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あなたと過ごした時間…コミュの妄想ストーリー☆〜メンバーそれぞれの恋物語〜(完結)

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嵐のメンバー、それぞれの恋愛物語です。
メインは、末っ子潤くんとその彼女。
途中、他のメンバーの恋愛話が盛り込まれる形で進めて行きますのでお楽しみにウインク

コメント(200)

相葉「そうなんだ。はるきとひまわりちゃんは幼なじみか〜」


相葉くんが納得したように頷いていた。


ひまわり「で、相葉くんはどうなの?」


相葉「ん?何が?」


ひまわり「けいちゃんとは、どうなの?」


ひまわりがニコニコしながら相葉くんに聞いている。

俺「そう言えば…聞いてないね〜。近況(ニヤッ)」


相葉「ひまわりちゃんだけじゃなく、翔ちゃんまでかい!そんなに聞きたいの?」


相葉くんは先月、彼女が出来た。


最近忙しかった事もあり、近況は聞いていない。


俺「チューはしたんだよね?そのあとは?」


ひまわり「ほほぉ〜じゃあさ、お泊りはしたの?」


相葉「……まだ。お泊りなし、進展なし」


………な〜んだ


ひまわり「付き合ってまだ1ヶ月経ってないもんね…大事にしてるのね」


相葉「うん!ひまわりちゃん、わかってくれる?」


ひまわり「わかる!」


俺「おいおい、ひまわり…俺だって大事にしてるじゃん!」


ひまわり「そうかしら…?付き合って2週間もしないうちに私のマンションに泊まって行ったの誰?(ニヤニヤ)」


相葉「翔ちゃん…手出すの早過ぎ!」


俺「相葉くん…大きなお世話だよっ!」


ひまわり「まあ、まあ…二人とも。でもね、相葉くん。あんまり大事にされすぎるのも不安になるのよ。程々にしなきゃ…ね」


相葉「…やっぱり、女の子に言われると説得力あるなぁ…。あんまり慎重になるのもよくないんだね」


俺「そう言うこと…だよね?ひまわり」


ひまわり「ま、そう言う事…って何で私に振るのよ…はぁ〜」


ため息をつきながらひまわりが口を尖らせて俺を見ていた。


…ヤバい


怒ってる?怒ったら怖いんだよな…ひまわり(汗)


相葉「は〜い、着いたよ」


ホッ…


グッドタイミング


バタン


車を降り、式が行われる教会へと向かった。


相葉「まだ、時間あるね。はるきの控室に行こうか?」


俺「わりぃ。相葉くん、ひまわりと先に行ってて。俺、友達と打ち合わせ。


…ひまわり、さっきはゴメンな」


ひまわり「気にして無いわよ」


よかった…


相葉「じゃあ、翔ちゃん。あとでね。
ひまわりちゃん、行こうか!」


相葉くんとひまわりは、はるきの控室へと向かって行った。


俺「よ!久しぶり!」


男1「翔!久しぶりだな!元気だったか?」


久しぶりに学生時代からの友人と顔を合わせる。


俺「ああ!元気にしてるよ」

男2「あ、翔…婚約おめでとう!テレビ観てたよ。格好よかったな!」


男1「俺も観たよ。おめでとう。男らしかったな」


俺「ありがとう。あとで、紹介するからさ…会ってやってよ」


男2「え?連れて来たの?(ニヤ)」


俺「俺の婚約者、新婦るなちゃんの親友なんだよ。で、はるきとも幼なじみ」


男1「マジかよ!凄い奇遇だな!」


俺「それより、打ち合わせって…?」


男2「実はな…」


俺「了解。任せといて」


打ち合わせを終えた俺は、はるきの控室へと向かった。
ひまわりちゃんと二人、はるきの控室へと向かう。


ひまわり「ねぇ、相葉くん」

俺「なに?」


ひまわり「翔さ、何かするのかな?余興とか」


…翔ちゃん、ひまわりちゃんには言ってないんだ!


だったら、黙っていた方がいいかな…


俺「俺も知らないんだ…翔ちゃん、何も言ってなかったし」


…ごめん!ひまわりちゃん!本当は知ってるけど、言わないでおく。サプライズだって翔ちゃん言ってたから。


ひまわり「そうなんだ。でも、新郎の友人代表として何かするのかな?」


…ひまわりちゃん、鋭い!

でも、普通そう思うか。


俺「着いたよ」


『新郎様控室』と書かれた紙が貼られている部屋の前に到着。


コンコン


「どうぞ」


ガチャ…


俺・ひまわり「おはよう〜!」


ドアの向こうには、真っ白なタキシードでバッチリ決めたはるきが立っていた。

…………


はるきは、俺とひまわりちゃんを交互に見て目を丸くしている。


…………


俺とひまわりちゃんは、お互い顔を見合わせた。


俺「どうしたの?」


はるきが何を言おうとしていたかは、俺もひまわりちゃんもわかっていたが


あえて言わなかった。


はるき「……相葉とひまわりちゃんって、付き合ってたの?」


俺・ひまわり「プッ…あはははは」


ひまわり「相葉くん、これで2回目だよね?間違えられたの。はるくん…おめでとう」


俺「だよね〜。あ、はるきおめでとう」


はるきは、腑に落ちない顔をしていたが


はるき「ありがとう。…ところで、二人は知り合い…って事?」


俺・ひまわり「そうだよ」


コンコン


翔ちゃんかな?


はるき「どうぞ」


…ガチャ


翔「はるき、おめでとう!」

はるき「翔!ありがとう」


翔「はるき、実は…あ、ひまわりこっちに」


翔ちゃんが俺の隣にいたのひまわりちゃんを呼び


翔ちゃんの隣に立たせた。

翔「はるき、俺の婚約者のひまわり」


はるき「……………」


はるきがキョトンとしている。


俺「はるき?」


はるき「…翔、この前婚約会見していたな。
相手は一般人とは言ってたけど…


相手って…ひまわりちゃんだったのか…マジ?」


翔・俺・ひまわり「マジ」


はるき「………どうなってんだ?マジ、信じられないんだけど…」


ひまわり「はるくん…ごめんなさい。驚かせてしまって。


言えなかったの…本当は、言いたかった!


よく、会っていたのに…ごめんなさい…」


翔「俺が嵐だから、ひまわりは言えなかったんだ。そして、俺も言えなかったんだ…すまなかった」


翔ちゃんとひまわりちゃんが頭を下げていた。


はるき「…いや、違うよ。教えてもらえなかった事を責めている訳じゃないんだ…


翔とひまわりちゃんが繋がっていたって言う事に驚いたんだよ。


…婚約、おめでとう」


そう言って、はるきは笑った。


はるき「翔、ひまわりちゃんを大切にな。


ひまわりちゃん、翔なら大丈夫だよ。信じてついて行ってやって」


翔「はるき、ありがとう」


ひまわり「ありがとう、はるくん」


翔ちゃんとひまわりちゃんは笑顔になった。


俺「で、これが俺の彼女」


はるき「おお〜!かわいいじゃん!」


俺は、恵子の写メをはるきに見せた。


はるき「…相葉、お前も幸せになれよ」


俺「ありがとう」


ひまわり「じゃあ、私…るなのところに行って来るね」


そう言い残し、ひまわりちゃんは去って行った。


翔「俺達も、顔出してくる?」


はるき「是非、見てやってよ」


はるきが照れ笑いしていた。


翔・俺「じゃあ、またあとでな」


そう言い残すと、俺達もるなちゃんの元へと向かった。
翔「ここだ」


『新婦様控室』と書かれた紙が貼られているドアの前に立つ。


コンコン


「どうぞ」


ガチャ…


ひまわり「ごめんね。ありがとう」


るな「いいって!」


ひまわりちゃんとウエディングドレスに身を包んだるなちゃんが何か話していた。


翔・俺「おめでとう」


るな「ありがとう、翔ちゃん。相葉くん」


翔ちゃんと俺は、るなちゃんとは面識がある。


正式に紹介されたのは、婚約が成立した今年の1月。

女の子「初めまして」


一人の女の子が俺と翔ちゃんに声をかけて来た。


ひまわり「こちら、伊藤まおさん。私とるなの親友だよ」


ひまわりちゃんが紹介してくれたが、


…………何処かで会ったような気がする…?


翔「初めまして。櫻井翔です」


ひまわり「まお、るな…実はね…私の婚約者なの。翔は」


るな「えっ!そうなの?この前、大ちゃんと翔ちゃんと、にのちゃんが婚約会見してたのは観てたけど…相手はひまわりだったの!驚いた!


おめでとう…そして、ありがとう。きちんと紹介してくれて」


まお「ひまわり、おめでとう。櫻井さん…ひまわりをよろしくお願いします」


翔「あ、はい!絶対幸せにします」


まお「…相葉くん、私の事忘れた?」


女の子…まおちゃん、るなちゃん、ひまわりちゃんがが俺を見てニコニコしている。


…………………!!


俺「思い出した!中学2年の時、同じクラスだったよな!」


まお「そうだよ。やっと思い出してくれた?」


俺「うん!伊藤、ひまわりちゃんの親友だったんだ」

ひまわり「そう。短大の同級生なの」


………まさか、ここで同級生に会うとはな。


まお「でも、相葉くん変わってないね」


俺「そう?


あ………ひまわりちゃんとるなちゃんは、知ってたの?


俺と伊藤が同級生って…」

ひまわり「さっき聞いたのよ。驚いたわ!」


るな「ビックリしたよね!」

まお「言えないわよ…普通。ひまわりが、櫻井さんと付き合ってる事を話せないのと同じ…相葉くんに迷惑かける訳にはいかないしね」


ひまわり「まお…」


翔「あ、まおちゃん…って呼んでいいかな?」


まお「あ、はい」


翔「ありがとう。相葉くんの事、考えてくれて…。俺の事はいつも呼んでるように呼んでよ」


まお「じゃあ、翔ちゃんで…


相葉くんが、この仕事を選んで大変そうにしていたのを間近で見ていたから…


黙ってた」


そう言うと伊藤は笑った。

俺「ありがとうな、伊藤…」

俺、みんなに支えられているんだって改めて思った。

翔「相葉くん、よかったね…いい同級生じゃないか!」


俺「うん!あ…伊藤、るなちゃん俺の彼女だよ」


俺は恵子の写メを二人に見せた。


ひまわり「熱いわね…相葉くん」


翔「ホント…」


るな・まお「かわいい〜!いくつ?」


俺「俺の4つ上だよ」


まお「同い年しか興味なかったのに?意外〜!」


るな「へぇ〜やるわね!相葉くん!」


ひまわり「まお、その話し今度教えて!」


翔「俺も!」


るな「私も聞きたい!」


俺「聞かなくていいから…ね!ね!翔ちゃん…お宅のひまわりちゃんが暴走してますよ」


翔「いいよ。ひまわり、るなちゃん。今度まおちゃんから聞こうな!」


るな「うん!」


…過去は蒸し返さないでくれよぉ


コンコン


全員「はーい」


スタッフ「式が始まりますので、ご案内します」


ひまわり「るな、いよいよだね」


ほっ…


助かった。


俺「あのさ〜、伊藤!たまたま好きになった人が年上だっただけなのっ!確かに、昔付き合うんなら同じ年って言ってたけど〜」


まお「もちろん、覚えてるわよ…。相葉くんも変わったって事でしょ?フフッ」

…同級生は、怖いよな(汗)
厳粛なムードの中、結婚式は行われた。


いつか…俺もこんな結婚式が出来たらな


俺「翔ちゃんも、教会にするの?式」


翔「ん〜ひまわりに聞いてから決めるかな」


ツンツン

何?と俺の前にいたひまわりちゃんが振り返る。


俺「ひまわりちゃんも、式は教会がいい?」


ひまわり「そうだね。相葉くんは?」


俺「絶対教会!」


まお「長年の夢だもんね〜」

ひまわりちゃんの隣にいた伊藤も話しに参加して来た。


よく覚えてるな〜俺の言った事。


神父「では、指輪の交換を…」


ひまわりちゃんに、伊藤…うっとりしてるな。


………俺はなぜか、涙が


翔「感極まったね、相葉くん」


俺「うん…」


……………………


無事、式は終了。


ひまわり「相葉くん、ちょっとこっちに」


ひまわりちゃんに呼ばれて人気の無い場所へと移動する。





ひまわりちゃんと二人っきり…告白されるみたい(照)

ひまわり「相葉くん、実は…」


なに?なに?なに?


俺「なに?ひまわりちゃん…」


ひまわり「渡したいものがあるんだって。るなが」


るな「ごめん!待った?」


はぁはぁ


ウエディングドレスをたくし上げて、るなちゃんが走って来た。まるで、映画のワンシーンみたいだ。


るな「相葉くん、これ…」


るなちゃんが俺にブーケを差し出した。


俺「え?」


俺は意味がわからず…突っ立っていると…


俺「あれ?」


ブーケが2つに分かれた。

るな「これ、2段重ねになってたの。彼女と、彼女のお姉さんに渡して。彼女、一卵性の双子なんでしょ?さっき、ひまわりが教えてくれて…。


このブーケ、始めは一つだったのに二つに分かれたでしょ?相葉くんの彼女とそのお姉さんみたいに。一つずつでも大丈夫だけど、二つ揃うとよりステキになるって…打ち合わせの時にも言われたのよ。双子姉妹の一人だけに渡すより二人に渡した方がよりステキでしょ?だから…二人に」


俺「え?」


ひまわり「るなと、まおと私の願いなの。相葉くんが幸せな結婚が出来ますようにって」


俺「………ありがとう」


つーっ


ヤバい


涙が…


るな「相葉くん、お幸せに」

…………?待てよ


俺「ねぇ、伊藤は?あいつ、独身じゃね?」


ひまわりちゃんがニコッと笑った。


ひまわり「まおは、12月に結婚するの。だから、ブーケはけいちゃんとあいちゃんに…」


………みんな、幸せになって行くんだな。


俺も、幸せになりたい。


俺「ありがとう、るなちゃん。ひまわりちゃん」


ひまわり「そろそろ行こうか?」


俺「うん」


…………………………


翔「ひーまーわーりぃーっ(怒)、何処に行ってたの?しかも相葉くんと一緒に!!(怒)」


ひまわり「…ごめんなさい」

ここは、食事会が行われる会場前。


ひまわりちゃんが翔ちゃんに叱られていた。


…ホント、翔ちゃんはひまわりちゃんの事が気になって仕方ないんだな(笑)


俺「翔ちゃん、ひまわりちゃんを責めないで!!ひまわりちゃんは…」


俺は事情を説明した。


翔「そうだったのか…。ごめんな、ひまわり。怒ったりして」


ひまわり「…………」


翔「ひまわり…ごめん」


プッ


翔ちゃん、やっぱりひまわりちゃんに頭があがらないんだ!


ひまわり「言いにくかった…の。ごめんなさい!」


ポンポン


翔ちゃんがひまわりちゃんの頭を優しく撫でていた。

………翔ちゃん


優しく微笑みひまわりちゃんの背中に手を回す翔ちゃんは…


俺の知らない翔ちゃんだった…


ホントに優しい顔、するんだよね…翔ちゃん。ひまわりちゃんには。


翔「紹介するよ。俺の婚約者、ひまわり」


ひまわり「初めまして。上村ひまわりです」


翔ちゃんが、学生時代からの友人達にひまわりちゃんを紹介していた。


いいな…あの二人。


俺は、しばらく眺めていた。
スタッフ「間もなく食事会が始まります。どうぞ会場へ」


翔「相葉くん、行こうか」


ひまわりちゃんの紹介を終えた翔ちゃんがやって来た。


テーブルに着くとひまわりちゃんと伊藤が既に座っていた。


俺達のテーブルは新郎新婦の真ん前。


時計周りに翔ちゃん、ひまわりちゃん、俺、伊藤、翔ちゃんの友達2人の順で席が設けられている。


他は、親族のテーブルが5つ。


全体で30人程度の本当にアットホーム的な食事会だ。

司会「では、ただいまより食事会を開催致します。


まず始めに、新郎新婦のご入場です」


パチパチパチパチ


拍手で迎えられ、紺色のタキシード姿のはるきと


ラベンダー色のドレスを身に纏ったるなちゃんが入場。


まお「きれいよね〜」


ひまわり「お似合いよね」


ひまわりちゃんと伊藤がまたウットリしている。


女の子だもんな。


そんな二人を優しく見つめる翔ちゃん。


翔ちゃんも、来年にのに続いて結婚式を控えている。

…………この時は、そう信じて疑わなかった。


俺も、翔ちゃんも、ひまわりちゃんも。


そして、他のメンバーも。

この件については、また後ほど他のメンバーもしくは俺の口から話すのでしばしお待ちを。


……………………………

親族「では、皆様二人の門出を祝して乾杯!」


全員「乾〜杯」


ゴクゴク


今日は…翔ちゃんも、ひまわりちゃんも飲んでない…?


翔ちゃんはともかく…ひまわりちゃんが飲まないなんて…珍しいんだけど?


ツンツン…ひまわりちゃんの肩を突く。


俺「ひまわりちゃん、どうしたの?飲まないの?」


ひまわり「え?あ…う、うん」





どうしたんだ?ひまわりちゃん?


翔「ひまわり…?どうかしたの?」


ひまわり「ううん。どうもしない」


翔ちゃんも不思議そうな顔をしている。


伊藤は、運ばれて来た料理に夢中でさほど気にしていない様子。


司会「皆様、ただ今より新郎様ご友人によるお祝いの言葉を頂戴致します」


ガタッ


翔ちゃんが席を立ち、準備を始める。


さて…俺も。


ひまわり「?何が始まるの?」


俺「ナイショ」


ひまわり「?」


まお「ひまわり…」





伊藤がひまわりちゃんに耳打ちをしている。


どうしたんだろう?


準備は整ったようだ。


男1「はるきさん、るなさん本日はご結婚おめでとうございます。


私と、はるきさんは幼い頃からの親友です。今日は、はるきさんの為に歌わせていただこうと思いましたが…予定を変更し、はるきさんに歌っていただきたいと思います」


そう言われたはるきが席を立ち、ステージに上がった。しかし『マジかよ…』という表情は隠せないみたいだ(笑)。


男1「なお、ピアノの伴奏に併せて歌っていただきます。ピアノの伴奏は、私とはるきさんの親友櫻井翔さんです」


翔ちゃんが、椅子から立ち上がりお辞儀をする。


ひまわりちゃん、驚いてるだろうな。


男1「それでは、新郎はるきさんに歌っていただきます。曲は、One Loveです」


『♪100年先も愛を誓うよ♪』


ひまわり「いいわね。るな、幸せだね」


まお「ホントよね…」


俺は、ステージの後ろで他の友人と共にはるきを見守っていた。


…るなちゃん、号泣だ。


翔ちゃんは、真剣に楽譜を見ている。


パチパチパチパチパチ


歌い終わったはるきは、会場のみなさんから拍手されていた。


よかったよ…はるき。


俺は、席に戻った。


男1「はるきさん、ありがとうございました。


続いては、私が歌わせていただきます。


この曲は新郎新婦にとってかなり思い出の深い曲だそうです。引き続き、櫻井翔さんに伴奏をお願いしたいと思います」


……翔ちゃん、頑張れ!!

