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GRACE小説部コミュのよくある物語

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その日は朝から白い空でした。
ウェルは夢から覚めていましたが、瞼は閉じたままベッドから抜け出せずにいました。

12月の頭には昨夜のストーブもすっかり冷めてしまい、ひどいときは部屋でもウェルの吐く息が見えてしまいますから。

去年の冬は然して気にならなかった指先の冷えも、今年は耐えられそうにありません。

つまらないことに、この冷えで起きなくても良い時間に目が覚めてしまったようです。

鼻先まで冷たくなっていて息をするのがおっくうでした。

仕方なく右手をベッド脇の机に伸ばします。
秋の終わりに出来上がった毛糸の手袋と長靴を探してるんです。
それらをベッドの中で履きました。


薄暗い階段の下を降りて、まだ誰もいないリビングに向かいました。

暖をとってから準備をする。いつもの習慣です。

ウェルはリビングの暖炉の脇を見てがっかりしました。

昨夜倉庫から運んだ薪が空になっていたからです。

こういう時の犯人は決まってクィックでした。

また自分の部屋に持っていって暖をとったんだとウェルは思いました。

しかも倉庫には薪のストックが無くなってしまったので、また外から集める必要があります。

クィックは薪を補充したり集めりしないので、姉であるウェルにその事を恨まれて小言を言われています。
ま、クィック本人はそんなこと全く気にしていないようですが。

玄関を出て西側の倉庫から薪や食材を持ってくるのはいつも自分ばっかりじゃないか!

飽きずに毎年巡る思いのままウェルは玄関に向かいました。

玄関の小窓には霜が降りて氷の結晶がびっしりと張り付いていました。

それはドアの向こうに行く勇気を邪魔するものでした。

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寒さから少しは気が紛れるのでしょうか。

ウェルは新聞紙とみかんとりんごと春菊と大根のことを頭の中で浮かべていました。

体は西向きに赤く錆びたトタンの倉庫を目指して。

ドアを開けると、太った麻袋や干した実や唐辛子、気まぐれに拾った種や剥いだ皮がこちゃこちゃ瓶に入れてあったり、吊るしてあったりしました。

ウェルは頭に浮かべた物を麻袋から拾い上げると、小走りで玄関へ戻りました。

その時、建物の縁や庭の花壇のレンガに集まるカラカラに乾いた落ち葉の山をみつけました。

昨夜の風に運ばれた物でした。

朝から嬉しいことがふたつ…と、ウェルはクスリと笑いました。

落ち葉は薪より軽くて燃えるのが早いので、外で拾う薪が減ること。

そして、掃き掃除が出来ること。
ウェルは掃除が好きでした。

好きな事を効率よく行えるなんて、とっても羨ましいことです。



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