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Yua's factoryコミュのFinal Destiny4-2

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足元の魔物の赤子を殴り、マルヴァジタの放った不気味な黒い球体へ殴った赤子を投げつける。
赤子に触れると球体は破裂し、そこから触手が伸びて赤子を飲み込んだ。

「ぐ、ぬう……口惜しや……」

マルヴァジタの忌まわの際の台詞。
マルヴァジタは自らの体液でどろどろと熔けていく。
間一髪。ソニアは何とか生き残る。
すると、パンパンパンとドニスは手を叩いた。

『見事見事』

余裕である。
側近を失ったにも関わらず、眉ひとつ動かさない。

「次は、あなたの番です」

ソニアは言って足に力を込める。

『もう一度だけチャンスをやろう。我が配下になれ。私自らが寵愛してくれるぞ?くっくっく』
「断る」
『意地を張るな。足が震えておるぞ?』
「震えてなどっ」

虚勢だ。明らかに震えている。
恐怖など頭では感じていない。しかし体は意に反し、真逆の反応を見せる。
戦闘能力で言えば遥かにドニスの方が上だと、幾度もの戦いを潜り抜けてきたソニアの体は理解しているのだ。

『くっくっく、そう恐れることは無い。近う寄れ…その柔肌を撫でてくれよう』
「ふ、ふざけるな!」
『……そのような態度でいいのか?』

ドニスは眼光鋭く射抜く。
それだけで膝が笑う。ガクガクと、まるでそこだけ地震が起きたように。
違う、違う!恐れてなどいるものか!
そう頭の中で唱えるも、足の震えはやがて体全体へと移る。

『勇者と言えど可愛いものよ』

ドニスはソニアの背後から声を掛ける。いつの間にかドニスはソニアのバックを取っていた。

「貴様っ!」
『遅いなぁ』

振り向くソニアを片手で抱き寄せ、ドニスは頭を撫でる。

「やめろ!離せぇ!」
『ふふふ、暴れるでない』

その気になれば岩盤をも破壊し、大木も軽々と持ち上げる力がソニアにはある。
だが、ドニスの腕の拘束からは逃れることは叶わない。父親の腕の中で暴れる乳飲み子の如く。
やがて、ドニスはソニアの胸元に爪を引っ掛け、ゆっくりと服を引き裂く。

「やめろ…やめろぉ!」
『くくく…勇者と言えど女よな。小さいながらも膨らみがあるぞ』
「殺す…殺してくれる!」
『我を?貴様がか?』

ソニアの露となった乳房に爪を立てると、いとも容易く血が流れ落ちる。

『このまま突き立てれば貴様の心の臓を突き破ることも出来る』
「…やれ。やってみせろ!辱しめを受けるくらいなら死ぬ方がマシだ!」
『そうか…ならば辱しめてやろう』

瞬時にドニスはソニアの衣服を爪で引き裂き始める。

「やめろ!くそぉお!」

ソニアの右腕が空気を引き裂く。拳がドニスの腹を捉える。ドスンという衝撃。

「ぐうっ!?」

ダメージはソニアに返る。
そう、岩盤よりもダイヤモンドよりも硬い皮膚がそこにあった。
大斧も無くしたソニアは絶望を味わう。

『ふあーはははっ!勇者が母胎であればさぞかし強者が産まれるであろう!死よりも苦痛な辱しめを味わい、我が子を孕むがいい!』

身を包むものは最早ショーツのみ。
拳を握るも、通用しないことを悟り、ソニアは虚脱し小さく呟いた。

「シェリル様…ごめんなさい…」

何処から湧いたのか、滑り気のある腐った肉でできたような赤黒い触手が部屋のいたるところから現れ、ソニアの四肢に絡まる。
そしてそのまま持ち上げられると、ドニスの前へとソニアは差し出された。

『安心しろ、苦痛は初めだけだ。色に狂わせてやろう…くくくくく』
「…」

既に何かを言う気力も無くなった。あまりにも強大な敵に、ソニアの力は較べるも無く無力だった。
もう、どうでもいい。
そんな風に思った。



「勇者ってのはね――――諦めたら駄目なのよ」



聞き覚えのある声と同時に体が一瞬浮く。
見ると自らを縛る気色の悪い触手は切られていた。
体が落ちる。その瞬間にふわりと抱かれ、また宙空へと体が持ち上げられる。

「もう、何?そんなスタイル良くなっちゃって。イヤミねぇ?」

お姫様抱っこでソニアを抱えるその人は――――

「しぇ、シェリル様!」
「ごめんね。お待たせ、ソニア」

パチッとウインクして見せて、シェリルはドニスへ視線を向ける。

「久し振りねドニス!暫く見ぬ間に吐き気をもよおすほどの“男前”になったんじゃない!?」
『……シェリル…己ぇえ!』

ギリリッとドニスの歯軋りが聞こえる。
そしてシェリルは着地をするとソニアを下ろす。

「ごめん、こんなの想定外だったから服とか毛布とか無くて…」

そう言ってマントを外すとソニアに被せる。

「これしか無いの」
「シェリル様…シェリル様…私…」
「ほら、泣かないの。まだ終わってないんだから」
「…はい」
「装備はもう無いの?」
「…はい」
「ソニアの装備を至急用意して!」