俺は心の中でそう呟いた。
翔ちゃんが、一瞬ひまわりちゃんを見た。


…………翔ちゃん


そんな翔ちゃんを優しく見つめるひまわりちゃん。


そんな中…


会場にピアノの伴奏が流れ始める……


はるきと、るなちゃんはハンカチで目頭を押さえていた。


…………………………


♪ありふれた時間が

愛しく思えたら

それは『愛の仕業』と

小さく笑った♪


…………(涙)


隣を見ると、ひまわりちゃんも泣いていた。


伊藤も


翔ちゃんの友達も…


あの時を、みんな思い出しているのだろうか?


…………あれは、2年前の事だった。


はるき「俺、シンガポールに転勤になったんだ」


俺「マジ?どのくらいいる予定?」


はるき「早ければ1年…長ければ3年かな」


翔「彼女には…伝えたの?」

はるきから、


「話しがある」


と、呼びされた俺と翔ちゃんは行きつけの和食屋で海外転勤の話しを聞かされた。


はるき「話したよ」


寂しそうに呟くと、ビールを飲み干した。


はるき「泣いていたよ…。でも、転勤の話しは断る事は出来ない。


『待っててくれ』


そう伝えたよ」


その時、流れていたのがこの歌。


そのあと、3人でカラオケに行った。


はるき…、お前はこの歌を歌いながら泣いていたな。

辛かっただろう…


愛する人と離れ離れになる辛さは、俺にもよくわかるから…


俺「…………」


そして…この歌は、ひまわりちゃんと翔ちゃんにとっても、思い出の歌らしい。

翔「今度、はるきの結婚でピアノを弾くことになったんだ。


はるきと、るなちゃんの思い出の歌。


でも、その歌…俺がひまわりと初めて会った時カーラジオから流れていたんだ。

だから、あの歌を聴くたびひまわりと初めて会った日を思い出すんだよ…


ひまわりにとってもサプライズになる事間違い無しだから、言わないで!


俺がはるきの結婚式でピアノ弾く事」


…………


俺は、隣にいるひまわりちゃんを見た。


ひまわりちゃんは、静かに泣いている。


……………………?


何なんだろう…?


なぜかわからないけど、懐かしい気持ち…ひまわりちゃんの泣いてる姿…


ひまわりちゃん………


あっ!!


ひまわり「……………?」


ひまわりちゃんと目が合った。


間違いない!!


俺「…………」


ひまわり「相葉くん……?」

はっ!!


…………ひまわりちゃんも気づいたのか?


口に手を当てて俺を見ているひまわりちゃん。


…………………


ニコッ


ひまわりちゃんが微笑んだ。


♪君が見せる仕草


僕に向けられてるサイン

何ひとつ見逃さない


そんなこと考えている♪

………………………………
パチパチパチパチパチパチ

翔ちゃんが椅子から立ち上がり、お辞儀をしている。

そして、席に戻ると


ひまわりちゃんと見つめ合い、頷く。


次に俺の方を見て頷いていた。


…………翔ちゃん


翔ちゃんは、知っていたんだね。


司会「それでは…、新婦のご友人、上村ひまわり様。伊藤まお様、よろしくお願いします」


ガタッ


ひまわりちゃんと伊藤が何かを持って席を立った。


二人は、司会者の方へと向かい立ち止まる。


俺「ひまわりちゃん、何かするの?」


翔「何も知らない。聞いてねぇし」


ひまわり「はるきさん、るなさん。ご結婚おめでとうございます。


私と、伊藤さんから是非お二人にお渡ししたい物があります。


受け取って下さい」


そう言うとひまわりちゃんと伊藤は、キレイな紙袋から何かを取り出した。


「かわいい〜!!」


会場から歓声が上がった。
ひまわりちゃんの手には、クマのぬいぐるみが2つ。

紺色のタキシードを着た男の子のクマと


ラベンダー色のドレスを着た女の子のクマ。


あれ?


あのクマって…


まお「今日のお二人の衣装を着たクマです。


ドレスは、こちらの上村さん


タキシードは、私がそれぞれ手作りさせていただきました」


俺「ひまわりちゃん…この為に今日は、飲まなかったんだ」


翔「あいつらしいよ…。友達の結婚式だもんな」


俺「翔ちゃん、知ってたの?ひまわりちゃんがクマのドレス作ってた事」


翔「知らなかったよ。俺もピアノの練習で毎日遅かったからな。それに、ひまわりは俺に何も話さなかったから」


少し寂しそうな表情の翔ちゃんが俺は気になった。


俺「ひまわりちゃんとゆっくり話したら?」


翔「そうするよ」


………………………………

ひまわりちゃんが、はるきにドレス姿のクマを


伊藤が、るなちゃんにタキシード姿のクマを


それぞれ渡す。


はるきもるなちゃんも、また泣いていた。


いい雰囲気で食事会はお開きとなり


俺達は、はるきとるなちゃんそして親族の方に見送られながら会場を後にした。

翔「相葉くん、お疲れ様。今日はありがとう。


俺とひまわり、寄りたいところがあるから失礼するよ。

じゃ、また明日!」


ひまわり「相葉くん、今日はいろいろありがとう。またね」


翔ちゃんとひまわりちゃんはそう言い残すと去って行った。


俺は………


俺「伊藤!時間ある?」


伊藤に声をかけていた。


まお「うん。大丈夫よ」


俺「ちょっと話そうぜ。久しぶりに会ったし」


カランカラン


店員「いらっしゃいませ」


近くの喫茶店へと入る。


俺「あの、すみません。個室ってありますか?」


店員「ありますよ。こちらへどうぞ」


店員に案内され、一般の客からはわからない個室へと移動する。


俺「ふぅ〜お疲れ様」


まお「お疲れ様」


……………やっぱり面影は残っているな。


俺の思い出の中の伊藤は、中学生。


今、目の前にいるのは水色のドレスを着て大人になった伊藤。


10年か…10年の月日が流れたんだな


俺は改めてそう思った。


俺「12月に結婚するんだって?おめでとう」


まお「ありがとう。ひまわりから聞いたの?」


俺「うん。るなちゃんからブーケ貰った時、伊藤に渡さないのかな?って思って聞いたら…ひまわりちゃんが言ってたんだよ。


どんな人?」


俺は、気になって聞いてみた。


まお「優しくて、誠実な人。あと、私のワガママ聞いてくれる。高校の先輩で、私の一つ上よ」


そう言うと、伊藤は照れ笑いをしていた。


俺「そうなんだ。嵐のメンバーで言うと、翔ちゃんみたいなタイプ?」


まお「う〜ん、どちらかと言うと…相葉くんに近いかも(笑)」


俺「えっ?俺?」


まお「うん。相葉くんは、知らなかっただろうけど
…私、中学の時相葉くんの事好きだったのよ。フフフ。今は、いい思い出だけど(笑)」


俺「えーっ!マジ?知らなかった!って、言ってくれればよかったのに!」


………この時、こう言ったけど本当は気づいてた。…中学生の時。


まお「言えないわよ!そんな勇気なかったし…それに相葉くん芸能人になったじゃない?


その時から、私はファンとして相葉くんを応援して行こうって決めたのよ」


ニコッ


…………俺達って、こういうファンに支えられているんだよな…


俺「ありがとう。ファンの生の声、聞かせてもらってうれしいよ」


まお「フフフ。私は、相葉くんと嵐のファンだよ。これからもずっと…。
結婚してもね」


俺「ありがとう。これからも、応援してもらえるよう頑張って行くよ!」


まお「うん!あ、婚約会見楽しみに待ってるからね!(ニコニコ)相葉くんにも、幸せになってもらいたいんだから!」


俺「………(照)。来年出来たらな」


まお「来年か…実現させてね!是非!」


コンコン


俺「はい」


店員「カフェオレ2つ、お持ちしました」


まお「これいただいたら、ちょうど彼が迎えに来る時間になるわ。相葉くん、今度みんなで同窓会しようよ!」


俺「行きたい行きたい!絶対行く」


まお「じゃあ、計画して連絡するね。連絡先教えて」

俺達は、赤外線通信をしてお互いの連絡先を交換した。


まお「じゃあ、またね。彼女とお幸せに」


そう言うと、伊藤は婚約者の元へ向かった。


いいな〜、結婚。俺もしたいな。
ひまわり「あ〜気持ちいいね。翔、お疲れ様でした」

ひまわりと二人、海を眺めながらベンチに座っている。


はるきとるなちゃんが式を挙げた教会は、『海が見える教会』。


かなり有名だ。


今日は、昼下がりの土曜日。人通りは全くない。


天気は快晴。


俺「ひまわりも、お疲れ様。頑張ってクマのドレス作ったんだね」


ひまわり「うん。大変だったんだよ!


ぬいぐるみのとは言え、ドレスなんて自分で作った事ないし…。


まおと二人、手芸の得意な友達に教えてもらいながら頑張ったんだ」


俺「はるきも、るなちゃんもすごく喜んでたじゃないか!


ひまわり、あの為に今日は飲まなかったんだな」


ひまわり「うん。酔っ払って渡したくなかったから…。
…はるくんとるなは、苦難を乗り越えて今日を迎えたでしょ?


それを思うと…いい加減な気持ちで今日はいられないと思ったから」


……………。確かに。2年前…はるきが転勤になった時は、どうなるかと心配したが二人は信じ合っていたんだよな。


それから2年が過ぎ…今年の1月に帰国したはるきは婚約した。

俺「俺も、いい加減な気持ちでピアノは弾けないと思って一生懸命に練習したよ。あの二人の事を思うとね…」


ひまわり「翔、格好よかったわよ!…あと、翔はいつ気づいてたの?」


俺「気づいたのは、実は、1週間程前。急に思い出したんだ。」


ひまわり「そうだったの。私は、はるくんとるなの思い出の曲を翔が弾いているのを見てて…思い出した。

相葉くんも、思い出したみたいだね…」


俺、相葉くん、ひまわり…この三人が思い出した事


それは…


俺と相葉くんは…2年前にひまわりと既に出会っていたという事。


………2年前、俺と相葉くんは


シンガポールに旅立つはるきを見送りに空港へと行った。


俺「元気でな」


はるき「ありがとう」


相葉「また、日本に着た時は飲もうよ!」


はるき「もちろん!」


こんな会話を交わす俺達から差ほど離れていない場所で


静かに泣いている女の子が一人。


はるきの彼女?


俺は、そう直感した。


(実際その女の子は、るなちゃんだった)


そして、その女の子を慰めている女の子が一人。


(それがひまわりだった)


よく見ると、慰めている女の子も泣いていた。


はるき「あ、俺搭乗手続してくるわ」


はるきが席を外した。


相葉「翔ちゃん…。ああいう女の子見ると、せつないよね。はるきの彼女かな?」


俺「そんな気がするな…」


相葉「二人ともかわいいね」

俺「…………」


相葉「翔…ちゃん?」


俺「………え?なに?」


相葉くんがニヤニヤしている。


相葉「翔ちゃん、ホレた?慰めている子、翔ちゃんのタイプだよね〜」


うっ…図星!


だけど、恋愛はしばらくいいや。


彼女と別れてからまだ、半年だし…


女の子(るな)「…ひまわり」

俺「ひまわり?花?」


相葉「翔ちゃん、違うよ…あの慰めている女の子の名前。ひまわりって言うんだね」


俺「…ひまわり」


相葉「声、かけたら?」


俺「いや、いいよ」


………………………………

はるき「じゃあ、またな!翔、相葉」


俺・相葉「気をつけてな!」

俺達に別れを告げたはるきが、泣いていた女の子の方へ向かって行った。


相葉「やっぱりあの子…はるきの彼女だったんだ」


はるきが女の子を強く抱きしめていた。


俺「帰ろうか」


バタン


車に乗りエンジンをかけると


あの歌が流れて来た。


ひまわりと初めて会った日…


そして、再会してレンタカーに乗った時も


あの歌が流れていた。


俺達の思い出の歌。
ひまわり「空港でそんなに見ていたのなら、声かけてよ〜」

ひまわりが、笑いながら話していた。


俺「…かけれなかったの!ひまわりだってさ、俺らを見てたじゃねぇか!
声、かけてくれればよかったのに」


ひまわり「あれだけ見られていたら、なに?と思って見るでしょ!普通」


確かに。


俺「ひまわりさ、あの時…彼氏いたの?」


ひまわり「ううん。いなかった…別れたばかりだったかな?


そのあとは、翔と付き合うまではフリーだった」


俺の目を見ながら話すひまわり。


俺「そうだったんだ。やっぱり、声かけたらよかった…俺もお前と付き合うまでフリーだったし」


ひまわり「でも、いいじゃない!今、こうして…付き合ってるんだから」


ギュッ


ひまわりの肩に手を回し、抱き寄せた。


俺「そうだな…


ひまわり…来年の6月、ここ『海の見える教会』で結婚式を挙げような!」


ひまわり「…うん」


………………………………

僕です。櫻井です。


突然では、ありますが1年後の話しをお送りします。

多分、みなさん気になってらっしゃるでしょうから…

にのに続いて、僕とひまわりが結婚式を挙げる予定でした。


でも…………


さて、何があったのでしょうか?


あ、ひとつだけお教えしましょう。


悲しい出来事があったわけではありません。


ご心配なきよう…


それと…他のメンバーの話しはまた後ほど…相葉くんの恋ばなとか…(ニヤ)


この話しが終わったら1年前に戻ります。


では、どうぞ。


…………………1年後


あの時、固く固く誓ったのに…

約束したのに…


俺は、約束を守る事が出来なかった。


………ごめんな、ひまわり

本当に、ごめん。


……今、ひまわりは何をしているんだろう?


俺は、ぼーっと空を見上げながら考える。


1年前、ひまわりと『海の見える教会』で6月25日に結婚式を挙げる約束をしていた俺。


メンバーや、友達はみんな慰めてくれたが


俺の心は、晴れない。


マネージャー「櫻井さん、そんなに落ち込まなくても…」


俺「俺の気持ちなんて、わからないでしょう?!」


マネージャー「………式が延期になっただけなのに?」

俺「それだけでも凹むって…」


マネージャー「だけど、ひまわりさんは待っててくれるんでしょ?


それに…


入籍は済ませたましたよね?先月に」


俺「それは、済ませたけど…式を挙げたかったんですっ!6月に」


………今は7月。俺はイギリスにに滞在中。


映画の撮影の為、1ヶ月間も。


今、レギュラー番組はすべて休んでいる状態で


他のメンバーが俺の分まで頑張ってくれている。


ZEROは、智くんが代わりにやってくれてるそうだ(笑)

ひまわりの事も…


めみちゃんや、になちゃんが支えてくれている。


そして…


「翔ちゃん、新妻ひまわりちゃんが寂しい思いしないように時々俺が訪ねるからな」


と、言ったヤツもいたが…(関ジャニ大倉)


丁重にお断りした…。


はぁ…ひまわりの声が聞きたいけど、時差もあってなかなか電話がしにくいので

専らメール。


しかもお互い写メ付きのラブラブメール。


新婚ですから(照)


あと、半月。半月頑張ればひまわりに会える。


あ…日本に帰ったら結婚式あるんだった…


誰の結婚式かって?


メンバーの、です。


7月20日に、にのに続いて結婚式を挙げるメンバーがいるのでお祝いの品を準備しなきゃ。


誰かは、まだ言えませんが…


智くん?、松潤?それとも…相葉くん?


お楽しみに!


にのは、もう結婚式も終わり幸せだと…


毎日のように近況報告を『キラースマイル写メ』付きでメールをして来る…(汗)

にのの、キラースマイル見たって嬉しくねぇ〜よ(怒)

にのと、になちゃんの結婚式の話しはまた今度。


それから、俺がイギリスに行く事になった詳しい理由も


改めてお話しします。


では、1年前に戻しましょう…
私「うん。待ってるね。はーい」


ピッ


友達の結婚式に参列していた雅紀からの電話


「今から行くね」


今日は、結婚式が終わってから雅紀が私のマンションに来る予定になっていた。

早いけど、夕食の準備も完了。


明日は、仕事かな?


私「もうすぐ付き合い初めて1ヶ月かぁ…」


まさか、嵐のメンバーと付き合う事になるとは


思ってもみなかった。


そして、私の双子の姉愛子は


関ジャニのヒナこと、村上信五くんと付き合っている。


姉妹して、芸能人の恋人…

ドラマみたいな話しよね。

…だけど、嵐のメンバー全員の彼女は一般人。


出会いは様々らしいけど、私も含めて


一般人でも、芸能人…しかもアイドルと付き合う事が出来るんだって


改めて感じた。


そして、雅紀以外のメンバーは来年結婚を控えている。


アイドルと一般人が結婚…やっぱりあるんだなと


実感している私。


だってね、今まではそういう事とは無縁だったし。


結婚かぁ…


雅紀と?


う〜ん


考えられない…(汗)


今のところ…は


ピンポ〜ン


私「はーい」


雅紀かな?


玄関のドアをそっと開ける。


雅紀「ただいま〜」


タキシードを着た王子様が立っていた。


私「……………」


雅紀「恵子?中に入れてよ」

私「………!あ…ゴメン。どうぞ」


心臓が止まるかと思った!

雅紀があまりにもステキだったから…


バタン


私「お疲れ様。翔ちゃんとひまわりちゃんを送って来たの?」


靴を脱ぎながら雅紀が私を見つめている。


あれ?


雅紀の手には……ブーケ?

雅紀「ううん。翔ちゃんとひまわりちゃんは…『寄るところがある』って言ってて、食事会のあと別れた」

そう言いながらフッと笑っている。


いい事あったのかな?


