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六命+一揆 営業日誌コミュの6日目

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【Eno.972 ねこっぱち】

ハロウィンの夜。

「トリックオアトリート!」
そんな子ども達の声や、おばけの仮装、魔女の仮装の人々。
今日はハロウィン。
明るい衣装や、不気味な衣装、楽しげな声、大人も子どもも。
いつもとは雰囲気の違う夜。

イチジクとねこっぱちも、今夜はハロウィンだということは知っていた。
だけど、いつもどおりの二人。

ねこっぱち「ねえ、イチジク。ほんとにハロウィンぽいことしなくてよかったの?」
九「悪魔なのに魔女や幽霊の仮装なんかできっか!」


しかし、以前にイチジクは、どこでみつけてきたのか頭がすっぽり入るほど大きなかぼちゃをくりぬいて、
一人で懸命にジャックオーランタンを作成し、当日朝からはりきって装着して出かけたものの、
「でかい!重い!」
と、道中で投げ捨てた過去があるのだ。
もちろん、そのジャックオーランタンはその場でねこっぱちが回収した。
後に社内でも「空中に浮く巨大カボチャ。ハロウィンの謎」と噂され、
正体を知った営業部長には「きゃはは★あれ、ぱっちーだったんだ★」と大笑いされた。


ねこっぱち「とりあえず、町を見物しようよ。アイドルとかもきっといるよ。」
九「オレはアイドルとか、興味ないよ。」
ねこっぱち「興味ないのか。ボクは契約できる相手なら興味あるけどな。」
九「む、抜け駆けはゆるさん!ちょっと待ってろよ!」


イチジクはどこからかどでかい十字架を背負ってきた。


ねこっぱち「なにそれ。」
九「ハロウィンといえば十字架だろ!」
ねこっぱち「……。(巨大かぼちゃで懲りてないのか)」
九「よし、出発だ!」

こうして、特に仮装もしていない二人も、でかい十字架をひきずりながら仮装行列に参加することになった。

////

九「百鬼夜行の宴の始末、どうするのかねぇ。」
ねこっぱち「ランタンとかどうするんだろうね。・・・。みんな、どこまで行くんだろう。」
九「飽きるまでかな。」
ねこっぱち「ははは。イチジクじゃあるまいし。」

なにをっとつかみかかろうとするイチジクだが、今は十字架が邪魔だ。


ねこっぱち「ちょっとボク、寄りたいところができた。後で追いかけるよ。」


////
ふらふらと飛んできた先は、あるお店の前。
賑やかな雰囲気の今日のような夜でも、ひときわ明るく、目を引くお店。
見える範囲では、ヒトはいないようだが、ざわざわとしているような不思議な感覚がある。
中にはヒトがたくさんいるのだろうか?
ねこっぱちはカチャリとお店のドアを開けながら、中をのぞきこむ。
お店に入ると、やはり複数人の気配がしたままだが、目の前には店主が一人。

店主・大熊猫さん「イラッシャイませぇ!こちらは移動版玩具屋でございマスヨぉ!」
ねこっぱち「こんばんは、店主さん。移動してるって噂だったから今日みかけるとは思わなかった。
ハロウィン限定メニューの「Jack o Lantern??」が欲しいんだけど。」
店主・大熊猫さん「あはぁ、すみませぇん!売り切れちゃいマシタァ!」
ねこっぱち「あっ、そうか。もう当日の夜だもんね。どおりで見あたらないと思った。
うーんと、それじゃ、このキャンディを2ついただいていこうかな。」


どきどきキャンディを二つ、包んでもらって、会計をしようとするねこっぱちの手を、店主はやさしく包んだ。

これは、お詫びの気持ちだから、お代は結構ですよ、という内容と、
ちょっと残念そうに、でも楽しんでいるようにも見える奇妙な笑顔とともに。
////

すぺしゃるさんくすEno.506 toy store さま

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【Eno.973 九】

ハロウィンの夜。

「トリックオアトリート!」
そんな子ども達の声や、おばけの仮装、魔女の仮装の人々。
今日はハロウィン。
明るい衣装や、不気味な衣装、楽しげな声、大人も子どもも。
いつもとは雰囲気の違う夜。


イチジクとねこっぱちも、今夜はハロウィンだということは知っていた。
だけど、いつもどおりの二人。


九はハロウィンに仮装はしない派である。
彼女の理論は至って明快で「悪魔なのに魔女や幽霊の仮装なんかできっか!」ってことなのである。

しかし、以前に一度だけジャックオーランタンに挑戦したことがある。
このときの彼女の理論も至って明快で「契約取れるなら商売敵のまねしてもいいぞ!」ってことなのであった。
普段の大雑把な言動に惑わされがちであるが、九はねこっぱちとともに部署内で優秀な営業成績を収めているのである。
つまり、株式会社魔界の営業部に属してからというものの、「契約取れるか否か」が彼女の行動に大きな影響を及ぼしているのだ。
正社員になる前は、悪魔らしいといえば実に悪魔らしく、やんちゃで素行が悪かった九を知る者にとっては、今の『営業一筋』な彼女は別物としか思えないかもしれない。


ちなみに、件のジャックオーランタンは道中で投げ捨てている。
契約云々以前に、徹夜でくりぬいたカボチャの外殻は重すぎたから。



そんなことで、ハロウィンの夜に辿り着いた町の仮装行列に混じることになった二人。
九は何故か、どでかい十字架を引きずっている。
「ハロウィンといえば十字架だろ!」 と巨大カボチャの件で懲りていない九。
ねこっぱちは十字架に適当にぶら下がりながら、この十字架もきっと投げ捨てるんだろうなぁなどと考えていると、九が呟いた。

「百鬼夜行の宴の始末、どうするのかねぇ。」
「ランタンとかどうするんだろうね。・・・。みんな、どこまで行くんだろう。」

ねこっぱちは、自分が後始末した九のお手製ランタンのことを思いだしながら答える。
もちろん九は自分の造ったランタンのことなど、とっくに忘れている。

「飽きるまでかな。」
「ははは。イチジクじゃあるまいし。」

なにをっとつかみかかろうとする九だが、今は十字架が邪魔だ。
悔しそうに少しだけ唸った九を横目に、ねこっぱちは十字架の上で大きく伸びをしたかとおもうと、ふいに後ろを振り向いた。
首をかしげる。

ねこっぱちの動作を九もまねてみたが、特に何か変わったものは見えない。
そんな九の姿に、ねこっぱちは無い肩をちょっとすくめる。

「ちょっとボク、寄りたいところができた。後で追いかけるよ。」

そう言い残すと、ねこっぱちは行列に逆行し始めた。

「……なんだ、あいつ。」

ねこっぱちがと飛んでいく方向をしばらく見つめた。

「寄りたいところだなんて……ねこっぱちのくせに生意気だな!」

そうは言いながらも、九は普段ならやりそうな『こっそり後をつける』という行動には出ない。
ねこっぱちを追うよりも、この人だかりにいた方が、営業活動が行いやすいと考えたからである。

川の流れに逆らうように地面に刺した十字架の上に座り、思い思いに仮装をして練り歩く人々を眺める。


「本当にどこまで行くつもりなんだろうなぁ……。」

ジャックオーランタンの仮装をした赤ん坊が急に泣き出した。

天使の女性が立ちくらみに襲われ、近くの吸血鬼の男性が支える。
お姫様の少女はどことなく怯えた様子で、妖精の友達の手を引き先を急ぐ。

「……能天気なレミングども。」

灰色の瞳が妖しく光り、唇の端をつり上げる。
普段は見せない類の禍々しい笑みを見せる。

海賊の少年が、通り過ぎざまに十字架の上の九を見上げる。
慌てて顔を伏せて同行していた父親にしがみつく。
見たら最後、魂をとられてしまうかのように。

気がつけば、九の周りに不穏な気配が漂い始めている。
有象無象の奇妙なマーチが、永い間なりを潜めていた九の暗い一面を呼び起こすのか。



「……おっ、意外と早かったな。」

しかし、ふらふら飛んで戻ってくるねこっぱちが視界に入ったとたん、スイッチが切り替わる。
九は大きく伸びをしてから、手を振った。


「おかえり!遅かったじゃないか!」
【その後の会話】

ねこっぱち(972)「ただいま。」
イチジク(973)「おっ、何持ってんだ?見せてみろよ。」

イチジク(973)「オマエのものはオレのものだろー!」

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