ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

こみや'S創作長編物語集コミュの達也の魅せた愛と梨佳の罪

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
達也とは大学のサークル仲間だった。

二人して大の阪神ファン。

気づけばよく一緒に阪神戦を観に行くようになった。

六甲おろしを歌いながらの帰り道。

ビールを片手に手を握ってきたのは達也からだった…。

なんとなく付き合うようになった。

達也は性格が悪かった。気づいた時には遅かった。もうすでにそんな達也の飴と鞭の虜になっていた…

「私の事好き?」

「さぁねぇどうだろうねぇ〜」

「好きじゃないんだ…」

私が泣きそうな顔をすると

「バカじゃないの?好きだから付き合ってるんじゃん!」

と後ろから抱き締めてくれた…

そんな達也が大好きだった。

ある日…

阪神戦の帰り道だった。

阪神はまさかの逆転負け。達也の機嫌は超悪かった。

「っかーっ!ざけんじゃねぇよ!」

私は機嫌をとるのに必死。

「う!家寄ってきなよ!飲みなおそ!」

「あ?うまいもんでも作ってくれんのか?しゃあねぇなあ」

全くこんな男恐らく私しか愛せない。


私は社会人になり一人暮らしをしていた。

達也とは気付けば2年一緒にいる。

付かず離れずの仲であまり将来の話もしなければ家にあげることも滅多になかった。

「入って入って!」

「あ〜」

ダラダラとむくれた達也が居間に上がる。

その時だった。

「梨佳」

え。

初めて…

名前で呼ばれた。

「アイスが食いたい」

…は?

「ア…アイス?」

「ああ」

達也は微動だにせず答える。

「き、近所のコンビニで…」

「ハーゲンダッツのアイスが食いたい!!」

ハーゲンダッツなんてここから一駅先だ。

さすがの私もキレた。

「ふざけないでよ私だって疲れてるの!明日も仕事なんだよ!?今美味しいもの作るから…」

瞬間胸ぐらを掴まれた。

「俺の言うことが聞けねぇのか?」

こ!怖い!!

「…いってきます」

私は逃げるように家を出た。

悔し涙をボロボロ流しながら…

あんな男…このハーゲンダッツを最後に別れてやる!

少し歩いて気が付いた。

財布がない。忘れた。

部屋に戻りドアノブに手をかけようとした時だった。

「…はい。はい。今すぐサイレンを流さずにお願いします。空き巣です。確保しておきますんで。」

え。


達也の声だった。

「さぁてと。これでもうおまえさんはおしまいだ。そこに隠れてんのは見えてるんだよ!!梨佳が一人で帰ってくる算段だったか?間が悪かったなぁ?ありゃ俺の女だ。殺されてもレイプされても困るんだよ!出てこい!!」

嘘……!?!?

震える腕でドアをそっと開けた…


タンスの隙間から見たこともない男が刃物を片手に達也に襲いかかる。

叫びそうになったのを必死にこらえた。

達也は男の右手をとり思いきりねじって床に叩きつけた。

「アタタタ…勘弁して…勘弁して下さ…」

「空手ならかじった事があるんだよ…勘弁して下さいで通ったら警察は要らねえんだよ!」

達也…!

私は男の手の刃物を奪おうと玄関を開けた。

達也を助けたかった。

「達也!!」

「り!梨佳!?」

一生の罪だった…

達也の男を押さえる手が緩んだ隙に男は渾身の力で達也の左腕を刺した。

「…っつ!」

「達也ぁ!!」

達也の左腕から大量の血が吹き出る。

逃げようとした男を瞬間後ろからドカドカと入ってきた警察が取り押さえた…

「お前…なんで帰ってきた!?」

「ごめん…!ごめんなさい!!」

ウワァと私は泣き崩れた…


達也の左腕には少し後遺症が残った。

私が…私が余計な事しなければ…黙って警察が来るのを待っていれば…

「ごめんね…もう車も運転出来ないね…ごめんね…ごめん」

「全くだな」

ウワァとただただ泣く私に…

達也は笑った。

「利き腕じゃなかっただけラッキーだよ、きにすんな。」

達也…

「だって…もう車も…大好きなバイクも…乗れないんだよ?」

涙が止まらなかった。

「んじゃ責任とって」

え。

「車とバイクに乗せて」

え。

「毎朝顔洗うの手伝って」

え。

「毎晩髪洗うの手伝って」

え。

「一生面倒見て」

え…

「結婚しろって言ってんの!お前の余生は介護だ!大変だなぁ〜ま、頑張ってくれよ!」

「…はい!!」



「そうしてお父さんと結婚したのよ」

朝食時。今日はそんな話を高校生になる息子の孝司にしていた。

「お父さん…かっこいいね」

「でしょ」

「でもどうしてお母さんと一緒にアイスを買うふりして逃げなかったのかなあ」

「勘づかれて逃がしたくなかったから」

達也だった。

「達也…」

「どうしてもこの手で捕まえたかったの!で母さんにかっこいいと思われたかった!」

「アハハ!父さんダセェ」

「うるせぇ孝司!梨佳洗面所!顔!」

ハイハイと私は達也と洗面所へ向かう。


達也…私あなたの世話を介護だなんて思ってないよ。恩返しだと思ってる…本当にありがとう。一生一緒にいようね!

コメント(8)

達也クン無謀過ぎるやろ(・・;)ん〜あたし目線では頭悪い男かなぁあせあせ(飛び散る汗)
さゅさんへ
あ、本当ですか?(^_^;)私的には好きなのですが…嗜好がかなりズレてるんで(^_^;)かっこつけな男は可愛くて好きなんですよわーい(嬉しい顔)ぴかぴか(新しい)バカだけど(笑)
この男は間違いなくバカww
ほっぺたひっぱたいて正座させて説教するね、私ならww
ゆあさんへ
えぇ〜げっそりやっぱり馬鹿ですかげっそり私やっぱりずれてるげっそりカッコいいと少しいやかなり思って描いてました(笑)
> こみやさん

うん、バカwww
それで万が一死んだら悲しむの私でしょ!
っつってお説教だねww
正解は
「あ、やっべー!忘れ物したわ!ちょい付き合って!」って言って二人で外に出て通報だね(^_^;)
ゆあさんへ
確かに(@ ̄□ ̄@;)!!いやんしかしそれじゃあ物語にならないのです(/-\*)少々馬鹿な主人公でないと!←正当化
> こみやさん

ふふふww
まぁ作品批判じゃないんで気にしないで下さいww
ゆあさんへ
はい(^_^;)全く気にしておりませぬわーい(嬉しい顔)ぴかぴか(新しい)コメントありがとうございましたわーい(嬉しい顔)ハート

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

こみや'S創作長編物語集 更新情報

こみや'S創作長編物語集のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング