
ウォルトはそれをしたのか?触っただけで治せるのか?たぶん。どっちにしても、先月からおかしな出来事ばかり。もしその力があるなら、なぜ拒むのだろう?突然ジャックは閃いた。うちでも外でもいつも手袋をしているのはその為?
フォントリン!キャッシュレジスターの音で、ミスター・ローゼンと同時にジャックは立ち上がった。
「店は人で溢れてたのに売り上げはなしか?」
「たぶん買う気がなくなったんでは」ジャックは言った。
それどころじゃなかったよね。
六
「おお、ジャック」ミセス・コーネルが言った。「来てくれて嬉しいわ」
ジャックはウィージーと直接対決することに決めた。電話よりいいだろう、自転車に乗り玄関の扉を叩いたのだ。ミセス・コーネルはまずジャックを抱きしめた。
「ウィージーはどうしてます?」そう言って、今朝と同じくなにも知らない風を装った。「まだ具合悪いの?」
ミセス・コーネルは一瞬唇を噛んでから言った。「病気じゃないの。ただ学校に行きたくないというのよ」
ジャックは驚くフリをした・・・エディから内緒で聞いていた・・・それからにっこりした。
「なんとかなりそうですか?おれが言ってみますよ」
「笑い事じゃないのよ、ジャック。何かの原因でひどく取り乱してるの。学校で何かあったに違いないわ。何か知ってる?」
肩をすくめた。「一年上級だから。何をしてるのかはわからないです」
嘘でもない。
「わかってるわ」ミセス・コーネルは頷いた。「エディもわからないって言うのよ。あなたがエディに会いに来たのは知ってるけど、あなたウィージーと話が出来る?友達でしょう?あなたになら、何があったか話すかもしれないわ」
エディに会いに来た、と言う点について訂正しなかった。
「やっえみます」
階段を登ってウィージーの部屋をノックした。
「ヘイ、ウィーズ、おれだよ」
「ジャック?入って」ドアを開けて中に足を踏み入れると付け加えた。「ドアを閉めてね」
部屋は薄暗い明かりはベッドサイドの小さなランプだけだ。黒いTシャツに黒いジーンズのせいでいつもより青白く見える、ウィージーは足を組んで乱れたベッドに座っていた。
「学校はどうなってる?」ウィージーが尋ねた。
ジャックは肩をすくめた。「そのまんまさ」
「まだ、イージー・ウィージーとか言ってるの?」苦虫を噛み潰したような顔で言った。
ジャックは言いたかった、それはもう昨日のニュースだよ、でも嘘はつけない・・・明日バスに乗ればその言葉を聞かないわけにはいかないだろう。
「二人が君のことを聞いてきた・・・」
「イージー・ウィージーは、って?」
言わないわけにはいかなかった。「ああ」
顰めっ面で首を振りながら、腕を組むとヘッドボードに寄りかかった。
「バカ女たち」葉の間から絞り出した。「どいつもばかよ」
「すぐにほとぼりが覚めるよウィーズ。今は1983年だ・・・植民地時代じゃない。デカいAの文字をシャツに書かれて着せられたりしない」
「でもどうしてあたしなの?どうしてあたしがアバズレ呼ばわりされなくちゃならないの?こともあろうにこのあたしが?デートすらしてないのに!」
「どうしてだか、おれたちにはわかってる」
ウィージーはジャックを見つめた。「そう、私たちはね。あいつに仕返しする方法があったらいいのに」
ジャックは口を開いた、舌の上まで言葉が出かかった。自分の計画について話したい、でも言葉を引っ込めた。だめだ・・・誰にも言っちゃだめだ。これはおれとカースン・トリヴァーの問題だ、トリヴァーには特に知られては困る。
「これ以上事を悪化させる事はないよ・・・つまり、不登校を引き延ばすの?」
「いいのよ、だって、戻らないんだから」
「ウィィィーズ・・・」
「本気よ。そこの全員が私を憎み、見下している場所には戻りません」
その言葉にショックを受けた。そんな事はない・・・少なくとも現実世界では。でもウィージーにはそうなのだ。ウィージーは自分が平常心を失って吹き飛ばされたことがわかってない。自分が理の向こうにいると感じている。精神科に診てもらったと言うのはこう言うことなのか?
