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陰陽師@二次創作小説コミュの【天狗二十三】

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【天狗二十三】

柴「一体どういうことだよ!?」

姫「どうかしたのかい、柴天狗」

柴「どうもこうもないよ。山の妖怪達にあの陰陽師一行を倒せって言いふらしても、あいつらは山の妖怪を助けるいい奴だって言って誰も言うことを聞かないんだ」

姫「そりゃあんたが日頃からさんざん妖を利用したりしていらないことばっかりしてるからだろ。自業自得だよ」

柴「いらないこととはなんだよ、姫天狗」

ころく「あの陰陽師…山の妖怪達までも手懐けるとはなんて奴だ」

比叡「柴、お前ほかの式神の力が欲しいのか」

柴「まぁね。だいたい僕がガチンコで出迎えたところで大したことはできないからね。
なにも馬鹿の一つ覚えに勝負しなくたって、ほかの力自慢の式神にやってもらえれば、それでいいんだからさ。
ようは頭の使いようだよ」

姫「柴、あんた今遠まわしにあたし達のこと馬鹿にしたろう」

比叡「ふむ。ならば柴天狗、亜種の妖共を使ってはみないか」

ころく「亜種…ですか?」

比叡「あぁ。比叡の山に封じられし異空から漏れ出でた妖気に触れた妖怪が変化した、言わば似て非なる存在。
もとの妖よりも好戦的な奴らだから、使い勝手は良いだろう。この神器にその妖気を含ませれば、自在に亜種を作り出せる。試してみるか」

柴「ふぅん。なるほどね。うん、その案いただくよ比叡天狗」
※※※※※※※※※※

天狗達の持つ神器を取り返すため、比叡の山にそびえ立つ東の塔へと歩みを進めてゆく私達でありました。
道中山の妖達の姿を見ても、すぐに茂みの奥へと隠れていって、こちらに襲いかかったりしてこないあたりはおそらく風精獣の長からの言伝が広まっているおかげなのでありましょう。
平穏な旅のおかげで少しずつ赤目の怪我も良い方へと向かってきているようでありました。

火男「大丈夫か、赤目」

赤目「うん。まぁまぁってとこかな。ちょっと腹がかゆいんだけどこの包帯のおかげで掻けやしない」

薬師「掻いてはいけませんよ。余計治りが悪くなります」

そう話しながら仲良く歩みを進めていくと、遠くの方から高い雄叫びの声が響いてきました。
何事かと遠くを見れば、一匹の式神が猛烈な勢いで走ってきます。

奔雲「陰陽師一行とお見受けする!いざ、尋常に我と勝負!!」

ダンッと地を蹴りこちらへ跳び、繰り出される拳を慌ててよけると、まるで巨大な風の壁が押しつけてきたかのような強力な風が吹き荒れ、あたりの木々や石を吹き飛ばしてゆきました。

奔雲「む…ぅうん。我が拳を避けるとは。なんと腰の抜けた陰陽師よ…」

ぱら、ぱらと、拳を受け止めた大岩は無数のひびが入り、ズズ、と拳が引き抜かれると同時に音を立てて崩れ去ってゆきました。

天空「なんだ、あいつは」

柴「あははははは!」

はっとして目の前の木を見上げれば、柴天狗が愉快そうにけらけらと笑っておりました。
私「柴天狗!?」

柴「やぁ、久しぶりだね陰陽師。このあいだはよくも神器を奪ってくれたね。
でも今までは遊んでいただけだよ。今からが本気だ。
まずは手始めにその奔雲を倒してみなよ」

私「奔雲…!?」

振り向けば、はぁぁあ!と気をためる奔雲の姿がありました。

柴「そいつは血の気が多くてね。ちょうど強い相手を捜してたんだってさ。
まぁ、せいぜい全滅しないように頑張りなよ、陰陽師」

そう笑うと蛇のように木肌を這って忍び寄る天空の煙に気がついたのか、柴天狗はさらに木の高いところへと、ぴよんっと飛び移ってゆきました。

コメント(1)

【天狗・二十四】
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