水源禅師コミュの水源禅師法話集２　四（完）

http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=59558331&comm_id=5396321の続き

―西洋の風―

【参加者】
　先程の経済の話で、西洋の国々が、日本を虎視眈々と狙っているみたいな話がありましたが・・・。
【水源師】
　いや、実際に円が82円の円高で、これは大変だと思って。結局、日本円が高いということは日本が他の国の借金を払っていると言うことです。ちょっと分からないかもしれないけれども、アメリカドルが安くなって、前は日本円が120円、130円、140円、それが82円となったらこれはたまらない。それだけアメリカドルで持っていたら、それだけ、40％、50％も結局日本がその分を払っていると言うことになります。
　だからそこで政治家が頭の良い人だったら、もうアフリカにどんどん投資して、鉱山とかどんどん産業を起こして、将来の日本を守らなければいけない。けれども、本当に評論家というのは評論はするけれども、ビジョンを言わない、どうやってこの国を救うかという。
【参加者】
　それで西洋の話なのですが、日本も明治以来ですね、百何十年にわたって西洋的な文明や文化を取り入れてきて、確かに西洋文明というのは便利だし、物質的に非常に豊かになるということで、どんどん取り入れてきた。一方日本の伝統的なものもあるけれども、考え方自身も私たちの中で西洋的なもの、合理主義というのかな、そういうものが入ってきて、それで私たちの中で軋轢というものが起こっている、という気がするのですけれども。
【水源師】
　間違った思想が入ってきて、人間性を考えないニヒルな哲学、経済学が入ってくると、これは国を亡ぼします。そこには愛とか、心もないから。人間は心のある生き物だから、機械ではありません。これに合わせるように教育もすべて機械化してしまったでしょう。○×式に。ところが、本当のところ西洋は違いますよ。イタリアなんか、本当の恋をしなければ男じゃないなんて言ってね。恋をしたかったらイタリアに生まれろとか。笑い。愛の哲学を二千年やってきたから。
　仏教でもね、智慧というのは、知識にプラス愛。この愛がなければ、智慧になりません。それは恐ろしい方向に走って行くから。愛というのは、動物も愛すし他の人に対する慈悲の心。西洋の根元はやはりそういうものを持っています。
　ただ間違った考えを一生懸命宣伝してね。そういう風に機械化させるのですけれども。
日本には日本の素晴らしい思想もあるし、それを実践しているものであるけれども、それをダメなように言っているけれども、日本では西洋のことをほとんど知らないのですよ。 というのは私の場合は、40年間西洋で暮らして西洋人の暮らしとか、そういうことを見
ているから。ほとんどの人はそういう庶民と付き合うこともないし、ただ本で読んでちょっと話して、分かったと言って帰ってきて、今度はそれを鵜呑みにして皆さんにテレビで話すわけでしょ。そうしたらそれを見て、皆さんは行ったことがないから、ああそんなものかと思うけれども、ほとんど間違っています。
【参加者】
　最初に西洋的なものに対して憧れていたということがあると思いますが、民主主義とか或いは個人の生き方を大事にするとか、日本の場合は、家族とか村の共同体というものがあって、それは人間関係ではつながりではあるのだけれども、そこに縛られると言うことがあって。そういうことに対して一人一人の生き方を大事にすると言う。
【水源師】
　それはごまかしですよ。昔は個人はダメだったというけれども、そうでもないですよ。
家族の中で仕事したい、これしたいと言ったら、これをさせる。結局個人の思いを守っているでしょう。素晴らしい愛の話が一杯あったはずです。
　 アメリカは個人主義個人主義と言うけれども、「はい、自分のことは自分でしなさい。自分でお金稼いで」、それは苦しいし、なかなか成功しない。だから結局家庭も崩壊、皆なバラバラ。カナダの場合は一生に平均3回結婚しますからね。それで結局家族の繋がりもズタズタになってしまっているから、老人ホームも一人で。それを救うためにシステム的に老人ホームとかを作っているけれども、その内部に行ったら、それはまあひどいもの。日本の事は分からないけども。
