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Yua's factoryコミュのFinal Destiny4-4

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『――――それで、何でここに居るんだ?』
「僕が聞きたいくらいですよ!」

悟空の問いにルーアは強く返す。

「んなことオイラに言われてもなぁ」

悟空は相変わらずポリポリと尻を掻く。

「兎に角!急がなきゃならないんですって!」
『まぁでもここの時間は向こうより遅ぇから大丈夫だろうけどなぁ。ん?いや、もしかしたら歪み(ひずみ)が出来てるか?』
「どうでもいいですから!人界へはどう行けばいいんですか!」
『人界はあっちの梅の木の上だよ』
「また觔斗雲ください!」
『あん?觔斗雲なら呼べば来るぞ。何でもいいから呼んでみ?』
「ほんとですか!?…き、觔斗雲よぉい!」
『ぶはっ!なんだその呼び方!』
「う、うるさいですよ!」

すると上空から雲が飛んできてルーアの前で止まる。

「ほ、ほんとだ!」
『んじゃ、行ってこいや』
「はいっ!」

ルーアは雲に飛び乗ると梅の木に体を向ける。

『待て』

いざ行こうとした矢先に声を掛けられ、ルーアは觔斗雲から転げ落ちる。

「な、何ですか!」
『おいらじゃねぇよ。呂尚だ』
「リョショウ?」

悟空が顎で示す先に、さらりとした銀髪の若い男が立っていた。

「あ、あのですね、どこの誰か分かりませんけど今は緊急事態なんですよ!後にしてくれませんかね!?」
『おまっ、どこの誰って!呂尚知らねえのか!?』

悟空が驚いて声を張り上げる。

「知りませんよ!というか急いでるんですから!」
『太公仙人だよ!太公望!』
「だから誰ですかそれ!」
『お前っ!』
『いいよ悟空、異世界の人には分かるまい』

呂尚…太公望は凛とした声で悟空を諌める。

『まあ、呂尚が言うならいいけどよぉ』
『それより君、るぅあだったか』
「ええ、そうですが?用があるなら早くしてくれませんかね?」
『なに、私も厭な気を感じていてね。このままではここも危険なようだ』

太公望は山を、空を見上げて眉をひそめ、憂いの貌(かお)をつくる。

『……人の手だけで、どうにかなるのかな?』

ルーアには向かず、空に向かって太公望は問う。

「…僕らだけじゃない。魔族も幻獣も、仙女も戦ってくれるんです。この戦いで……歴史は変わる!変えてみせるんです!」

太公望の問いに強く返すルーア。

『…仙女?悟空、仙女とは』
『はは、蓮花が向こうに行ってるみたいで』
『蓮花が…?ふむ、成る程……』

手で顎を擦り、太公望は何やら考え込んでいる。
ルーアはそののんびりさにいい加減我慢が出来なくなってきた。

「あのですねぇっ――」
『足りぬもの……。一つ……否、二つ、か?』
「はあっ?」
『これは――――ふむ、偽り(いつわり)?』
「ちょ、何なんですか!こっちは急いでるっていうのに」
『るぅあ黙れ。呂尚はな、“先を読む”んだ』

今度は悟空がルーアを諌める。

『……悟空、妲己(だっき)を呼べ』
『いいいっ!?あの悪女なんか呼んでどうすんだ!?』
『いいんだ。他にそうだな……左慈(さじ)と女媧(じょか)、伏義(ふっき)も要るか』
『おいおい、そりゃ大事じゃねぇか!?』
『うん、大事なんだ。蓮花だけじゃくるくると廻ってるだけだからな』
『そりゃそうだけどよぅ…そんなら妲己は要らねぇだろ?』
『妲己は“仕掛け”を解く鍵に使う』
『仕掛け?』
『そうだ。…ああ、るぅあ君。君はもう行っていいよ』
「へ?」

会話は置き去りにされて、それで今度は御払い箱にされた。何のための時間だったのか。
しかしイライラしてても始まらないので、ルーアは気持ちムカつきながら觔斗雲に乗る。

