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こみや'S創作長編物語集コミュの意地悪兄貴の深い愛

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5歳の誕生日。

私はイチゴが大好きだ。

「実果!お誕生日おめでとう!」

えへへ!

最後の最後に

イチゴを残した。

さあ、食べよ…

て。

瞬間グサリと私のイチゴに隣からフォークが刺さる。

「いっただきまぁ〜す!」

は?

イチゴは…

楽しみに最後に取っておいたイチゴは…


兄貴に食べられた。

ウワァァと私は泣く。

ギャハハと笑いながら兄貴は席を立った。

「嫌いなのかと思って食べてやったの!」

ポン、と頭を叩かれ兄貴は笑いながら二階の部屋に消えた…

「実果…お母さんのイチゴをあげるから…」

「嫌ぁ!嫌ぁぁ!あのイチゴが食べたかったのぉぉ!!」

兄貴はとにかく意地悪だった。

物心ついた時から

そんな兄貴が


大嫌いだった。





そんな私も高校生になった。

ある晩。

お風呂に浸かっていた。

もちろん洗面所の扉を閉めて。

もう16歳だもん。

フンフンと湯槽から上がりおもむろにお風呂場から出た。

て…。は……?

「…ああ、居たの。」

な……

なんで居るのよ……

「悪ぃ歯〜磨いてた。」

扉……閉めてたじゃないの……

「しっかしまぁ…」

ふざけるんじゃ…

「いっつのまにそんなになっちゃったのぉ?」

ないわよ!!!

脇のバスタオルを掴み思いきり投げつけ泣きながら叫んだ。

「出てってよ!!!」

「ギャハハ投げるんだ!隠すんじゃなくて!プッ…隠すほどのもんでもねぇか…クッ」

アハハと笑いながら…

兄貴は出ていった。

もう嫌……!!!

悔し涙が止まらなかった。



翌日。

2つ違いなので兄貴は高3だ。

毎朝私の後を付いてくる。

「もう高校生よ!!なんで兄妹で登校しなきゃならないのよ!!!いい加減にしてよ!」

何度言っても兄貴は私の後ろを付いてきた。

さすがに昨日の出来事に私は本気で怒っていたので

口ひとつ聞かなかった。

「昨日は悪かったよぉ〜な!機嫌直せ!」

知らない!

ガッと手首を掴まれた。

「な!何す…」

ポンと何かを握らされる。

手を開いた。

「これで許して!」

500円玉だった……

私の体は

500円……

もう空いた口が塞がらない。

こんな奴と何で…

兄妹なんだろう……

震える手で500円玉を握りしめ私は無言で歩き続けた。

「え?足りなかった?あの体じゃそれくらいしか払えませぇん!」

ギャハハと兄貴は笑う。

死ねばいいのにと本気で思ってしまった…



「あんた達本当仲良しだよね〜」

「仲良くなんてないよ。」

「普通年頃の兄妹が一緒に登下校なんてしな…」

「実果帰るぞぉ!!」

うっわ…

来た…

そうなのだ。

この兄貴は帰りまで私のクラスに迎えに来るのだ。

ハァ…

「よっぽどあんたが…」

ん?

「可愛いんだね。」

え………

「何まだ怒ってる?」

「ねぇ兄貴。」

「ん?」

「私が…」

「うん」

「可愛いんだぁ?」

「…は?」

兄貴はポカンとした。

「なにお前…」

なんてね…。

「今頃気付いたの?」

え。

思わず兄貴を見た。

「可愛くてたまんねぇ。」

ニヤリと笑う兄貴に



寒気がした。



ある日。

「今日は友達と遊ぶの!!!先に帰って!さようなら!!!」

「門限は5時だかんな。」

ふざけないでよ5時って…

小学生じゃあるまいし!!!

友達三人とカラオケ・プリクラ・散々遊び気付けば8時になっていた。

「じゃあね〜!」

一人で夜道を帰っていると…

ふと気付く。

後ろから……

誰かが付けてくるのだ…

き…気のせい気のせい!

と言い聞かせつつ私は歩幅を速めた。

後ろの足音も速くなる。

気付けば……


全力疾走していた。

付いて来る…付いて来る!!

怖い…怖い…!!!

家が見えた!

