ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

こみや'S創作長編物語集コミュの14,ライバルはお母さん

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
「ねぇお母さん〜」

「あ?」

宮崎優里四歳。

「可愛い服買って!」

ませたこどもだった。

「兄ちゃんのお古は可哀想だしな、しゃあない。でもなぁ優里〜女は外見じゃねぇぞ?」

「でも可愛い方が…」

思わず口をつぐんだ。

「そうそう優里、女は中身。じゃなきゃ父さんがこんな母さんを選ぶはずが…」

「なんだと哲哉!」

ギャハハと今日も家庭は和やかだった。

ピンポンが鳴る。

私は赤面した。

今日は月に一度のお楽しみ。

お母さんの弟夫婦が遊びに来るのだ。

「お〜っす優里〜!」

「誠兄ちゃん!」

私は密かに頼もしい誠兄ちゃんが大好きだった。

「何?なんの話してたの?」

「いや〜優里がさぁ…」

「なんでもないの!誠兄ちゃん、外行こう!」

「しのぶれど〜色に出でにけり我が恋は〜ものや思うと人の問うまで〜」

お父さんが訳の分からない事を言い出す。

「え!そうなの!?」

大人達が一斉に騒ぎたてた。

「優里〜いいこと教えてやるよ」

お母さんが耳打ちする。

「従兄弟同士は結婚出来るんだぜ?」



お母さんがあんな事言うからだ。

誠兄ちゃんの顔がまともにみれない。

それでも聞いた。

「誠兄ちゃん」

「ん?なんだ?」

「す…好きな人いるの?」

伊達にお母さんの血はひいてはいない。

「ああ、いるぜ」

え…

「万里さん。おめーの母ちゃんだ」

う!うちのお母さん!?

「かぁ〜っこいいよなぁ〜ガキの頃万里さん目当てにお前と結婚したいっつったらどやされたよ。バカだろ?」

お母さん…

「うちの母さんも優しいけどな。お前んちの母さんはやっぱかっこいいよ。お前は幸せもんだな。」

翌日…。

私はあまり朝ごはんを食べられなかった。

「お〜優里どうした?恋煩いかぁ?飯は食えよ飯は!」

お母さんが笑う。

「うるさいな!お母さんには関係ないでしょ!ほっといて!」

「優里、どうしたんだよ…」

お父さんとお兄ちゃんが首を傾げる。

「お母さんはライバルなんだから!」

そう言うや私は椅子に膝を立てた。

「お前…行儀が悪…」

「お母さんもやってるもん!」

「うわぁ…恐れていた事がついに起きた…」

お父さんが苦笑いする。

「万里…こどもは親の背中を見て育つんだよ…これを気にお前も少しは女らしく…」

「あぁ!?」

お母さんが聞き返した。

「優里、母さんの真似なんかしたって誠の心は手に入らねぇぞ?お前はお前の魅力で勝負しろ!八つ当たりしてんじゃねぇよ飯を食え!」

全てお母さんにはお見通しだった。

私が…

私なんかが…

お母さんに勝とうとする時点で間違いなんだ…

次の月の日曜日…

誠兄ちゃんがやってくる。

「誠」

お母さんだった。

「優里の話聞いてやってくれ、外で二人きりで」

お母さんがウィンクして口パクで言う。

「がんばれ」

お母さん…

「え、何何?どうしたの?」

「優里、誠兄ちゃんが好き!」

「え」

「優里はお母さんみたいにすごくはないけど…まだまだこどもだけど…でも優里は誠兄ちゃんが好きなんだ!だからこれからもよろしく!」

そう叫ぶや否や走って去ろうとしたところを誠兄ちゃんの手に腕を掴まれる。

「あのさぁ…」

「返事は要らない!今の優里じゃ無理だって分かって…」

そっと誠兄ちゃんの唇がが私の頬に触れた。

「だな」

誠兄ちゃんは笑う。

「今はこれくらいしか出来ねぇ。でも嬉しいよ!最高。ありがとう!」

つられて私も笑った。

二人でいつまでも笑っていた…




「しっかしま〜ホントによく掴まえたなぁお前…」

お母さんはしみじみと語る。

「へへ。伊達にお母さんの娘じゃないってこと!」

「誠」

お父さんが話す。

「昔言った事覚えてるか?万里目当てなら許さねぇぞ?優里が好きなんだよな?」

「はい。惚れました。あの時はすみませんでした。優里は俺が一生幸せに…」

いいかけた誠兄ちゃんの唇をふさいだ。


「幸せになろうね、誠!愛してる!」

コメント(8)

いいなぁ、ほんわか(^_^)
私のコミュにないこの柔らかさが羨ましい…。
最後にお兄ちゃんと付けないで誠と呼び捨てにするあたり、母ちゃんの血が濃いねww
>>[001]
ゆあさん泣き顔あなたいい人だ〜泣き顔これは内容の薄い仕上がりになってしまいよっぽど消してやろうか迷ってました泣き顔私もそろそろ精根尽き果てたかなぁといった感じですぅ。マイペースにやります〜わーい(嬉しい顔)あせあせ(飛び散る汗)
>>[2]

そう?私は好きだけどねぇ(^_^)
ちなみにこれもシリーズの中に編集して入れといたよ♪
>>[003]
重ね重ねありがとうございますわーい(嬉しい顔)ぴかぴか(新しい)助かります〜ほっとした顔晴れ
思わず一気にこのシリーズを読んでしまいました!!
右腕が濡れてしまいましたw

じーんとできました、ありがとうございます。
>>[5]
ありがとうございます^_^コメント入った時にしか物語基本読まないので優里の話久々に自分でも読みました^_^懐かしかったです!
>>[6]
いやぁ、今海外なのですが、他の物語も一気に全て読みました。
かなり感動できました。本当に感動しましたとも!!
丁度、もやもやしていた時期なのですが、優しい気持ちになれたし、新しい物語を期待しながら・・・こちらも頑張ろうって気になれました!!!ありがとうございます!!

>>[7]
海外から読んでくださったのですか^_^嬉しいです、こちらも感動です^_^。最近は休息していますがまた物語書く時には読んでやってくださいね^_^

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

こみや'S創作長編物語集 更新情報

こみや'S創作長編物語集のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング