戦争は、なくせるコミュのイラクからのメッセージ

　６月の１１日にイラクで政教分離を訴えている組織、ＩＦＣ（イラク自由会議）からアルマン・ファラキシュさんと言う方を自分の住んでいる大田区に招いて講演をしてもらいました。
その講演の一番印象に残っている言葉を載せさせて下さい。
読むのには５分くらい掛かりますけど、お時間のある人はどうぞ読んで下さい。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿皆さんはイラクの状況について非常に多くの見出しや記事を見聞きしていることでしょう。おそらく現在の情勢や、イラクと中東地域に増強して配備されている兵力の数についてよく知っているし、イラクの選挙や新しい議会や新しい政府について聞いている人も多いでしょう。

どうかお願いしたいのですが、みなさんを少しだけ異なった旅に連れて行かせてください。目を閉じて想像して下さるだけで結構です。

それは早朝の、多分、午前６時か６時半のことです。目覚し時計が鳴ってあなたは目を覚ましましますが、おそらく少しハッとして、まごついています。
あなたは体を起こし、身支度をして、家の子ども達に支度をさせて、手っ取り早く朝食を取り、動き回って何も忘れ物をしていないか、子供の通学バックの用意が出来ているか、宿題は全部できているか、サンドイッチは包んであるかを確認します。
あなたは仕事着にソースや子どもの指のあとが付いていないことを確認して、家を出る前に最後にもう一度鏡を見て後に何もやり残していないかを確認しようと頭が一杯になります。

　あなたはバスか列車に乗るために道を歩いていきます。あなたは歩きながら愛する子どもの手を握り、話しかけてくることを一生懸命聞いて、おそらく子どもの純真で無垢な話に微笑みかけ、次に話す言葉を考えています。突然、大音響が轟きます。あなたは全く引き戻され、集中力も、思考の連鎖も自分がどの辺に居るのかの意識も失います。あなたは自分の手を見ます、あなたが手にしている唯一の物は子どもの重みです。それは路上爆弾でした。あなたはもう何も手に持っていません。悪臭と、衝撃と、そしてあなたは絶叫します。
「なぜなんだっ！！」と泣き叫ぶのです。

　これが毎日イラクで暮らす全ての人々が生活している現実の悪夢なのです。この悪夢の現実の中では、男性であるか女性であるかなど問題になるでしょうか？２０歳であるか、５０歳であるかなど問題になるでしょうか？アラブ人であるとかトルクメン人であるとかクルド人であるとか、問題になるでしょうか？キリスト教だとかシーア派だとかスンニ派だとか無神論者だとかが問題になるでしょうか？仕事を持っているかわずかな賃金の仕事を探して職場から職場へと渡り歩いているだけであるかなど、問題になるでしょうか？「そんなの問題なのか？本当に問題になるのか？」とあなたは叫びます！

　そのようなことは、何の問題でもありません。全く問題ではないのです。なぜか？それはあなたが人であり、人間であり、肉体と血液でできているからです。

　自爆攻撃者の爆弾であるかどうかなど、誰が気にかけるでしょうか？路上にいる占領軍の部隊からの反撃であるかどうかなど、誰が気にかけるでしょうか？「今や民主主義の中で生活しているのではないか？」と言っても誰が気にかけるでしょうか？みなさんが「自分自身の警察部隊と自分自身のアメリカかイギリスによって訓練を受けた治安部隊」を持っていると言っても誰が気にかけるでしょうか？実際、自分自身に聞いてください、だれが気にかけるのか、と。

　全ての占領軍と全ての国会議員とその政策と政府と、全てのテログループと武装した強盗どもが手を取り合って、日々の現実となった悪の溜まり場を作り上げました。
　彼らは好きなだけあらゆるウソをつくことができます。彼らの取り巻きのメディアは、イラク民衆にとって生活がどんなに良い物になったかを示す現実隠蔽の作り話を流すために、あらゆる最新のテクノロジーと最も近代的な手段を利用できるのです！！それぞれの勢力が自分のラジオ局とラジオと中波とＦＭと短波とテレビ局とさまざまな手段を使って、そんな爆弾を爆発させることがなぜ正しいのかを説明するのです。しかし、本当のところは、ご存知のように、彼らの論証とウソは事実ではありません。イラクの生活は恐怖に満ち満ちているのです。

