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映画精進そよ風通信コミュのアンソニー・マン

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11/25(土) ・11/26(日) 
HOLLYWOOD 50s アンソニー・マン特集

という魅力的な上映を前日に発見して、
慌てて仕事の予定を強行調整。

なんとか両日とも真ん中の上映時間だけ空けれた。
本日は、どうしても直前の都合で15分ほど送れそうな感じだったが、TAXIの運転手の強引なドライブのおかげで数分遅れで到着。


作品は、

『西部の人』 監督 アンソニー・マン
< Man of the West 1958/U.S.A./100min > 


劇場に入り、ドアを開けて席に着くまでの数歩踏むか踏まないかの間で、もうスクリーンに釘付けになってしまった。
それはゲーリー・クーパーが列車に乗り込んで発車を待つシーンだった。

別に何か凄い事が起こったわけではない。まだ始まったばかりだ。

クーパーが席につき、前の席との間がとても狭いため窮屈そうに足をバタバタしている。別の男が話しかける。女が話しかける。窓の外の景色。汽笛。煙。列車が動き出す。

それだけ。
たったそれだけのシーンなのに、なんともいえない色気がある。
この色気の正体が何かは説明できない。

説明はできないんだけど、でも確実にそこにあるその何かは、
いくらお金を積もうが、いくら技術が発達しようが作り出せるものではない。
フィルムに焼き付けられた美しいこの「何か」
この存在こそが「映画」の血肉であり、そしてそれを追い求め、掴みたいと欲する者のみが傑作を完成させるんじゃないかなぁ。

この映画の中で、3度、印象的な超遠景のショットが登場する。
この距離感が抜群に良い。

さらに、

クーパーらが、銀行を襲うためにゴーストタウンと化した町に侵入する際のカメラの動きが吸い込まれるように美しい。

クライマックスのリー・J・コッブの亡霊ぶりと、
撃たれた後の転がりっぷりが素晴らしい。

全編を覆う陰鬱さが気持ちいいくらい半端無い。

(西部劇に痛快さでなく陰鬱さを求めるようになったら、もうあなたは立派な映画馬鹿です)

言い出したらきりがないが、
中でも一番感嘆したのはジュリー・ロンドンがストリップを強要されて、はずかしめを受けるシーン。

ヘイズコードがあるのでもちろんヌードはありません。
が、なんとも痛ましいシーンか!

その後終わり近くで、強姦された後のシーンも出てくるが、
時間にして数秒、そしてワゴンからのぞく暗い表情と白い手と
「わからない」というセリフだけ。

アンゲロプロスの『霧の中の風景』でのトラックの強姦シーン、
とまではさすがにいかないが(あれは別格)凄いシーンだったと思う。

規制があるからこそ生まれるストイックで崇高な表現。
どんな規制があっても。想像力と創造力は決して縛れないということを彼らは証明している。

「好きになんでもできる」ということが「自由」だと思っている莫迦どもに、このことをガツンと教えてやいたい。


なぁんて、最後はエラそうなことを言って終わりにします。


いやぁ ほんと観れてよかった。



(追記)
ところで、この映画の画像探してもみつけれん。だれか持ってる人いる?

コメント(1)

3度、印象的な超遠景の補足

1度目は強盗団の首領ドック(リー)が廃屋にいるリンク(クーパー)の元へ声をかけ丘を登ってくる縦の構図。2度目は強盗団の部下が遅れて戻って丘上を馬で駆け抜ける横の構図。3度目はラストの対決で1度目と同じくドックがリンクに声をかける縦の構図。だが上下の立場は入れ替わり、崖上のドックを悲痛な面持ちでリンクが銃を握りしめ登って行くのだ。この空間処理能力と画面のかっこよさに、激しく心が揺さぶられてしまう

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