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連帯オール沖縄・東北北海道コミュの長文だが吟味したい浅井基文氏の見解1

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朝鮮の砲撃事件を見る目−想像力と他者感覚の必要性−
*11月23日に起こった朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)の軍隊による韓国の延坪(ヨンビョン)島に向けた砲撃で民間人2人を含む4人が命を失った事件は、朝鮮半島情勢が厳しい緊張状態にあることを確認させるものとして、私も強い危機感を新たにしました。米韓は、「朝鮮を牽制する狙い」(韓国筋)で11月28日から12月1日にかけて黄海で合同軍事演習を強行しようとしています。朝鮮は厳しく批判し、警戒感をあらわにしています(「南朝鮮傀儡好戦者たちが、まだ正気になることができずにまた再び無分別な軍事的挑発を敢行するならば、わが軍隊は躊躇無く2次、3次からなる強力な物理的報復打撃を加えるようになるだろう」と述べた朝鮮人民軍板門店代表部報道。下記2.参照)し、この合同軍事演習が中国の排他的経済水域で行われることもあり、中国は反対を明確にしています。私としては、不測の事態に発展しないことを願わずにはいられません。
 今回の事件については、朝鮮を批判、非難する言説一色の状態であり、したがって日本国内では米韓合同軍事演習を当然視するメディア報道であふれかえっていますが、私は、そういう情勢判断及び事態の認識が正しいのかについて、きわめて危ういものを感じています。米韓合同軍事演習がエスカレートしないことを心から願いながら、今回の事件をどのように見ることが求められているのかについて、私の判断を記します(11月28日記)。


1.韓国側説明とそこから読み取るべきポイント

(1)手がかりとしての一つの韓国側報道

 11月23日付の韓国の聯合ニュースは、次のような記事を配信しました。ちなみに、聯合ニュースについて名前はよく聞くのですが、私もその権威性についてはよく知らなかったので、そのウェブサイトをチェックしてみました。その自己紹介によると、韓国「国内最大の通信会社」で、「1945年の日本の植民地支配からの解放とともに誕生した数社の通信社を出発点として、40年近くの歴史を刻んできた「東洋」と「合同」という2大通信社の統合によりスタートを切った聯合ニュースは、国内外の最新情報やニュースを迅速かつ正確に伝えることで、顧客の利益と国家の発展に寄与する組織」と自己紹介し、「韓国内で起こったニュースを海外に伝える窓口の役割」を果たしていることを自負しています。日本でいえばさしずめ共同通信でしょうから、結論として、その記事(日本語版)を検討材料にすることには特に問題はないでしょう。

黄海上の北方限界線(NLL)に近い韓国の延坪(ヨンビョン)島一帯に向け、北朝鮮が23日に行った砲撃は、韓国軍の「護国訓練」に対する反発ではなく意図的な挑発だと、韓国軍が明らかにした。
 国防部の李庸傑(イ・ヨンゴル)次官は同日、民主党幹部に非公開報告を行い、軍が延坪島の沖合いで実施した訓練は護国訓練ではなく、定期的に行っている射撃訓練だったと説明(強調は浅井。以下同じ)した。民主党の朴智元(パク・チウォン)院内代表が明らかにした。
  李次官によると、韓国軍は、午前10時15分から午後2時25分まで北西部海上で射撃訓練を実施。西南方向に向け、NLLより南側で砲撃を行った。北朝鮮側が午後2時34分に海岸砲20発余りを発射してきたため、韓国軍もK9自走砲で同49分ごろ応射。続いて午後3時1分ごろ2度目の応射を行ったという。 事態は午後3時41分に収束した。
 合同参謀本部の金正斗(キム・ジョンドゥ)戦力発展本部長(中将)も、与党ハンナラ党の緊急最高委員会に出席し、韓国軍の延坪島沖での訓練は護国訓練ではなく、海兵隊が毎月白リョン島で実施する砲撃訓練だったと報告した。ハンナラ党の安亨奐(アン・ヒョン ファン)報道官が伝えた。
 特に金本部長は、韓国軍は北側ではなく南側に向け砲撃していたが、北朝鮮が突然、韓国軍陣地に向け海岸砲を発射したと指摘。北朝鮮の攻撃は威嚇射撃ではなく、照準射撃とみるべきだと強調した。また、北朝鮮の挑発は、NLLの無力化、北朝鮮の後継体制固め、軍事的緊張を通じた南北関係の主導権確保などに向けた多目的布石だと分析した。
 韓国軍は陸海空の合同作戦遂行能力を高めることを目的とする護国訓練を22〜30日に全国で実施すると明らかにしていた。護国訓練は、1994年から中断されている韓米合同軍事演習「チームスピリット」を代替する訓練として、1996年から実施されている。 一方、ある軍関係者は、今回の韓国軍の訓練は護国訓練期間に行われたが、これとは別のもので、1カ月に1回程度、定期的に実施している射撃訓練だと説明した。8月初めと9月にも白リョン島、延坪島で実施しているという。
 韓国軍の砲射撃区域は、延坪島の西南方向20〜30キロメートル地点で、午前10時から午後5時までの計画だった。砲射撃訓練にはバルカン砲、爆撃砲、無反動砲などを動員したと伝えた。
 また別の軍関係者は、詳しい被害状況は確認できていないとしたうえで、韓国軍の応射により、北朝鮮軍に相当の人命被害があったと述べた。

