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Eggs of story -短編小説広場-コミュの月間企画【5月】三題噺【えん】「双子」「初めて」「キャラメル」

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いつもの空に 初めての街並み。
いつも泥だらけの君と 初めて手を繋ぎ。
いつも君の後ろをついていた僕は 初めて勇気を振り絞った。

理由はよく覚えていない。
お母さんに怒られたとか
その時は大事に思えた宝物をなくしてしまったとか
そんなところだと思う。

どちらが言い出したか

『帰りたくない』
『じゃあ、家出をしよう』

あの時はとてもドキドキしながら
君のあとを追いかけた。
これから凄い冒険が始まるのだと胸が高鳴っていたんだ。


それから数時間経ち
日は陰り、薄気味悪い雨雲さえ立ち込めてきた。
最初は意気揚々と前を歩いていた君も
帰り道が分からなくなったと気付いたあたりから弱々しく

「帰ろう…」

と、俯きながら呟くばかり。
そんな君の初めての表情に
多分、僕は酷い表情を向けてしまった。
君はびくりと震え、ひくひくと泣き出してしまう。
訳も分からず肩に触れると更にびくつかせてしまう。
その瞬間、君と僕の居場所が入れ替わってしまったのだと気付いた。

「帰ろう」

自分とは思えない位落ち着いた声が君に囁く。
頷く君を見つめ、手を取った。


僕らの大冒険も大人にとっては目と鼻の先出来事だったようだ。
帰り道を聞くつもりで交番のお巡りさんに声をかけたらパトカーで送ってもらえた。
時間にしてわずか20分。
冒険譚に酔いしれる間もなく見慣れた街並みが見えてきた。
ため息をつき、君の様子を見るとまだ俯いたまま。何の表情も読み取れない。
元の君に戻って欲しくて。元の居場所を取り戻したくてポケットを探る。
1個だけ出てきたそれを手に取り

「ねぇ。こっち向いて」

ゆっくりと見せた泣き顔に半ば強引に放り込む。

「美味しい?」

微笑むと君も無理矢理頬を歪める。
全然似てないと思っていた双子の泣き顔はまるで鏡を見るように弱々しく
何とも言えず、愛おしくなって髪を撫でた。

君の唾液で汚れた指を舐めると甘いキャラメルの味が拡がった。

コメント(1)

遅刻は重々承知でアップします。
手探りで子供時代を掘り起こしてみました。
あんまりうまくいったとは言えませんが・・・

ちなみにパトカー乗ったことあるのは実w・・・ん?だれか来たようだ

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