「ウィーズ、そんな事実はない。君は・・・」
「事実よ」涙が頬を伝った。「だから戻らないわ。親たちも行かせることはできないわ。誰にも出来ないわ。バス停まで引きずってくことは出来るわ、でもバスに乗らないわ。無理強いしようとしたら次のバス停で飛び降りる。学校まで車で連れて行こうとしたら、車から降りない。引き摺り出して学校に行かせようとしたら、歩いて出て行くわ」
「でも決まりってものが・・・」
「気にしないもん。何にも気にしないわ。放っておいて欲しいだけ」
「おれにも放っておけってこと?」
「疲れちゃった。眠りたいわ」
これは堪えた、思ってたより傷は深い、正気でいられないほど。
やぶれかぶれで、朝呼び出す方法を画策した。
「朝方二つのパインライトをみたよ。調べない?」
ウィージーの目に興味をひいた印のスパークを見たと思った・・・しかしあっという間に消え失せたので、気のせいだったのかもしれない。
「言ったでしょ、ジャック。ほんとに疲れちゃった」
ウィージーは電気を消した。
ガックリだ。ひどい。ウィージーはいなくなった。
ため息をついた。「オーケイ、ウィーズ。少し眠るんだね。明日また寄るよ」ドアノブに手をかけて立ち止まった。「ヘイ、ウィーズ。君が、イージー・ウィージーじゃないって思ってる奴がひとり学校にいるってわかってるよね?」
「それはあなたって事?」
「そう」
「本当のことを知ってるからそう思わないのよ。でも知らなかったらどう?そしたらどうかしらね」
「君が話してくれたから。君が本当じゃないと言えば、それは確かなんだ」
暗闇の中で啜り泣きが聞こえた。
「行っていいのよ」
「ほんとに?」
「どうぞ行って」
廊下に踏み出すと声が聞こえた。「ごめんね、ジャック」
「いいのさ」
ドアを閉めた。
フォントごめんね・・・その言葉に胸が破れそうだった、しかしまた、自分の計画のリスクについてもっていた不安が取り除かれた。
ウィージーがごめんねと?それより前に、誰かさんにたっぷり反省してもらわないと。
七
ジャックは胸重く、家の道半ばまで歩いて来た。
ウィージーの事は置いておいて、トリヴァーに対する計画の最初のとっかかりについて考えた。鍵は、思うに、無邪気な悪戯に見せかけることだ。害をなすことではない。単純なところにインパクトがある、誰かがミスター・ワンダフルを悪ふざけの標的にしたと言う、逃れようのない事実。
そうこうしているうち、ジャックは家に着いた、一つ二つアイデアが出来た、中で母親がキッチンで何かしら仕事をしている。
「ハロウィーンの支度は?」
お母さんは顔を上げた。「超能力者ね。今地下室から持ってきてって頼もうと思ってたのよ」
「オーケー。でも地下室のどこ?」
物置には物がひしめいており、何か見つけるにはシェルパ・ガイドが必要だ。
「右奥よ、真ん中の棚」
それで十分だ、言われた通りのところに箱があった・・・サンクスギビングデイの飾りの横にあった。マムはそれぞれの祝い日にうちを飾るのが好きだ、ハロウィーンまでもう一週間しかない。ジャックは箱を手探りし、マムが玄関のところにかけるのが好きな大きな毛むくじゃらの蜘蛛をひっぱりだした。大きなぎょろぎょろの白目に黒い瞳孔の目玉は動かすとコロコロ転がり、電飾の紐がついている。間抜けでかわいくてぬくぬくしてる。
見惚れるのをやめ、床の上に置いた。突然それはぬくぬくかわいいものではなくなった。巨大なタランチュラに見える。
完璧だ。
箱を上に持って行った後、裏口からガレージに滑り込んだ。古いリュックがフックにかかっている。蜘蛛を中に入れ、ペンライト、マスキングテープ、それから親父の引き出しからのドライバーも入れた。
それから鍵開けツールからパッドロック・シムを取り出す。四種類あって、少しずつ大きさがちがう。まだ使ったことはないが、キットの取説で調べてある・・・ピッキングは容易だ・・・その通り、簡単そうだ。自分の自転車の鍵からチェーンを外し、U字金具をしめた。それから違うシムを試した、ハーフシリンダーの中から一番ぴったり来る金具を探す。金属部分にはめると金具の穴に押し込んだ。それから親指をフランジに当て、シムを右に回す。
金具がポン、と外れた。
喜び驚き、ジャックはそれを見つめた。
これって?これって?
もう一度やってみた・・・簡単だ。むわっはっは!と大声をあげないよう最大限の努力をした。
トリヴァーのオペを始める。

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