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連帯オール沖縄・東北北海道コミュの子どもの元気 取り戻す 福島大学「ほっとルーム」の取り組み

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【東京新聞転載】

【ふくしま便り】

子どもの元気 取り戻す 福島大学「ほっとルーム」の取り組み

2015年11月24日


仮設住宅の一室を使った「ほっとルーム」。子どもたちの声が漏れてくる=福島市で
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 福島県の子どもたちの「生きる力」が低下しているという。「生きる力」とは、文部科学省の学習指導要領によると「確かな学力」「健やかな体」「豊かな心」が三本の柱。そのいずれもで低下の傾向が見受けられ、福島第一原発の事故が影を落としている。中でも、心の問題は深刻で、いじめや不登校が増えるという結果を招いている。福島大学の「うつくしまふくしま未来支援センター(FURE)」では、そんな子どもの元気を取り戻すために、知恵を絞って支援を続けている。取り組みの一端を見せてもらった。
 秋雨が降る夜、福島市内のある仮設住宅を訪ねた。二百戸もあるプレハブ住宅の列には、「空き家なので郵便物は入れないでください」という張り紙が目立つ。窓から明かりが漏れる家もまばらにしかない。故郷への帰還はあきらめて、移住を決めた家が増えた結果だろう。
 真っ暗な路地の奥から子どもの声が聞こえたような気がした。声をたどって行くと、一軒の入り口が明るかった。戸を開けると子どもの靴があふれていた。
 そこがFUREが運営する教育相談室「ほっとルーム」だった。六畳間で学生が子どもたちと一緒にすごろくをしていた。中三、中一、小四の男児が三人。なごやかな雰囲気でサイコロを振っている。笑い声が響く。
 福大こども支援コーディネーターの本多樹さん(27)によると、今年五月から週に一回、近隣の不登校の子どもを集め、遊びや学習をする時間を持っている。目的の第一は、人間関係のつくり方を学ばせることだという。本多さんは「穏やかに過ごせるようになったのは、ごく最近のことなのですよ」と話した。
 最初は暴れたり、すねて飛び出していってしまうような子が多かった。学習しようとすると、来なくなってしまう。ほかの子どもの存在を嫌う傾向もあり、仕方なく時間をずらして、子どもを一人ずつ招き、学生たちが囲んで遊ぶようにした。すると少しずつだが、心を開き始めたのだという。
 どの子も傷を負っていた。
 ある子は、震災で失職して無気力になった父親を見るうちに、「無意味でしょ」「どうせ僕なんか」と投げやりになり、学校に行かなくなった。
 別の子は農村部の学校から都市部の学校に転校して、勉強についていけなくなった。一緒に川で遊んだり、剣道をした故郷の仲間たちを懐かしんだが、新しい友だちはつくれず、ストレスをため込んでいた。
 「本当は優しい子ばかりで、故郷の村ではいい子だったのに、環境が一変し、何もかもうまくいかなくなってしまった。本人も苦しんでいるんですよ」と、スタッフの一人で福大院生の遊佐奈央子さん(23)は話す。
 プログラムを統括する本多環特任教授によると、そんな「困り感」を表に出す子は、まだ立ち直りが早いのだという。じっと我慢して自分の殻に閉じこもってしまう子はたくさんいる。
 FUREでは、避難でばらばらに散った故郷の同級生たちを集めた同窓会ツアーなども企画した。「バスに乗ったとたん、再会を喜んで歓声が起きると思っていました。ところが逆に静まり返ってしまった。子どもの中には都市に移住した子も、自宅に戻った子もいました。子どもなりに負い目や羨望(せんぼう)やいろいろな感情が高まって、話ができなくなってしまった」と本多特任教授は分析する。
 福島の子どもたちは、長期的なストレスにさらされ続けている。必要な施策とはなんだろうか。本多特任教授はこう話す。
 「学校教育の充実はもちろんですが、地域や家庭の力を取り戻すことが大切。親が立ち直るための医療や福祉との連携も必要で、これらをつなぐコーディネーター役や質の高い支援員の育成が急務です」 (福島特別支局長・坂本充孝)

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