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陰陽師@二次創作小説コミュの妖怪小話其之四十四【闇橋姫・後編】

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【真・橋姫後編】
遂に晴明様のもとへ橋姫討伐の命が下されました。

「相手は相当な呪いの手練れ。十分注意してください」

と、猫又に橋姫の様子見を任せました。
橋姫の呪いとは、丑三つ時に人型の藁に釘を打ち付けることから
『丑の刻詣り』と呼ばれるようになっておりました。
しかし、術式の様子を他者に見られると神力は半減し
下手をすれば術者へ返るといわれております。
ですから様子見とは言え橋姫にとっても猫又にとっても命を賭ける大仕事なのでした。
さてすっかり夜もふけたころ神社の御神木の前にに白装束を纏った橋姫が現れて
カーン、カーン、と人形に五寸釘を打ち付けてゆきました。
人を呪い殺す快感から歪められた口元から

「死ねぇ…、死ねぇ…!!」

と呟きが漏れる様子はなんとも恐ろしいのでした。

(もう十分にゃ。はやく帰って晴明様に報告しないと…!
橋姫は噂以上に邪悪な妖怪になってしまったようだにゃ)

と、猫又が戻ろうとしたとき、かさりと地に落ちた枯れ葉を踏みしめてしまいました。

「見たなぁ!」

と、振り返った橋姫の口は耳まで裂け、眉間から鼻にかけては深い皺が刻まれ、赤く充血した両の瞳がキッと猫又の姿を捉えました。
あまりの恐ろしさに全身の毛がぶぁっと逆立つのを感じた猫又でありましたが
無理にも足を動かしてすぐにその場を立ち去りました。
しかし鬼と化した橋姫は尋常ならざる速さで猫又を追い
去り際にその長い尻尾を手で掠め、幾本かの毛を手にいれてしまいました。
橋姫は早速藁人形に新たな獲物の毛を仕込み、五寸釘をグサリと突き刺しました。
その時です。パァンという鋭い音とともに晴明様が猫又に施した結界が橋姫の動きを完全に封じてしまいました。
やがて駆けつけた晴明様は橋姫にこう語りました。

「もう観念なさい橋姫。
貴女が人を呪う度に貴女の子供が地獄で責め続けられているのを知っていますか。
あなたの子供は死産だったかもしれません。
けれど魂は今も優しい貴女に会いたいと涙を流してじっと耐え続けているのですよ。
はやく罪を償って子供を迎えにいってあげなさい」

それを聞いた橋姫はぽろぽろと涙を流しました。
それからというもの、橋姫は人々を守る守り神として今なお宇治川を守り続けているので御座います。

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