誰に言うともなくシェリルは叫ぶ。

「シェリル様?」
「うん、ここに来る途中で何人かの気配を感じたの。多分サスケの斥候部隊だと思うから今のも伝わってるよ…おそらくだけど」
「…多分とかおそらくばっかりじゃないですか」
「いいのよ!そんな場合じゃないでしょ!」
「ふふ…相変わらず行き当たりばったりですね」
「もう、うるさいわねぇ。ソニアだって相変わらず細かいじゃない」

ソニアの震えは、いつの間にか止んでいた。
いや、恐怖はまだあるのかもしれない。しかし、仮に負けたとしても、シェリルと共に命を懸けるのならば恐くはない。
ソニアは笑みを浮かべる。

「何よ?気持ち悪いわね」
「シェリル様となら、私は死ぬのも恐くありません」
「バカ、生きるのよ!生きて貴女お奨めの極上ワインを私に奢りなさい」
「…はい!」
「じゃ、一先ず貴女は休憩ね?」
「え?」

言うとシェリルは消えた。
刹那、ドニスが前方へ音を立てて倒れる。シェリルはドニスの後頭部へ蹴りを放っていた。
ソニアでも揺るがすことも叶わなかったドニスを、いとも簡単に転がせてみせるシェリル。

『グォオオアアアア!!』
「うるさい」

雄叫びを上げて立ち上がるドニスの顔面にもう一つ蹴りを放つ。シェリルの足はミリミリとドニスの顔面にめり込み、ドニスは後方へと弾き飛ばされて壁に衝突した。

「ふぅん…なるほど、硬いわね」

言いながらけろっとしているシェリル。

「す…凄い」

魔界へ行ってからどれだけレベルを上げたのか。或いは他次元に行っている間にレベルを更に上げたのか。
ソニアには計り知れない。

「このままじゃ勝てないなぁ」
「え?」

圧倒的に押してると思っていたが、シェリルの言葉で動揺するソニア。
ドニスはゆっくりと立ち上がり、笑みを浮かべる。

『そんなものか…シェリル』
「ううん、まだ4割。でもあんたなんか2割も出してないでしょ?」
『くくく、バレておったか』
「漏れ出てるから、闘気。ビリビリ刺さるのよ」
『…どうだ、シェリル。貴様も我が』
「ならないって。あなたはここで討つよ」
『…台詞を先読みするな』
「悪党の台詞なんて大抵決まってるのよ。配下になれ、でしょ?素直に『はい、なります』なんて簡単に言えるくらいならね、最初っから勇者なんてやってないっての!」

剣の柄を右手で握ると一足跳びでドニスの前まで躍り出る。
ドニスはただ左手を前に翳す(かざす)。
シェリルの斬撃。
ドニスは左手で防ぐ。カキィンと金属の音が鳴り、傷ひとつ付かない。

「やっぱり硬いっ!」
『今度はこちらの番だな』

ドニスは防いだ手を返し、電撃を放つ。

「私に電撃?」

シェリルは大きく飛び退き、迫り来る電撃の前で床に剣を突き立てる。
電撃はその避雷針となった剣へぶつかり、バチバチッと音を立てて床へ霧散する。

「雷獣と呼ばれた私に電撃なんて――――」

否、電撃は死んでいない。
霧散した青く光を放つ電撃は赤くなり、やがて黒く鈍い光を放って床を這いシェリルへと向かう。

「くっ!魔界の呪文か!」

後方へと軽快に跳ねながらシェリルは避けるが執拗に黒き雷は後を追う。
通常の雷とは異なる為、ダメージはどれくらいのものになるか分からない。

「このままじゃヤバイかもっ!」
「木は土より出し、金を以て滅す――――」
「!?」

別の方角から呪言が聞こえる。

「五行相剋(ごぎょうそうしょう)の理に因りて生じ滅する陰陽の法…木煉破符!」

声の主が何かしらの札(ふだ)を三枚ほど投げると、それは床に突き刺さる。
すると黒い雷はその札に吸収されていき、札は全て燃えた。

「蓮花殿!」

シェリルは呪符を投げた主、蓮花に声を掛ける。

「しぇりるさんもまだまだねぇ〜。五行相剋も学んでないのぉ?」
「お恥ずかしながら」
「五行相勝(相剋)は火、水、土、木、金。五行相生は木、火、土、金、水」
「何が何やら…」
「桃花源でやり直しねぇ」
「面目ない」