私「そうなんだ」


雅紀「あ、そうだ。これ…ブーケなんだけど」


雅紀はが持っていたブーケを私に差し出した。


雅紀「新婦のるなちゃんから預かったんだ。


るなちゃんと、その親友ひまわりちゃんが『けいちゃんとあいちゃんが幸せな結婚が出来ますように』って願ってくれていたよ。


このブーケ、二つ重ねてあった物の一つなんだ。


もう一つは、今ここに来る前にヒナに渡して来たよ。るなちゃんとひまわりちゃんからのメッセージを添え『あいちゃんに渡して』と…」


私「……………(涙)」


雅紀「どうしたの?恵子…」

ギュッ


雅紀が優しく抱きしめてくれていた。


結婚…正直言って考えた事なかったんだけど


いや、考えないようにしていたのかもしれない。


…なぜかと言うと、周りの友達の影響


『結婚したら、自由に出掛けられなくなったわ…』


『旦那の両親との付き合いが大変。結婚に憧れてたけど…結婚ってね、理想とは大違い!』


などなど…


私の既婚の友達は結婚に関しては、いい事言わない。


あと、私自身も仕事の方が楽しくて楽しくて


恋愛は、いいやと思っていたし…


以前、恋人だった人に


『俺と仕事、どっちが大事なの?』


と、言われると迷わず


「仕事!」と答えていた。


それで失った恋も多いけど、後悔はしていない。


雅紀「…恵子、まだ付き合い始めて間もないけど


俺、お前との結婚考えているんだ。


恵子は…?」


…………どう答えよう?


正直に答えた方がいいのかな?それとも…


雅紀が、私を抱きしめていた手を緩め両肩に手を置く。


そして、優しく唇を重ねてきた。


私「……………」


雅紀「恵子の気持ち、聞かせて」
私「とりあえず、中に入ろうか」


雅紀「そうだね…」


ここは玄関。こんなところで話すのも。


私「結婚式どうだったの?」

リビングのソファーに腰掛け、ネクタイを緩める雅紀に声をかける。


雅紀「よかったよ。はるきはカッコイイし、るなちゃんはキレイだったし。


翔ちゃんがね、ピアノ弾いたんだよ。


新郎・新婦の思い出の曲」


私「思い出の曲?」


私は、コーヒーの入ったカップを雅の前に出しながら訪ねた。


雅紀「うん。その曲、俺や翔ちゃんにとっても思い出のある曲でね…。


はるきが、2年前シンガポールに転勤が決まった時…泣きながらカラオケで歌ってたんだ。


辛かっただろうな、あの時のはるき」


………そう話す雅紀の横顔は寂しそうだった。


雅紀「そんな試練があったにも関わらず、二人はお互いを思いやり今日を迎えたんだ。感動したよ…」


雅紀…泣いてる…?


私「雅紀…」


雅紀「あ、ゴメンゴメン!つい…」


私「ううん。ステキな話しをありがとう…今日、二人は新婚旅行に行くんだったね!行き先は?」


雅紀「オーストラリアだって。俺、行った事ないんだよね」


私「私も行ってみたいな…オーストラリア」


雅紀「………新婚旅行で、いかない?」


…………結婚かぁ


今、真剣に考える時が来てるのかも


私「そうね。いつか…そうなれば」


雅紀「いつかって何だよ!」

拗ねてる。フフフ。

口を尖らせて…かわいいかも


私「雅紀、実はね…私って結婚願望無しだったの。


…今までは。


私の友達、みんな結婚が早くて22、3歳ぐらいでバタバタと片付いてね…


そしたらさ…会うたび結婚の愚痴を聞かされて(笑)結婚に対する憧れがあったのに…そんなの吹っ飛んじゃったわ!


あと、仕事も楽しくなり始めてね


ますます結婚したくなくなったのよ。


でも、雅紀に出会って


来年、結婚を控えて幸せいっぱいのひまわりちゃんと知り合って


雅紀の友達の結婚式の話しを聞いて


私の中で何が変わろうとしているの。


だから…待っててくれないかな?


…ダメ?」


雅紀「ダメなわけないだろう?


待つよ。だって…恵子はやっと出会えた、運命の人だからさ。


ねぇ…いい?」


グイッ


私の左手を掴み、自分の方へと引き寄せる。


私「………うん…う」


私の返事を聞かずに強引に唇を重ね、そのまま耳元かから首筋へと唇を移動させる。


雅紀「…寝室行こうか」


私「うん」


ベッドの上でお互いの体を重ねる。


雅紀「俺…待ってるから。お前が結婚したいって思うようになるまで」


私「うん…」


雅紀でよかった。雅紀が私の恋人でよかった。


お互いの指と指を絡め合い私達は一つになった。


私「ねぇ…雅紀」


雅紀「ん?どうしたの?」


私「………(恥!汗)」


ベッドに両肘をつき俯せの姿勢で私を見つめる雅紀の姿が妙にセクシーで


つい…


雅紀「何照れてんだよ!


たった今、俺に抱かれてたのに」


うっ…


天然なんだけど、時々ど真ん中を狙ったような発言をする雅紀に私は…タジタジになる事も(汗)


私「そんな、ストレートに言わなくても…」


…………(汗)


雅紀「〜♪(鼻歌)」


聞いてないし…(ガクッ)


呆れ果てて、雅紀に背中を向けた私を後ろからそっと抱きしめる。


雅紀「愛してる…。これからも、俺のそばにいて」


………………………………

ヒナ「けいちゃん…相葉はな、過去に心に大きな傷を負ってんねん。


支えてやってくれんか?


けいちゃんなら、大丈夫だと思ったから…こうやって頼んでるんや」


ヒナちゃんに言われた事が胸に突き刺さる。


雅紀の過去か…


普段は、明るくて天然でみんなに愛されるキャラだけど…


人間だもんね…


雅紀の手を握り


私「そばにいるよ。大丈夫だから」


そう答えると「ありがとう…」小さな声で雅紀はそう言った。


………背中が温かい…?


そして、啜り泣く声…


…余程辛い思いをしたのね。


いつか、話してくれるよね。


私は、受け止めるから…
今日は、5人揃っての収録の日なんだけど…


俺「ねぇ〜にの。翔ちゃんは?」


にの「さぁ…?珍しいよね。翔ちゃんが遅いなんて」

大野「相葉くん、何か知らないの?」


俺「何も聞いてないけど…」

にの「一昨日、一緒だったんだよね?友達の結婚式で」


俺「うん。ひまわりちゃんと楽しそうにしてたよ。『来年の6月25日に結婚式するんだ』って、話してたから」


にの「あ、私6月17日に決まりましたので…ご報告まで(ニヤリ)」


大野「………ふぅ〜ん。何で6月17日?」


潤「…真面目に言ってんの?リーダー!」


俺「あれ?松潤!いつからいたの?」


潤「今来たところだよ。事務所行って来たから。
リーダー、6月17日はにのの誕生日!!」


大野「あ、そうだっけ。オイラはいつにしようかな〜?」


にの、俺「人の話しを聞けーっ!!」


相変わらずの控室。


でも、翔ちゃんがまだ来ない。


にの「潤くん、翔ちゃん知りません?」


潤「翔くん?翔くんなら、事務所で会ったよ。幹部に呼ばれたらしい…。


『至急、事務所に来るように』って言われたらしい」

俺「えっ…」


にの「……………」


空気が途端に重くなった。

何かあったとしか思えない。


俺「まさか…ひまわりちゃんと別れろとか言われてないよね?」


バシッ


俺「イテッ!何するんだよ!にのっ!」


にのが俺の頭を叩いた。


にの「んなこと、あるわけないたろっ!」


潤「そうだよ…。それは、絶対にありえねぇ」


大野「新しい仕事が決まったんでしょ。大きな仕事が」


にの「それは、ありえる!さすがリーダー!!よっ、幸せ者!」


大野「にのぉ〜おだてるなよぉ〜」


照れ笑いをするリーダーの姿は、重苦しい空気を一掃した。


ガチャ


翔「おはよう…」


………翔ちゃんだ。


俺「おはよう」


大野・にの・潤「おはよう」


はぁ…


大きくため息をついて椅子に座った翔ちゃん。


何かがあったようだ。


にの「(小声)リーダー、翔ちゃんに何があったのか聞いて!」


大野「(小声)え〜!俺苦手だよ」


潤「(小声)じゃあ、俺行くよ!」


俺「(小声)お願い」


椅子に座った翔ちゃんは、元気がなく、俯いている。

潤「翔くん…」


翔「松潤…どうしたの?」


…翔ちゃん、笑顔だけど


何だか痛々しい…


潤「何かあったの?」


翔「…………」


翔ちゃんは、しばらく考え込んでいるようだったが


翔「実は、映画の話しが来たんだ。結構難しい役でね…」


潤「そうなんだ。おめでとう。どんな映画なの?」


翔「半年後に結婚するはずだった婚約者が、突然姿を消すんだ。


残された手がかりは…


婚約者が親友に『イギリスに行きたい』と話していた事。


で、探しにイギリスへ行くというストーリーだそうだ。


あ、俺が探しに行く役ね」

潤「おもしろそうじゃん!」

翔「だけどね…いろいろあるんだ」


潤「いろいろ?」


翔「うん…。イギリスのロケは1ヶ月〜2ヶ月かかるらしいんだ。その間向こうに行きっ放し。


それが来年の6月下旬〜8月にかけて。


そして、俺は役作りの為…イギリスロケ終了まで結婚式は挙げないでくれって

監督から要望があったそうだ」


はぁ…


翔ちゃんがため息をついた。


潤「……………」


翔ちゃん…


俺は、翔ちゃんの今の思いが


手に取るようにわかるよ…
俺「翔ちゃん…」


翔「相葉くん」


ニコッ


何で笑えるの?今、そんな気持ちじゃないでしょ?


だって…だって


俺「翔ちゃん、どうして無理するの?」


翔「相葉くん…入籍はしてもいいって言われたんだ。

だから、大丈夫。


ひまわりは、わかってくれる」


…入籍は出来るって言っても


翔ちゃん…無理しないでよ

違うでしょ


にの「結婚式、延期になったんだね…


何だか申し訳ない」


翔「にの、決まったんだってね…6月17日に。


俺、入籍は予定通り6月25日にするよ。


式は、事務所と相談しながら決め直すことになりそうだけど」


……………。


にのは、何も知らないからそんな事が言えるんだよ。

『何も言わないで…今は黙ってて』


翔ちゃんが、他のメンバーに気づかれないように俺に合図して来た。


わかったよ、翔ちゃん…


何も言わないから


何も言わないけど…


大丈夫?…だよね


みんながいるから


大丈夫だよね?


…ひまわりちゃんの事も


大丈夫だよね?


俺と翔ちゃん以外のメンバーは何も知らない…


翔ちゃんが、なぜ来年の6月25日にひまわりちゃんと結婚式を挙げようとしていたのか。


それは、二人にとって忘れる事の出来ない日だからだ。


二人が空港で初めて会った日…


そう、2年前はるきがシンガポールに旅立った日。


はるきの結婚式の日…


翔ちゃんは俺に話したよね?


翔「俺にとっても、ひまわりにとっても大切な日。


だから、この日に結婚式を挙げたい。


この日をスタートにしたいんだ。


それに…


今までずっと、ひまわりにさ俺と付き合ってる事で我慢させて来ただろ?


そして、今まで決してワガママを言わず常に気の強かったひまわりが初めてワガママを言ったんだ…


『翔…結婚式だけど、来年の6月25日じゃダメかな?ううん、6月25日がいいの!
私達が初めて会った日。


ちょうど出会って3年目…

だから』


って…


涙を堪えながら話すひまわりを見て


俺、今までどれだけ我慢させていたんだろうって反省したよ。


せめてものつぐないとして、結婚式の日だけは


ひまわりの希望通りにしてやりたい。


絶対に」


そう話しながら、涙ぐんでいた翔ちゃんの顔が今でも忘れられない。


翔「…相葉くん」


笑顔の翔ちゃんが俺の前にいた。


ポン


翔「相葉くん、頑張れよ!」

俺の肩を叩き、頷く。


…人の心配ばかりしなくても


でも、翔ちゃんらしいかな。


俺は、静かに見守るよ。


そして、ひまわりちゃんの事も翔ちゃんと一緒に支えるよ。


結婚式が終わるまで。


結婚式のあとは、翔ちゃんに任せるから!


にの「あ、そう言えば〜


潤くんなぜ事務所に行ったんですか?」


大野「言われてみれば…」


翔「挨拶に行くの?」


翔ちゃんも話しに参加している。


俺「『みゆさんを下さい』って?」


潤「うん。来週みゆのご両親に会う事になったんだ。

やっとドラマの撮影も終わったし。あと、新しいマンションも決まったから…その報告で事務所に行ってたんだ」


大野「嵐の末っ子も、結婚ですか…とうとう。


相葉くんも、いいことあったみたいだね」


俺「………(ドキッ)」


にの「図星みたいですね(ニヤリ)。あ!あーばさん」


にのが俺の首筋を指差している。


…マジ?


慌てて鏡の前で確認するが…





にの「やっぱり(ニヤリ)。みんな〜!相葉くんにも春が来ましたよ〜!」


俺はこの時、にのに試されていたんだと気づいた。


恥ずかしい…


大野・翔・潤「おめでとう!」

俺「あ、ありがとう…」


一応、お礼は言っておいた。
翔「にの、お疲れ〜」


俺「お疲れ、翔ちゃん」


みんな収録が終わりそれぞれ帰宅したようだ。


今、控室には俺と翔ちゃんのみ。


収録中はいつもと変わらない翔ちゃんだったけど


休憩時間にふと見せた寂しげな表情が気になった。


………ひまわりちゃんとの事だろうな


俺「ねぇ…翔ちゃん」


翔「何?にの」


ニコッ


笑顔を見せる翔ちゃんだけど…


目が物語っているよ


………「つらい」って


俺「無理しなくていいんだよ」


翔「えっ…」


かなり驚いた顔をしていたが、


翔「にのには、敵わないな…


ホント、お前感がいいよ」

はぁ〜


ため息をつきながら俯き出した。


俺「話し、聞くよ。……今日、ひまわりちゃんは?」

翔「準夜勤だから、まだ仕事中だよ」


俺「ひまわりちゃんには、今日話すの?」


翔「顔を合わせたら…


でも、早めに言わなきゃな…」


俺「翔ちゃん、ここじゃ何だから…ご飯食べながら聞くよ」


………………………………

そんなわけで、


行きつけの和食屋で


俺と翔ちゃん二人っきり。

…珍しいかも


俺「翔ちゃん、ビールでいい?」


翔「…今日は、止めとくよ」

……余程の覚悟を持ってひまわりちゃんと向き合うつもりなんだろうか?


俺「じゃあ、俺もアルコール抜きで今日は翔ちゃんと語ろうっと」


翔「にの…俺に合わせなくていいんだよ!」


俺「俺がそうしたいの。だから…翔ちゃん、気にしないで」


フッ


翔ちゃんが笑った。


翔「にの…俺とひまわりは来年の6月25日に結婚式を挙げようと思っていて…既に事務所にも許可をもらっていたんだ。


だけど、突然映画のオファーが来たらしく…


昨日の夜、幹部から電話があって


『重要な話しがあるので、明日の朝9時に事務所に来るように』


って言われたんだ」


そう話すと、ウーロン茶を一気に飲み干す。


俺「そうなんだ…ねぇ、翔ちゃん。一つ聞いてもいい?」


翔「うん?なに?」


俺「6月25日に結婚式を挙げようと考えたのには、訳があるの?」


翔「…うん。その日は、俺とひまわりが初めて会った日なんだ」


俺「えっ?翔ちゃんとひまわりちゃんが初めて会ったのって今年の4月じゃないの?」


よくわからない…二人は4月に旅行に行った時、初めて会ったんじゃなかったの?


翔「実は…」


翔ちゃんは、俺に詳しく教えてくれた。


ひまわりちゃんと初めて会った時の事


結婚式の日取りは、ひまわりちゃんの強い希望だった事を。


………ひまわりちゃんが心配だ。


滅多にワガママを言わないひまわりちゃんがそこまで言うなんて…


普段言いたくても言えない…


になもそうだが、かなり我慢してる…いや、させてしまってるのが


事実だ。


だから、式の日取りはひまわりちゃんの希望通りに…

と、思う翔ちゃんの気持ちは


痛い程わかる。


俺「翔ちゃん…、入籍は予定通り行うんだよね?」


翔「うん。そして、せめて…写真だけでも


この日から新しくスタートするんだって気持ちを込めて写真を撮ろうと思ってる。式の日取りは、またひまわりと話し合って考えてから事務所に相談するよ。


にの…」


翔ちゃんが、真剣な目で俺を見ていた。


俺「なに?」


翔「にのは、6月17日に結婚式を挙げようと思ったのはなぜ?
自分の誕生日だから?」


俺「…………」


6月17日に決めたわけは、きちんとした理由があるからだ。


俺「俺の誕生日になったのは、たまたま土曜日だったからなんだけど…


きちんとした理由はあるよ…」
俺が自分の誕生日である6月17日に結婚式を挙げようと決めた理由…


それは……


俺「になとの結婚を考え始めた時、たまたま見たんだよね。になが『ブライダル特集』が組まれている雑誌を持っていたから…それを。


で、『何月に結婚式をあげたいですか?』の読者へ質問…圧倒的に多かったのが6月。


それもあったし、俺のスケジュール的に一番いいのも6月。


だったら、俺ちょうど6月が誕生日だしな…とカレンダー見たら来年は土曜日だったから合わせたんだ。になも、ジューンブライドにしてやりたかったし」


翔「なるほどね。でも、にのは知ってたの?



俺「ああ、ジューンブライドの事?」


翔「そう。あ、あの時いたっけ?」


俺「いたよ。相葉くんが言ってた時でしょ?」


去年の12月頃、急に相葉くんが言い出した。


………………………………

相葉「みんな〜!結婚式するなら何月がいい?」


潤「え?相葉くん…結婚するの?」


相葉「まさか〜!ただ聞いてみたくなったの!それだけ…ね、ね!


俺はやっぱり…12月24日かなぁ」


にの「サンタさんからのプレゼントみたいだから?」

相葉「そっ!それがダメなら6月!」


翔「何で6月?」


相葉「翔ちゃん知らないの?ジューンブライド、6月の花嫁の話し」


大野「聞いたことあるけど、忘れちゃった。オイラは…海の日がいいな〜。


絶対忘れないし、釣りに関係してるみたいでいいな」

潤「リーダーらしい…(笑)で、相葉くんは知ってるの?(ニヤ)ジューンブライドの意味」


にの「へぇ〜相葉くんも勉強してるんだねぇ…(笑)」

翔「6月の花嫁、ジューンブライドは有名な話しだよ」

相葉「ハイハイハイ…。俺が言います!


ジューンブライド、6月に結婚した花嫁は幸せになれるんだよね…」


潤「だよな…俺も6月にしたいな、結婚式。幸せが約束されてるって感じでいいな…」


にの「俺は、ちょうど6月が誕生日だから…相手がジューンブライド希望なら俺の誕生日っていいな」


翔「俺もやっぱり…こういう仕事しててさ、相手にもきっと大変な思いをさせると思うんだ。


せめてもの思いやり…いや、幸せになろう!と言う思いを込めてジューンブライドにさせてあげたいな…」

にの「…………でも、みんな相手いないじゃん!!