　だから、みんな張り子ですよ、張り子。だから民主主義と言っているけれども、ジョージ・ブッシュがアル・ゴアから大統領を盗んだでしょ。だから余程しっかりしなければ、民主主義という名前だけで、何が民主主義なのか、一体どこに本当の民主主義があるのか、分からない。
　一番近いのは、スウェーデンやノルウェーという北欧でしょう。なかなか難しくて、インドなんか民主主義だと言っても選挙やればそこで数千人死ぬからね。そしてユーゴスラビアでは、民主主義という名に踊らされて国を破壊されて、身内同士で殺戮したし。かと言って私は共産主義が良いと言うわけでもないし、ポルポトのような虐殺もあるし。 中国の人に聞いた時に、毛沢東の時代が良かったという人がいるのです。なぜかと言ったら、皆な貧乏で、努力しなくても皆同じだからそれで良いと言う。今は努力しなければ、本当に貧乏になってしまうと言う。
【参加者】
　ここ10年くらい、日本の中で個人主義とか自由主義が行きつく所まで行きついて、お金ですべてを判断するようなことになってしまって、企業の中でも正社員よりはパートとか派遣労働者の方が安いのでそういう人達を雇うと、それがいろいろな格差と言う問題を起こしていますが。
【水源師】
　結局それは搾取ですよ。だから民主主義であるならば、人に優しい社会を作らなければいけないでしょう、どの政党でもいいから。それをハッキリ言わなければいけないし、こういうことは将来の日本にとって良くないですよ。西洋でね、例えば金の車を持って、金の腕時計をつけて、金の服を着て、金の靴を履いたとしても誰も尊敬しません。人間生を見るから。人間性を見ると言うの、は話をして話ができなければゼロなのです。幾らお金を持っていたとしても。認められない。
　だから、日本も昔はそうだったでしょう。それを誰がやるのか知らないけれども、昔、大宅壮一という偉い評論家がいて、日本総白痴化という予言をしたが、その通りです。だから皆さんが、こうして一人一人が禅をやって正しい智慧を磨いていけば、これが光になって必ずや小さな光でも、これが波及して良くなって行きます。なぜかと言ったら、偉い和尚さんたちが皆な話しを聞いて、千人すべてが悟りを開くかと言うと、そうではなく千人いればたった1人で良い。だから菩提達磨も9年間座って、たった1人の弟子が出てくるのを待っていた。それが今禅でズーッと続いて来て、世界に広がっているでしょう。そういうものなのです。
【参加者】
　修行が進んでいくと、心が広がっていくというお話がありましたが、あるいは空というようなことを仰っていましたが、その感じというのはどういうものなのでしょうか。
【水源師】
　壁が外れていくのですね。今まで作られていた壁が。それでスケールがだんだん大きくなって行きます。この日本だけでなく、東洋、西洋、地球だけでなく、宇宙的なものも自然と見られます。過去の時代から、未来からずーっと。
【参加者】
　私の知人に色々な物をあげたりするのですけど、それが当然のように受け取るようになってきて、そうすると、あげることによってその人の煩悩を大きくしてしまうということが見えるようになって。
【水源師】
　ではその時はもうやめるのですね。本当に困った人にお金をやるとか、食料をやるのは本当に良いことです。しかし、それを当てにして今度は職業にしてくる人が出て来たら、それはあまり良くないと思いますけれども。
　人間はそういう風になってしまうのですね。いつも食料をもらっていたら、その時はありがたいと思っても、今度食事をもらえなかったら腹が立つらしい。そういうことで、アクサラ（不善）が大きくなって行くのでしょうね。お返しとして誠心誠意で返さなければいけないけども、返さなかったようですね、それだと。お返しというのも必要みたいです。で、お互いに受け取る、それでうまくクルクル回る。