　１，２分の内に手のぬくもりを失うなら、手にしがみついていなければなりません。
　あなたは何かをしたいんです。あなたは自らの力と仲間の人類に依拠して、こうした寄生虫どもを社会から一掃しなければなりません。
　彼らの一員にはなれません。あなたは自らと愛する物を守りたいのです。
　あなたは社会の全ての根本を崩壊させたこうしたあらゆる勢力に終末を迎えさせたいのです。あなたは違いを作り出すことができることを実感したいのであり、同じ状況の中で他の全ての人と共にその取り組みを進めたいのです。家屋の一軒ごとと、地域の１つずつ、州の１つずつにおいてです。他の人たちの経験や努力から学びたいのです。他の人たちと、街角やカフェの中だけでなく、イラク中で、そして国境も越えて、連絡を取り合いたいのです。みなさんと連帯して活動している人々の話を聞きたいのであり、自分が何をしたいのか、何をしているのか伝えたいのです。一緒に組織化を進め、、自分の生活をコントロールしたいのです。

　あなたはあらゆる深い沈黙や死体の匂いや流血と虐殺の死の場面を終らせたいのです・・・自分の力でそうしたいのです。

　あなたは軍事占領を終らせたいし、街頭を歩き回る武装した強盗どもに終焉を迎えさせたいし、本当の生活、本当の社会を求めています。

　あなたが持ちたいのは声であり、通信の手段であり、発言する手段なのであり、それは今日イラクで他のあらゆるメディアによって行われている巨大な宣伝戦の爆撃に反対して立ち上がり、イラクでは彼らのやり方の生活を受け入れないし、イラクに野蛮とジャングルの掟を押し付け作り上げようとする彼らの試みを受け入れないと発言します。２１世紀の人類が生きる価値のある生活を送りたいのです。それは人々が性別や宗教を理由に爆弾で吹き飛ばされたり、誘拐されたり、首を切断されたり、投獄されたり行方不明になったりしない社会です。

　みなさんが求めているのは政教分離した社会であり、そこでは信条や人種や宗教や性別や年齢に関係なく、そして自らの政治的な将来をどんな物であれ人間が決定できることを認める社会です。

　これが希望です。これが今日のイラク民衆がＩＦＣ（イラク自由会議）の名前で理解していることであり、適切なマスコミ機関を必要としている理由なのです。
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以上、英文からの直訳なので判りずらい表現もあるかと思いますが、こういった内容でスピーチしてくれました。
　そこで、ここまで読んでいただけた方にお礼申しあげ、少し補足させてもらいたいと思います。

　今のイラクの混乱した情勢下で、彼らは非暴力を掲げた組織、ＩＦＣを作りました。彼らは連帯地区を作り、社会サービス（子ども保護センターや女性の為のシェルターと無料法律相談）を提供して安心して住む事ができる地域にしました。実際その地域に人が集まりだしています。
　彼らはイラク全土にそういった連帯地区を作りたいと考えています。しかし、障害があります。
　それは、伝える手段が無いんです。
新聞は民族勢力に邪魔をされ配れないし、配る範囲も小さいです。
ラジオ局はイラク内に作りましたが、爆撃の被害に合い、壊れました。
　伝える為に力になってくれるメディアは皆無です。

　そこで国外の、具体的に言うとイギリスの衛星ＴＶ会社に契約してイラクだけでなく中東地域に発信しようと考えています。
イラクの現状は、夕方からは外を出歩くのが危険で仕事が終れば家に帰り、唯一の娯楽はＴＶだけだそうです。
　それに衛星放送を見るのに、日本のように高額な使用料がかからないため貧困家庭でもパラポラアンテナをつけている家庭が多いようです。衛星放送で４００chもあり、そのほとんどがイスラム政治勢力かアメリカの大資本による放送だそうです。

　狙いは良いと思うのですが、まだ障害が・・・
イギリスの衛星ＴＶの放送権、事務所、技術者の人件費、機材などの経費は合計で４０万＄（５０００万円）・・・
そんなお金は用意できません。
だから、日本、アメリカ、フランス、韓国、等等、の反戦団体にカンパの協力を要請しました。

　長くなりましたが、国内の宗教勢力と戦う為に暴力ではなくメディアを利用しようと言う考えの賛否をこのトピックの論議の焦点にしたいと考えます。
テロとの平和的な戦い方として、これからの宗教戦争の解決策になることができるなら幸いだと感じています。
　ある程度の回答はできるつもりですから質問も受け付けます。
この長い文章を読んでいただくだけでもありがたかったです。
ありがとうございます。

　