このままだと、俺ら怪しい妄想族だよ(恥!)


来年…みんなに出会いがあるといいね」


大野・翔・相葉・潤「ホントに…」


………………………………

翔「あれから1年も経たないのに、みんなに出会いがあって…婚約したメンバーもいる。


智くん以外は、ジューンブライドに対する思いがあるんだね…」


俺「うん…。


ねぇ、翔ちゃん」


俺「仕事の為とは言え、延期になったんだから…ひまわりちゃんへのフォローはきちんとね。


そして、いい演技をして…映画を成功させることがひまわりちゃんへのつぐないにもなると思うよ」


翔「そうだね…フォローはきちんとしなきゃな。


あとさ、にの…お願いがあるんだけど…」


俺「なに?」


翔「俺が来年イギリスに行っている間…、近況報告を頼む」


来年のことだよね?


俺「えっ?もう?」


翔「うん…頼むよ。お前にお願いしたい」


俺「わかったよ」


この時の翔ちゃん…、頼めるのはにの…お前しかいない!って顔をしていた。


翔「ひまわりは、になちゃんと似てるから変化があってもにのが一番に気づくだろうから……」


…そういう事か


俺「わかった。になにも話しておくよ。めみちゃんにも話しておいたら?」


翔「そうする。ありがとう、にの」


メンバー全員で、翔ちゃんの留守を預かるよ…
にの「じゃあ、帰りますか」

俺「そうするか!」


時刻は午前1時。家に着く頃ひまわりも帰って来るだろう…。


明日、いや今日はオフだからゆっくり話そう。


にの「秋も深まって来たね〜。もう10月も下旬になったし」


にのと二人、店の外でタクシーを待つ。


俺「本当…寒くなって来たよな。………」


にの「…………翔ちゃん」


俺「ん?」


にの「ひまわりちゃん…翔ちゃんの事、理解してくれると思うけど…


それに甘えちゃダメだよ。言葉で、そして態度でひまわりちゃんを大事に思ってる事伝えなきゃ」


…………そうだよな、にのの言う通りだ。


甘えちゃダメなんだよな。

俺「ありがとう、にの。にのもになちゃんにそうしてるんだね」


にの「………ウザいくらい言ってるし、してる(笑)」

俺「俺も…かな?(笑)あ、タクシー来たよ!」


バタン


俺「にの…今日は、ありがとう」


窓から景色を眺めていたにのが俺の方を見る。


にの「どう致しまして…」


キッ


俺のマンションの前に到着。


俺「じゃ、お先。お疲れ、にの」


にの「頑張ってね」


エレベーターに乗り込むと、


「あ!すみません」


……………?誰かが飛び込んで来た。


俺「ひまわり!お帰り」


ひまわりだった。


ひまわり「翔!お帰りなさい」


ニコッ


笑顔で俺をを見つめるひまわり…


言いづらいが、言うしかない


そんな葛藤を抱えているうち、エレベーターは目的の階へと到着。


ギュッ


気がつくとひまわりの手を握っていた。


ひまわり「どうしたの?翔」

俺「ん〜?何となく」


ひまわり「フフッ」


ガチャ


ギィ


バタン


ギュッ


玄関に入った途端、俺はひまわりをきつく抱きしめ…唇を塞いだ。


結婚式が延期になった事を話さなければならない…


そのプレッシャーと、ひまわりへの申し訳なさ


これらが合わさり、俺はどうしようもない不安に駆られた。


ひまわり「え?翔!ちょっ…」


気がつくとひまわりをベッドに押し倒し再び唇を塞いだ。


………………………………

俺「ごめんな。帰ってくるなり」


優しくひまわりの頭を撫でる。


天井を見ていたひまわりが、俺の方へ身体を向けた。

ひまわり「…何かあったの?」


優しく微笑み、俺を気遣うひまわり…


…やっぱり、わかるよな


ひまわり「私は、大丈夫よ」

なぜ?どうして…?そんなに冷静なんだよ!


ギュッ


ひまわりを抱き寄せる。


俺「ひまわり…何でなんだよ!何でそんなに冷静なんだよ!俺、俺…いつもお前に我慢させてばかりなのに!
つらいと思う事とかないのか?」


ひまわりの唇を再度塞ぎ、その まま首筋へと移動させる。


ひまわり「………」


ひまわりの首筋にくっきりと赤い跡がついた。


ひまわり「ねぇ…何焦っているの?」


俺「…………………」


ギュッ。ひまわりが俺に抱きついた。


俺「ひまわり…」


ひまわり「確かに、我慢している事はあるわよ。


一緒に過ごす時間は短いし、外で堂々とデートも出来ない。


だけど、翔は…


一緒にいる時間を大事にしてくれてる。本当に嬉しく思ってるんだから!


つらいんなら、とっくに別れてる。


結婚だって考えないわよ…」


………ひまわり


俺、一人で、悲劇のヒーローになっていたのかな…?

俺「ひまわり、こんな時に申し訳ないんだけど…話しがあるんだ」


ムクッ


ひまわりが布団で身体を包み起き上がる。


ドキッ


そして…俺の目をしっかり見つめていた


凄い目力…


俺「実は、結婚式を延期しなければならなくなった」

ひまわり「…………」


ひまわりは、黙っていた。

俺「急に映画のオファーが来て…公開は再来年の10月。


来年6月下旬から8月にかけて、イギリスで撮影があるらいんだ。


その間は向こうへ行ったまま。


しばらく…俺達、離れ離れだ」
ひまわり「…………」


俺「そして、その映画の役作りの為イギリスロケ終了まで結婚式は…挙げないで欲しいと監督から要望があったんだ」


ひまわりは、何も言わず


俺が何を言うのか一言も逃さない!


そんな気迫すら感じさせるくらいに俺の話しに耳を傾けていた。


俺「ちなみに、俺の役は…半年後に結婚式を挙げる予定だった婚約者が突然行方不明になり、探しに行く27歳のサラリーマン。


俺の婚約会見を見ていた監督が、俺に白羽の矢を立てたらしい…」


ひまわり「………おめでとう。映画、決まってよかったね」


そうひまわりは、言ってくれたが…


俺「ありがとう…でも、ひまわり…ごめんな
本当にごめん!結婚式延期せざるを得なくなってしまって」


ギュッ


いたたまれなくなり、きつくひまわりを抱きしめた。

ひまわり「…………(泣)」


ひまわりは…泣いていた。

俺の腕の中で長い間。


どのくらい経っただろうか?


ひまわり「…翔。これからも、ずっとずっと一緒にいて…お願い…」


俺「当たり前じゃないか…だから、結婚するんだろ?あとさ、ひまわり…


入籍は予定通り、6月25日にしような。そして、写真撮ろうよ。ウエディングドレスとタキシードでさ。


それは、許可もらったんだ。
安心してイギリスに行きたいから…」


ひまわり「うん…ありがとう」


俺「俺は、ずっとそばにいるから…ひまわりのそばにな」


以前は、俺がひまわりに言ったセリフ…


『ひまわり!何処にも行かないで!ずっとそばにいて』


今度は、ひまわりが言ってくれた。


こんな事を言われたら…ずっとずっと大事にしなきゃって思える。


俺「ひまわり…」


ひまわり「ん〜?」


俺「ね〜もう1回しよ…」


zzz…


…………………寝てる


俺「おやすみ…はぁ〜我慢しょ」


我慢するのもつらいな…


だけど…これで安心して来年


イギリスロケに参加出来そうだな。


………………………………

だけど…眠れない(汗)


ひまわり「翔…」


起きてる?


いや、寝てる…寝言だ


ひまわり「みんながいる…から、大丈夫…安心して…イギリスに行って来て…
毎日…メールするから…」

俺「ありがとう。みんないるから、俺も安心して行けそうだ。俺も毎日、メールするから」


優しく頭を撫で、キスをした。


本当にありがとう…ひまわり


………でも、眠れない(泣)

ひまわりぃ〜ヒドイじゃないか!服着ずに寝てるし


シクシク…


ひまわり「ウフフ(寝言)」


…………つらいよ


ひまわり「………おはよう、翔…」


ベッドの周りに散乱している服を見てひまわりが赤くなっていた。


俺「………今日、休みでよかったよ。寝れなかったもんな…服着ずにお前寝てたから…気になってね。ま、いいけど。今から寝よ…ひまわりも休みだよね?」


ひまわり「うん…。翔、パジャマ着てね(恥)私、目のやり場に困る!」


俺「めんどくさいからこのままでいいよ〜夜中、俺だって目のやり場に困ったんだから!お互い様〜」


ひまわり「はぁ…。テレビで喋らないようにね」


俺「……ハイ(汗)喋ったら俺のイメージぶち壊しかな…」


ひまわり「違う。プライベートはあんまり喋らないでよ…私にまで飛び火しちゃうんだからねっ!」


俺「それは大丈夫。俺がちゃんと守るから」


ギュッ


ひまわりの腕を掴み抱き寄せた。


俺「だから、ひまわり〜しよっか」


ひまわり「…………(恥)」
〜初めまして、松本潤です〜


俺「大丈夫?変じゃない?」

みゆ「大丈夫。いつもの潤でいいんだから…でも、スーツ姿カッコイイわ」


ニコッ


俺「ありがとう。でも…緊張するな」


玄関で靴を履きながらみゆに声をかける。


今日は、みゆのご両親に挨拶に行く日だ。


みゆ「大丈夫だって。うちの両親、嵐の事いつも誉めてるもん…うわっ!」


みゆの手を掴み、抱き寄せる。


みゆ「う…んっ」


俺「これで、少し落ち着いた!」


みゆ「んもぉーっ!今から、挨拶に向かうって言うのにっ!」


俺「な〜に怒るんだよ!キスぐらいで!ま、怒った顔もかわいいよ。みゆちゃん」


みゆ「…………(照)」


俺「じゃ、車乗って!」


バタン


みゆは、昨日から俺の家に泊まっていた。今日、一緒に出かける為に。


みゆ「来週から、新しいマンションでの生活だね…何だかドキドキする」


俺「俺もドキドキしてるよ。これからは、ずっと一緒にいられるんだもんな…安心だよ」


来週、俺達は新しいマンションへ引っ越し一緒に生活を始める。


みゆも俺も暇を見ては少しずつ荷物運んでいるので、あとは、大きな物を運ぶぐらいだ。


一緒に生活出来る日をどれだけ心待ちにしていたか…

みゆ「ホント、潤は心配性なんだから…」


俺「心配するよ…そりゃ。寂しい思いさせてるだろうなって。


…お前が俺の前から姿を消した時、すごく考えさせられたからさ。


あの出来事があったから、俺達の絆は強くなったんだろうな」


みゆ「………。私もそう思う。あの時、潤につらい思いさせちゃったね。


そして…他の嵐のメンバーやその彼女の


になちゃんやひまわりちゃんにかなり迷惑かけちゃった…。


ごめんなさい」


俺「でも…にのやになちゃん、そしてひまわりちゃんのおかげでみゆを見つけられたんだ。


みんなに感謝しなきゃな。あとさ、結果嵐の絆も強くなったよ」


みゆ「そうなんだ…」


そう言うと、みゆは空を仰いでいた。


俺「みゆ…?」


みゆ「潤と私、知り合ってからまだ4ヶ月なのに


もう1年ぐらい経ったように感じるんだよね…」


俺「みゆも?実は、俺もそう思ってた。


…それだけ充実してるって事なのかな?毎日が」


まだ知り合って4ヶ月なんだよな、実際は。


色んな事もあったし、あっと言う間だったよな…


などと、思っているうちに車は首都高へ。


みゆの実家は都心から車で約30分程の郊外にあるそうだ。


俺「そう言えば、みゆの実家ってインターから近いの?」


みゆ「降りて5分ぐらいだよ。だから迷う心配もないかな(笑)」


俺「そっか(笑)よかった」


目的のインターで首都高を降り


みゆ「次の信号を右。そして300m程入ったら右手に白い家があるんだ。そこが私の実家だよ」


みゆの案内で、みゆの実家へと向かう。


俺「………あの家?(汗)」


みゆ「!!……(恥!!)」


家の前でみゆのお母さんらしき人が満面の笑みで手を振っている。


………ユニークなお母さんだ。


みゆ「潤…ごめんね。車は家の隣に止めて。そこ、駐車場だから」


俯き、必死で恥ずかしさを堪えているみゆ。


かわいいな…。

キッ


みゆの案内通りに駐車場に車を止めると


「お待ちしてました!」


みゆのお母さんらしき人が車の前に立っていた。


バタン


みゆ「んもぉ〜っ!お母さん!恥ずかしいじゃないのぉ〜っ!!」


みゆが顔を真っ赤にし恥ずかしがっていた。


母「あら、だって…」


みゆのお母さんと目が合った。


俺「初めまして、松本です。今日はお忙しいところお時間頂きましてありがとうございます…」


俺はそう言うと深々と頭を下げた。


母「初めまして。みゆの母です。今日はお待ちしておりました。ここでは、何ですから…どうぞこちらへ」

俺「あ、はい…」


俺は、みゆとみゆのお母さんに案内されみゆの実家へとお邪魔した。
母「どうぞ」


俺「お邪魔します」


玄関で靴を脱いでいると


みゆ「(小声)ごめんね…さっきは。うちのお母さんあんな目立つように手、振ってて…」


俺「(小声)大丈夫だよ。逆に緊張せずに挨拶出来たんだから(笑)。いいお母さんだね」


みゆ「………(笑)ありがとう」


そう言うと、みゆはキッチンの方へと向かって行った。


玄関には、いくつかの花が飾られていた。


母「私、花が好きでいつも飾ってるんです」


隣にみゆのお母さんが立っていた。


俺「綺麗ですね。何ていう花ですか?」


母「赤いのは、けいとう。紫は、ほととぎすです」


ニッコリ


みゆのお母さんが俺を見て微笑んでいた。


母「松本さん、花言葉はご存知?」


俺「いいえ…知らないんです(笑)」


母「けいとうは『色あせぬ恋』、ほととぎすは『永遠にあなたのもの』」


俺「……………えっ!(照///)」


母「フフフ。こちらへどうぞ〜」


俺は、みゆのお母さんの案内で座敷へと通された。


母「どうぞ」


俺「すみません」


座布団を勧められた。


……………………お父さんは?


母「もうすぐ主人が来ますわ。緊張しちゃってるみたいで。ごめんなさいね…」

……俺も緊張してます(汗)

母「…松本さん」


俺「はい」


母「みゆから、あなたの事はよく聞いていました。


さっき、初めてお会いした時から…


嵐として有名にも関わらず、しっかりした方だと思いました。みなさんから愛されている理由がよくわかりました」


俺「いえ、そんな事はありません。


今、自分の仕事は順調ですがいつかは終わる時が来ると思ってます。


だから、今精一杯頑張って行かなくてはと思ってるんです」


すーっ


座敷の引き戸が開いた。


「お待たせしました」


優し笑顔、オールバックのロマンスグレー


…みゆのお父さんだった。

背が高く、ステキな紳士と言った感じだ。


俺「初めまして。松本潤と申します。みゆさんと、お付き合いさせていただいています」


父「初めまして。みゆの父です。みゆがいつもお世話になってます」


みゆのお父さんは、俺の正面に座り俺とは向かい合わせになっている。


………ますます緊張して来たよ…


すーっ


再度引き戸が開き、みゆがお茶を運んで来た。


父「ありがとう」


俺「ありがとう」


みゆがお茶を出し、またキッチンへと向かって行った。

俺の右隣にはみゆのお母さん。


俺「……………」


父「ズズ…ッ」


お茶を飲む音が響く。


はぁ…


よしっ!!


俺「あの…みゆさんと、結婚させて下さい」


父「…………」


母「…………(ニコッ)」


………………………(汗)

………………………(ドキドキ)


はぁ………沈黙がツライ


父「………松本さん」


俺「はい」


父「娘をよろしくお願いします」


俺「ありがとうございます」

俺は畳に頭をこすりつけるくらい下げ続けた。


父「……松本さん、頭を上げて下さい」


俺「はい………」


ふぅ…っ


みゆのお父さんは大きく息を吐いた。


父「松本さん、あなたや嵐のみなさんの事は…みゆから聞いてよく知っています。


みゆは、あなた方がデビューされてからずっと応援していました。


初めはあなた方は飛ぶ鳥を落とすくらいの人気があったのに


低迷した時がありましたよね…」


俺「はい…あの時は、辛かったです。


人気があった時は、色んな人が寄って来ました。でも、自分達の人気が低迷した途端に手の平を返した方も…」


父「すみません。嫌な事を思い出させてしまいましたね…」


俺「あ、いいえ!」
父「あなた方は、そんな辛い経験をなさった事で大きく成長されたと思います。


そして、人間としても成長出来たのではないでしょうか?」


俺「そう思います。とてもいい経験か出来たと感じています…」


父「あなた方にとって、必要な事だったんでしょう。

だから、私や家内はそんな辛い経験をなさったあなただから…安心して娘を任せられます」


ニコッ


俺「……………(涙)」


母「松本さん。私は、みゆの影響であなた方嵐のファンになったんですよ(笑)。

人気が低迷した時も必死で頑張り、ファンの方々への気配りを忘れずになさってましたよね…。


私、心を打たれました。


娘を私も安心して松本さんに任せられます。


…娘をよろしくお願いします」


俺「………本当にありがとうございます(涙)。みゆさんと二人、頑張って行きます」


………………………………

みゆ「お父さん、お母さん。本当にありがとう」


ここは玄関。


帰り支度を整えた俺達をみゆのご両親が見送ってくれている。


俺「………」


母「フフフ。松本さん、花が気になりますか(笑)」


俺「あ、はい…(笑)」


父「今日は、わざわざ飾ったんですよ…家内」


母「お父さんっ!」


みゆ「え?」


母「しょうがないわね…。今日、松本さんが挨拶に来られるって聞いて


みゆと松本さんに対して

今の恋が『色あせぬように』


そして『永遠にあなたのもの』と

みゆが決意を固められるように


その花言葉を持つ『けいとう』と、『ほととぎす』を飾ったんです。


昨日までは、先日お父さんがプレゼントしてくれたコリウスを飾ってたんですけど…花言葉がね…(汗)」


みゆ「コリウスの花言葉って何?」


母「………『望みなき恋』お父さんったらね、私が嵐に夢中になってるってヤキモチ妬いてて(笑)。プレゼントしてくれたのよ。私、年甲斐もなく、大野くんに恋しちゃったから〜(照)」

みゆ「あははははは!お父さんナイス!」


俺「ははははは」


父「お母さんは、一言多い!(笑)」


みゆのご両親、おもしろい方だ!最高だよ!


