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米国関連情報 (2)コミュの86、日米大幅緩和で資金は新興国へ、世界的な過熱崩壊リスク高まる

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2010年 11月 4日 15:14 JST

記事を印刷する | ブックマーク[-] 文字サイズ [+]  [東京 4日 ロイター] 米連邦公開市場委員会(FOMC)の量的緩和第2弾決定により、月額1100億ドルもの民間資金が国債市場から海外、特に新興国に流出するとの見方が支配的となっている。これがドル安や海外株上昇などで米経済、また日本経済にとっても短期的には恩恵をもたらす面もありそうだ。一方、新興国にとっては景気過熱や資源価格上昇などを招き、世界経済にとってコストの上昇や歪みが蓄積するとの指摘が浮上。日銀の包括緩和が今後一層拡大する可能性もあり、日米両国での超緩和政策の長期化は、実体経済の大幅な変動リスクにさらされる可能性が高まりそうだ。
 

 <1100億ドルの資金は米国内ではなく海外流出>

 

 米連邦準備理事会(FRB)は3日、FOMCを開き、月750億ドルの米国債の追加購入を行うことを決定した。ニューヨーク連銀が発表したモーゲージ担保証券(MBS)などの償還資金による米国債購入を加えると、月に1100億ドル程度が購入されることになりそうだ。

 購入金額の規模について野村総研・金融市場研究室・主席研究員の井上哲也氏は「事前に、米金融政策当局の間では全体で5000億ドル規模の国債購入なら長期金利を30─50ベーシスポイント押し下げる効果があるとの議論があった。これは通常の景気状況での25ベーシスポイント利下げの2回分に相当する規模であり、来年6月までの計6000億ドルの国債購入決定は、現下の米経済からみて違和感のない規模」と見ている。

 

 ただし、これがFRBが意図したように実際に金利押し下げ効果や雇用の安定につながるか疑問の声は多い。というのも、FRBが国債を購入する分だけ民間資金は国債市場からはじき出されることになるが、その資金がバランスシート調整を抱える米国内への投資につながる可能性は小さいとみられている。「量的緩和第2弾の実施は事前に織り込まれており、さらなる金利低下は見込み難いだろう。一方、低金利が雇用増大やディスインフレの解消に繋がるか否かは不透明であり、仮に繋がるとしても相当のラグが予想される長期金利は低位推移が続く可能性が高い」(伊藤忠商事・主任研究員・丸山義正氏)と見られている。

 多くの専門家が、量的緩和による資金は、商品市場や海外へ流出すると見ている。
 

  <短期的な景気押し上げと、過熱リスクの増大> 

 

 こうした資金が新興国や商品市場への投資に流出することで、井上氏は、ドル安・米株高、海外投資による配当や企業収益の押し上げなど、それなりに米国経済にとっては意味ある結果をもたらすとみている。

 日本経済にとっては、ドル安がどの程度円高につながるかは不透明だが、夏場からの円高局面でも世界経済拡大による数量効果が勝り、企業収益はさほど影響を受けてこなかったことから、「当面は米景気への追い風や新興国へのマネーフローのメリットを享受することができる」(井上氏)と見られる。

 

 一方、新興国にとっては「迷惑な話」となりそうだ。「資源価格の上昇やインフレ懸念が高まり、世界経済にとってコスト上昇を招く」(井上氏)ことになる。特に中国にとっては、インフレ懸念に対して為替切り上げでの対応よりも金利引き上げで対応しているため、ますます資金が流入しやすい地合いとなる。

 クレディスイス証券・チーフエコノミストの白川浩道氏は、「こうした大規模な資金が米国外に流出を続ければ、新興国資産価格と商品価格の上昇によって世界経済は不安定化することになる」と懸念する。当面は金融市場では米量的緩和が国内景気を刺激する可能性を見込んで世界景気への懸念を織り込まないだろうが、2011年後半から2012年にかけて世界景気のハードランディングのリスクが上昇する可能性があるとみている。 
 

  <緩和拡大観測強まりへ日銀も警戒>

 

 金融緩和が長期化する可能性は、日米両国ともに政治的な事情が影響することになりそうだ。「米国では、中間選挙で与党が議席数を大幅に減少させるなど今後政策運営が難しくなる結果、さらにFRBに対する期待の比重が高まる」(JPモルガン証券・チーフエコノミストの菅野雅明氏)状況とみられる。日本も厳しい財政事情を背景に金融政策への圧力は高まるばかりだ。

 日銀では、10月5日に打ち出した「包括緩和」の資金枠を今後拡大させことに含みを持たせており、FRBも必要に応じて国債買い入れ額を増額させることを示唆している。

  

 ただ、日銀は10月末の展望リポートで「先進国における大規模な金融緩和の継続とその長期化予想は、新興国・資源国経済に対する資本流入を加速する可能性がある」と指摘。「景気の過熱やその後の急激な巻き戻しにより、資源価格や資産価格、および実体経済面での大幅な変動が発生するリスクもある」と見ている。

 短期的な自国経済への配慮と世界経済への中長期的な影響が二律背反となる可能性があるため、日米両国ともにいたずらな緩和長期化は自らリスクを招くことを強く認識する必要がありそうだ。
 

 (ロイター日本語ニュース 中川泉記者)

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