(2)以上の記事内容から判断せざるを得ないこと

 文中にある「チームスピリット」とは、朝日新聞の解説を借りるならば、「米韓両国は朴正熙(パク・チョンヒ)政権時代の76年、世界有数の規模とされた総合演習「チームスピリット」を始めた。94年の米朝枠組み合意で中止されたが、代わりに在韓米空軍基地防衛のための演習だった「フォール・イーグル」(若ワシ)の規模を拡大。02年からは、戦時増員演習(RSOI)と同時期に実施し、朝鮮半島有事に備えた総合演習の性格を強めた。12年4月の戦時作戦統制権移管の際は、この演習を通じて米韓両軍の新指揮系統を確認することにしている。」とあります。
つまり、チームスピリットは朝鮮半島有事、即ち朝鮮に対する戦争を想定した米韓合同軍事演習ということであり、それを「代替する」(上記聯合ニュース)ものとして始められた「護国訓練」も当然朝鮮に対する戦争に備えた軍事演習ということです。私たちが上記聯合ニュースの記事から確認しておくべきことは、護国訓練がそういうものであるということ、だからこそ韓国軍の関係者が、韓国側の射撃は「護国訓練ではなく、定期的に行っている射撃訓練だった」、「今回の韓国軍の訓練は護国訓練期間に行われたが、これとは別のもので、1カ月に1回程度、定期的に実施している射撃訓練だ」と盛んに釈明していると思われるということです。つまり、護国訓練の一環であるとすれば、朝鮮側が激しく反応したのにはそれなりの理由があることは認めるべきかもしれないが、今回の韓国側の射撃訓練はそれとは関係ないのだから、朝鮮が激しく反応したことには理由がなく、非は朝鮮にある、というのが韓国側の理屈だということになります。
しかし、ほんの少し想像力を働かして、次のことを考えてみて下さい。もし朝鮮が、韓国を攻撃対象とする軍事演習を毎年しているとして、その演習をしている期間の最中に、韓国の領域すれすれにある特定の地域で射撃訓練を行って、それは全体の軍事演習とは関係がないルーティンだと主張した時に、韓国、アメリカ、日本が「ハイ、そうですか」と納得するかということです。ほんのちょっとした想像力を働かせるだけでも、如何に韓国政府の主張が説得力のないものであるかは明らかでしょう。
実は、このように考えるのは私だけではありません。たまたま読んでいたインタナショナル・ヘラルド・トリビュン紙の11月25日付の記事(マーク・マクドナルド及びデイヴィッド・サンガーによる「アメリカと韓国による武力誇示」)には次のくだりがありました。

北朝鮮は、その国営通信社を通じて、南(注:韓国のこと)が火曜日(注:11月23日)に最初に砲撃した…と述べた。二つの朝鮮及び金正日についての著作があるマイケル・ブリーンは水曜日(24日)に、北の主張を一笑に付して取り合わないということであってはならないと主張した。「すべての分析において欠けていることは、我々が北朝鮮の言っていることに耳を傾けていないことだ。」とブリーンは言った。「北朝鮮が常に使うから脅しの表現のために、我々はとかく(その内容を)無視しようとする。」「しかし、もし北が韓国から5哩沖合で実射訓練をしていたら、それは毎度のことということにはならないだろう。(しかも)彼らはこれらの海域を自分のものだと考えている。ともかく、北朝鮮にかくも近いところでこういう実射訓練をすることにどんな意味があるのか。…北朝鮮側は、その被害妄想故に、(韓国の実射訓練によって)侵略が起こりつつあると判断したのかもしれないのだ。」

ブリーンの言う「もし北が韓国から5哩沖合で実射訓練をしていたら、それは毎度のことということにはならないだろう」ということは、私が上で述べたことと同じことだと思います。つまり、私たちは、韓国側の言い分はどんなに説得力がないことでも鵜呑みにしてしまい、その結果として、朝鮮が何故に今回かくも激しく反応したのかについて冷静に考えようとせず、朝鮮の「暴行」「挑発」と決めつけるということになってしまっているのではないでしょうか。そして冷静に読めば、韓国政府の主張そのものが、朝鮮側の言い分にはそれなりの理由があると判断するだけの重要な手がかりを提供しているということを、私としては指摘したいのです。


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