バタン


俺「今日は、本当にありがとうございました」


後部座席に荷物を置き、みゆのご両親に挨拶をする。

父「またいらして下さい」


母「大野くんによろしくお伝え下さい(笑)。松本さん…」


俺「はい」


母「娘を…よろしくお願いします」


深々と頭を下げるみゆのお母さん…。


俺「はい…必ずみゆさんを幸せにします」


俺のその言葉を聞いて安心しているようだった。


俺「では、失礼します」


俺は、再度頭を下げると車に乗り込んだ。


バタン


少し送れてみゆがやって来た。


俺「どうしたの?」


みゆ「…もらった」


みゆの手には、「けいとう」と「ほととぎす」の花が…


俺「プッ…笑える。まさか…」


みゆ「玄関の花は『コリウス』にされていたわ(笑)」

俺「みゆのご両親って、ステキだよな…。


俺達もあんな夫婦になりたいね」


みゆ「そうね。


潤もコリウスプレゼントするの?私に(笑)」


俺は、みゆの顔を覗き込んだ。


俺「そうしようかな(ニヤリ)。だって、みゆはまだ相葉くんのファンだもんね…(笑)」


みゆ「…いいじゃない(笑)」

俺「相葉くん、彼女いるよ〜」


みゆ「知ってる!彼女がいても結婚しても、私は相葉くんのファンですぅ〜」


………ここまで思われてる相葉くんが羨ましい(苦笑)

父「んんっ!(咳ばらい)」


俺・みゆ「あ………(汗)」


母「フフフ…仲がいいわね〜」


………まだ車出してなかった(汗)


車のエンジンをかけ、窓を開ける。


俺「失礼しました。どうもありがとうございました」

みゆ「またね〜」


俺「あ〜恥ずかしかった!」

みゆ「私もよ…ねぇ、潤」


俺「ん?」


みゆ「私が一番好きなのは、潤なんだからねっ!」


俺「………(照)。知ってるよ!」


みゆ「あ〜、潤赤くなってる!」


俺「赤くなってねぇ〜よ!(笑)俺は、みゆを世界中の誰よりも一番愛してるんだからな!」


みゆ「………ありがとう」


俺「今日も泊まってく?」


みゆ「そうしようかな?」


ギュッ


みゆが手を握って来た。


ギュッ。強く握り返す俺。

俺「もう離さないからな…この手は」


みゆ「私も離さないよ」


………もう、俺達離れる事はないな。


お互いに見つめ合い、微笑んだ。
翔「……………はぁ」


大野「はぁ…」


にの「どうしたの?リーダー、翔ちゃん」


相葉「…今、何時?」


翔「10時50分…にの、気になってね」


大野「にの…落ち着かないんだ」


にの「大丈夫ですよ、潤くんなら…。テレビつけましょうか?」


大野・翔・相葉「うん」


ピッ


記者「ただいま、10時52分です。11時から嵐の松本潤さんの記者会見が行われる予定です」


………………………………

マネージャー「松本さん、あと5分で会見ですよ」


俺「はい。わかりました」


ふぅ…


…大丈夫だよな?


俺「あの…、俺変じゃないですか?」


マネージャー「大丈夫です!」


ポンッ!


マネージャーが俺の肩を叩く。


フッ


頑張るか!!


マネージャー「松本さん、時間ですよ」


俺「あ、はい!」


カツカツカツ…


控室から会見場へと向かう。


今日の会見の内容をしっているのは、メンバーと事務所関係者のみ。


マスコミにも、まだ知られていない。


パシャパシャ


すごいフラッシュだ


俺はその中をくぐり抜け、

ひな壇に設けられたテーブルと椅子を目指す。


正面を向き、一礼…


みゆ…観てくれているかな?


俺「本日は、お忙しい中お集まり頂きまして誠にありがとうございます…。


このたび…私、松本潤は 婚約致しました。


その事をみなさんにお伝えしたくて、ここに参りました」


記者「おめでとうございます」


俺「ありがとうございます」

俺の後ろには、金屏風…


リーダー、翔くん…そしてにのが婚約会見を行った時と同じ…


でも、今日は俺一人で会見…


リーダー、翔くん、相葉くん、にの…


俺、頑張るよ!


だから…見守っていてくれよな


ガタッ(椅子に座った)


記者「お相手はどんな方ですか?」


俺「20代の一般人の方です。優しくて、思いやりのある方です」


司会者「大変申し訳ありませんが、お相手は一般人の方です。取材はご遠慮下さい」


記者「挙式、披露宴はいつ頃の予定ですか?」


俺「挙式、披露宴につきましては事務所と相談しながら決めさせていただく事になると思います。
決まりましたら、また皆様にご報告させていただきますのでよろしくお願いします」


………………………………

こうして、無事記者会見は終了。


マネージャー「松本さん、お疲れ様。とてもよかったですよ」


控室に戻ると、マネージャーがねぎらってくれた。


俺「ありがとうございます」

♪〜♪〜♪


俺「はい…あ、はい。そうです。わかりました!ありがとうございます」


ピッ


注文していたみゆへの婚約指輪が完成したとの連絡が入った。


俺「あの〜、時間ってあります?」


マネージャー「次の仕事は14時からなので、まだ2時間半ありますよ」


俺「ちょっと行って来ます」

………………………………

店員「ありがとうございました」


店を後にした俺は、タクシーを拾いみゆのマンションへと向かった。


ピンポ〜ン


みゆ「は〜い」


ガチャ


みゆ「…………(泣)潤、観てたよ。教えてくれたってよかったじゃない!」


俺「中に入れて…」


ギュッ


玄関でみゆを抱きしめた。

俺「驚かせてゴメンな。サプライズにしたかったから黙っていたんだ」


スッ


みゆの左手を取り、薬指にリングをはめる。


俺「みゆ…幸せになろうな」

みゆ「…うん(泣)」


ギュッ


俺は、再度みゆを強く抱きしめた。
〜いつかまた、この場所で…〜

めみ「う〜ん、どっちがいいかな?」


俺「…………」


さっきからめみが鏡を見ながら一人ファッションショーをしている。


めみ「ねぇ、智。どっちがいいかな?」


俺「ん〜」


めみ「この、ビキニの水着とワンピースの水着と


どっちがいい?」


俺「………ワンピース!ビキニは絶対にダメ!」


めみ「何怒ってんのよ…」


……………だって、怒るでしょ?普通。


自分のフィアンセがビキニ着るなんて。


俺だけの前でならともかく…(照)


その他大勢の男がいる中で着るなんて!


言語道断!


俺「誰がいるかわかんねぇだろ!


日本人だって絶対来てるって!」


めみ「……まぁ、そうだけど」


そう言うと、めみはビキニの水着をタンスにしまい


ワンピースの水着をスーツケースの中に入れていた。


俺「いよいよだね。明日からか」


めみ「うん!楽しんで来る!智も、頑張ってね」


…………寂しいなぁ


俺「あ、めみ…」


めみ「ん?なあに?」


俺は、めみの左手を取ると薬指にリングをはめた。


めみ「……あ」


俺「婚約指輪。特注品」


シンプルなデザインではあるが…サファイアが散りばめられている。


海と空をイメージした物で俺がデザインを手掛けた。

めみ「これって…智が?」


俺「そうだよ…。世界でたった一つの指輪。


明日からかしばらく会えないから、これを俺だと思って…」


めみ「…うん」


ギュッ


俺は、めみを抱きしめそっとキスをした。


………………………………

めみ「あっ!ひまわりちゃん!」


ひまわり「めみちゃん!早いね(笑)」


めみ「だって、楽しみでさ〜」


ひまわり「わかる、わかる!大ちゃん、寂しがってなかった?」


めみ「寂しがってたわ(笑)。翔ちゃん、よくOKしてくれたね?反対されなかった?」


ひまわり「反対はされなかったけど、朝玄関で泣かれたわ(笑)」


めみ「あはははは」


ひまわり「あ!になちゃん、みゆちゃん(手を振る)!こっち〜」


にな・みゆ「お待たせ」


めみ「みゆちゃん、この間の婚約会見ステキだったわね…潤くん」


みゆ「私、あの日に開くって聞いてなくてさ…驚いちゃった!」


ひまわり「サプライズだったんだ!私達の時もそうだったよねぇ」


めみ・にな「そうそう」


にな「あれ?あいちゃんとけいちゃんは?」


みゆ「まだかな?あ!あいちゃん、けいちゃん!」


愛子・恵子「お待たせ〜」


めみ「これで、みんな揃ったね。じゃあ、搭乗手続しますか!」


全員「はーい!」


………………………………

相葉「ちょっと〜押さないでよ!翔ちゃん!」


翔「あ、ゴメンゴメン」


大野「翔ちゃん、そんなに気にしなくても…」


にの「リーダー…、人の事言えないでしょ(汗)」


潤「双眼鏡持ってるなんて…怪しいでしょ」


うっ…そんな事言われても…心配だもんな。


ヒナ「ジロジロ見て…気づかれたらどないすんねん!」


相葉「お前だって、あいちゃんずーっと見てたぞ!」

にの「だけど、ヒナ…お前ある意味幸せだな」


ヒナ「そうなんやな!単独の仕事が入って来たと思ったら海外ロケ。滅多にないわ。


そう言うお前達だって…偶然にしちゃすごいよな!」

翔「でも…ひまわりや、になちゃん達は知らないんだよ」


ヒナ「俺も愛子には、言うてない」


潤「だって、それが約束だったじゃん!」


相葉「みんな…静かにしてようよ。バレたら台なしじゃん!」


翔「飛行機も同じだからな…バレないように気をつけような」


全員「了解!」
にの「にな達、搭乗手続終わって飛行機に乗り込んだみたいだから行きますか」

俺「そうしようか」


翔・相葉・ヒナ「了解!」


俺「さてと…じゃあ、飛行機に乗りますか!」


ドスッ


俺「ふぅ〜。窓側だった」


俺の隣はにの。その隣は松潤。


後ろは翔ちゃん、相葉くん、ヒナの順に座っている。

めみ「楽しみだね〜私、海外旅行初めてなんだ!」


にな「私もよ」


ひまわり「私も〜!」


みゆ「みんな初めて?」


愛子・恵子「初めて」


めみ「みゆちゃんは?」


みゆ「私も初めてよ」


………女子達の声が聞こえる。席は俺達が前列の方で女子達は後なのに


いかに声がデカイかよくわかる(汗)


潤「到着まで11時間か…長いよね」


にの「俺、初めてだよ。タヒチ」


俺「俺もだよ」


翔「みんな初めてじゃね?」

相葉「だよね?」


ヒナ「初めて」


今回俺達嵐は、新曲のPV撮影の為タヒチに向かっている。


ヒナは、タヒチで働く日本人を訪ねるという番組の取材を頼まれたそうで一緒に向かう事に。


そして女子達は…


…1ヶ月前


めみ「智、私達今度旅行に行く事にしたの」


俺「ん?メンバーの彼女同士って事?」


めみ「そう。あと、愛子ちゃんも。来年、結婚したら海外旅行なんてなかなか行けないでしょ?だから行かない?って話になったの」

うれしそうに話すめみ。


でも…俺は…


寂しかった。


俺「どこに行くの?」


俺は、寂しいと言う思いを悟られないよう明るく聞いた。


めみ「タヒチ。今、訪れるにはいい季節なんだって」

タヒチか…


きれいな海が広がっているところ。


俺も行ってみたい。


一緒に行きたいな…。


でも、俺は仕事(泣)


俺「そっか…行っておいで!」


めみ「ありがとう…智」


俺も行きたいよぉ…(泣)


………それから10日後


にの「リーダー、聞いた?今度の新曲のPVタヒチで撮影するんだって」


俺「マジ?いつ?」


にの「それが…にな達の出発日と同じなんだ」


俺「本当かぁ!」


にの「それだけじゃないよ(ニヤリ)。4泊6日の日程で、PV撮影は到着したその日で終了。3日間は、オフだよ!」


俺「マジでぇ〜!!だったら、めみとタヒチでデート(ただいま妄想中…)」


にの「そうなんです!デート出来るね!俺も、になと思い出作ろうっと(ニヤニヤ)」


俺「にのぉ〜!」


にの「リぃーダーぁ〜!」


ガシッ


にのと固く抱き合った。


俺「俺達」


にの「幸せ者だ〜!!」


………………なんてアホな事してる場合ではない


俺「みんなに連絡して、計画立てようぜ〜!!」


にの「賛成〜!」
翔「それ、ホント?」


にの「ホント」


潤「偶然にしちゃ…すごくね?」


相葉「俺達ってミラクル?」

行きつけの和食屋の個室にて作戦会議中。


俺「俺もさっき、にのから聞いて驚いた」


驚くよな…新曲のPV撮影が海外で行われるって言うだけでもビックリなのに


行き先も、そして日程もめみ達と同じ…


まさにミラクル


翔「PV撮影は、到着した日で終了。あとの3日間は自由行動って事か」


にのが見せてくれた予定表を見ながら翔ちゃんが呟いた。


潤「あとさ、みゆ達の予定表をもらってそれに沿って俺達も行動するってどう?」


全員「賛成!」


相葉「では、それぞれ彼女達から予定表をもらってからまた話合うと言うことでいいかな?」


全員「了解!」


コンコン…


全員「…?」

スーッ


「よっ!」


俺「ヒナ!久しぶりだな!」

突然、ヒナ登場


ヒナ「大ちゃん!久しぶり。翔ちゃん、相葉…この前はありがとう。愛子、めっちゃ喜んでた…。あのブーケはドライフラワーにして大事に飾ってたで」


翔ちゃんと相葉くんは優しく微笑んだ。


ヒナ「潤くん!婚約会見、格好よかったな!さすが!」


潤「結構緊張したんだよ〜」

にの「だけど、あの潤くんはホント格好良かった!


で、ヒナ…今日は一人?」

ヒナ「いや。あと大倉と、横と来てん。


たまたまトイレに行ったら嵐の声がしたから、来た。

あ、そうだ!今度、愛子


になちゃん達とタヒチに行くって行ってたな。


俺も同じ日に、取材でタヒチに行く事になってな…」

翔「え?」


相葉「マジ?」


俺「俺達もめみ達がタヒチに出発する日にPV撮影の為にタヒチ行くんだよ」


ヒナ「マジかい!」


にの「ほら。これ、スケジュール」


にのがさっきの予定表をヒナに見せた。


ヒナ「俺もさ、取材は1日で終了。あと3日間は自由行動」


翔「一緒なの?じゃあさ、ヒナも俺達の計画に入らない?」


ヒナ「は?」


にの「あいちゃんは、ヒナがタヒチに行く事は知ってんの?」


ヒナ「いや、まだ言うてない」


相葉「じゃ、大丈夫。


実は、俺達自由行動の3日間彼女達と行動を共にしようって考えてんの」


ヒナ「それいい〜!!俺も入れてくれや!」


………………………………

ヒナも加わり、俺達6人はそれぞれの彼女からタヒチでの予定表をもらい話合いを重ねた。


翔ちゃんと松潤がその予定表に沿ってホテルや、レストランの予約を入れ


相葉くんがインターネットで景色のきれいなところを調べている。


俺は、お土産探し。


にのは…


にの「船に乗っての移動は勘弁ね…」


乗り物の心配をしていた(笑)。


翔「楽しみだよね…。ひまわり、喜んでくれるかな?

結婚式も延期になったしな…」


俺「大丈夫だよ。ひまわりちゃん、喜んでくれるって!」


ヒナは…


ヒナ「俺、取材させてもらう方にまたいろいろ教えてもらうわ!実際に行って聞くのもいいやろ?」


と、タヒチ在住の方からの情報収集にあたってくれる。


そうしているうちに、タヒチへ行く日が来た。


俺は、めみに知られないよう寂しい顔でめみを見送った。


翔ちゃんは


翔「俺、泣いちゃった…。嬉しくて。


でも、ひまわりはしばらくの別れを惜しんでると取ってくれたよ」


にのは


にの「演技しましたよ…。前日の夜は『しばらく会えないから』と言って…


頑張りました(照)!ムフ」

………それは、言わなくていい(爆照)!


潤「俺は普通に、『行っておいで』と。その方が自然だし」


相葉「俺も、普通に。『仕事頑張って来るね!』って電話した」


ヒナ「俺も、普通にしてたで。『楽しんでおいで』って」


こうして、俺達はタヒチへ旅立つ日の朝を迎えた。


俺「頑張ろうな!みんな……………」


zzz…


みんな寝てる…(汗)


俺も寝よ…
………………はぁ〜


にの「………………はぁ〜」

翔「………真っ暗」


相葉「到着が午前1時とは…」


潤「時差が19時間あるからね…でも、みゆ達に感づかれなくてよかったよ…暗いし」


全員「うん、うん」


ヒナ「じゃあ、俺…行くわ。今日、ホテル一緒やから夜また会おうな!」


俺「気をつけて!」


翔・相葉・にの・潤「またな」

翔「ひまわり達は、今日は、ボラボラ島に行くから…タヒチ島にいる俺達と顔を合わせる事はないよ」


にの「明日の10時、ここに到着だったよね?にな達」

潤「そうだよ。驚いた顔、早く見てぇな!」


マネージャー「明日からみなさん楽しめるように、今日のPVの撮影頑張りましょう!!」


全員「はい!」


俺達は、空港まで迎えに来てくれた現地スタッフの車で撮影場所へと向かった。

めみ達は、ボラボラ島への乗り継ぎの為ここでしばらく滞在のようだ。


………………………………

にな「ボラボラ島楽しみよね〜」


みゆ「イルカと戯れたいわ」

ひまわり「ホント。楽しみだね」


めみ「海はキレイだし…楽園よね」


愛子「時差あるけど、楽しもうね!」


恵子「今頃、何してるかしらね…雅紀達」


にな「日本は、今…夜8時だから…仕事してるかな?」

ひまわり「もしくは、食事中かな?」


みゆ「メールしてみるわ!」

全員「それいい!」


女子全員彼氏にメール(笑)

………………………………
〜♪


にの「ん?」


翔「どうした?」


にの「いえ、になからメール。『今、何してるの?』だって」


〜♪


翔「俺のところにも…ひまわりからだ。『タヒチに着いたよ。今何してるの?』だって」


にの「プッ…俺達もタヒチにいるのにねぇ」


翔「だよね〜にの。『今、休憩中だよ。楽しんで来てね』と、打ったよ。送信っと」


にの「俺も。『今、翔ちゃんと二人休憩中だよ。みんなによろしく』送信!」


〜♪


翔「ん?相葉くん達にもメール届いてるみたいだけど…」


にの「幸せそうに寝てるね…」


相葉「(寝言)…恵子、会いたかったよ…」


翔・にの「プッ…」


翔「明日、会えるって…」


にの「早く明日にならないかな…」


………………………………

ひまわり「あ!翔から返事来た。今休憩中みたいだね…」


にな「私のところにも返事来たわ。翔ちゃんと休憩中だって」


みゆ「返事来ないな〜。収録中かな?」


めみ「智は、きっと寝てるだろうな…(笑)」


ひまわり「あはは。大ちゃんらしい」


にな「あら…あいちゃんとけいちゃんは…」


みゆ「お休み中」


めみ「まだ時間あるし…そっとしておいてあげよう」

………………………………

マネージャー「そろそろ時間ですよ!」


俺「あ…はい」


翔「おはよう、智くん」


にの「リーダー、おはよう」

俺「おはよう!翔ちゃん、にの」


俺・翔・にの「………………」

まだ寝てるモデルコンビ


にの「フッフッフ。まぁさきぃ〜お・き・て」


俺・翔「ブッ!にの(爆笑)」

にの「ねぇ〜潤!抱っこしてぇ」


俺「あはははは!にの、最高!!」


相葉「恵子ぉ〜愛してるよ」

翔「止めてくれー!!相葉くん、俺だよ!俺!」


相葉「え…?わっ!翔ちゃん!ゴメンゴメン!」


潤「しょうがねぇなぁ…みゆ、こっち来いよ!」


ギュッ


にの「潤くん…俺でいいの?(照)」


潤「…にのっ!おっ俺、そんな趣味ないからなっ!」

にの「俺だってないよ…愛してるのは、になだけ(照)!潤くん、ゴメンネ〜!」

相葉「ウヒャヒャヒャ!にの、最高だわ!」


マネージャー「みなさん、起きられました?衣装に着替えて下さい〜!」


日の出をバックに撮影を行うそうだ。


そして、正午近くに撮影をして


最後は、夕暮れに撮影をする。


俺「みんな、頑張ろう!」


全員「おー!!(手を挙げる)」
私「あいちゃん、あいちゃん!」


愛子「う〜ん………」


にな「けいちゃん、けいちゃん!搭乗手続するよ!」

恵子「う〜ん……」


ひまわり「私、あいちゃんの荷物持つわ。みゆちゃん、けいちゃんの荷物お願い出来る?」


みゆ「了解!」


はぁ…あいちゃんとけいちゃんかなり深い眠りだったようで


なかなか起きない。


私「困ったわね…」


にな「あいちゃん、けいちゃん!海が呼んでるよ〜!!」


パチッ!


愛子・恵子「海!」


ひまわり「あっ!起きた」


みゆ「二人とも、海で泳ぐのを楽しみにしてたからね…」


にな・ひまわり「わかる、わかる(笑)」


空がうっすらと明るくなって来た。


そろそろ日の出かな…


智と一緒に見たかったな…

いつか、一緒にボラボラ島に行きたい。


ひまわり「めみちゃ〜ん!行こう!」


ひまわりちゃんに呼ばれてハッとする。


私「あっ、は〜い!」


飛行機へと乗り込む。


みゆ「1時間のフライトね。ボラボラ島楽しみにしてたんだよ〜私」


愛子「イルカと戯れるもんね」


ひまわり「イルカなんて触った事無いから…私も楽しみだわ!」


にな「ねぇ、ねぇ!みんな、どんな水着持って来たの?」


私「ん〜?それは…」


恵子「あとからの」


みゆ「お楽しみ!」


ひまわり「あははは。あとで見せ合いっこね」


にな「了解!」


………………………………

スタッフ「ハイ、OKです!お疲れ様。


11時まで休憩です」


翔「今、7時か…4時間あるね」


俺「寝よ」


にの・潤「俺らも」


翔「相葉く…ん…早っ!」


俺「気持ち良さそうだね」


ビーチパラソルの下で相葉くんは既に寝息を立てていた。


翔「智くん…」


俺「なに?翔ちゃん」


俺「あのさ…、実は予定変更したんだ。ギリギリで」

俺「へっ?」


翔「明後日、つまりは3日目はボラボラ島に宿泊する事にしたんだ…」


俺「ホント?ありがとう…めみが今、訪れているボラボラ島に行ってみたいって思ってたんだ!嬉しいよ!みんな、喜ぶよ!」


翔「俺も…ひまわりと同じ景色を見たかったから。
俺、出発の前日松潤とロケが一緒でさ…『ボラボラ島行ってみたいね』って話しになって。ダメ元で旅行会社からホテルの予約頼んだら空いててさ!


…いい思い出、作れるね」

俺「…ありがとう。翔ちゃん。本当にありがとう」


zzz…


にのと松潤もすっかり夢の中だ(笑)


俺「…(小声)ありがとう…松潤」


zzz…


あらら(笑)


翔ちゃんまで


もう寝ちゃった


俺「俺も寝よ…zzz…」
私「う〜んっ!いいお天気だね!」


みゆ「私達が滞在中は天気いいみたいだよ」


ひまわり「うれしいね!あ、ホテル行ってさ荷物預けようか?」


全員「賛成〜!」


私達は、無事約1時間のフライトを終えボラボラ島に到着。


ボラボラ島のホテルは、ボラボラ島を囲むようにして点在している小島にある。

その為、空港からホテルへの移動手段はボート。


ひまわり「ホテルから、迎えに来てくれてるかな?」

「上村さん?」


ボートに乗った現地の方らしき人がひまわりちゃんに声をかけている。


ひまわり「はい。あ、もしかして」


「ハイ。Hホテルからお迎えにあがりました。どうぞ」

全員「よろしくお願いします」


私「よいしょっと」


スタッフ「全員乗られましたか?」


全員「はい」


スタッフ「では、出発します」


みゆ「きれいな海だよね〜。日本では見られない、エメラルドグリーンの海だわ」


にな「うん。和と来たいなって思ったけど…無理かな(笑)」


ひまわり「にの、乗り物苦手だもんね〜。だけど、になちゃんの愛があれば大丈夫じゃない?(笑)」


みゆ「私もそう思う!だって、にのはさ〜になちゃんにゾッコンだもん。何でも言うこと聞いてくれそうだし」


めみ「実際、聞いてるしね!にのは。そう言う翔ちゃんだって、『ひまわりがいないと俺ダメだわ』って言ってたよ」


ひまわり「え!いつ?」


めみ「この前、翔ちゃんが家に来た時そう言ってたよ(笑)」


みゆ「あらあら…ごちそうさま」


めみ「潤くんもそうだよ。『みゆは、俺が守る!一生涯愛して行く!』って酔って叫んでたし(笑)」


みゆ「え〜!恥ずかしい(照)」


ひまわり「大ちゃんだって…。『俺、めみに嫌われたら生きて行けない…』って、めみちゃんとケンカした時家に来て翔に泣いて話してたよ(笑)」


めみ「ウソ!」


愛子「あははは。めみちゃんもヤラレたね」


ひまわり「あいちゃん…(ニコッ)私、この前ヒナちゃんに会ったんだけど…


ヒナちゃん、翔に『愛子は最高やで〜。全てにおいて!』って言ってたよ(笑)。私も翔もコメントに困ったわ(照)」


愛子「マジ…(汗)何話してるのよ(恥)!新五ったら」

みゆ「けいちゃん、相葉くんとひまわりちゃんが付き合ってるって初めて相葉くんに会った時は思ってたんだよね?」


恵子「うん。確かにね」


ひまわり「その事、今だに相葉くん気にしてるよ…
『恵子に嫌な思いさせたかな…?』って」


恵子「嫌な思いなんてしてないけどね…?


雅紀は、翔ちゃんとひまわりちゃんが上手く行くようにって人一倍願ってたもんね。
だから、ひまわりちゃんと翔ちゃんの婚約が成立した時の喜びようは凄かった」

みゆ「相葉くんは、翔ちゃんが大好きだもんね…。だけど、けいちゃん、相葉くんに言葉で伝えてあげたら?『気にしないで』って」

にな「私もそう思うよ。言葉で伝えなきゃいけない事もあるよ」


恵子「そうだね…。帰ったら、きちんと言葉で伝えるよ」


そう言うとけいちゃんは、ニッコリ笑った。


ひまわり「めみちゃん。相葉くんとけいちゃんも、上手く行くといいね…。あいちゃんの方は、上手くいってるみたい。ヒナちゃんが言ってた」


そっとひまわりちゃんが耳打ちして来た。

翔ちゃんとひまわりちゃんは、私達以上に相葉くんの幸せを願っているんだよね…。


けいちゃんと相葉くんが幸せになれますように…。


私はそう願っていた。


………………………………

スタッフ「もうすぐ着きますよ」


私達の目の前には、いくつかの水上コテージが並んでいた。


そう、今日の宿泊先はこの水上コテージ。


ボラボラ島と言えば水上コテージだもんね!


みゆ「楽しみ〜!」


スタッフ「ここの海は特にきれいなんです。運が良ければマンタに会えますよ」

全員「すごい!」


スタッフ「お疲れ様でした。到着しましたよ」


ガタッ


私達は、ボートを降り本日宿泊先のホテルへと向かった。


ひまわり「翔に写メ送ってあげようっと。『ボラボラ島です』送信っ!」


私「ひまわりちゃ〜ん!荷物預けて泳ごうよ〜」


私は海辺にたたずむひまわりちゃんに声をかけた。


リゾートワンピースを着たひまわりちゃん…タヒチに馴染んでる(笑)。


ひまわり「待って!めみちゃん」
ホテルに荷物を預け、


それぞれ水着に着替えた様子。


めみ「あいちゃん」


めみちゃんが私を呼んでいた。


ん?めみちゃん…水着の上にパーカー着てる。


私もだけど(笑)。


私「…みんなは、まだみたいだね。セクシーな水着を着るのに手間取ってるのかな?(笑)」


めみ「かもね〜。フフフ」


ひまわり「あいちゃんとめみちゃん、早い!」


同じくパーカーを来たひまわりちゃんの登場。


にな・みゆ・恵子「ごめーん!遅くなって」


続いて、になちゃん、みゆちゃん、けいちゃんの登場。


やはりパーカーを着ている。


全員「……………ブッ!あははははは!」


にな「せっかく泳ぎに来たのに、みんなパーカー着てちゃ意味無いよね(爆笑)」

みゆ「みんな、いっせーのでパーカー脱ごうよ!」


全員「賛成〜!」


私「じゃあ行くよ!いっせーのっ!」


バサッ


みんながパーカーを空に放り投げた。


まるで映画のワンシーンのよう…


…な〜んて感動していたんだけど


にな「パーカー拾わなきゃ…」


めみ「お気に入りなのよね、コレ」


パンパン


砂を掃っていたり


ひまわり「げ〜!濡れちゃった!」


絶叫したり


みゆ「ひまわりちゃん、ナイスボケ!」


笑っていたり


恵子「なかなか映画見たいには出来ないわよね〜」


と、率直な感想を述べたり…


現実ってこんなもんよね(笑)


……………………


全員「ブッ!」


みんなで顔を見合わせて大爆笑!


ひまわり「みんな揃ってワンピースの水着だなんて…私達気が合うわね!


と、言いたいところだけど…


みんな、言われたか(笑)!」


にな「うん。和からビキニ禁止令出た」


めみ「ビキニとワンピースどっちがいいかな?って悩んでたら、智が激怒したわ」


みゆ「私なんて、潤に『ビキニ着てもいいのは俺の前だけな』って言われちゃった」


ひまわり「ごちそうさま〜。


私なんて、翔が勝手に『ハイ、ひまわりの水着だよ』ってタンスから笑顔で持って来たんだから…」


めみ「あはははは!翔ちゃん、かわいい!」


私「私も新五に『ビキニなんて、誰に見せるんや!!ダメ!』って怒られた」


みゆ「ヒナちゃんらしい!」

恵子「雅紀もだよ…。ぷーっと膨れちゃってさ。ビキニしまっちゃったわ」


せっかくタヒチに来たんだし、ビキニがよかったって思うのはみんな同じだよね…。


めみ「ま、いいじゃない!泳ごう!午後からはイルカウオッチングだから泳げるのは午前中だよ!」


全員「うんっ!」


みんないっせいに海へと入り、水のかけあいをしたり泳いだり。


みゆ「透明度高いよね〜!」

にな「タヒチって『最後の楽園』って言うんだよね?確か」


ひまわり「そうらしいね。でも、わかるな〜」


めみ「こんなに景色いいもんね…」


タヒチ…私初めて来たけど空も海も日本では見ることが出来ないくらいの美しさ…

スカイブルーの空とエメラルドグリーンの海…


いつか…いつか新五と…


そして、ここにいるみんな

と、嵐のみんなと…


ここに来たいな…


私「キャッ!」


恵子「あはは!あいちゃん、スキあり!」


けいちゃんに水をかけられた(笑)


私「やったわね〜!お返しよっ!!」


恵子「うわーっ!」


めみ・みゆ・にな・ひまわり「あははは!楽しそうね!」

こんな感じで、午前中はあっというまに時間が過ぎていった。
俺「う…ん。今、何時?」


眩しい太陽の光で目が覚めた。


翔「ん…智くん?」


俺「あ、ごめん…起こしちゃったかな?」


隣で寝ていた翔ちゃんが目を擦っている。


zzz…


他のメンバーはまだ寝ていた。


俺「10時か…」


翔「まだ1時間あるね…あ!ひまわりからメールだ」


俺「なになに?ラブラブだね〜翔ちゃんとひまわりちゃん(ニヤニヤ)」


翔「なっなんだよぉ〜智くん(照)」


微笑ましい。


翔「智くん、ボラボラ島だって!」


翔ちゃんが見せてくれたひまわりちゃんからのメール

俺「…………すげぇ」


俺は、この言葉しか出なかった。


エメラルドグリーンの海、スカイブルーの空


そして、水上コテージ


どれもこれもすばらしい


翔「タヒチって、『最後の楽園』って言われてるんだよね…。この景色の素晴らしさから」


俺「わかるよ…こんなにキレイなんだもんね。


ここで撮ったPV、一生の思い出になるね」


翔「なるね、絶対に。一生忘れる事はないよ…」


相葉「おはよ〜」


俺・翔「おはよう、相葉くん」


相葉「ねっ、ねっ、ねっ!明日ってさ〜自由行動?」

相葉くんが明日の予定を聞いて来た。


翔「そりゃ〜ねぇ…(ニヤ)、智くん」


俺「だよね〜翔ちゃん(ニヤリ)」


彼女と、海外で一緒…


しかも、日本人はいない!

つまりは、堂々と歩ける!

……まぁ、相葉くんとヒナ以外は婚約したから


日本でも堂々と歩けるんだけどね。


相葉「明日、楽しみだな〜恵子と…どこに行こうかなぁ?」


翔「夜、ディナーは一緒にしたけど…よかった?」


俺・相葉「もちろん!」


翔「タヒチって物価高いんだよね〜(泣)


だから、リーズナブルな所探したよ…」


俺「ありがとう…翔ちゃん」

感謝するよ。


マネージャー「みなさん、そろそろ撮影の時間ですので準備お願いします」


zzz…


潤「おはよう…」


おや、今回は松潤が起きた。


寝ているのは、にの…


ニヤリ


俺「かぁずぅ〜、お・は・よ・う。あのね…愛してる!キャッ」


翔・相葉・潤「ブッ…あはははは!」


にの「俺だって…愛してるよ!にな!」


俺「あの〜、私の名前はさ・と・し!」


相葉「リ、リーダー…ブッ!あはははは!」


にの「にな〜、愛してるよ」

ギュッ


俺「………………(汗)」


翔「智くん、今日は『になちゃん』になってあげたら?(爆笑)」


にの「ん?……………!!リーダー!なっ何してんのっ!!」


俺「それ、俺のセリフっ!!」


にの「はぁ…になに会いたい…」


にのが珍しく落ち込んでいる。


翔「にの…、頑張ろう!明日、会えるからな!」


にの「翔ちゃん…(泣)」


俺だって…早くめみに会いたいよ…。


早く明日にならないかな?

潤「同じタヒチにいるのにね……」


翔「…………。日本から遠く離れた外国にいるのに、近くに愛しい彼女がいる…。会いたくなるよね」


相葉「会いたい…」


俺「頑張ろう…な!みんな!明日には、会えるんだから…」


………………………………

沈黙が続いていた。


近くにいるのに会えないなんて…


こんなのに辛い事だったんだ…


マネージャー「…………。みなさん…」


マネージャーの声で、メンバー全員「はっ!」とした。

俺達…今仕事中なんだよな

頑張らなければ!


スタッフ「…いいPVが撮れそうですね。


今のシーンには、ピッタリです」


スタッフがマネージャーに耳打ちをしていた。


今回の新曲は、愛しい人を思う曲だから…今の心境は合っているんだろうな。


にの「リーダー…もう少しの撮影、頑張ろう!」


俺「ああ!」


明日…会えるんだから


俺は気持ちを切り替えた。

にの…辛いのは、みんな同じだよ。


他のメンバーも…俺を見て頷いていた。
めみ「わぁ〜凄い透明度!!」


ひまわり「魚がたくさんいるね」


早めの昼食を終えた私達は、イルカウオッチングの為………


ただいま、ボートにてイルカの群れが見られるというスポットにやって来た。


つまりは、海の上。


ガイド「しばらくすると、イルカが寄って来ますよ」

みゆ「触ってもいいですか?」


目を輝かせながらみゆちゃんが尋ねていた。


ガイド「ええ。大丈夫ですよ。イルカはおとなしいですから」


みゆ「だってさ!になちゃん」


…私も触ってみようかな?

恵子「あれ…?」


けいちゃんがしきりに沖の方を見ている。


私「どうしたの?」


恵子「になちゃん、見て!何かいるみたいよ…」


私「え?なになに?」


………………沖の方に黒くてゆっくりと動く物がある…?


なんだろう?


愛子「あ、あれ?あの黒いの」


恵子「そう!」


めみ・ひまわり「え?どうしたの?」


私「沖の方にね、黒くて大きなものがあるの」


いったい何なんだろう?


ガイド「あれは…


マンタ!マンタですよ!


運がいいですね!なかなか見れないんですよ!」


ひまわり「そうなんですか!何かいいことがあるといいな…」


私「ホントよね〜」


みゆ「絶対あるって!」


ん?