もう少し…

の所で腕を取られる。

物凄い勢いで壁に投げつけられた。

見たこともない男。

抱き付かれシャツを引きちぎられ…

唇を…

奪われた。

頭が…

真っ白になった……

これは…

レイプだ!!!

私は……

震える声で思いきり叫んだ。

「助けてぇぇ!!!」

ガラリと音がした。

兄貴の部屋の窓だった。

男に口を塞がれる。

「実果…?」

瞬間ドスンという物凄い音と共にピキッと言う骨がひび割れる音が明らかに聞こえた。

兄貴は

二階の窓から迷わずに飛び降りたのだ。

「クッ…」

兄貴の顔が歪んだ。

相当痛かったのだろう。

「え、何?人の妹何だと思ってんの?」

兄貴はズカズカと私達へと近付き

ガァン!と男を思いっきり殴った。

「えらい真似してくれたなぁおい。ただで済むと思うな?さぁ行こうか…お前さんの未来を潰してやるよ…」

「あ…あの!出来心で…つい!許して下さ…妻もこどももいるん…」

「知ったこっちゃねぇよ!!!」

兄貴はガシリと男の胸ぐらを掴み私を見た…

「辛いと思うけどな…お前も来い。証人だ。」

ポイッと自分の来ていた上着を私に投げ兄貴は私の肩を抱き男の胸ぐらを掴みながらズカズカと歩いた…

兄貴に…

寄り添い泣きながら歩いた…

警察へと。



翌日。

男は新聞に載った。

私の名前は伏せられた…

「学校は辛いが休むな。行こう。今休んだら危ない。お前が被害者だとバレちまう。頑張れ、な?」

兄貴にそう言われ私は

いつもの様に家を出た。

「兄貴…」

「ん?」

「ありがとう…」

「なぁに。」

「私…」

「うん」

「キスされちゃった…」

兄貴は言葉を失った。

「あんな知らない男に…」

ボロボロ涙が出た。

「初めての…」

フッと兄貴が


笑った。

な…何で笑うの…?

「安心しな。」

え?

「お前のファーストキスの相手はなぁ…」

兄貴は…

「俺だから。」

衝撃告白を遂げた…

「…は?」

「いやぁお前が可愛くて可愛くてつい!すまん!ま、あんな訳のわからん男よかましだろ?許せ!」

何言ってんの……?

震える声で尋ねた。

「い…いつ…」

「聞きたい?」

兄貴は私の耳元で囁いた。

「毎晩…お前が寝たあとで。」


バシィ!!!

生まれて初めて兄貴を殴った。



もう分からない…

兄貴が分からないよ…

辛いよ……苦しいよ……

頭が…グチャグチャだった。


昼休みだった。

友達が言う。

「実果のお兄さん、校長室に入って行ったよ、さっき見た。」

校長室…?

昨日の件かな…

気になり校長室を訪ねた。

ドアをそおっと開ける。

「いやぁ警察から君の勇姿を聞いたよ!素晴らしいね。妹を救った勇敢なお兄さん!我が学校の会報誌に載せて構わないね?」

「…いえ、止めて下さい。」

「しかし君はあれだろ?早稲田大学の法学部を目指してるんだろ?こんな事があれば君の成績と並んで間違いなく推薦入試をパス…」

「妹の傷に便乗したくありません。勘弁して下さい。」

「そ…そうか。じゃあせめて月曜の朝礼会で表彰を…」

「いい加減にしてくれよ!!!」

嘘……

初めて見た兄貴の…


涙だった。

「妹は…あんな男に危うくレイプされかけたんだ…最悪の事態こそ免れたものの…大事な…ファーストキスを…奪われちまっ…」

え。

だって今朝…

「…俺がっ…俺がもっと早く気付いてやっていれば…ッ!」

兄貴…

「あんな訳のわからん男よかましだろ?」

兄貴………

ウワァァと兄貴は泣き崩れた…

「可哀想だと思わねぇのかよ…頼むから…そっとしておいてやってく…」

「構いません!!!」

バァン!と私は校長室の扉を開けた。

「実果!」

「私は平気です!兄は私を助けてくれました!公表して下さい!表彰して下さい!志望校に通してやって下さい!!!」

「実果……」

泣きじゃくっている兄貴をたまらず抱き締めた。

「バカだね…自分ばっか悪者になって…私は大丈夫…ありがとう…ありがとう…」

「実果ぁ…」

兄貴はいつまでも私の胸で泣いた……


帰り道。

お互い何も話さなかった。

ふと気付く。

兄貴の歩き方がおかしい…

思い出した。

あの時二階から飛び降りた時だ!

