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陰陽師@二次創作小説コミュの【天狗・十四】

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【天狗・十四】
姫天狗の繰り出す風に再び身を潜めた私達でありました。

火男「くそっ。あの風どうやって打ち破ったらいいんだ。」

薬師「火男、真正面から打ち破ろうとしても無駄と言うものだ」

火男「だったらどうすれば…」

天空「一つだけ策がある」

私「なんですかそれは」

天空「よく思い出してみろ。奴が風以外で唯一攻撃してきた時があっただろう」

天空の言葉に薬師の顔を覗き込んだ私と火男でありました。
その薬師の顔には新たにくっきりと下駄の跡が刻まれておりました。

私「直接攻撃…ですか」

天空「あぁ。その時なら俺達も手が出せる。問題はどうやってやつにそこまで頭に血を上らせるかだ」

そういうとちらりと天空も横目で薬師の顔を見たのでありました。

薬師「お…俺か!?嫌だぞ。絶対嫌だ!お断りさせていただきます!」

私「作戦のためです。薬師殿」

天空「俺も大概だとは思うが、口のうまさでは薬師の方が圧倒的に上だからな」

薬師「都合の良いときだけ持ち上げるな!絶〜対嫌だ!
なぁ。火男。お前もなんか言ってくれよ」

火男「ん。俺の知ってる薬師は顔の傷ぐらいすぐに治せちまう凄い薬師だからな。頑張れ、薬師」

べっと舌を出して火男に助けを求めた薬師でしたが、予想外の火男の返答にしばし呆けて口をぱくぱくさせた後、薄情者だのなんだのと騒いでおりましたが、こちらが勝つには薬師の協力は不可欠なものなのでありました。
※※※※※※※※※※

姫「見つけたよ。陰陽師!」

響く声に上を見上げると空を舞う姫天狗と目が合いました。

姫「そぅら。もう一発くらいな!」

ビュンッと空を切り振り下ろされた葉団扇からはまたもや強い風が吹き荒れ、岩場を風が通り抜ける際に剥き出しの地肌が抉られて、もうもうと濃い土煙が舞い立ちました。

姫「ちっ…。また姿をくらませやがって。まぁ、いい。この土煙さえ晴れたら終わりにしてやるよ。陰陽師」

そう呟いて空を飛ぶ姫天狗の耳に微かに声が届きました。

薬師「見たでしょう。お弟子殿。なんと乱暴な男でありましょう」

私「まったくですね」

薬師「しかも男の癖に姫と名乗り、女物のような柄の着物を纏うだなんて変態なのではないでしょうか」

天空「同じ妖として恥ずかしいな」

薬師達の言葉を聞いた姫天狗は明らかに逆上した様子でありました。

姫「なっ…!にぃい〜!!あの薬師の奴!好き放題言いやがって!どこだ!何処にいる!?」

辺りを見回す姫天狗の目に土埃の奥深く、ちらりと笠を目深にかぶった薬師の姿が映りました。

姫「いやがった!下手に風を起こしたら、また土埃が立つのが厄介だからね。もう一発ガツンと食らわせてやるよ!」

そういうと上空から全体重をかけて急速に薬師目掛けて落下をしてゆきました。

姫「食らえ!!」

姫の下駄が薬師の影に触れそうになったそのとき。
ふっと薬師が着物だけとなり、体はたちまち煙となってしまいました。

姫「な!?油断した…!」

突然のことに動きを止めた姫天狗の背に強烈な闇の波動がぶつけられました。

姫「っ痛…!!ちぃっ!よくもやってくれたな!」

天空「ふん。すぐかっとなるのは悪い癖だな。姫天狗。さっさとその厄介な神器を渡せ」

姫「くっ…。誰が…!!」

僅かにふらつきながら立ち上がり、再び中を舞おうとする姫天狗が葉団扇を握る手に力を込めようとしたときでありました。
姫天狗の遥か頭上で枝葉にひっかかり足をばたつかせていた赤目が大枝をへし折って落ちてきたのでした。
その枝のひとつが姫天狗の手を掠め、神器を私の腕の中へとたたき落としたのでありました。

姫「しまった!神器が…!!くっ…!仕方ない。一旦逃げよう…」

傷を負い、神器を失った姫天狗は慌てて比叡の山の奥へと飛び去って行ったのでありました。

コメント(1)

【天狗・十五】
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