すい〜っ


私達のボートのすぐ近くをマンタが優雅に泳いでいた。


愛子「大きいよね」


めみ「日本では、沖縄の水族館にいるだって。


たけど、自然界にいるマンタをみられるなんて…なかなかないことらしいわ」


私達のボートの周囲を泳ぐと、マンタは沖の方へと戻っていった。


しばらくして


みゆ「見て見て!イルカだよ」


3頭のイルカがボートの周りを泳いだあと


いっせいに私達のすぐ前に顔を出した。


全員「かわいい〜!!」


ガイド「触っても大丈夫ですよ」


私「じゃあ、触ってみよう〜!…ん?思ったよりゴツゴツしてるのね(笑)」


ひまわり「私も触りたい!あ…意外とごっついのね…(笑)」


恵子「ホントだ(笑)」


愛子「初めて触った〜!」


めみ「もっとヌルッとしてるのかと思ったけど…違うのね。確かにゴツい(笑)」

みゆ「私は、水族館で一度触ったことあるのよ。ゴツいよね〜(笑)」


全員「あははははは!」


………………………………

スタッフ「はい!お疲れ様でした!


次の撮影は、夕暮れ時ですので…17時から行います」

今、14時。


3時間、休憩出来るな。


潤「今頃、みゆ達はイルカウオッチングしてる頃かな?」


俺「うん。そうだね」


俺は持っていためみ達の予定表を見ながら答える。


にの「楽しんでるかな…?」

翔「間違いなく、羽…伸ばしてるだろうね…(笑)」


相葉「俺達のこと、ウワサしてるかな?」


全員「………………(照)」


にの「『和に会いたいな』とか、言って…なさそう」

翔「『翔ったら、私の水着、勝手にタンスから持って来たのよ!』とか、話してそう…」


潤「………って、翔くん…それマジな話し?(笑)」


翔「うん。そうだよ」


相葉「………マジ?翔ちゃん…エッチ(笑)」


翔「…(照)何で水着を持ったぐらいでエッチって言われなきゃならないんだよ〜!!」


にの「相葉くん、それぐらいではねぇ…(笑)」


俺「あははは(爆発)。水着ぐらい!着たって言うんなら別だけど」


にの「…………(汗)。リーダーにそんな趣味があったなんて(軽蔑の目)」


俺「ないないないない!!」

全員「あははははは!!」


潤「時間、まだあるね。何してよう?」


にの「じゃあさ、今後の夢を語ろうか?」


翔「それ、いい!」


俺「夢か…まずは、結婚式あげて〜」


潤「だよね。相葉くんは?」

相葉「え?俺?……秘密!」

にの「どうせ何も考えてないんでしょ?」


全員「だろうね〜」


………………………………

スタッフ「では、本日最後の撮影終了です!お疲れ様でした!!」


全員「お疲れ様でした!!」

無事、本日の撮影は終了した。


あとは、明日に備えて早めに 寝るとしよう!!
相葉「まだかな?」


俺「まだ」


翔「楽しみだね」


潤「あっ、飛行機着陸したよ」


大野「めみ〜!」


ヒナ「大ちゃん、まだや!」

みんな、テンション高いな(笑)


無理もないか…


昨日からみんな凄かったからなぁ


昨日、PVの撮影を終えホテルに戻った俺達は


ヒナと合流して夕食を楽しんだ。


全員「乾〜杯!」


タヒチ名物『ヒナノビール』で乾杯。


ヒナ「知ってる?『ヒナノ』ってタヒチ語で『かわいい女の子』って意味があるんやって」


俺「へぇ〜知らなかった!」

翔「ヒナ、取材した人に教えてもらったんだ!」


フランス料理を堪能しながら翔ちゃんが聞いている。

ここタヒチでは、いろんな料理が食べられるそうだ。

今日は、フランス料理。


ヒナ「そうや。教えてもらったんや」


……………みんな、元気がない?


相葉「眠い…」


大野「オイラも…」


潤「今日は、早めに寝るよ」

翔「明日はひまわりに会えるしな…」


俺「にな…(涙)」


になの事を思ったら、涙が…


ヒナ「…今日は、早めにお開きにするか」


全員21時就寝


6時起床!


で…………


相葉「にのぉ…何でこんな早くから待ってるの?」


俺達は、飛行機到着予定の2時間前…8時から空港で彼女達を待っている。


俺「…待ち切れなくて」


翔「にの…キャラ変わったね?」


………ハイ、変わりました!


だって…会いたいから…


翔「ひまわり…」


俺「…………何やってんの?翔ちゃん(汗)」


ひまわりちゃんの写真を見ながらニヤけている。


周りに日本人いないよな!

いないようだ…よかった


大野「飛行機も着いたし、そろそろ来るかな?」


にな「今日も天気よくてよかったよね〜!」


ひまわり「ホント!まず…ホテルに荷物預けようか?」


になと、ひまわりちゃんの到着


すーっ


あれ?


にな「ホテルって近かったよね?」


ひまわり「うん。近いよ」


二人とも俺に気づかずに


前を通り過ぎて行った。


俺「ちょっと!何で通り過ぎるんだよっ!」


ピタッ


になとひまわりちゃんが立ち止まって俺を見ている。

にな「?」


ひまわり「?きゃっ!」


翔ちゃんがひまわりちゃんに後ろから抱きついていた。


にな「え…?」


ギュッ


俺「会いたかった…」


にな「…和?」


俺「気づくのおせーよ!」


にな「何で…どうして…?ここに?」


翔「ひまわり…やっと会えた」


ひまわり「…翔?何で?翔?」


ギュッ


にな「和、苦しいって…」


俺はになを抱きしめている腕に力を込めた。


ひまわり「にの、翔!どうしてここにいるの?」


俺「あとで説明する」


翔「ひまわり…しばらくこのままでいさせて」


にな、やっと会えたね…


俺「愛してるよ…にな」


にな「私も…」


翔「ひまわり…愛してる」

ひまわり「痛い!痛い!髪引っ張ってる!」


俺「プッ…」


相葉「恵子!」


大野「めみ!」


潤「みゆ!」


ヒナ「愛子!」


……みんな再会出来たか


しかし、日本人居なくてよかったよ


こんなにニヤけている俺らを見せられませんから…
めみ「…智?何でここに?」

めみちゃんがぼーっとリーダーを見ている。


大野「追いかけて来たんだよ…」


ニコッ


めみ「え?」


俺「こらこら!リーダー、嘘はつかない!」


みゆ「潤?」


ギュッ


潤「会いたかった…」


潤くんとみゆちゃんは、抱擁中


しっかし、絵になる男だよ

映画みたいだ…


相葉「会いたかった…」


あらあら


相葉さん、泣いてますね


恵子ちゃんは、ニコニコしていて


対照的ですな


ヒナ「愛子、会いたかった」…」


愛子ちゃんは、ビックリして口をぽか〜んと開けてる。


そして……


翔「ひまわり、ゴメンね!本当にゴメン!」


ひたすら謝っている、我らが愛すべきヘタレ男…


ひまわり「痛い…」


髪をかなりの時間翔ちゃんのかばんにより引っ張られたらしく


ひまわりちゃんはカンカンに怒っていた。


ひまわりちゃんに頭が上がらないんだよね…翔ちゃんは(笑)


にな「和…」


俺「ん?にな…手、繋ごう!」


にな「(照)…うん!」


俺とになは、初々しいカップル…


相葉「んなわけねぇだろ?」

…邪魔が入りました(怒)


俺「相葉くん(怒笑)?どこからどうみたって初々しいでしょ?」


潤「まあまあ、相葉くん…にの、初々しいよ!」


俺「さすがは、潤くん!みゆちゃんが惚れ直してますよ」


みゆ「…潤、ステキ」


みゆちゃんの目ははーとまーくですな


大野「じゃあ、夕食まで別行動としますか?」


全員「賛成!」


翔「あ!今日の宿泊ホテルは、すぐそこに見えるTホテル。ディナーは19時から1階の中華料理のレストランだから。遅れないようにね」


全員「はーい!」


俺「にな、行こう」


にな「うん。どこへ?」


まずは、荷物だよな。


俺「荷物、預けて来る?」


にな「うん」


まずは、ホテルに向かう事になった。


にな「ねぇ、和…」


俺「ん?何?」


手繋いで堂々と歩けるなんて…幸せだなぁ(遠い目)


にな「どうして、ここに?」

やっぱりそうくるよね…普通


ドキッ


首を傾げて俺を見る仕草がかわいい…(真っ赤)


今晩は…寝ないで頑張る(ニヤリ)!


にな「和…?何考えてんのよ…朝から(怒)」


ギクッ


ハイ…だてに二宮和也の婚約者じゃありませんよね


になサン…


俺「何も考えてないよ!…それよりも、俺達がここにいるわけを知りたいんでしょ?」


にな「うん…」


ホテルに到着。


俺「まずは、荷物を預けておいで。そのあと、散歩しながらゆっくりと話すから」
俺「手、繋ごう(照)」


にな「うん…」


ホテルに荷物を預け、になと二人海辺を歩く。


今日もタヒチは、快晴で雲一つない。


にな「こんなステキな景色、日本ではなかなか見られないよね…」


…俺にとっては、になが一番ステキさ


俺「俺にとっては、にながステキだよ」


にな「…………(赤面)!!」

俺「スキあり!」


……………


にな「ん…もぉっ(照)」


だって、日本では出来ないもん


海岸沿いでキスなんてね


俺「フフッ。にな…俺達がここに来たのは、PVの撮影の為だよ」


にな「えっ…?仕事?じゃあ今何で?仕事は?」


驚いた顔をしてる。無理もないよな。


俺「PV撮影は昨日で終了。今日、明日はオフ。明後日日本に帰ります」


にな「………………ねぇ、一つ言ってもいい?」


俺「どうぞ」


にな「私達と日程同じ?」


フフフ


俺「やっと気付いた?ちなみに、タヒチに来た時も同じ飛行機だったんだよ。もちろん、帰る時も同じ飛行機だけど」


………黙っちゃった。


もしかして、怒ったか?


にな「いつ、わかったの?タヒチでPV撮影が行われるって事」


……………なんだ?そのせつない表情は


俺「2週間前。予定表をもらったらさ、ちょうどにな達と日程が同じだったんだ。

それで、メンバーと相談して…『サプライズでタヒチで合流しよう!』ってなって。


驚かせたかったから、内緒にしてた…


ごめんな」


にな「…………………。まんまと騙されてたわけ…ね…」


俺「ごめん…」


怒ってるよね。


フッ…と、になが笑った


にな「ありがとう。とても嬉しかった…まさか、旅行先で和に会えるなんて思ってもみなかったから。


ただ、昨日…ボラボラ島でイルカウオッチングをしたの。


その時、なかなか見られないはずのマンタを私達は見ることが出来た。


そしたら、現地ガイドの方が『いいことがありますよ』って言ってたんだ。


…事実、いいことあったしね!」


そう言うと、になは俺を見つめた。


俺「そうなんだ…そんな事があったんだ。


俺はね…昨日からお前に会いたくてさ


凹んでた。


同じタヒチにいるのにな…って。


まぁ、昨日はさ飛行機で1時間かかる距離だったけど…


今日、こうやって会えて幸せだよ」


にな「私もだよ…」


ギュッ


…やっぱり海外っていいな〜


日本では、外で抱き合ってたら追っかけられるからね…(汗)


日本人もいないし…


……………「おっ!熱いね〜!!」


パッ


慌てて離れた。


俺「…………何しに来たの?」


相葉「何しにって…散歩だよ。見てわかるでしょ?」

恵子ちゃんと手を繋いだ相葉くんの登場。


……………はぁ


俺「にな、商店街に行ってみない?」


にな「うん!行く!」


場所変えよう…


相葉「はい、行ってらっしゃい!!」


………………………………

俺「にのと、になちゃんに悪い事しちゃったな…」


恵子「…あとで謝らなきゃダメよ!私も謝るから」


俺「うん、そうだね」


恵子の言う通りだ。


…………………ここは、静かだな


聞こえるのは、波の音だけ。


恵子に話しておかなければならない事があるので


ここを選んだ。


恵子は、黙って海を見ていたが


今から俺が何か話すのだろうということは、理解しているようだ。


俺「3年前…とても大切にしていて、結婚を考えていた彼女がいたんだ…」


恵子の方を見る。


黙って海を見たまま、俺の話しに耳を傾けていた。


俺「だけど、その頃の俺達は嵐としての地位はまだ確立出来ず…事務所からも叱られてばかりいたよ。


そんなある日の事…」
俺「事務所に呼ばれて、幹部達から別れるように…と、言われたんだ。


俺、『嫌です』って言って隠れて付き合ってたんだ。

だけど…長くは続かなかった。


再度幹部に呼ばれて、その場で彼女のアドレスと電話番号削除させられたよ…」

辛かった…


あの時の事を思い出すと今でも涙が出てくる。


恵子「……………雅紀」


ギュッ


俺「け…いこ?」


恵子「そんなつらい事があったんだね…


何も知らなくてごめんなさい…」


俺「話せなかったんだ…。

俺、それ以来今度出会った彼女は絶対に手放さないと決めたんだ」


恵子「うん…私も離れないから!」


俺「あと、その彼女の事…ヒナも好きだったんだ」


恵子「えっ…」


恵子が驚いている。


俺「彼女は、俺を選んだんだ…」


恵子「そうだったのね…」


俺「………………」


恵子は黙って海を見ていた。


恵子「だから、ヒナちゃんと雅紀は私とあいちゃんを好きになったのね…」


ニコッ


そうなんだろうな…


恵子「私も、雅紀に言わなきゃいけない事があるの…」


俺「え?なに?」


恵子は、俺から目を逸らし下を向いていた。


恵子「雅紀は、私が初め…雅紀とひまわりちゃんが恋人同士だって思った事は知ってるよね?」


俺「知ってる。きちんと説明すべきだったのにって今でも後悔してるよ…


そのせいで、恵子に嫌な思いさせたし…」


恵子「違うよ、雅紀」


俺の目をしっかり見ている…


恵子「私、嫌な思いなんてしてないよ。初めから…」

俺「え?マジ?」


恵子「マジ」


………………………(汗)


どういう事だ??


恵子「雅紀が私に2回目、声をかけた時…わかったの」

2回目…ゆうきのお見舞いに行った帰りの時か


恵子「あの時雅紀は、ひまわりちゃんの事を『大切な友達の彼女』って言ったわ」


俺「…言った」


恵子「あの時の雅紀の目は真剣だった。


この人、嘘はついていない

そして…友達やその彼女の事も気にかけられる


優しい人なんだ…


って思ったんだから」


そう言うと恵子は微笑んだ。


恵子「私の選んだ人は…ステキな人だった…」


俺「…………………」


恵子「ねぇ……雅紀」


俺「ん?なに?」


大きく深呼吸…


???


恵子「雅紀…結婚…」


俺「ストップ!!」


恵子「なに?雅紀」


俺「俺から言いたい…


恵子、俺と結婚…して下さい!」


恵子「…………………」


俺「……………………」


まさか…俺のはやとちり?

恵子「…ハイ(照)」


俺「マジ、マジ?やった〜!!」


恵子「キャッ!」


俺は嬉しさのあまり


恵子を抱きしめていた。


俺「幸せになろうな…。一緒に」


恵子「うん」
大野「それでは、みなさん…乾杯!」


全員「乾〜杯!」


ゴクゴクゴクゴク…


俺「ぷはぁ〜!うまいね、ヒナノビール」


翔「おっ!ご機嫌だね〜にの」


俺「そりゃあ…ね」


俺は隣にいるになに視線を向け、右手で抱き寄せた。

ひまわり「幸せよね、になちゃん」


翔ちゃんを見たあと、になと顔を見合わせ


にな・ひまわり「ね〜っ」


二人して鏡に映ったようにして首を傾ける。


大野「あはははは!になちゃんとひまわりちゃん、息ピッタリ!」


にな・ひまわり「あはははは」


俺「貴女方…笑うタイミングも同じですよ!」


女子全員「ぶっ…あははははは」


潤「にの…女子、全員だよ(笑)」


相葉「しかし、女子達ホント仲いいよね〜」


ヒナ「同じ境遇にあるから…な」


みゆ「みんな、料理来たよ!食べよう!」


めみ「おいしそう〜!タヒチっていろんな料理食べれるよね」


恵子「しかもおいしいし!」

愛子「幸せだよね」


みんな運ばれて来た料理に舌鼓を打つ


俺「うまい!」


本場の中国で食べている訳ではないんだけど、マジうまい!


翔「あ!みんなに明日の予定を言っておくね」


翔ちゃんが予定表を出し


翔「ひまわり、1枚取って回して」


ひまわりちゃんに回すよう指示している。


明日って…………(汗)


翔「みんな、予定表は回ったかな?」


全員「はーい」


翔「明日は、午前10時に空港集合。で、ボラボラ島へ渡ります。


女子達は知ってるよね?


ボラボラ島での移動手段」

女子全員「はーい!」


翔「ボラボラ島の空港からホテルまでは、船…ボートになるのかな?


が、移動手段となります。

なぜかと言うと…ボラボラ島のホテルは空港を囲むようにして点在する島に建設されているからね。


宿泊先は水上コテージ。


部屋は6つ取ってあるから…ま、言わなくてもわかるよね(照)」


大野「タヒチで過ごす最後の夜だもん…」


リーダーとめみちゃんが見つめ合っている。


はぁ…船?ボート?


どちらかで移動なんだよな…


気持ちが落ち込む


はぁ…


にな「和…大丈夫?」


になが俺を心配してくれている。


俺「ありがとう、心配してくれて。


でも…俺お前となら大丈夫だと思う」


にながいるもんな。


それに…ボラボラ島、行ってみたい!


