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I love you = 月が綺麗ですねコミュの琴線に触れた言葉

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「I love you = 月が綺麗ですね」の他に、自分が好きな言葉やエピソードがありましたら書き込んでください。

コメント(2)

トピ立てから半年以上経っても放置されているという現状…
まあそれもそうか。

というわけで少し書き込みさせていただきます。


「愛は心の思考だ!」

筋肉少女帯のアルバム曲「パンクでポン!」の中で大槻ケンヂが言っていました。
聴いた当時は「すげー」と思っていましたが、実際にはコレ「愛は心の仕事だ!」って言ってるのを聞き間違えていただけっていうオチ付きです。


同じ理由で、

「“好き”の反対は“嫌い”じゃなくて“無関心”」

も好きです。
吉野 弘
「現代詩文庫」思潮社より

「I was born」




確か 英語を習い始めて間もない頃だ。


或る夏の宵。
父と一緒に寺の境内を歩いてゆくと
青い夕靄の奥から浮き出るように 白い女がこちらへやってくる。
物憂げに ゆっくりと。


女は身重らしかった。
父に気兼ねをしながらも僕は女の腹から眼を離さなかった。
頭を下にした胎児の柔軟なうごめきを腹のあたりに連想し それがやがて世
に生まれ出ることの不思議に打たれていた。



女はゆき過ぎた。



少年の思いは飛躍しやすい。
その時 僕は<生まれる>ということが まさしく<受身>である訳を ふと
諒解した。
僕は興奮して父に話しかけた。


----やっぱり I was born なんだね----


父は怪訝そうに僕の顔をのぞきこんだ。
僕は繰り返した。


---- I was born さ。受身形だよ。正しく言うと人間は生まれさせられるんだ。自分の意志ではないんだね----


その時 どんな驚きで父は息子の言葉を聞いたか。
僕の表情が単に無邪気として父の顔にうつり得たか。
それを察するには 僕はまだ余りに幼なかった。
僕にとってこの事は文法上の単純な発見に過ぎなかったのだから。



 父は無言で暫く歩いた後 思いがけない話をした。


----蜉蝣という虫はね。生まれてから二、三日で死ぬんだそうだが それなら一体 何の為に世の中へ出てくるのかと そんな事がひどく気になった頃があってね----


 僕は父を見た。父は続けた。


----友人にその話をしたら 或日 これが蜉蝣の雌だといって拡大鏡で見せてくれた。
説明によると 口は全く退化して食物を摂るに適しない。
胃の腑を開いても 入っているのは空気ばかり。
見ると その通りなんだ。
ところが 卵だけは腹の中にぎっしり充満していて ほっそりした胸の方にまで及んでいる。
それはまるで 目まぐるしく繰り返される生き死にの悲しみが 咽喉もとまで こみあげているように見えるのだ。
淋しい 光りの粒々だったね。私が友人の方を振り向いて<卵>というと 彼も肯いて答えた。

<せつなげだね>。

そんなことがあってから間もなくのことだったんだよ。
お母さんがお前を生み落としてすぐに死なれたのは----。



 父の話のそれからあとは もう覚えていない。
ただひとつ痛みのように切なく 僕の脳裡に灼きついたものが
あった。


----ほっそりした母の 胸の方まで 息苦しくふさいでいた白い僕の肉体----


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