「じゃ、じゃあ僕はもう行きますからね!?」
『どうぞ』

完全に蔑ろ(ないがしろ)にされている。何の為に呼び止めたのだと更にイラっとさせて、それでもルーアは觔斗雲で梅の木の上空へ目指した。




※※※※※※※※※※※




魔王城が眼前に聳える(そびえる)。
ミストは愕然とした。

「え?どうなってんの?人界じゃないの?」

しかし、人界への扉は魔王城の鏡がある。あれならば望む場所へと運んでくれるので、魔王城の前で良かったのかもしれない。これが仙界や他の場所なら絶望的だった。

「まあ、それは良しとしても……」

魔王城前の門には以前には居なかった筈の恐ろしいモンスターが居た。
頭が三つ、龍の尾と蛇の鬣(たてがみ)をもった全長およそ8メートルほどの狼。

「ケルベロスじゃね……?」

門の両サイドに、そのケルベロスが二体、ミストに体を向けている。
しかし、まだ臨戦態勢ではない。あと数歩、ミストが近付けばすぐに襲ってくるであろう。

「何でケルベロスが居るんだよぉ…」

正直ミスト一人では手に余るほどのモンスターである。地獄の番人、冥界の番人と呼ばれるのも頷けるほどの圧迫感がある。

「でも……ビビってらんないんだよね」

ミストは意を決して一歩踏み出す。すると鼻をピクリとさせ、二体のケルベロスは脚の関節に力が入った。

「うおっ……、恐ぇ!でも、ここで負けられるかぁっ!」

勢いよく地面を蹴り駆け出す。
瞬間、ケルベロスは前足を折り曲げ臨戦態勢に入った。牙を剥き、グルルルとミストを威圧する。
ミストは剣を抜き魔力を込める。

「はぁあああっ!烈風――――」

と、ケルベロスとミストの間にドスンッと、上空より降り立つ者が現れた。
大地を揺るがすほどの大きさと重さ。
その主は龍族の中でも獰猛(どうもう)とされるヒドラであった。硬く赤い鱗(うろこ)は刃も魔術も通らないと言われている。
ヒドラはフシューと小さく火を吐く。

「あ…あわわわ」

ケルベロスだけでも厳しいと思っていたが、ヒドラまで加わるとなると勝ち目は薄いどころの話ではない。
しかし――――

「び、びびびびっ、ビビらねぇぞ!おま、お前らなんか、ここここ、この剣の錆にしてくれる!」

ミストの虚勢を受けてもヒドラは全く動じずに眺めている。

「そ、そこをどけぇ!」

ジャキッと改めて剣を構えるミストに、ヒドラは眼を細める。

『魔王様は…人界か?』

ヒドラは人語を話す。

「え?」
『魔王様は人界かと聞いている』
「魔王って……シェリル殿のことか!」
『……我等魔族は魔王様へ謁見(えっけん)せねばならぬ……』

ヒドラは大きく赤い体躯を伸ばし、両翼を振るう。

『人の子よ、魔王様の元へ我等は行く』
「いっ!?」
『邪王ごときに後れを取り、魔界をも侵略させるなど……赦さぬ(ゆるさぬ)』
「ど、ドニスを知ってるのか!?」
『過去一度、邪王が降りた。その時も人が邪王であったな』
「お、おい!それはどういう」
『グォオオオオオオオンッ!』

ヒドラは咆哮する。
大地も、空気までも震え、その衝撃だけでミストは後ろへ転がる。
すると、魔物の大群が魔王城に押し寄せてきた。
石と土塊(つちくれ)で出来た巨大な人形(ひとがた)モンスターのゴーレム。
ライオンの頭と山羊の胴体、毒蛇の尻尾を持つモンスターのキマイラ。
頭に無数の毒蛇を生やし、黄金の翼を持つメデューサ。
その他大勢の上級モンスターがミスト達を囲む。

「む、無理無理無理無理!」

一瞬で挽き肉にされる画がミストの頭に浮かぶ。

『ふん、人との共闘……久しからずや……』
「は?」
『先に行け、人間。行って魔王様の為にまずその命を捧げよ』
「は!?」

ヒドラ、ケルベロスは横へ退け、魔王城への道が開かれる。

『者共!戦(いくさ)の準備だ!』
『グオオオオオオオッ!!』

測りきれないほどの魔力が充満している。
ミストはその迫力に圧されるように飛び出し、魔王城内へと向かっていった。


――――ズボンを少しばかり、濡らして……。







Final Destiny 4-5 http://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=5718354&id=76656872

コメント(27)

>>[2]

また2回もコメントww
博識じゃないです。これでも色々と本やらネットやらで調べてるんですよ(^_^;)
スープーシャンも出るのかな……とか思った(笑)
>>[4]