ころころと笑う蓮花に苦笑いのシェリル。
ソニアはそんな二人を見ながら少し、つまらなそうな顔をする。

『ほう、なかなか面白い術を使うな』

ドニスは蓮花に威圧をかける。
蓮花はひらひらと踊る。

『主は仙女か』

ひらりひらり。
蓮花はドニスに答えない。

『我の言葉に聞く耳持たぬか…ならば死ぬがいい』

ドニスは眼前で拳を握り、念じると赤子の魔獣が一斉に蓮花へ飛び掛かる。

「この子らに罪は無いのにねぇ」

言って蓮花は新たに呪符を取り出し、赤子の攻撃をひらひらとかわしつつ、額へ呪符を貼り付けていく。

「ギニャァアアアッ!」

符を貼られた赤子は浄化の光に包まれ、粒子となって消えていく。

「苦痛は無いよぅ。輪廻の理の元へお行き…」
『ぬうっ…!』

ドニスは唸る。

「るぅあはまだぁ?」
「分かりません」
「何処で油を売ってるんだろうねぇ?」

シェリルは困った顔を見せるが、ドニスから巨悪な気を浴びせられ、直ぐ様戦闘態勢を取る。

『雌に翻弄されるのがこうも煩わしい(わずらわしい)とはな…』
「雌って言うな」
『好かろう…少しだけ、我が力を見せてくれる』

ドニスは『ぐおおおお』っと叫ぶと筋肉が膨れ上がった。およそ1.5倍ほど体のサイズが大きくなる。

「やばいかも!」

――――と、シェリルが言った瞬間にシェリルは天井まで吹き飛びめり込む。

「ぐはぁっ!?」

ドニスは瞬時にシェリルの目の前まで移動し、蹴りあげたのだった。
そして間も無く天井にめり込んだシェリルの腹部にドニスの拳が突き刺さる。より深くにめり込むシェリル。

「ぐえええっ!」
『おいおい、オンナノコが漏らす喘ぎ声じゃないだろう?くくく』
「シェリル様っ!」

悲痛に叫ぶソニアを嘲笑うかのようにドニスは二度、三度と拳をシェリルの腹へとめり込ませる。

「ぐえっ!ぐふっ!」
『どうしたどうした?余はまだまだ遊び足りぬぞ?』

シェリルの血反吐を浴びながらそれでも嗤う。
幼子が悪戯に蜻蛉(とんぼ)の羽を毟るように。蜘蛛の尻から糸を引っ張るように。
ほんの少しの力を加えるだけでいとも容易く命を弄ぶことが出来るほどの絶対的な力が、そこにあった。

「あぐっ!ぶえっ!おえええっ!」
『ふはははは!口から臓腑をぶちまけよ!貴様の腸(はらわた)はさぞかし美しかろうなぁ!ふぁーっはっはっ!』

やはり、差は歴然か。
誰をもってしてもドニスには勝てないのか…。

「シェリル様っ!シェリル様ぁあああっ!!」

ソニアの絶叫が虚しくこだまし、シェリルの苦痛に歪む喘ぎが、部屋を包んだ。






Final Destiny 4-3 http://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=5718354&id=76656795

コメント(12)

>>[2]

ふふふ、二度もコメントを書くとは。
そうなのです、ファンタジーは実は大の苦手分野でして、描写などを文字に起こすのが私には大変な作業でした。
ここで、度重なるファンタジー系エロゲーが発揮!
触手サマサマです♪
>>[4]

それなら【アナルとチツの女王】がいいんじゃない?
パロものはPさんの方が得意そうだけどww
>>[6]

恐るべしって何よw
これくらいなら汚した内に入らないですよ♪
(´_>`)文体が読みやすい。



(´_>`)表現力ゴイスー。




(´_>`)語彙がロイヒー。


※ ゴイスー→凄い
※ ロイヒー→広い
>>[8]
業界用語www
ありがとうございます♪
おかげさまで今すらすらと続きが書けています。
そろそろこの物語が終るとなると、ちょっと寂しく思いながら……。
子供が手から離れていくような、複雑な気持ちです(^_^;)
蓮花殿TSUEEEEEEE(;゚Д゚)!つか、この作者どんだけ触手好きなんだろう(ーー;)
>>[10]

蓮花をただの踊り子と思ったら大間違いなのです♪
彼女の活躍はまだまだありますよん(゚∀゚*)

触手はまあ……あれですよ。
エロゲのせいですw

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