になと、そしてみんなと…

『最後の楽園』と呼ばれるタヒチで


たくさんの思い出を作りたい。


食事も終わり、みんな雑談を始めた。


みゆ「ねぇ、さっきから気になってたんだけど…相葉くんにヒナちゃん


妙にニヤニヤしてない?」

……言われて見れば


俺「何かいい事あったの?」

ヒナ「あ…うん」


相葉「うん」


翔「なに?何があったの?」

めみ「教えて〜!」


ヒナ「愛子と結婚することになりました!」


全員「おめでとう〜!!」


相葉「恵子と結婚します!」

全員「おお!おめでとう!!」


そっか…二人もついに結婚か


俺「幸せに…な」


ヒナ「ありがとう、にの」


相葉「にの、ありがとう…」

………………………………

バタン


俺「やっと、二人きりだね(照)」


にな「うん………(照)」


異国情緒も手伝ってなのか

ベッドの上で愛を確かめ合った俺達の行為は、いつもより


激しさを増していた。


にな「ねぇ…和」


俺「ん?なに?」


ベッドに右肘を付き頭を支えた形でになの方を向く


にな「明日…大丈夫?ボートに乗るんだけど」


心配してくれているんだな…


俺「お前がいるから、大丈夫…不安になったら手、握って」


にな「うん」


……酔い止めの薬も持って来たし


明日、頑張ります…
翌日


空港で待ち合わせて、約1時間のフライト


そして…………


大野「すげ〜!ひまわりちゃんが翔ちゃんに送った写メと同じ景色だ」


俺「………すごいよな」


ボラボラ島に到着


ひまわり「翔…」


ひまわりが声をかけてきた。


俺「夢が叶ったよ…。お前と、そしてみんなと…ここへ来たかったんだ」


潤「あの時、決めてよかったね…俺、この景色一生忘れない」


ひまわり「ステキでしょ?タヒチが『最後の楽園』って言われる理由がよくわかるよね…」


潤くんとひまわりが海を見つめている。


タヒチに旅立つ前日、予定を変更したかいがあったよ…


にの「…………にな、俺頑張る!」


……………にの(失笑)


にのは、乗り物が苦手なのでこの話しを伝えるとなると…


潤「にの、嫌がりそうだよね…」


翔「『俺、行かない』って言うかも…」


そう松潤と話してたのだか

にの「行く!になもいるんなら、行く!」


………マジ?


相葉「愛の力だよ、翔ちゃん」


相葉くんは、おもしろがっていたが


大野「結婚も控え、考え方が変わってきてるんだよ」

この智くんの言葉はかなり説得力があった


…そうだよな


にの自身、変わったんだよな


いい意味で…


スタッフ「こんにちは」


空港にホテルのスタッフが迎えに来てくれていた。


全員「こんにちは!よろしくお願いします」


スタッフ「では、こちらにどうぞ」


みゆ「私達を迎えに来てくれたボートより大きいよね〜」


めみ「私達を迎えに来てくれたボートは10人乗りだったからね」


潤「このボートは20人乗りなんだって」


女子全員「へぇ〜」


にの「………にな、手…握ってて」


にな「うん」


……………にのが甘えてる(笑)


にの「酔い止めの薬、飲んだし…準備万端!」


と、さっき話してたのに


になちゃんにもたれかかるようにして座っている。


潤「ホテルまでは約10分だってさ」


大野「了解!今日、夕食何時から?」


俺「あ、それみんなに言わなきゃ!」


スタッフ「みなさん、大丈夫ですか?」


全員「は〜い」


スタッフ「では、出発します」


ボートは静かに動き出した。


俺は、予定表を取り出し夕食の時間と場所を確認した。


今日は、タヒチで過ごす最後の夜。


夕食は、海に面したフレンチレストランを予約。


海に沈む夕日が格別らしい

タヒチ最後の夜にはピッタリだろう…


俺「みんな、今日も夕食までは…みんな自由行動…だよね」


コクンコクン


みんないっせいに頷いている(笑)


俺「夕食は19時。ホテルからは少し離れているので…18時40分にホテルに迎えの車が来るんだ。遅れないようにね!」


全員「はーい!」


スタッフ「お疲れ様。到着しましたよ」


ホテルに到着。


にの「大丈夫だったよ。この様子だと、明日も大丈夫かと…」


にのが笑顔でボートから降りる。


やはり…愛の力か?


俺「ひまわり…荷物置いたら島をドライブしないか?」


ひまわり「ドライブ?」


俺「うん。いい場所があるんだ…」


ひまわり「うん!行く!」


インターネットで調べて、オススメの絶景スポットを探して来てよかった…。


バタン


レンタカーに乗り込み、走り出す。


ひまわり「ボラボラ島は、40分ぐらいで島を1周出来るんだってね」


お!よく知ってるな


俺「そう。そんなに大きくない島だからね。


ここは、ハネムーンに人気らしいよ」


ひまわり「あはははは!私達も一足先にハネムーンみたいだね!」


俺「ひまわり…『みたい』じゃなくて、ハネムーンにしようよ!」


ひまわり「え?」


俺「…連れて来てやりたいけど、なかなか行けないだろう?


俺の仕事上…


だから、せめて今…ハネムーンにしたいんだよ。


ダメ?」


ひまわり「そんな事ないよ…


ありがとう、翔」


ニコッ


ひまわりが笑っていた。


翔「ここは、山と海がキレイに見える絶景スポットだよ」


ひまわり「すごい…」


スッ


俺はひまわりの肩を抱き寄せた


俺「ひまわり…また、ここへ来ような」


ひまわり「………うん!」


絶対に…な
ここは、タヒチの中心街。

めみ「一昨日は、イルカウオッチングに行ってたからここには来れなかったのよね…」


俺「そうだろうと思って…ここへ誘ったんだよ」


めみ「ありがとう」


めみが喜んでいる…幸せだなぁ(泣)


中心街と言っても、高層ビルなどは無く


平屋の店が軒を連ねている。


ここは、時間がゆっくりと流れているようだ…


めみ「智、ここ入ってもいい?」


めみが示した店は、黒真珠を扱う店。


黒真珠のネックレスはタヒチのお土産で人気No.1だそうだ。


あとは、パレオやヒナノビール


ヒナノグッズの灰皿などが人気らしい


めみ「ステキね〜!一つ買おうかしら?」


めみはすっかり気に入ったようだ。


めみ「智〜、どう?」


めみがネックレスを首に当ててこちらを見る。


………上品さがあって、なかなかいい!


何よりめみに似合ってる(ニヤニヤ)


俺「いい!似合ってる!」


めみ「ホント?」


俺「うん!」


めみ「じゃあ、これにしようかな?デザインが気に入ったわ」


俺「めみ、そのネックレス貸して」


めみ「?はい」


どうしたの?という表情をしている。


手頃な値段だ。


俺「これ、下さい」


めみ「………?智?」


俺「俺からのプレゼント」


めみ「……(泣)智…ありがとう」


いつも、寂しい思いさせてるからな…


少し早いクリスマスプレゼントだよ


「あれ〜奇遇だね」


ん?


声のする方を向くと…


俺「松潤!」


みゆちゃんと手を繋いだ松潤がいた。


…幸せオーラが全身から出てるよ


みゆ「潤、見ていい?」


潤「勿論!みゆなら、何でも似合うな!」


めみ「潤くんとみゆちゃん、ラブラブね(照)。目のやり場に困るわ〜」


俺「ホント…あんな松潤、なかなか見れないから


めみ、見納めだと思って見ておいたらいいかも(笑)」

いつも冷静な松潤も、海外だと…


普通に街を歩いているカップルと何ら変わらないね。

日本だったら


婚約したとは言え、いろんな人が振り返るし


追いかけられたりもする


自分で選んだ道ではあるけど…


時々考えてしまう


俺自身、選んだ道は正しかったのだろうか…?と


ギュッ


めみが俺の手を握り微笑んでいる


めみ「智…これからもずっと支えて行くから…」


……………………凄いな


俺の考えている事、わかるんだ


俺「…ありがとう


めみ、よく俺の考えている事がわかったね」


めみは、笑っていた。


めみ「わかるわよ…だって、智の事ちゃんと見てるから」


俺「ありがとう…」


俺は、めみと出会えて本当によかったよ
みゆ「……きれい」


にな「こんなステキな場所があったなんて…」


めみ「夕日のオレンジと、海のブルーが何とも言えない幻想的な世界を作り出してるわね」


ひまわり「ありがとう…潤くん、翔。こんなステキなレストランを予約してくれて」


俺「お礼なんていいよ、ひまわりちゃん」


翔「そうだよ…ひまわり」


ひまわり「でも、親しき仲にも礼儀ありだから。言うべき事は、きちんと言うよ!」


にの「ひまわりちゃんの言う通りだよ。潤くん、翔ちゃん…ありがとう。二人のおかげで、こんな素晴らしい景色を見る事が出来たんですから…感謝しなきゃ」

恵子「今日が、タヒチで過ごす最後の夜だもんね…」

愛子「言葉に出来ないくらい素晴らしいプレゼントだわ…本当にありがとう。潤くん、翔ちゃん」


みんな口々に俺と翔くんにお礼を言った。


みんなに改まって言われると…照れ臭いな


翔「…松潤」


翔くんがそっと耳打ちして来た。


翔「よかったねみんな喜んでくれて」


俺は黙って頷いた。


みんなの喜ぶ顔が見れて、俺は幸せだよ…


大野「さて…料理も運ばれて来た事だし、みなさん乾杯しますか!」


それぞれヒナノビールが入ったグラスを持つ。


大野「ではみなさん…タヒチで過ごす最後の夜と、みんなのこれからの幸せを願って…乾杯!」


全員「乾〜杯!」


ゴクゴクゴク…


相葉「ふぅ〜明日で、タヒチともお別れだね…」


料理を食べながら相葉くんが呟く


にの「……凄く楽しかったな」


翔「ホント…このまま時間が止まればいいのにって


何度思ったか…」


翔くん…


翔くんがそんな事を言うなんて…


珍しい


だけどきっと、ここにいるみんながそう思っただろう…


俺や翔くん、リーダー、相葉くん、にのは日本に戻れば『嵐』としての忙しい毎日が待っているし


ヒナは…関ジャニ∞としての活動が待っている


それに…ここにいるように変装せずに街を歩いたり、フィアンセと一緒に街を歩く事も


難しい


にな「…翔ちゃん、私達もとても楽しかった。それに、同じ事を思ったわ。


だけどね、そうやって現実から目を逸らしても何も解決しないんじゃないかな?」


にの「確かに…になの言う通りだよ。


だけど、俺達はやらなきゃいけない事がある。


それを忘れないようにしなきゃね」


翔「うん…来年には、みんな結婚するんだもんね。


これからは、より責任が増えるって事を俺は忘れていたよ」


ヒナ「でもさ、翔ちゃんの言うように『このまま時間が止まってしまえばいいのに』って思えるくらいの楽しい時間は必要やで。


これからもずっと…


そうする事によって俺ら、気分転換出来るし」


大野「そうだよな…


!そうだ!


みんな、また何年後になるかはわからないけど


またここに来ないか?」


めみ「うん!また、みんなで来たい!」


相葉「賛成!」


にの「賛成!」


全員「賛成!」


大野「じゃあ、全員一致で決定しました!」


パチパチパチ


みゆ「ねぇ!写真撮らない?みんなで」


俺「うん!いいね!撮ろう」

翔「みんな、海と夕日をバックに撮ろうよ!」


恵子「じゃあ私、店の人呼んで来るわ。シャッター押してもらう人必要でしょ?」


…………しばらくして、恵子ちゃんが店員さんを連れて来てた。


恵子「お待たせ〜」


ひまわり「けいちゃん、こっちこっち」


1列目右からにの、になちゃん、リーダー、めみちゃん、俺、みゆの順に並び


2列目右から翔くん、ひまわりちゃん、相葉くん、恵子ちゃん、ヒナ、愛子ちゃんの順に並んだ


店員「ハーイ、トリマスヨ!ハイチーズ」


カシャ


全員「ありがとうございました!」


店員は、笑顔で俺達に手を振ってくれた。


みゆ「ステキ…」


ひまわり「一生の思い出よね」


めみ「うん。忘れられないね…」


にな「今度来た時も…この場所で写真撮りたいね」


恵子「もうしばらくいたいわ〜」


愛子「ね〜?いたいわ」


女子達がデジカメに納められた写真を見ながらトークをしている。


辺りは既に日没となり、ライトアップされたコテージが俺達を別世界へと誘っていた。


翔「じゃあ、そろそろホテルに戻るとしますか…」
バタン


翔「みんな、お疲れ様」


食事を終えた俺達は、迎えの車に乗り込みホテルへと戻って来た。


翔「明日は、8時半にホテルを出て9時の飛行機でタヒチ島へ向かう事になるので…みんな、遅れないようにね」


全員「はーい!」


翔「で、10時の飛行機で日本に帰りるからね」


全員「了解!おやすみ…」


みんなそれぞれコテージへと向かった。


タヒチで過ごす最後の夜…しかも水上コテージでの宿泊


ロマンチックだよな…


みゆ「潤…」


上目遣いでみゆが俺を見ている。


………ギュッ


俺「みゆ…」


みゆ「ん…」


俺はみゆを抱きしめ唇を塞いだ。


そしてそのままベッドに押し倒し服を脱がせた。


みゆ「ん…潤…」


ドキッ


みゆがいつも以上にかわいく見えるのは…タヒチという異国ならではのマジックなのか


それとも…


みゆ「ん〜今日の潤、ステキ過ぎる…はぁ〜」


俺もかなりヤバいか



みゆの髪を優しく撫でながら


俺「みゆだって…誘ったじゃないか。だからつい…(照)」


みゆ「だって、タヒチの最後の夜だからね…明日帰るんだと思うと


誘っちゃった(赤面)」


俺「今度、ここに来るときは子供がいそうだな…」


みゆ「…潤、いいの?」


俺「何が?」


みゆが一点を見つめている。


みゆ「私…子供、産んでいいの?」


……………まさか


俺「みゆ、もしかして…」


みゆは、「は?」と言った表情をしている。


みゆ「潤…何か勘違いしてない?」


俺「え?」


みゆ「今じゃないの!だって、潤の仕事での立場上…子供はいちゃいけないのかなって


ずっと思ってた。


もし、そうだとしても


私は潤のそばにいるつもりだった」


…………知らなかった


いや


そばにいたのに、俺はみゆが子供の事をそんなふうに考えてるなんて気づいてやれなかった…


何やってんだよ…俺


ギュッ


俺は、みゆを強く抱きしめた。


俺「ごめん…気づいてやれなくて。


結婚したら子供、産んでくれ。


一人よりも二人かな?」


クスッ


みゆ「ありがとう…」


みゆの目にうっすらと涙が

遠慮なんかしなくていいのに…


何でも言って欲しいのに…

俺「みゆ…、何でも話してくれよ。


頼むから」


みゆ「だって…私覚悟を決めてたんだよ。


潤と結婚するんだからさ。

だけど、私…本当は子供が欲しかったんだ」


俺「俺だって欲しいよ…


ねぇ、みゆ」


みゆ「ん?なあに?」


俺「幸せにしてやるよ」


みゆ「うん!」


俺は、タヒチでみゆとの絆がさらに強くなったのを感じた。
全員「お世話になりました」

ボラボラ島の空港に到着。

私達は、ボートで送ってくれたホテルスタッフにお礼と別れを告げた。


スタッフ「またぜひ、お越し下さい」


翔「はい。また来ます!」


翔ちゃんが笑顔で話している。


潤「みんな、そろそろ搭乗手続きだよ」


にの「おっと!急ぎますか!」


時計を見たにのがになちゃんの手を取り空港内へと駆け出して行く。


翔「ひまわり、行くよ!」


潤「みゆ!」


相葉「恵子、走ろう!」


大野「めみ、行こう!」


ヒナ「愛子!」


……………ふぅ


何とか間に合った


私「乗り遅れなくてよかったね(汗)」


潤「ホント…」


にの「タヒチ島に着いても、すぐ乗り換えだからね」

大野「急がなきゃ」


翔「だね(汗)」


………タヒチ島に到着


にの「みんな、揃ってる?」

全員「はーい!」


大野「みんな…また、絶対にこのタヒチに戻って来ような!」


全員「うん」


私達は、顔を見合わせて誓い


飛行機へと乗り込んだ。


私「楽しかったね」


潤「そうだね…」


私「何だか眠くなってきた…」


私は気がつくと…深い眠りについていた。


………………………………

どのくらい時間が経っただろうか?


「…………ゆ」


「み………………」


誰かが私の名前を呼んでいる?


私「う…う〜ん」


伸びをすると、眩しい光が差し込んできた。


…………………夢?


潤「みゆ、おはよう」


私「あ、おはよう…潤」


潤「………どうしたの?狐につままれたような顔して」


私「え…だって…」


ここは…私の家だ…


私「あれ?」


潤「どうしたの?(笑)」


…夢、みてたんだ


「ママ、抱っこ」


私「ひおな!おはよう」


潤「いい夢、見てたの?」


私「うん。喫茶店で、誰かを待ってたの。


近くの席にね、女の子が二人いて…『嵐の恋愛話聞きたくない!』って叫んでた(笑)


そして、私は潤と初めて出会った時の事や


みんなで行ったタヒチでの思い出に浸ってた」


潤「…懐かしいな、タヒチ。あれから2年が過ぎたんだよな…」


そう、もうあれから2年の月日が流れた。


嵐のメンバーはそれぞれ結婚し、


私と潤も結婚式を挙げた。

そして、翌年…私は娘を出産


潤「名前なんだけど…『ひおな』ってどうかな?」


私「タヒチの言葉で『雪』だよね」


潤「うん。今さ、窓を見たら雪がちらついてて…。キレイだなって思ってさ。


タヒチは、俺達にとって思い出の場所だからな」


生まれて間もない我が子を見つめながら潤が話す。


私「ひおなちゃん、よろしくね。…目元と鼻は潤にソックリ!」


潤「え?そう(照)?ひおな…、生まれて来てくれてありがとう」


それから2年。ひおなは、もうすぐ2歳になる。


潤「みゆ、そろそろ準備しないと!」


私「………あ!そうだね!すぐ支度する」


潤「ひおな、もうすぐ飛行機に乗るよ」


ひおな「ひこーき?」


そう、今日は…


みんなでタヒチに行く日だ。


私「お待たせ!」


潤「行こうか!」


私「みんな来てるかな?」


空港に到着


にの「みゆちゃん!久しぶり!おっ、ひおなちゃん…潤くんに似てきたね」


翔「さ、行こうか」


にな「久しぶり!みゆちゃん!」


ひまわり「ひおなちゃん、もうすぐ2歳だよね。大きくなったね!」


になちゃんとひまわりちゃん。


二人もしっかりお母さんになっている。


私「久しぶり、になちゃん。ひまわりちゃん。そうなのよ、もうすぐ2歳よ」


搭乗手続きを済ませると…めみちゃん、けいちゃん、あいちゃんが待っていた。

めみ・愛子・恵子「みゆちゃん!」


私「久しぶり!」


この三人も、今ではすっかお母さんだ。


めみ「また、女子だけで楽しみたいよね!」


ひまわり「賛成!」


女子全員「子供達、お願いしま〜す」


翔「………ったく、しょうがないな(笑)子供達、おいで〜」


にの「強いよね(笑)…お宅のひまわりちゃんとうちのにな」


大野「ま、いいじゃない」


相葉「そうだね」


潤「たまには、楽させてあげなきゃ…」


ヒナ「そうやな」


こうして、俺達はまたタヒチへと旅立った。


みんなの絆を深めるために…


大野「これからもずーっと仲間でいような!」


全員「勿論!」


おわり

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