―世界と日本―

【参加者】
　今日本は輝いているとおっしゃられたのですけれども、曹渓宗の本家の韓国はどうなったのでしょうか。
【水源師】
　韓国は私が何年前でしょうか。高校生の時に行きました。その時には、朝鮮戦争で皆破壊されて貧しかったのです。その時に韓国で一番有名なお寺、ポモサというお寺―今世界遺産なってるけれども。そのお寺を何故か私が歩いたときに、お坊さんを見かけたのです。その時非常に嬉しくて、それから見ていたら、山にこもってどんどん修業していたのです。 それからお寺がどんどん出来次第国はずーっと栄えてきましたね。
　だから仏法の力はすごいものですよ。しかし、今クリスチャンが半分、仏法が半分で喧嘩してやっているけれども、そういう風に真面目にやった結果、今経済がすごいですよ。 中国も非常に追い上げて、大理とかを回って見たけれども、どんどん大きい寺を立てて
います。前は仏教を否定していたけれども、今は政府でも優しくして、お坊さんを入れて、お金は出してないみたいですけれども、布施で生きているなら良いということで弾圧はしていませんでした。
　チベットにも行ってみたけれども、私の見た限りではそんなに強烈に弾圧はしてなくて、チベットのお坊さんが修行きる寺がいっぱいありました。またチベットの最奥のプーラン（普欄）というところは、ネパールとの国境で、洞窟ばかりある町です。もう何千という洞窟。そこの一つの洞窟でお坊さんに会ったけれども、まあまあ心のすぐれた方で、朝から晩まで読経していて、嬉しそうにハッピーでね。 28歳になる素晴らしいお坊さんと私が、一緒に旅行したのですよ。一緒にヒマラヤの山を越えて、ネパールにてダライラマに会いに行く旅を一緒にしたのだけれども、まあ実に向こうでは、真面目に修行している人がいっぱいおりました。
　道教もやっていましたよ、真面目に。潰れていませんでした。その力で今、強烈につよくなっているのでしょう。それでアメリカはやっぱり全世界から人を入れて、それをグルグル回しているから根が浅いからね。一旦つぶれたら、新しいテクノロジーがない限りなかなかうまく行かないでしょう。
【参加者】
　先生のところにイスラム教の方というのはいらっしゃるのでしょうか。
【水源師】
イスラムの方たちは、私が会社に行ったとき、若いときによく討論したけれども、非常に真面目でしたよ。あまり嘘はつきたくないみたいです、神を恐れているから。イスラムの人もこう言ってた、「私たちはイヤなんだ。あまり過激派がいて自殺するし。私たちは平和が好きだ」と言っていましたよ。
【参加者】
　CNNテレビなどを見ると、モスクを立てるとか立てないかで問題になっていますけれども。
【水源師】
　あれはやっぱりアメリカの政策じゃないですかね。というのは、私の知った話では、この前アメリカで9.11の近くにモスクを建てると。それでアメリカのプロテスタントが怒って、コーランを焼くということで世界が騒いだけれども、モスクを経てるというお金はCIAが出しているとか。だから何が何だかさっぱり訳がわからない状態でしょう。
　誰か喧嘩をすれば、それで儲かる方々がいるのかもしれない。世界ではいつでも火がついているから。特に武器弾薬は非常に大きな金になるしね。だから冷めて見なければね。いろいろな情報が日本には入りにくいのです。だからもし日本の方が情報を全部知ってしまえば、世界が一変に全部変わってしまう。
【参加者】
　イスラムの人たちも平和を求めているのでしょうか。
【水源師】
　はい、みんな平和を求めています。誰も戦争は嫌です。ただお互いにカバーをかぶせて、盲目にして喧嘩させているような状態です。本当の知識というのは、カバーを取ってしまえば、なんだ何で喧嘩するんだ、ということですぐ止まると思います。自分からカバーを取って正しく見たら、結果的に社会も助かるし、周りの人も助かるし、良い結果出しますから、あまりそういうことを深く考えずに、まず自己を磨いてください。
【参加者】
　宗教が違ったり、信じているものが違うということで戦争が起こってきましたが、それは克服できるのでしょうか。
【水源師】
　もちろんできます。それもみんな妄想です。どんな人でも切られれば血が出るし、痛いです。人間は皆な本当に同胞なのですよ。あなたは今ここに生まれたけれども、今度はどこの国に生まれるか分からない。次に違う国に生まれて、その時はこの国をやっつけるように考えるかもしれない。だから皆なもそうです。
【参加者】
　昔エルサレムに行ったことがあって、そこの旧市街に、ユダヤ教徒キリスト教徒イスラム教との地区があるわけですけれども、ちょっとしたことで問題が起こる。それでも現実に共存していかなければならない。なかなか中東和平というのが進まなくて、一番苦労しているのは、一番下で暮らしている人達なのですが、それも結局心の問題なのか、と思うのですが。
【水源師】
　いや政治的な問題だと思います。人間とか宗教とかは関係ないのです。なぜかというと、私はシンガポールへ行きましたけれど、すぐ隣がアラブ、次は中国地区、次がヒンドゥー地区、それでキリスト教の人もいるし、仏教の人もたちもいます。それで全然喧嘩になっていないです。綺麗でした。だから政治の問題だと思います。
　日本の生き方は東洋のスイスになるしかないです。どこにも中立で、全世界に貢献するように。もう日本の国粋主義はやめて、世界同胞で世界の人のために学校を建てて、本当にそういう方向でどんどんやるべきなのです。もうそろそろ日本国民を解放してあげなくてはいけないのではないですか。
　日本がお金を出して、アメリカがそのお金で世界を良くするのだったらいいけれどもイラク、アフガニスタン、パキスタンとそのお金でどんどん殺戮したら、日本もその因果がきますよ。そのお金があったら、皆さんに3ヶ月毎年休暇を上げたほうが良いのではないですか。休暇で、お寺に入って修行するとか、ボランティアでアフリカとか行って学校を建てるとか。
　莫大な金があっても何にもならない。もうアメリカ自体が病んでいるのです。解体寸前なのです。だからもう日本にすがって生きるしかないから、横須賀に空母置いて。あれは何も日本を守るのではなく、日本にちゃんと手錠をはめて牢屋に入れて。日本は金の卵だからね。
　もうアメリカでは技術者もいないですよ。だから、車を作ってもらい、ミサイルを作ってもらい、パーツがなければミサイルも何もできない。それだけ遊んで暮らしたツケが来ているわけです。もし皆さんが本当にクサラ（善）の行をしたら、日本は輝きます。
　日本が東洋のスイスになるか、それとも鎖国して自滅の道に入って行くか。でなければアメリカさんにいつまでもジリジリと血を吸われて生きていくか。ウィリアム・アンジンが実はフリーメーソンであってね。あれは見事に日本を罠にはめたのです。フリーメーソンと言っても、力はないですよ。あるのは、過去１万年のエジプトからずーっとノウハウは持っているけれども、日本が持っているこの心というのはすごいもので、それを徹底的に弾圧して来たわけなのです、明治時代に。でもそう簡単にはつぶれない。1億人いてたった1人いれば良いですよ。この眼が日本を正しく導いて行くから。千人もいらない、たった1人の眼が。これを外国は抹殺に来るから。