「兄貴!病院いこ!!」

「ダメだ!父さんと母さんが不思議がる。」

親にまで秘密にしていたのだ。

「もう…止めてよ…」

涙が溢れる。

「そんなに私を…大切にしないでよ…苦しいよ…辛いんだよ……」


兄貴の両足には案の定無数のヒビが入っていた。

骨折しなかったのは奇跡だったそうだ。

「いやぁ喧嘩だよ!飛び蹴り食らわせたの!したらさぁ相手が超硬くて!」

食卓で兄貴はギャハハと笑った…

両親も笑っていた。

兄貴は最後まで……



私を守ってくれた。









今日は私の結婚式。

フフ。

幸せだ。

控え室。

「実果」

「うん?」

「やっぱ可愛いなぁお前!」

彼は私を思いきり抱き締めて

一足早くキスをした。


ねぇ…これからたくさん

キスをしようね。

あんなファーストキスを

思い出せなくなるくらいに…






家は

連れ子を抱えた親が再婚して出来た家族だった。

幸せにしてね…ねぇ、今日から何て呼ぼうか?

愛してる兄貴。ありがとう…。

コメント(38)

兄妹が血が繋がってなかったパターンの別バージョンの物語だねるんるん

ハッピーエンドはいいねぴかぴか(新しい)

これも好きハート

痴漢男………家族崩壊してませんようにげっそりあせあせ(飛び散る汗)

骨にヒビも骨折っていうんだょるんるんたしか………違ってたらごめん考えてる顔

ayakaちゃんへ
ありがとうウインクアブノーマルだけどねウッシッシこんな男がタイプなのだむふっ指でOK昔は悲しい話をよく描いてだけど最近はハッピーエンド多いやほっとした顔痴漢男の家庭まで責任取れませんあせあせあせあせ(飛び散る汗)ごめんあせあせひび割れも骨折なんだ電球←実は無知ですあせあせ
るいーじさんへ
ありがとうございますわーい(嬉しい顔)しっかり結んでしまいましたうれしい顔こうなるともう多少無理矢理な設定でもくっつけないと気がすまないんですよあせあせハッピーエンド最近好きですほっとした顔
まこぴょんさんへ
あ、分かってくれます?うまい!嬉しいです揺れるハート自分のコミュになってから少しずつコメントが砕けていますが親しみの表れという事で許して下さいねあせあせ
るいーじさんへ
あぁふらふら気が付かなかった…本当だ。ノロケになりますがその通りですねほっとした顔今は本当に幸せですねほっとした顔彼だけではなく色んな意味でほっとした顔
るいーじさんへ
あらほっとした顔ハートそれはおめでとうございますほっとした顔ハート是非お聞きしたい…所ですがそっと胸の内に秘めて大切にしていて下さいほっとした顔揺れるハート
彼氏ができたり嫁に行くときは お兄さん大変だろうな♪
なんて思っていたら(=^^=)ニョホ
ステキなお兄様で 
ステキな旦那さまです♪

こみやさんの描く世界は
愛がたくさん溢れてて素敵です^^
ねこさんへ
ありがとうございますわーい(嬉しい顔)イヤァ結婚式で兄貴が実果の相手を殴るとかも考えたんですがね、なんか無性にくっつけたくなりましてあせあせ禁断兄妹愛が好きなんですよあせあせあせあせ(飛び散る汗)あせあせ(飛び散る汗)
ラストで「よかった〜ダッシュ(走り出す様)」と胸をなでおろしてしまった(笑
ろしさんへ
ワァろしさんだ目がハートコメントありがとう目がハート兄貴と実果がいつから血の繋がりのない事を知っていたのかはあえて書かなかったほっとした顔兄貴は明らかに実果が好きだったからどうしてもくっつけたかったんだぁわーい(嬉しい顔)
くぅ〜っ
連れ子ときたか
完全に兄貴が結婚相手に妹を泣かせたらゆるさんとくるのを想像してたらあせあせ(飛び散る汗)

