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風車屋コミュの風車建設の現場から〜建築基準法の影響

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添付の地図は今年度遅延届けが出された現在建設途中の風力発電所である。
中には建築基準法のせいにしているだけで
実際には別のところに遅延理由があるプロジェクトも混じっているようだが、
今回は本題からそれちゃうのでそれはとやかく言うつもりはない。

問題は昨年春から改正された建築基準法が風車に適用されるに至った経緯である。
中央官庁の出鱈目さ加減がいい味を出しているのでご紹介したい。

事の発端は宮古島の風車倒壊であった。
不勉強な奴等がどいつもこいつも舞い上がって大騒ぎした隙を突いて、
原子力保安院(経産省)が風車の安全基準を定めると言いだした事が始まりだった。
ところがである、
数ヶ月もせぬうちにこいつらは何を血迷ったのか建築基準法に準拠すると言い始める。
察するに原子力保安院に空力計算が出来る奴が一人もいなかったのであろう、
かっこいい事を言っておきながら、
一番重要な部分を建築基準法(あのいい加減な金の使い方で有名な国交省扱い)に
丸投げしやがったのである。
なんだか最近は随意契約が悪者のような扱いであるが、
それ以上に最近ではスーパーゼネコンでもやらないような丸投げをである。
その結果、
新参者の風車は参加早々いきなり姉歯事件のとばっちりの直撃を食らってしまう。

その結果がご紹介する下記の記事である。

http://www.asahi.com/business/update/0401/TKY200804010423.html

まず、ひとつひとつ
どこが出鱈目なのかをチェックしてみたい。
まず最初に気がつくのは、
一昨年まで風車は建築基準法の適用を受けていなかったという事実である。
それでは風車は無法な設備なのかというとそうでもない。
以前は電気事業法の適用設備として経産省の監督下にあった。
中には知らずか知ったかぶりをしてか、
工作物確認申請を行う新参者の事業者がたまにいて、
それ以降そういう間抜けた事業者がやっちまった県では
別の事業者が同様の審査を求められて迷惑を被った事もあるが、
今回のように全国区で強制されていたわけではない。
本来、
一つの設備や商品に対して複数の法律に規制される事はない。
これはもうハッキリと無いと言い切って良い。
なぜならば、
ニッポンにはいくつあるか判らない法律の
全てに整合が取れているという建前があるからで、
複数の法律間で異なった判断が存在するという事は、
法務省が存在する意味がないというのと同義語なので、
大人の社会ではそういう事はないということになっているからである。
それを、原子力保安院はやってしまったのだ。

次に、記事の中身に目を向けると
更に間抜けな発言が並んでいる。
経産省の、
「ニッポンであった風車の倒壊は、台風や設備の維持不良が原因。
 風車が地震で倒れた例は一度もない。
 風力発電については建築基準法の弾力的な運用ができないか、
 国交省と協議したい」(新エネルギー対策課)
というコメントも、
何を今更無責任な事言ってんだよ、そもそも省内のチョンボだろうがと言いたくなるが、
それ以上に不勉強さ加減丸出しなのが、
国交省の、
「強風で風車が倒壊する事故も起きており、
 耐震面でも超高層建築物並みの規制が必要だと判断した。
 過去の地震で倒壊していないから問題ない、とは言えない」(建築指導課)
という一言である。
実際に強度計算をした事のある人間ならば、
素人は黙っていろ!
と言いたくなるほど無知無恥丸出しである。
ハッキリと言いましょう。
高さ60m超級(だいたい500kW以上ぐらい)の風車の耐風速強度は、
建築基準法が求める耐震強度の10倍以上なのであります。
一応、前述した新参クンの影響で某県で工作物確認を出した時に
耐震計算もやったので間違いない数字である。

ここで、おやっ?
と気がついた方はスルドイ方である。
ご紹介した朝日の記事では、
風車が建築基準法の適用対象設備になり、
更に建築基準法が厳しく改正されたので遅延が相次いでいるという
内容になっているが、
そもそも遅延の理由は全く別のところにある。

工作物確認申請は県単位で行い、
その審査は建築主事と言われる(自称)専門家が行っているが、
ハッキリ言い切りましょう。
あまりにもレベルが低すぎる。
これまでに実在した(実際に私が接した)方々は以下の通りである。
もちろん、誠実に審査してくださった方もいるが
こういう誠実な方は少数派である事も付け加えておく。
・申請書を受け取る事を拒否する。
・風車の審査はやった事がないのでやりたくないと言う。
・計算書は読まずに経験だけで(思いつきで)適当な指導をする。
・監督官庁(国交省)からの内部通達を読んでいない。
・法改正があった事ぐらいは知っているが、
 何がどう変わったのかは良く判っていない。
・正論を言うと逆ギレする。
・そもそも建築基準法が存在する理由は、
 いい加減な建築物が倒壊した際に連鎖して
 周辺の建築物に被害が及ぶ事を防止する為の法律である事を知らない。
こんな性根の腐った主事に当たった風車の申請書は、
だって風車なんて審査したことないんだもぉ〜んってな具合に
間違いなく審査後回しで何ヶ月も野積みになってしまう。
これが遅延が相次ぐ大方の真相であろう。

まぁ、こんな連中を各県に数人〜数十人も高い給料払って飼っておくような
国交省の腐れっぷりもたいしたものだが、
そんな腐れ官庁に下駄を預けた経産省の責任も重い。
こういう環境で風車屋は日夜闘っている事をまずは知っていただきたい。

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