　カンボジアがやられたのはね、フランスが来て。まず、全部高僧を殺したのです。そうすれば眼がなくなる、頭がなくなる。そして自由にコントロールできるから。スペインの征服者たちがインカに来た時も、全部インカの神官を殺したのです。スピリチュアリティを。だから本当の日本に今こそ戻すべき時ですね。
　土台ね、働くだけが人生じゃないのです。それよりは、最低1ヶ月でもゆっくりとお寺の中で、お寺の空気を吸って、坐禅でもして般若心経でも読めるという状態を作ってあげなければ。私だったら日本全国に3ヶ月の休暇を上げて、好きにしてくださいと。それだけの金があるのだから。そんな御殿はいらないのです。貧乏になれと言うのではないけれど、日本には技術のすごい蓄積があるから。また人材もいるし。だから本当に金のなる山ジパング。そういうことであって、誇りを持って元気に、仕事もほどほどにね。
　日本政府としても、派遣労働者とか馬鹿なことはやめて、誰でも最低限の安定を保障した生活はさせる。9ヶ月は働いてもらって3ヶ月は休んで宜しいというような。そして心身ともに健康な状態に戻すと。フランスなんかは長年1ヶ月全部バカンスで休みを取る。だからそれが蓄積として強いのです。これだけ朝から晩まで働いていたら、一般の人はもうフラフラで、勉強することもできないし、何もする気力がなくなる。
　ですから、これからの日本は東洋のスイスで、すべて中立。ロシアにも中立。中国にも中立、アメリカにも中立。どこにも中立で、日本の国は自分で守ると。それが大切です。

付記
義湘大師　法性偈　（水源師　抜粋）

法性圓融無ニ相
諸法不動本来寂
無名無相絶一切
證智所知非餘境
眞性深深極微妙
不守自性随縁成
一中一切多中一
一即一切多即一
一微塵中含十方
一切塵中亦如是
無量遠劫即一念
一念即是無量劫
初發心是更正覚
生死涅槃相空蕐

「水源禅師法話集３」へ
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=59589011&comm_id=5396321