そして私は愛に帰る (On the another side) ドイツ語とトルコ語わからないけれど、脚本・映像が前作よりもずっといいな。この抽象さが好きですね。映画見てる!って言う感じ。全部わかるんじゃ映画見る意味ないじゃん。そういうと怒られるんだけど。さくらんぼのパイとか、うれたトマトとか、男らしさの大切さとか、ところところで、官能性の高いトルコ文化を象徴的にあらわしているように思う。一言で言えば、親と子のすれ違いについての映画ですね。普遍的です。
奇跡の海(breaking the waves) やっぱ、エミリー・ワトソンでしょう。いやあ、すごい演技だ。ここまでさらけ出しますか。すごい。私は、名前のせいで、いつもエマ・ワトソンと混同してしまいます。これ、昼顔の変種だね。ドヌーブが感銘を受けて、次作に出たというのがわかる。これも、抽象的だし、最後に男が救われるのは一緒だし、あの最後の鐘の音も、馬車の音と合わせているのかしら。でも、ブニュエルと違って、この監督本当に女性嫌いですね。暴力性がよりどぎつい。ブニュエルのは、もの、消費財にあふれているのに対して、この映画、主人公何にも持っていない。周りの人も、何にも持っていない。なんか、神の信仰だけって感じ。あんまり宗教学的なことはわからないのだけど、北ヨーロッパの冷たい気候と、さびしい荒廃したスコットランドの土地という背景が、この重い映画を余韻が深いものにしているように思う。