でも、よかったハート達(複数ハート)
ますちゃんさんへ
エヘヘうれしい顔ハート兄妹をくっつけるの大好きなんですようれしい顔ここまで書いてなんか兄貴と実果を離したくなかったんですほっとした顔結婚式で初めて見せた兄貴の涙みたいなのもありだったのですがねウインク大いに期待を裏切らせてもらいましたウインク
最後にそんな結末が待ってたなんて泣き顔あせあせ(飛び散る汗)私は、こみやさんの話しは結末が予想が出来ないから大好きですうれしい顔
ちぃさんへ
ありがとうございますわーい(嬉しい顔)あ、本当ですか?そうですね、どんでん返しを最後に持ってくるのは好きですウインク結末を読まれたら私の負けですからウッシッシて…なんの勝負をしてるんだ私はあせあせたらーっ(汗)また頑張りますわーい(嬉しい顔)

しまった(--;)
また泣いてしまったよぉ〜
こみやチャンには勝てねぇ(笑)
さゅさんへ
イヤイヤ勝負じゃないですからあせあせあせあせ(飛び散る汗)あせあせ(飛び散る汗)勘弁して下さいあせあせ泣いて頂けて良かったですほっとした顔ハッピーエンド最近は本当に好きなんですよほっとした顔揺れるハート
こんな兄貴になりたいです泣き顔 校長室のところは。。。めっちゃ泣けました泣き顔
CHAKKI@DESTRUCTIONさんへ
CHAKKIさんならなれますともうまい!優しいしムード可愛い妹さんを大切にしてあげて下さいねわーい(嬉しい顔)彼女は化けますよ←まだ言う私ウッシッシ
けんぼーさんへ
ありがとうございます♪かっこいいですよねわーい(嬉しい顔)私の理想の兄貴像を描いてみましたウインクこんな兄貴欲しかったな〜

兄貴とくっ付けやがったな…泣き顔(ワラ)

この二人は、これが一番しっくりくるラストだねウインク指でOKぴかぴか(新しい)
とんこつすーぷさんへ
えへへ(*´∀`)♪くっつけずにはいられなかったのわーい(嬉しい顔)挙式で泣きじゃくる兄貴…てのも良かったんですがねウッシッシやっちゃったわーい(嬉しい顔)
萌えさんへ
ご想像にお任せしますほっとした顔可愛い赤ちゃんが出来ると思いますウインク
すっごく良い話で大好きな内容なんですけど…確かこの二人、結婚出来ないようなあせあせ(飛び散る汗)

今ちょっと民法の勉強してるのですが、法律上、嫡出子(実子)と非嫡出子(養子)は婚姻関係が結ばれなかったような…(>_<。)
流れぶったぎってゴメンナサイあせあせ(飛び散る汗)

ただ私の記憶も曖昧です。
民法の親族関係難しくてあせあせ(飛び散る汗)

ゆあさんへ
おぉなんという事だげっそり知らなかったげっそりなんせ何度も言いますが私は無知です。本当の事を教えてくれてありがとうございますほっとした顔ゆあさん本当に勉強頑張ってるんですねわーい(嬉しい顔)ファイト(p^-^)p
> こみやさん

いやいや、指摘すんのも少し考えたのですがつい…たらーっ(汗)ぶった切ってごめんなさいあせあせ(飛び散る汗)

でも再度言いますが記憶が曖昧です(^_^;)
もしかしたら出来るかも…。ただこの民法ってのは本当に厄介で、色んな条件が絡むと内容が変わるんですよたらーっ(汗)

でも、頑張りまっす!

ゆあさんへ
いいえほっとした顔悪意のない指摘は喜んで受けますよ。ゆあさんを見習って私もお勉強しなくちゃなぁほっとした顔あまり根つめずに頑張って下さいね♪
> こみやさん

ありがたいお言葉!
だからこみやん好きです(゜∇゜*)ハート
ゆあさんへ
まぁ(*ノ▽ノ)相思相愛ですねむふっハート
マコ☆マコ☆さんへ
はいわーい(嬉しい顔)ムードありがとうございますほっとした顔兄と妹シリーズが実は好きなんですよウッシッシのりでくっつけちゃいましたねむふっ

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