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連帯オール沖縄・東北北海道コミュのデータが示す放射性セシウムの今 農産物の安全 徹底検査

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【東京新聞  ふくしま便り】転載

データが示す放射性セシウムの今 農産物の安全 徹底検査

2015年11月17日


放射性セシウムの動向など観察、実験を繰り返した水田=福島県伊達市で(福島大学提供)
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 「福島県産の農産物は本当に安全なの?」。そんな声を今でも聞くことがある。筆者自身も半年前に福島県に住み始める前は、「放射性セシウムは怖いだろう」と疑念を持っていた。だから偉そうなことはいえないが、結論をいえば安全なのだ。なぜ断言できるのか。素人なりに納得がいくまで調べてみた。
 安全の最大の根拠とされるのは、販売されるすべての食品群を対象とする放射性物質検査だ。特に米は全量全袋の検査を二〇一二年度から実施している。
 最新の検査情報は、「ふくしまの恵み安全対策協議会」のホームページでいつでも見られる。それによると、一五年八月二十日から十一月十五日までの期間で、八百七十九万四千七百四十九袋の米が検査され、基準値(一キログラムあたり一〇〇ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたものはゼロ。五〇ベクレルを超えたのは九袋にとどまった。
 この全袋検査には一四年度までの三年間で百九十六億円もの費用が投入され(うち百四十七億円を東京電力が負担)、なおかつ気が遠くなるほどの人手がかかっている。これほどの検査態勢を敷いている都道府県は、福島県以外にはない。
 だが原発事故で田畑に降り注いだはずの放射性セシウムは、なぜ米から検出されないのか。
 福島大学環境放射能研究所の塚田祥文教授によると、放射性セシウムは田の粘土に付着して動けなくなっているという。
 「粘土はマイナスの電荷を持ち、放射性セシウムはプラスの電荷を持つので引きつけられる。さらに粘土の層のすき間は放射性セシウムがはまり込む大きさで、固定されてしまうんです。固定されると、水には溶けず、稲の根などにある栄養分を吸収する小さな穴を通ることもできなくなる」
 加えてカリウム肥料による吸収抑制策も功を奏したという。カリウムはセシウムと化学的によく似ており、土壌中にカリウムが豊富にあると、植物はセシウムを取り込まなくなる。この性質を利用して、水田にカリウムを入れるよう指導した。
 さらに土壌中のセシウムの量も減っている。田の土をひっくり返す反転耕をすることで、稲の根がある層の放射性セシウムは六割程度減少した。また放射性セシウムのうち「134」は半減期が二年であるため、事故直後の四分の一に減少していることになる。
「農地の放射性セシウムは確実に減少している」と話す塚田祥文教授=福島市で
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 一般的な食品検査で検出されない放射性物質に、ストロンチウムがある。体内に取り込まれると骨に移行するためセシウムよりも危険とされる。塚田教授は、県内の土壌中のストロンチウムの量も調べ、分布図を作成した。これによると、福島第一原発直近の大熊町でこそ、四・七ベクレルと高い数字が出たが、二十キロ圏の外側では、すべて一・〇以下で、全国平均とほぼ変わらない値しか検出されなかった。
 塚田教授は「大部分は一九五〇年代の核実験に由来するストロンチウム」とみている。
 福島はモモやナシ、リンゴといった果物類が豊富だが、事故後の研究で、果樹は放射性物質が樹皮から果実に移ることがあるとわかった。このため樹皮を高圧の水で洗ったり、削ったりする除染を繰り返した。
 流通経路に乗る農産物とは別に、自分の家でつくった作物などは、市町村に設置された検査機関で、誰でも調べることができる。「実家からカキを送ってきたけど心配」などという人は、調べてもらえば安心できる。
 また、旧警戒区域など汚染度が高い農地では、そもそも作付けが認められておらず、作物が市場に出てくることはない。
 福島県の農家は、大きな重圧を感じ、神経をすり減らしながら、農作業をしている。一度でも「基準値超え」が出てしまえば、作付けは停止となる。自家だけではなく、周辺一帯の作物のイメージダウンにもなる。だから広い田の隅々まで手作業でカリウムをまいた人もいる。
 そんな苦労にも思いをはせながら、福島の米や野菜や果物を食べてほしい。たくさん食べることが復興につながる。 (福島特別支局長・坂本充孝)

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