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六命+一揆 営業日誌コミュの《Melntese》51日目

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【Eno.1149 九】

「イチジクってば、毛を逆立てた猫みたい〜!」

あははとのんびり笑う相方に九の眉間のシワが深くなる。

ねこっぱちに文字通り物理的に「舐められて」から、九はあからさまにピリピリしていた。

「お前のせいだろ!」
「そうなの?」
「あんな破廉恥なこと……!!」

頬を赤らめた九に対して、ねこっぱちはきょとんとしている。

「えぇ〜?!こんなに可愛いボクが破廉恥なことするわけないし。」
「しただろ!」
「舌?」

小首を傾げるねこっぱち。

「そうじゃなくて!いや…間違ってないけど、そうじゃなくて!」
「ボクの舌が何か問題でも?」
「お前の舌なんてどうでもいい!いや、良くないんだった!」

ねこっぱちは、にまにましている。
また奴の言葉に弄ばれている。
フラストレーションのたまった九は唸りながら頭をかきむしる。

「髪の毛絡まっちゃうからやめなっていつも言ってるのに……ほら、もう!」

絡まってる髪を解くように梳く。
九は頬を膨らましているが、されるがままである。

「オレは猫じゃないし!」
「あー、うーん……猫みたいと思ったけど、違うかも。なんだろ……?」

髪を梳く手を止めて、ねこっぱちは九を見つめる。
瞬きもしないまん丸の瞳に、九はなんとなく居たたまれない気持ちになる。

「そっか、イチジクは鳥だ〜!小鳥だ!」

ねこっぱちが満足そうに頷く。

「イチジクは、可愛い小鳥だね〜。」


———可愛い小鳥。


ゾクリ。
突然、夢で聞く声が脳内再生され、一気に肌が粟立つ。

「ほら、イチジク身軽だし、高いところ好きだし、髪フワフワだし、フワフワっていうかクルクルすぎて鳥の巣みたいだし〜……って、どうしたの?」

九は我にかえるとなんでもないと首を振る。

「オレが小鳥とかさ……なんか最近ずっとオレに対して獲物のイメージ持ってない?」
「え〜??」
「オレはもう騙されない。身の危険を感じるから、あんま近寄るな。」

違うよ〜と言い募るねこっぱちを、しっしと手で追い払うと立ち上がって歩き出す。

「小さくてフワフワしてるイメージだよ〜!」
「お前より小さくねーし!」
「そうだけど〜、そうじゃなくて〜!」

そんなやりとりがしばらく続いた後、九はねこっぱちに「小鳥だなんて二度と言うな」ときつく言いつけた。
ねこっぱちは納得のいかない感じだったけど、九は譲らなかった。

夢の中の蠱惑的な声と同じように自分を呼んで欲しくなかった。
何故か、ねこっぱちを声の主に取られてしまう気がした。

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