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Eggs of story -短編小説広場-コミュの月間企画【5月】RTリレー(宇宙)【えん】ソラの彼方から

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西暦2XXX年。
移民船ハーヴェスト。
母なる惑星を捨てざる得なかった人類は
新たなる大地を求め漆黒の海をさ迷っていた。

*******

「正面に次元の歪みを確認、規模これまでで最大です!」
指令室で状況を読み上げる女性。
「そいつだ!!それを待っていたぁ!」

指令室の一番高いところで男は今にも踊りだしそうな勢いだった。
「やりましたね、キリサキ艦長!」
あぁ、と女性の声に短く答えると、艦長と呼ばれた男は意気揚々と続ける。
「これより600セカンドで、次元の歪みに突入!」

ついに、ついに!
我々、人類が夢見た「アルカディア」へ!!

*******

「あなt…艦長!!ワープ空間に異変が!!」
『なにぃ!!!総員。時空震に備えろ!!』

時空震。それは次元の歪みに突入する際に、
0.02%の確率で起きる強力な振動波に船の舵を乗っ取られること。

起きる確率は限りなく低いもののゼロにはできない…。
また、起きてしまった時の死亡確率は99.8%……

奇跡でも起きない限り助からない、宇宙災害の一つである。

「チクショウ!!あと一歩でアルカディアだというのに!!」

激昂する艦長。
しかし揺れは次第に強くなっていく一方である。

「アルカディア…俺達にはまだ早いというのか…」

*******

「艦長。艦長起きてくださいったらっ」

「…ん、悪い。少し寝てしまったようだ。それと、もう艦長じゃないだろう?」

「あぁ、失礼しました。キリサキ大統領」

アルカディアにたどり着いて5年が過ぎた。
時空震の影響でハーヴェストが再び宇宙へと旅立つことは出来なくなってしまったが
運良くテラフォーム機能は十分に働き、再び人類は楽園を手にすることが出来た。

「ここは司令室でもないんだ。もっとそのなんというか…なぁ?」

「ふふっ分かっていますよ。あ・な・たっ」

自分で要求しておいて照れ臭くなり、頬を掻いた。
一面の砂浜に大海原。青空には飼育に成功したカモメが悠々と舞っている。

運良く。そう、我々は運が良かった。
テラフォームが成功したことではない。
時空震を生き延びられた事でもない。
彼らに見守り続けてもらえた。それこそが人類のもっとも大きな幸運なのだ。

砂浜の先には見上げるほど大きな記念像は我々を見下ろしていた。
赤と銀の巨人。
人語をしゃべれない彼らは今も何処かで我々を見守り続けてくれているころだろう。


『ヘウェアッ!!』

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