活性化の証しとして(Marked Out for Activation) 真核生物では、ゲノムDNAはヒストンによって、染色質内のヌクレオソームの中にパッケージされる。染色質はヒストンN末端尾部の共有結合的修飾を介して、遺伝子発現制御に決定的な役割を果たしている。もっともありふれたヒストン修飾の1つは、ヒストンH4の尾部におけるリジンのアセチル化(H4K16Ac)であるが、これは一般に活性化の標識であると考えられている。Shogren-Knaakたちは、H4 K16Acが唯一の修飾であるヌクレオソーム配列を再構成することで、この修飾の機能を試験管内で分析した(p. 844; またMarxによるニュース記事参照のこと)。期待されたように、この標識は、30ナノメートル様の染色質線維のクロスーファイバー相互作用やコンパクションを阻害するものであった。生体内では、この標識は塊の解けた染色質内に豊富にある。H4 K16Acはまた、DNA上に単一ヌクレオソームを動かして組み換えるクロマチンリモデリング酵素の能力をも阻害する。つまり、H4 K16Acは染色質の構造にも機能にも影響与えている。(KF)