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連帯オール沖縄・東北北海道コミュの浅野富美枝「バックラッシュの行き着くところ」

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*浅野富美枝氏は、埼玉大学を卒業し、法税大学大学院で芝田進午氏を師と仰ぎ芝田先生の有力な助手的な仕事に取り組んだ有能な教え子である。フェミニズム論を研究し、唯物論研究協会の論客でもある。

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バックラッシュの行き着いたところ浅野 富美枝(宮城学院女子大学・社会学)
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 2004年6月10日、自民党の憲法改正プロジェクトチームが改憲草案を発表した。そこには、「行き過ぎた利己主義的風潮を戒める必要がある」として「基本的人権の尊重」を見直すこと、「一国平和主義の誤りを正し、国を挙げて国際平和を推し進める」として「9条」を見直すことと並んで、「家族や共同体の価値を重視する観点から、婚姻・家族における両性平等の規定(24条)を見直す」ことが明記されていた。この一文を目にしたとき、これまで何の脈絡もなく手当たり次第に攻撃していたかに見えていたこの間の「ジェンダーフリー」に対する一連のバックラッシュの行き着くところは、結局ここであったかと、妙に納得してしまった。

 考えてみれば、選択的夫婦別姓を取り入れた法制審議会の民法改正答申(1996年)と、「従軍慰安婦」をめぐる歴史教科書問題に端を発し、家庭科や性教育批判、そして「ジェンダーフリー」攻撃、自治体の「男女共同参画条例」づくりへの介入と、矢継ぎ早に攻撃の手を広げていったバックラッシュは、最初から「24条」と真っ向から対立していた。

 「家族や共同体の価値を重視する観点から、婚姻・家族における両性平等の規定(24条)を見直す」ということは、家族と両性の平等は相容れないということである。家族を国家の最小単位とする彼らの考え方からすれば、これは国家と両性の平等は相容れないと言い換えることもできる。個人の尊厳、人権、平等とは相容れない家族をつくり、そのような家族に支えられた国家をつくろうということである。家族のなかに人権を確立し、民主主義を確立するという今日の国際的な流れに逆らい、女は家族のために己を捨て、男は国家のために己を捨てるという、かつての滅私奉公の家族国家主義でもって今日のグローバルな競争を乗り切ろうとする今日の日本の支配層の姿には、哀愁と滑稽ささえ感じる。

 それにしても学生たちはこの改憲草案をどう考えるだろうかと思い、ベアテ・シロタ・ゴードンを教えるついでに授業で聞いてみた。すると、200人ほどの学生のほとんどが「それって結婚する人がますます減って、少子化がいっそう進むってことじゃないですか。少子化対策に逆行することを本気でやるわけないと思いますよ」と笑い飛ばした。改憲草案を一笑に付す彼女たちをみて、果たして私は安心すべきなのか、それとも、楽観的すぎる彼女たちに危機感を抱くべきなのか。ともあれ、正体を現したバックラッシュの今後の動向に目を離せない日はまだまだ続く。

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