スープーシャンっていうのは知らないや(^_^;)
>>[5]

ジャンプに掲載されてた封神演義の太公望の相棒だよー
下のカバみたいなやつね(笑)
>>[6]

あー、見たことある。読んだことはないけど(^_^;)
大勢の上級モンスターに囲まれたミストの気持ちが痛いほど分かる(´;ω;`)
>>[8]

wikiより
いわゆる超古代先史文明や古代宇宙飛行士説の考え方を巧みに組み込み〜
〜〜〜〜〜〜中略〜〜〜〜〜
『週刊少年ジャンプ』において、
【円満に最終回を迎えることのできた数少ない作品の一つ】である。



円満に最終回を迎えられなかった作品ってどんだけあったんでしょうねww
>>[7]

俺も冒頭から少しぐらいしか読んだことない(笑)
ゆあが読んだ封神演義は、原作の方?
>>[10]

少年ジャンプに限って言えば、僕はBASTARD!!−暗黒の破壊神−を、最後まで読みたかったです(´;ω;`)
>>[12]
Bastard!は、まだ完結すらしてませんし話が完全に迷走してますよ(笑)
>>[13]

まだ終わってない?マジですかー(;゚Д゚)!
週刊少年ジャンプで、アンスラサクスと戦ってたとこまでは読んでる記憶あるんですけど、その後の休載=自然消滅かと思ってましたw
>>[14]

とりあえず、コミックは26巻まで出ています。
ちなみにアンスラサクスは14〜16巻です。

ネタバレになりますが、
アンスラを倒したはずのDSも死に、
DSを復活させるために人類たちは、人類を滅ぼしに来た天使に戦いを挑む。

そして数年後(※)、天使と悪魔たちは地球を舞台に、再びハルマゲドン(?)を起こし
(※DSが復活したのかしないのか、天使との戦いの結果など、経緯すら書かれていないが、どうやら人間の戦士たちは全滅したくさい)

生き残った人類たちは、その狭間で天使に殺されるか、悪魔に貪り喰われるかの恐怖に怯えながら逃げ惑う生活を強いられる。


そんな中、ある子爵級魔神が、最後の生き残りの人類たちに攻撃を仕掛ける。
が、いつの間にか復活していたDSが(地獄をさまよっていたが復活したらしい)
人類の盾になりその攻撃を受け、また殺されるww(首だけになるだなぜか生きている)

その子爵級魔神は、最強の4大熾天使の1人であるはずのウリエルを一方的に追い詰める。
その力の秘密は、ウリエルの妹だった。

悪魔の謀略に落ち、妹を目の前で無残に引き裂かれたウリエルは遂に神を憎み、堕天使(=悪魔)となってしまう。

堕天使になろうとするウリエルの暴走を止めるため、大天使長ミカエル(♀)は、その最大の炎の力を持ってウリエルを殺そうとする。
その力をDSが吸収し、見事に復活を遂げ、ミカエルに顔射(文字通り)する。




という感じです(笑)


さらにまだ続きがあるけど、長くなるので割愛(笑)
>>[9]

怖い美熟女にでも囲まれたの?www
>>[11]

その作品自体読んでないよ。
仙人を調べただけだからキャラ作りは私のオリジナルになるだろうけど。
>>[15]

ありがとうございます!中二病時代の私はニンジャマスター・ガラだったんで、ちょっと本屋さんで探して来ますw
>>[16]

大勢の上級鬼女さまに囲まれた(´;ω;`)
(´_>`)RPGとかの世界で上級モンスターに囲まれるって、リアルで893とか悪役プロレスラーとか暴走族のチャンニーに囲まれるのと似た様な威圧感があんのかな。
>>[21]

そうかもww
死を覚悟するレベルww
>>[007] ゆあ
ゆあって、ちょいちょい年代の違い顕にするよね
誰もが読んでる漫画知らないとか大杉。
大正生まれじゃ仕方ないけど
>>[012]
3週くらいで、二度と掲載されなかった気が・・・
少年誌にしてはおっぱい画大杉DAKARA?
>>[23]

私もそこそこ漫画は詳しい方だけど全部は読んでないし、いくら有名でも例えばスラムダンクとかは趣味に合わないから読んでないよ。
多すぎってのも変だなぁ。そこまで漫画で知らないなんて言ってないけど。
あとね、『誰もが読んでる漫画』なんて存在しないからね?
>>[26]

何故、ぷんすかさせることに気付かない

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